新潮文庫の検索結果

  • そして粛清の扉を

    そして粛清の扉を

    小説・文芸
    4.5
    1巻825円 (税込)
    荒れ果てた都内の某私立高校。卒業式の前日、あるクラスで女性教師が教室に立てこもり、次々と生徒を処刑しはじめた。サバイバルナイフで喉をかき切り、手馴れた手つきで拳銃を扱う彼女は教室を包囲していた警察に身代金を要求。金銭目的にしてはあまりに残虐すぎる犯行をいぶかる警察に対し、彼女はTV中継の中、用意された身代金で前代未聞のある「ゲーム」を宣言した。彼女の本当の目的は? 第1回ホラーサスペンス大賞を受賞した、戦慄の衝撃作。
  • 卒業

    卒業

    小説・文芸
    4.3
    1巻781円 (税込)
    「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが――。悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。著者の新たなる原点。
  • その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

    その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―(新潮文庫)

    2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事が世界を変えた。映画界で権力を誇る有名プロデューサーが、女優や従業員らに性的虐待を行ってきた衝撃の事実。報道の背景には、二人の記者による被害者への丹念な取材や加害者側との駆け引きがあった。その日を境に、女性たちは声を上げ始めた――。#MeToo運動を拡げたピュリッツァー賞受賞記事の内幕を描く調査報道ノンフィクション。
  • その橋まで(上)

    その橋まで

    小説・文芸
    -
    1~2巻715~770円 (税込)
    殺人犯として刑に服し、17年ぶりで娑婆に出てきた名本登。仮釈放を許され、自由の身になったとはいえ、彼は厳重な保護観察を受けなければならず、どんな微罪でも犯せば最後、たちまち刑務所に逆戻りだった。地道な木工職人として社会復帰の道を踏み出した彼には、しかし、ひょっとした成り行きから、婦女暴行殺人の容疑がかけられる……。犯罪者の更生の苦しみを描く問題作。
  • その日東京駅五時二十五分発

    その日東京駅五時二十五分発

    小説・文芸
    3.8
    1巻440円 (税込)
    ぼくは何も考えてない。ぼくは、何も何もできない。頑張って、モールス信号を覚えたって、まだ、空は燃えている――。終戦の日の朝、19歳のぼくは東京から故郷・広島へ向かう。通信兵としての任務は戦場の過酷さからは程遠く、故郷の悲劇からも断絶され、ただ虚しく時代に流されて生きるばかりだった。淡々と、だがありありと「あの戦争」が蘇る。広島出身の著者が挑んだ入魂の物語。
  • その街の今は

    その街の今は

    小説・文芸
    3.8
    1巻539円 (税込)
    ここが昔どんなんやったか、知りたいねん――。28歳の歌ちゃんは、勤めていた会社が倒産し、カフェでバイトをしている。初めて参加したのに最低最悪だった合コンの帰り道、年下の良太郎と出くわした。二人は時々会って、大阪の古い写真を一緒に見たりするようになり――。過ぎ去った時間やささやかな日常を包みこみ、姿を変えていく大阪の街。今を生きる若者の日々を描く、温かな物語。
  • そのマンション、終の住処でいいですか?(新潮文庫)

    そのマンション、終の住処でいいですか?(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.3
    1巻693円 (税込)
    有名建築家による一等地の中古マンション。誰もがうらやむその家はしかし、とんでもない欠陥住宅だった! 上手くいくはずの改修工事は新旧住民の様々な思惑が絡み合い、混沌の様相を呈していく。デザイナーズマンションに人生を振り回された人々の胸中にあるのは、幸福か、絶望か、見栄か、プライドか。誰もが身につまされる、終の住処を巡る大騒動。『おっぱいマンション改修争議』改題。
  • 背いて故郷

    背いて故郷

    小説・文芸
    3.3
    1巻913円 (税込)
    第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。だが成瀬は当直中に殺されてしまう。撮影済みのフィルムを奪われて。禁忌に触れてしまったとでもいうのか? 柏木は北の大地を餓狼の如き切実さで駆けめぐった。ただ真相に迫りたかったのだ。彼の前に立ちはだかるのは〈国家〉、そして――。日本推理作家協会賞受賞作。
  • 空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

    空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.4
    1巻605円 (税込)
    受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ……。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった――「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。
  • 空の怪物アグイー

    空の怪物アグイー

    小説・文芸
    3.9
    1巻737円 (税込)
    60年安保以後、その大きな影響下に書かれた“現代の恐怖”にかかわる一連の作品を収める。「個人的な体験」と同一の設定のもとにそれとは全く逆の結末を導き出し、共通のテーマをめぐる著者の文学的格闘をうかがわせる『空の怪物アグイー』ほか、「万延元年のフットボール」につながる『ブラジル風のポルトガル語』、核時代の苦いユーモア『アトミック・エイジの守護神』など7編。
  • それから(新潮文庫)

    それから(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻506円 (税込)
    長井代助は三十にもなって定職も持たず、父からの援助で毎日をぶらぶらと暮している。実生活に根を持たない思索家の代助は、かつて愛しながらも義侠心から友人平岡に譲った平岡の妻三千代との再会により、妙な運命に巻き込まれていく……。破局を予想しながらもそれにむかわなければいられない愛を通して明治知識人の悲劇を描く、『三四郎』に続く三部作の第二作。(解説・柄谷行人)
  • それでも俺は、妻としたい(新潮文庫)

    それでも俺は、妻としたい(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.3
    1巻737円 (税込)
    同棲から始まった結婚。あの頃はチカと毎晩抱き合っていた――。40歳を迎えたのにいまだに売れない脚本家の俺。家事や息子の保育園への送り迎えをこなしているのに、働きに出ている妻にゴミ扱いされ、セックスは「ヤダ」の一言で拒否される始末。だが俺はチカの巨乳に触れたいのだ。いじましい欲望。ちっぽけなプライド。そして、愛。男と女を笑いの渦に叩き込んだ傑作夫婦小説(ほぼ実録)。(解説・北上次郎)
  • それでも住みたいフランス

    それでも住みたいフランス

    ビジネス・実用
    3.3
    1巻638円 (税込)
    「フランス」と聞くとイメージする歴史ある芸術の数々、おしゃれなブランド品、豊かな食文化と芳醇なワイン……それらを支えているのは、華やかなばかりではないしたたかな国民性なのだ。パリ在住40年、見つめ続けたフランス人とお金の関係、日本とは異なる教育、長い長い夏休みとアートに満ちた生活。世界一気むずかしい人たちの、しなやかな精神《エスプリ》は、人生の極意満載。
  • それでも日々はつづくから(新潮文庫)

    それでも日々はつづくから(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.1
    1巻605円 (税込)
    まーまー好きな人と号泣しながら観た、まーまーな映画。観客6名のトークイベント。疲れると無性に顔を見たくなる友人。「好きな男ができた」と3回ふられた彼女からの最後の電話。明日からつづく日々も案外悪くないと思える、じんわりと効く栄養ドリンクのようなエッセイ集。大橋裕之氏のマンガとのコラボのほか、「締切」をテーマにした「考えるな、間に合わせろ」を文庫特典として収録。(解説・大槻ケンヂ)
  • それでも僕は東大に合格したかった―偏差値35からの大逆転―(新潮文庫)

    それでも僕は東大に合格したかった―偏差値35からの大逆転―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.3
    1巻880円 (税込)
    成績最下位でいじめられっ子で、将来に希望を抱けなかった「僕」に、担任が途轍もない提案をした。‘自分を変えたければ、東大を目指してみろ’と。その日から、初めての挑戦が始まった。高校3年で35だった偏差値は二浪して70、東大模試でもトップレベルに。そして合格発表までの8日間、これまで関わってきた人々と再会するなか、僕が気づいたこととは――。これは「僕」が経験した本当の話。(解説・渋谷牧人)
  • それは秘密の(新潮文庫)

    それは秘密の(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻605円 (税込)
    美容に狂う前妻と彼女を奪っていった男、なぜ二人は俺に会いに来るのか? なぜこんなに友人の母親が気になるのか? 隣室で虚ろで奇妙な音を出し続けるのは何者か? どうしてあんなに不出来な部下に惹かれるのか? なぜ暗闇で出会って顔も見えない彼女がこんなにも愛おしいのか? なぜ、なぜ……。愛とも恋とも言えない、不思議な感情――。心理描写の洗練を極めた珠玉の短編九編を収録。
  • ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン

    ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン

    小説・文芸
    4.2
    1巻539円 (税込)
    その否定的対話によって、既存の社会体制、道徳、宗教を盲信する保守的な人々から糾弾され、不当な死刑に処せられたソークラテースが、法廷で自己の所信を力強く表明する『ソークラテースの弁明』、脱獄のすすめを退け、国法を守って平常心のまま死を迎える彼が、法と正義について弟子と対話する『クリトーン』、毒薬をあおって刑死する彼の最期を語る『パイドーン』を収録する。
  • 憎悪の依頼

    憎悪の依頼

    小説・文芸
    3.6
    1巻781円 (税込)
    私の殺人犯罪の原因は、川倉甚太郎との金銭貸借ということになっている。――金銭のもつれから友人を殺害した男が刑の確定後に、秘められた動機を語る表題作。女性が失踪し、カメラだけが北海道でみつかった。死体は発見されず、容疑者の新進画家には堅牢なアリバイがある。巧みなトリックを生かした「すずらん」など、多彩な魅力溢れる全10編を収録した傑作短編集。
  • 象工場のハッピーエンド(新潮文庫)

    象工場のハッピーエンド(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻781円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 春が来るとジョン・アプダイクを思い出す。ジョン・アプダイクを読むと1968年の春を思い出す。ほんのちょっとしたことなのだけど、われわれの人生や世界観はそのような「ほんのちょっとしたこと」で支えられているんじゃないか、という気がする……。都会的なセンチメンタリズムに充ちた13の短編と、カラフルなイラストが奏でる素敵なハーモニー。語り下ろし対談も収録した新編集版。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

    雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻869円 (税込)
    “雑司ヶ谷の妖怪”こと、泰幸会教祖・大河内泰が死んだ。享年102。葬儀に参列するため中国から帰国した俺を待っていたのは、ババアが書き残した謎の遺書。教祖のイスと莫大な財産は俺の父親に譲るというが、親父ならとっくに死んでいる。ババアの魂胆は何か? 初代教祖の戦前戦後の過去と、二代目就任をめぐる抗争劇の現代が交錯する、衝撃の問題作「雑司ヶ谷」シリーズ第二弾。
  • 賊将

    賊将

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    幕末には〔人斬り半次郎〕と恐れられ、維新後はわが国最初の陸軍少将となり、最後は西郷隆盛をかついで西南戦争に散った快男児・桐野利秋を描いた表題作。10年に及ぶ戦乱に何らの力も発揮出来ない将軍・足利義政の苦悩を刻んだ直木賞候補作の中編「応仁の乱」。表と裏の顔を兼ね備えた人間という生き物のおかしみを捉えた「秘図」など6編。直木賞受賞直前の力作を集めた短編集。
  • 俗物図鑑(新潮文庫)

    俗物図鑑(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻858円 (税込)
    評論家だけの風変りな“梁山泊”プロダクション出現――盗聴、横領、出歯亀、放火などタブーとされる芸ばかりに秀でている彼ら俗物センセイは、一躍、マスコミの寵児にのし上がる。しかし、彼らの奔放な活躍ぶりは、次第に世間の良識という怪物の反撃に合い、両者の壮烈な戦いが開始された……。人間の隠された悪への欲望と破壊衝動を、豊かなパロディ精神と言葉の遊びで描き出す長編小説。 ※当電子版には文庫版掲載のカットは収録しておりません。ご了承ください。
  • 大尉の娘

    大尉の娘

    小説・文芸
    -
    1巻649円 (税込)
    暴徒のため父母を惨殺されたマリーは、相思の将校グリニョーフに危難を救われるが、のちに嫌疑をかけられシベリア流刑に処せられた愛人の赦免を求め、ペテルブルクに行き女王に決死の嘆願をする。エカテリーナ二世の治世に起ったプガチョーフの反乱を背景とし、歴史小説と家庭小説が巧みに融合した、19世紀ロシア・リアリズム文学の先駆的作品であり、プーシキン芸術の最高峰と言われる。
  • 太鼓たたいて笛ふいて

    太鼓たたいて笛ふいて

    小説・文芸
    4.4
    1巻605円 (税込)
    戦前、中国や南方の戦線に従軍し、「兵隊さんが好きです」と記して戦意高揚に尽した林芙美子は、敗色濃厚になると「キレイに敗けるしかない」と公言し、たちまち非国民扱いされてしまう。国家が求める「物語」に躍らされた芙美子は、戦後、戦争の実相を知り、戦争に打ちのめされた普通の日本人の悲しみを、ただひたすら書きつづけた――。『放浪記』で知られる作家の後半生をたどる評伝戯曲。
  • 大変だァ

    大変だァ

    小説・文芸
    -
    1巻726円 (税込)
    腑甲斐ない男どもの多い中に、塙剛太氏は男だ。家では〈風呂。メシ。寝る。〉の三語で万事を済ませる関白亭主。ところが娘の友達の軟弱な男子学生を鍛えようとした闇鍋会で、放射能を浴び性転換を起した鶏を食べてしまったから、さあ大変。言葉優しく胸は少女のようにふくらみ始め……。男性の女性化、女性上位、学園紛争など、現代の世相をアイロニカルに諷刺した痛快ユーモア小説。
  • TIMELESS(新潮文庫)

    TIMELESS(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻825円 (税込)
    うみは、ひとを好きになれない。アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。お互い恋愛感情をもたず、交配の約束だけして結婚した。やがてうみが妊娠するとアミは去り、父親不在のまま息子のアオは17歳になった――。高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ。人びとが結びつき織り成した時間の地層が、今生を生きる心の縁(よすが)となる、圧巻の長編。(解説・江國香織)
  • 太陽の季節(新潮文庫)

    太陽の季節(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻781円 (税込)
    女とは肉体の歓び以外のものではない。友とは取引の相手でしかない……退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびやかに反逆し、若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた「太陽の季節」。最年少で芥川賞を受賞したデビュー作は戦後社会に新鮮な衝撃を与えた。人生の真相を虚無の底に見つめた「灰色の教室」、死に隣接する限界状況を捉えた「処刑の部屋」他、挑戦し挑発する全5編。(解説・奥野健男)
  • 太陽の塔(新潮文庫)

    太陽の塔(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻649円 (税込)
    私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
  • 太陽・惑星(新潮文庫)

    太陽・惑星(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻649円 (税込)
    太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか? 金か、それともカネかーー。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、挙げ句の果てに太陽による錬金術が完成。ついには不老不死が実現する。バンザーイ!……なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。(解説・町田康)
  • 「大乱の都」京都争奪―古代史謎解き紀行―(新潮文庫)

    「大乱の都」京都争奪―古代史謎解き紀行―(新潮文庫)

    ビジネス・実用
    -
    1巻605円 (税込)
    なぜ荒地で水害が多く人が住みにくい京都に、桓武天皇は都を築いたのか? 平安京の誕生には、いくつもの謎が隠されている。旧体制の名門豪族と新興の藤原氏の対立、賀茂氏と秦氏の暗躍……。源平擾乱、応仁の乱、本能寺の変と常に争乱の中心であり、「日本と日本の王の形」を決めた平安京遷都には、ヤマト建国から続く因縁と恩讐の歴史があった。古代史の常識に挑む「紀行シリーズ」完結編。
  • たかが江川されど江川

    たかが江川されど江川

    人は「たかが野球」と言うかも知れない、だが僕にとっては「されど野球」だった――。かくも騒がれたあの「空白の一日」とは何だったのか。ユニークな父のこと、今も記憶に残るマウンドでの一球、そしてわが家族のこと……。不世出の投手江川卓が、その半生、短くも波瀾に満ちた九年のプロ野球生活を、華やかなスポットライトの届かなかった部分まで余すところなく語る。
  • 高虎と天海(新潮文庫)

    高虎と天海(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻737円 (税込)
    六尺二寸の巨躯にして全身に九十九の傷を持つ戦国屈指の荒武者・藤堂高虎。徳川家康を天下人と見定め家来として仕えることにした高虎は、関ヶ原合戦勝利祝賀の席で、その博識と器量を家康に認められた喜多院の僧侶・天海と共に天下安寧を目指す。島左近の暗躍、風魔対伊賀者の諜報合戦、魑魅魍魎渦巻く朝廷対策、そして大坂の陣。徳川幕府の礎を築いた二人の智略と交友を描く書下ろし小説。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

    鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻605円 (税込)
    女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。
  • 高みの見物

    高みの見物

    小説・文芸
    -
    1巻517円 (税込)
    海外放浪癖があり、“高級”ゴキブリを自称するわたしは、南洋漁業調査船に潜伏しているうち、なまけ者の船医、目玉医者の奇妙な言動に興味をそそられ、帰国する彼についてゆくことにした。彼の友人でヘチマのような顔をしたケチの食いしん坊、SF四文作家氏の家庭にも触手を伸ばしたわたしは、両家を往復しつつ、複雑怪奇な人間世界の“高みの見物”と洒落れこんだ……。
  • 宝島

    宝島

    死んだ老海賊の遺留品から「宝島」の地図を手に入れた少年ジム・ホーキンズは、医者のリヴジー先生や一本足の船乗りシルヴァーらと財宝を探しに孤島に向けて出帆した。ところが海賊どもの反乱が勃発。敵は十九名、ジムの味方は六名。息を呑む銃撃戦、恐怖の単独行の果て、ついにジムは宝のありかにたどり着くが……。読み継がれてきた不朽の冒険物語が鮮やかな新訳で待望の刊行。
  • たくさんのタブー

    たくさんのタブー

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    幽霊にささやかれ、自分が自分でなくなって、あの世とこの世がつながった。日常生活の背後にひそむ異次元に誘うショートショート20編。
  • 尋ね人

    尋ね人

    小説・文芸
    4.1
    1巻649円 (税込)
    五十年前に突然姿を消した恋人を探してほしい。末期ガンの母・美月からそう懇願された。将来を誓いあった東北大生だったという。東京で恋に破れ、故郷函館でひっそり暮らしていた李恵は母の願いに応え、男の行方を捜し始める。史上最大級の海難事故・洞爺丸遭難が、人びとの運命に打ち込んだ楔(くさび)とは。現代と過去、母娘の恋が交錯する。『海猫』『余命』を越えた、恋愛小説の最高峰。
  • 誰そ彼れ心中

    誰そ彼れ心中

    小説・文芸
    3.2
    1巻649円 (税込)
    夫の様子がなんだかおかしい。不審に思い始める妻に、従者の若者が、主の変化を問いかける。奇妙な振るまいの裏には何があるのか。この家にはなにか秘密があるらしい……。絶えず誰かに監視されているような婚家での生活に耐えつつ夫の謎を探るうちに、若い妻は思いもかけず本物の恋を知る――サスペンスフルな展開と、凛とした女の恋心に心揺さぶられる、新感覚の時代ミステリー。
  • 戦いの肖像

    戦いの肖像

    小説・文芸
    5.0
    1巻550円 (税込)
    欧州グランプリ・レース制覇で、栄光を勝ちとった水島哲夫は、不測の事故で引退したのち、マスコミや世間から消息を絶った。数年後、水島は一サラリーマンとなるが、その裏には恐るべき野望が隠されていた。緻密な計算の下に、現金輸送車、悪徳資本家からダイア研磨工場、米軍空母へと展開する大奪取作戦。その最終目標は何か……? 巨大なスケールで描く、長編アクション小説。
  • 戦う操縦士

    戦う操縦士

    小説・文芸
    3.3
    1巻605円 (税込)
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。
  • ただしくないひと、桜井さん(新潮文庫)

    ただしくないひと、桜井さん(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻605円 (税込)
    悪いと思いながら少女は母を蹴る。性欲のまま早熟な体を安売りする。死病に冒された女は夫ではない男に身を任せ、夫は当てつけのように女を買う。貞淑な祖母は孫を見捨て、清らかなはずの女は「一番愛している」からと悦楽に溺れていく。口には出せないたくさんの秘密。それは他人の痛みに手を差し伸べる“桜井さん”の中にもあった。R-18文学賞読者賞作を含む、日常への裏切りに満ちた連作集。(解説・彩瀬まる)
  • 立ち盡す明日

    立ち盡す明日

    小説・文芸
    4.0
    1巻330円 (税込)
    一流銀行の調査部員・佐室孝策の家に、妻・聡子の従妹・由希子が同居することになり、ふとした出来事から、由希子は孝策に愛を感じ始める。それは、稚い愛ではあったが、十分に、家庭崩壊の危機をはらむものであった――。知識人の胸の奥に巣くう虚無と孤独の心と、それらゆえの愛の挫折とを、明晰かつ抒情的な文体で描きあげた、『されどわれらが日々――』に続く長編第二作。
  • 立原正秋

    立原正秋

    小説・文芸
    4.0
    1巻605円 (税込)
    独自の美学に貫かれた華やかな作家活動の背後に、秘められた二重の生涯があった……。日韓の狭間に生きた五十四年間に、六つの名前を持ち、年譜さえも虚実とりまぜて自ら創作せざるを得なかった、孤独な苦闘の軌跡。生れながらの日本人以上に日本人になろうとした、人間・立原正秋の哀しいまでに必死な生と死を、克明かつ友愛をこめて照らしだした画期的評伝。第33回毎日芸術賞受賞。
  • 辰巳八景(新潮文庫)

    辰巳八景(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    手をつないだわけでもない。好き合っていたのかもわからない。それでも祝言を挙げると知ったあの時、涙がどうしても止まらなかった……。遠い日の思い人と再会する女性の迷いと喜びを描く「やぐら下の夕照」。売れない戯作者がボロ雪駄の縁で一世一代の恋をする「石場の暮雪」。江戸深川の素朴な泣き笑いを、温かで懐かしい筆が八つの物語に写し取る。著者の独擅場、人情の時代短編集!(解説・縄田一男)
  • 縦糸横糸

    縦糸横糸

    小説・文芸
    3.5
    1巻627円 (税込)
    酒鬼薔薇聖斗、和歌山カレー事件、オウム真理教、新潟少女監禁事件、自殺者の増加、引きこもり──日本人の生活は豊かに、快適になったが、〈心〉はその変化に対応できず、多くの問題が生じてしまった。効率を追い、結論のみを急ぐ現代社会は、育児や教育には不向きだ。欲望を満たしても幸せにはなれない。ではどうすればいいのか。〈心〉の専門家から、困難な時代を生きる私たちへの提言。
  • 蓼喰う虫

    蓼喰う虫

    小説・文芸
    -
    1巻539円 (税込)
    全てにおいて完璧だと思って結婚した女なのに、なぜ妻という立場になると、欲情しなくなるのだろう……。セックスレスが原因で不和に陥った一組の夫婦。夫は勝手気儘に娼婦を漁り、片や妻は夫公認の間男の元へと足繁く通う日々を送る。関係はもはや破綻しているのに、子供のことを考えると離婚に踏み切れない。夫婦を夫婦たらしめるものは一体何か。著者の私生活を反映した問題作。
  • 田辺聖子の恋する文学―一葉、晶子、芙美子―

    田辺聖子の恋する文学―一葉、晶子、芙美子―

    小説・文芸
    4.5
    1巻473円 (税込)
    貧しさにあえぎながらも、一途に恋心を守り抜いた樋口一葉。燃えるような愛憎を作品に注ぎ込んだ与謝野晶子。〈俳人〉と〈主婦〉、二つの己に引き裂かれた杉田久女……。女性の地位が低かった時代、明治生まれの作家たちは創作への情熱と、愛や生活の狭間でもがき続けていた――。恋愛小説の名手がたおやかに語る、五人の女性文学者の作品と生涯とは。『続 田辺聖子の古典まんだら』改題。
  • 谷崎潤一郎を知っていますか―愛と美の巨人を読む―(新潮文庫)

    谷崎潤一郎を知っていますか―愛と美の巨人を読む―(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻935円 (税込)
    「お前さんは真先に私の肥料(こやし)になったんだねえ」――『刺青』で鮮烈な文壇デビューを果たし、『痴人の愛』『卍』『細雪』と名作を多く遺した谷崎潤一郎。性の不一致を理由に妻を友人に譲渡、義妹といかがわしい交際をする等、私生活は世間の大顰蹙を買う一方、飽くなき妄執を巧みな筆致と見事な日本語で描き出した作品は耽美の極みと絶賛される。公私共に異常に乱れた巨匠の文学世界を徹底解説。(解説・たつみ都志)
  • 谷間の百合

    谷間の百合

    小説・文芸
    4.2
    1巻935円 (税込)
    充たされない結婚生活を送るモルソフ伯爵夫人の心に忍びこむ純真な青年フェリックスの存在。彼女は凄じい内心の葛藤に悩むが……。
  • 田沼と蔦重(新潮文庫)

    田沼と蔦重(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.0
    1巻737円 (税込)
    次々とヒット作を生み出し出版界の寵児となった蔦重こと蔦屋重三郎。老中の田沼意次を庶民の理解者と評価する重三郎は文化人たちと築いたネットワークを駆使し、田沼のため情報収集に奔走することに。一方、獄死と偽り田沼邸に匿われていた平賀源内は、幕府財政再建を図るべく夷地の富に目を付けた意次の意を受け北に向かう。型破りで「べらぼう」な男たちを描く書下ろし長編歴史小説。(解説・木村行伸)
  • 旅のつばくろ、ふたたび―飛び立つ季節―(新潮文庫) 電子オリジナル版

    旅のつばくろ、ふたたび―飛び立つ季節―(新潮文庫) 電子オリジナル版

    小説・文芸
    3.7
    1巻605円 (税込)
    私は、またひとつ、旅をしたい土地が増えたことを喜んだ――。世界中を旅してきた著者が、心の声を聴き、気の向くままに日本全国を巡る。初めての一人旅で訪れた男鹿半島、小泉八雲に思いを馳せながら歩いた松江、吉永小百合と語り合った伊豆。近所での意外な発見から遠く福岡で過ごした特別な一日まで、見て聞いて歩き、そして綴った追憶の旅エッセイ。『飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版』改題。〈電子オリジナル版〉は沢木耕太郎撮影の写真が収録されています。
  • 食べる女―決定版―(新潮文庫)

    食べる女―決定版―(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻693円 (税込)
    おいしいものを食べているときと、いとしいセックスをしているとき、女は一番幸せになれる。台所で立ったまま生玉子かけごはんをすする自由。深夜のラーメン屋で相席になった男とのラブアフェア。恋人の裏切りを知った後に食べるチーズの官能。逝ってしまった大切な人たちを想いつつ縁先で傾ける日本酒と肴。味覚と心を研ぎ澄まし、人生の酸いも甘いも楽しむ女たちを祝福する、美味なる短編集。
  • 魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

    魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

    未曾有の災害で愛する者に突然死なれ、絶望の淵に立たされた人々の心を救ったのは、奇跡としかいいようのない体験だった。布団に入ってきた夫を「抱いてあげればよかった」と悔いる妻。階上の息子の足音を聞く母。死亡届を書いている時に兄からメールを受け取った妹。それは夢だったのか、幻なのか――。再会を願う痛切な声と奇跡を丹念に拾い集めた感動のドキュメンタリー、待望の文庫化。
  • 魂に秩序を(新潮文庫)

    魂に秩序を(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,705円 (税込)
    わずか2年前、アンドルーは多重人格者の魂の代表として26歳にして“誕生”し、魂たちの共存のため奮闘していた。ある日、殺人犯を事故死へ追い込んだことで、自分が継父を殺害したのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、同じ障害をもつ女性ペニーと故郷へ向かうが、自身の隠された秘密だけでなく闇の魂からの脅威にも晒され……。あらゆるジャンルを包み込む物語の万華鏡!(解説・霜月蒼)
  • 玉椿物語

    玉椿物語

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    近江の名門の家柄に生れながら、北辺の小国、若狭の武田元明に嫁いだ京極竜は、白玉椿にも比すべき匂うような美貌の持主であった。元明との生活は幸せだったが、しかし、群雄にはさまれた武田家の衰運はおおうべくもなく、ついには居城も領国も失った夫に従い、敵国の越前へ流浪する身となる……。若狭武田が亡び、一乗谷が落城する干戈騒乱の世に、愛といくさの怒濤を描く雄編。
  • 玉虫と十一の掌篇小説

    玉虫と十一の掌篇小説

    小説・文芸
    3.9
    1巻539円 (税込)
    男はもうここに戻ってくることはないだろうと女は思った――。三年間、食事をともにした男との永遠の別離を描く「食卓」他、恋によって炙り出される男と女の孤独が、かなしさとせつなさを孕んでゆらめく十一篇。短篇よりも短い「掌篇小説」には、小さく切り取られているがゆえの微妙な宇宙が息づき、無限の時間へと読む者を誘う。長篇よりもいっそう濃密な闇と静謐な光を湛えた作品集。
  • たまゆら(新潮文庫)

    たまゆら(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻693円 (税込)
    人の世と山との境界に、夫の伊久男とひっそり暮らす老女、日名子。雪の朝、その家を十八歳の真帆子が訪れた。愛する少年が、人を殺めて山に消えたのだという。彼を捜す真帆子に付き添い、老夫婦は恐ろしい山に分け入ることに。日名子もまた、爛れるほどの愛が引き起こしたある罪を、そこに隠していたのだ──。山という異界で交錯する二つの愛を見つめた物語。島清恋愛文学賞受賞。
  • ため息の時間

    ため息の時間

    小説・文芸
    3.6
    1巻605円 (税込)
    愛したことが間違いなんじゃない。ただ少し、愛し方を間違えただけ──。完璧に家事をこなす妻を裏切り、若い女と浮気する木島。妻が化粧をするのを許さなかった原田。婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股をかけた洪一。仕事のために取引先の年上女性に近づく孝次…。裏切られても、傷つけられても、性懲りもなく惹かれあってしまう、恋をせずにいられない男と女のための恋愛小説9篇。
  • 樽とタタン(新潮文庫)

    樽とタタン(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻605円 (税込)
    今から三十年以上前、小学校帰りに通った喫茶店。店の隅にはコーヒー豆の大樽があり、そこがわたしの特等席だった。常連客は、樽に座るわたしに「タタン」とあだ名を付けた老小説家、歌舞伎役者の卵、謎の生物学者に無口な学生とクセ者揃い。学校が苦手で友達もいなかった少女時代、大人に混ざって聞いた話には沢山の“本当”と“噓”があって……懐かしさと温かな驚きに包まれる喫茶店物語。(解説・平松洋子)
  • 短歌と俳句の五十番勝負(新潮文庫)

    短歌と俳句の五十番勝負(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻605円 (税込)
    荒木経惟、北村薫、谷川俊太郎、壇蜜、又吉直樹、中江有里、柳家喬太郎……。作家、詩人はもちろん、写真家、女優、タレント、芸人から、出版社社長、編集者、書店員、牧師、小学生まで。様々な職業の五十人から寄せられたお題で、歌人穂村弘と俳人堀本裕樹が真っ向勝負! 気鋭の二人は多彩なお題をどう詠むか。それぞれの短歌と俳句を自由に読み解く愉しみを綴るエッセイを各編に収録。(解説・壇蜜)
  • 丹下左膳(一)

    丹下左膳

    小説・文芸
    -
    1~4巻550~825円 (税込)
    名奉行大岡越前守が治安を預かる大江戸。神変夢想流大試合の一夜、不慮の災いから所有主の許を離れた大小二口の妖刀――分ければ災いたちまち下り屍山血河を築き、互いに慕いあって夜毎に啜り泣くという宿業の乾雲丸、坤竜丸。大は怪剣士丹下左膳の、小は諏訪栄三郎の手に渡り、それを狙って諸国の剣客、美女、妖婦らが卍となって血の雨降らす……。
  • 丹後 殺人迷路

    丹後 殺人迷路

    小説・文芸
    2.8
    1巻539円 (税込)
    深夜、十津川警部の電話が鳴った。妻を殺し最近出所した男からだった。死んだはずの妻を見たという。同日、電話の男が殺され、現場に次の殺人を予告する血文字〈文殊に聞け!〉が残されていた。十津川は丹後に急ぐが、予告通り男が射殺され、凶器の指紋から、ライフルのオリンピック選手が浮上する。だが、彼は昨年焼身自殺していた……。死者が絡む奇怪な予告殺人を描く長編ミステリー。
  • 探偵事務所23

    探偵事務所23

    小説・文芸
    -
    1巻550円 (税込)
    都心の一角に私立探偵事務所を構える田島英雄は、公安委員会から拳銃の所持を許された数少ない民間人のひとりだ。腕は極めつきだが、仕事のやり方は強引で荒っぽい。こんど警視庁捜査一課長からひそかに依頼されたのは、密輸業者たちの上前をはねている一味の組織に囮として潜入してくれ、というものだった。拳銃使用の黙認を条件に仕事を引きうけた田島は……。連作痛快譚6編。
  • みちづれ 短篇集モザイクI

    短篇集モザイク

    小説・文芸
    4.5
    1~3巻561~638円 (税込)
    宝石のような短篇を百篇綴り、壮麗なモザイクに組上げる、著者独創の連作シリーズ第一巻。青函連絡船から海峡へ花束を投じる男に、見知らぬ女の視線がからむ表題作。四十近くなった娘が幻の父と対面する、その一瞬の情愛がせつない川端賞受賞作「じねんじょ」、寝静まった家に、夜毎すすり泣きの声が響く「すみか」など、僅か数ページに封じこまれた人の世の怖れと情味。
  • たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)

    たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻781円 (税込)
    取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。夢の中で主演の少年、ワタルくんに出会ったことをきっかけに、杏奈と祖父、そして住民たちは、団地をめぐる時空を超えた冒険に巻き込まれて――。大人たちが生きた過去への憧憬と、未来へ向かう子どもたちへの祝福に満ちたミラクルストーリー。『たんぽぽ団地』改題。
  • ターン(新潮文庫)

    ターン(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.9
    1巻781円 (税込)
    真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。(解説・川上弘美)
  • 大黒屋光太夫(上)

    大黒屋光太夫

    小説・文芸
    3.9
    1~2巻693~737円 (税込)
    天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。
  • 大黒屋光太夫(上下)合本版(新潮文庫)

    大黒屋光太夫(上下)合本版(新潮文庫)

    小説・文芸
    -
    1巻1,430円 (税込)
    天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。 ※当電子版は新潮文庫版『大黒屋光太夫』上下巻をまとめた合本版です。
  • だいこんの花(前)

    だいこんの花

    小説・文芸
    -
    1~2巻1,265円 (税込)
    元海軍大佐・巡洋艦艦長の永山忠臣は、14年前に妻の繁子に先立たれていまは、雑誌「女性時代」の編集者である彼の倅・誠(次男坊)と男ふたり暮らし。忠臣の良き友は、元部下の源助・石川酒店の店主、京太郎・小料理屋「日高」の主人。誠は比呂子にプロポーズの気配。お妃教育は元部下の家族に頼まなければと忠臣も落ちつかない。しかし大失恋。その真相を知った忠臣の目に涙……。
  • 大好きな人、死んでくれてありがとう(新潮文庫)

    大好きな人、死んでくれてありがとう(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.4
    1巻693円 (税込)
    解散した男性アイドルグループの一員、南田蒼太が何者かに殺された。北海道Y市の廃ホテルで、めった刺しの遺体で発見されたのだった。メディアは騒ぎ立て、警察は地道な捜査を開始する。事件当夜に南田と会った同じ職場のパート女性、グループの元メンバーたち、十代で孤児となった南田を引き取った伯母とその娘……。誰もが昏い秘密を抱えるなか、驚愕のラストが待ち受ける傑作ミステリ。(解説・齋藤明里)
  • 代替医療解剖

    代替医療解剖

    ワシントンは血を抜かれすぎて死んだ。瀉血が信じられていたからだ。壊血病患者は重労働を課された。ビタミンCが未知だったために。ナイチンゲールの登場以降、医療効果を科学的に測定しようという試みは、2000年代、ついに代替医療へと──。鍼、カイロ、ホメオパシー他の最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに語られる、代替医療の真実。『代替医療のトリック』改題。
  • 大地のゲーム

    大地のゲーム

    小説・文芸
    3.1
    1巻506円 (税込)
    二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオン煌めく明るい夜を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い、大学の校舎で寝泊まりを続ける学生たちは、カリスマ的〈リーダー〉に希望を求めるが……極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
  • 大本営が震えた日

    大本営が震えた日

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻880円 (税込)
    昭和16年12月1日午後5時過ぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着した可能性が強い。もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。太平洋戦争開戦前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント。
  • ダイヤモンドの四季

    ダイヤモンドの四季

    小説・文芸
    3.0
    1巻330円 (税込)
    ダイヤモンドでの出来事に写しとられた、様々な喜びと悲しみ――。古ぼけたファーストミットに死んだ兄の青春を辿る少年、ホームプレートに戦災で失くした家と家族への思いを重ねる老審判など、生涯の四季それぞれを迎えた人々の姿を描く表題作ほか、「一球譚」「夏の日の巡礼」の全3編を収録。一投一打に宿った記憶が、いつしかそれぞれの人生への優しいオマージュを語り始める。直木賞作家による珠玉の作品集。
  • 第四間氷期(新潮文庫)

    第四間氷期(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻781円 (税込)
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 蛇蠍のごとく

    蛇蠍のごとく

    小説・文芸
    -
    1巻957円 (税込)
    娘が、親の知らぬまに妻子ある男性とマンションを借りていた。突然来たダブルベッドの配送確認からそれを知った父親は、早速マンションに乗込むが……。度々の衝突、葛藤、懊悩の果て、父親は、蛇蝎のように憎んでいた相手の男に奇妙な共感と友情を抱くようになる。男が誰でも自分の中に飼っている一匹の“虫”をめぐり、一つの事件の顛末を克明に描いた表題作など全6編を収録する。
  • 脱スマホ脳かんたんマニュアル(新潮文庫)

    脱スマホ脳かんたんマニュアル(新潮文庫)

    集中力が続かない。時間の使い方がヘタ。いつも寝不足。原因は、もしかしたらスマホにあるのかも。スマホを使っているとき、脳には一体何が起きている?――勉強しているときスマホを隣の部屋に置くと効率アップ。何かを覚えるときはタブレットではなく紙で読もう。睡眠が記憶を定着させる。SNSを使いすぎると幸福度が下がる? 知っておけば絶対安心、スマホとかしこく付き合うための本。
  • ダブルオー・バック

    ダブルオー・バック

    小説・文芸
    4.5
    1巻440円 (税込)
    シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウィンチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方――自分の射撃スタイルに最後まで固執した選手、一人前の男として生きる姿勢を身をもって息子に教えた父、悪徳養豚業者と闘う陽気なマスター、スパイらしき男と闘争を余儀なくされた老人。銃が人を巡り、生みだされた四つの切ない物語。ハードボイルド連作短編。
  • 欺す衆生(新潮文庫)

    欺す衆生(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,210円 (税込)
    戦後最大の詐欺集団、横田商事。その崩壊を目撃した隠岐隆は同じく元社員の因幡充に勧誘され、嫌々ながら再び悪事に手を染める。次第に才能を開花させる隠岐。さらには二人の成功を嗅ぎつけ、経済ヤクザの蒲生までもが加わってきた。口舌で大金を奪い取ることに憑かれた男たち。原野商法から海外ファンドにまで沸騰してゆく遊戯の果てに見えるのは光明か地獄か。山田風太郎賞受賞の犯罪巨編。(解説・酒井貞蔵)
  • ダメージ―そこからはじまるもの―

    ダメージ―そこからはじまるもの―

    小説・文芸
    3.7
    1巻484円 (税込)
    「まず、傷ついている自分を認める。どんなに好きな人であっても、傷ついて泣いている自分を受け容れること――」。女性の心理を書かせたらピカイチの著者が、あなたを慰め、叱り、元気づける。20代の女性なら誰もが抱える恋愛や友情、人生の悩みに、乃南さんが真摯に向き合って語りました。エッセイのようにも小説のようにも読める、そんな深い味わいが魅力の傑作モノローグ集。
  • 堕落論

    堕落論

    小説・文芸
    4.1
    1巻572円 (税込)
    単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい――誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。
  • 断崖、その冬の

    断崖、その冬の

    小説・文芸
    3.5
    1巻484円 (税込)
    西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
  • 談志が死んだ

    談志が死んだ

    小説・文芸
    3.6
    1巻572円 (税込)
    その死は弟子たちにも伏せられていた。立川談志、享年七十五。この不世出の落語家に入門したのは十八歳の春だった。それから四十年近く惚れ抜いた師匠から突然の破門宣告。「てめえなんざクビだ」。全身が震えた。怒りの理由が分らない。振り回され、腹を立て、やがて気づいた。大変だ。壊れてるんだ、師匠は――。偉大な師匠(おやじ)の光と影を古弟子(せがれ)が虚実皮膜の間に描き尽す傑作長篇小説。
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

    ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.7
    1巻561円 (税込)
    美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて……。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか? 巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界!
  • 団欒

    団欒

    小説・文芸
    3.5
    1巻539円 (税込)
    なぜ自分にこの親、この兄弟姉妹なのか。いつもやたらとベタベタしているのに、実はバラバラだったりする。「家族」って、よくよく考えてみれば、ヘンなものだと思いませんか? この本には、なかでもきわめつけのヘンな家族が登場します。深夜、息子がいきなり彼女の死体を連れて帰ってきたり、夫婦の寝室に「ママ」がいたり……。これに比べれば、お宅はまだまだ大丈夫でしょう?
  • 小さいころに置いてきたもの(新潮文庫)

    小さいころに置いてきたもの(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.6
    1巻737円 (税込)
    イチローの試合を見るため、ヤンキー・スタジアムでのナイター初観戦。ヨン様の姿を見ようとトライしたパチンコ。ハワイでのナンパ……トットちゃんの周りには、面白エピソードが溢れている。一方、多くの人を見送った。渥美清、久世光彦、森茉莉、赤塚不二夫らとの想い出。『窓ぎわのトットちゃん』に書けなかった秘密、ユニセフの活動で出会った子どもたちへの願いを綴るエッセイ。(解説・笹本恒子)
  • 小さいときから考えてきたこと(新潮文庫)

    小さいときから考えてきたこと(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.2
    1巻693円 (税込)
    授業中にちっともじっとしていられなくて、どうやらLD(学習障害)だった(?)子供時代。ロボット犬グレーちゃんとの愉快なテレビ出演、沢村貞子や渥美清等かけがえのない人々との出会い、そしてユニセフの親善大使としてコソボやアフガニスタンの子供たちに出会ったときのこと。どんなときも「ほんとうの幸せ」を考えてきたトットちゃんの言葉が心にあたたかく響くエッセイ。(対談・なかにし礼)
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み

    小さき者へ・生れ出づる悩み

    小説・文芸
    3.8
    1巻506円 (税込)
    妻を失い、新しく芸術に生きようとする作家の覚悟と、残された小さき者たちに歴史の未来をたくそうとする父性愛にあふれたある夜の感想を綴る『小さき者へ』。“君”という語りかけで、すぐれた画才をもちながらも貧しさゆえに漁夫として生きなければならず、烈しい労働と不屈な芸術的意欲の相剋の間で逞しく生きる若者によせた限りない人間愛の書『生れ出づる悩み』の2編を収める。
  • ちいさこべ

    ちいさこべ

    小説・文芸
    3.9
    1巻825円 (税込)
    江戸の大火ですべてを失いながら、みなしご達の面倒まで引き受けて再建に奮闘してゆく大工の若棟梁の心意気がさわやかな感動を呼ぶ表題作、藩政改革に奔走する夫のために藩からの弾圧を受けつつも、真実の人間性に目を見ひらいてゆく健気な女の生き方を描く『花筵』、人間はどこまで人間を宥しうるかの限界に真正面から挑んだ野心作『ちくしょう谷』など、中編の傑作4編を収録する。
  • 小さな貴婦人

    小さな貴婦人

    小説・文芸
    3.5
    1巻385円 (税込)
    死んでしまった猫〈雲〉を愛惜する夢想的で自閉的な中年女性〈私〉、「猫の殺人」という童話を書く年老いた女流詩人G、そして優しくも威厳に満ちた猫たち――。悪意に満ちた外界に傷つけられる繊細な存在の交感を詩的散文に結晶させた、優雅で奇妙な連作小説集。「猫の殺人」「雲とトンガ」「赤い花を吐いた猫」「窓辺の雲」「小さな貴婦人」の5編を収める。表題作で芥川賞を受賞。
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

    チェレンコフの眠り(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻649円 (税込)
    猫のまたぐらよりも暑い夏の日、マフィアのボス、チェレンコフは、武装警官隊に襲撃され、殺された。独り残されたペットのヒョウアザラシのヒョーは、空腹に耐えかね、アザラシ専用ゴルフカートに乗り、荒廃した外の世界へ飛び出す――。ヒョーのつぶらな瞳に映る、汚染された土地、プラスチックの雨、そして奇妙な人々……。唯一無二の読後感、ユーモアと悲哀に満ち溢れた、不条理で美しい、旅の物語。(解説・大森望)
  • チェーホフの手帖

    チェーホフの手帖

    小説・文芸
    -
    1巻440円 (税込)
    「手帖」は、チェーホフの円熟期に当る一八九二年から一九〇四年まで、また「日記」は、一八九六年から一九〇三年まで、そして「題材・断想・覚書・断片」も、ほとんど同時期のもの。いずれも幾多の名作を、その背景に持っており、生の小さな出来事や、生のありのままの姿を具体的に捉え、具体的に表現することを信条とする巨匠の、楽屋裏ともいうべき、整然と丹念な私録である。
  • 地下室の手記

    地下室の手記

    小説・文芸
    4.3
    1巻770円 (税込)
    極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。
  • 地下水路の夜(新潮文庫)

    地下水路の夜(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.8
    1巻781円 (税込)
    銀座の地下を流れる水路で、絵本を読み聞かせる美女に出会った少年の日。あれは全部、夢だったのか? 本を人生の友とする男の芳しき幻想譚(「地下水路の夜」)。死んだ少女に捧げる奇妙な言辞。そのリフレインが巻き起こす摩訶不思議な出来事とは(「朗読者」)。源氏物語、ギリシャ神話、夢十夜。短編の名手が古今東西の名作と共に、あなたを不思議な世界へと誘う。全ての本好き(ブッキッシュ)に贈る12の物語。
  • 地球星人(新潮文庫)

    地球星人(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.5
    1巻737円 (税込)
    恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。(解説・小林エリカ)
  • ちぎれた夜の奥底で(新潮文庫)

    ちぎれた夜の奥底で(新潮文庫)

    小説・文芸
    4.0
    1巻605円 (税込)
    業績悪化に苦しむ損保代理店課長の田口(42)は、法人契約をまとめた部下の千咲(32)と寝てしまう。彼女には社内結婚した年下の夫がいた。危ういダブル不倫は爛れてゆく。深夜のオフィスや屋上での交接、ウリセンボーイとの乱交。その度に千咲の知的な美貌は羞恥に歪んだ。刹那の快楽こそが救いだった。だが快感に溺れ切った田口の心は、やがてちぎれていく……。官能ノワール長編。
  • 千曲川のスケッチ(新潮文庫)

    千曲川のスケッチ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻605円 (税込)
    明治三十二年四月、詩集「若菜集」などにより、すでに新体詩人として名声を得ていた藤村は、教師として単身、信州小諸へ赴いた――。陽春の四月から一年の歳月、千曲川にのぞむ小諸一帯の自然のたたずまい、季節の微妙な移り変わり、人々の生活の断面を、画家がスケッチをするように精緻に綴った「写生文」。「詩から散文へ」と自らの文学の対象を変えた藤村の文体の基礎を成す作品。(解説・平野謙)
  • 血腐れ(新潮文庫)

    血腐れ(新潮文庫)

    小説・文芸
    3.6
    1巻693円 (税込)
    亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹(「魂疫」)。縁切り神社で行われる“儀式”(表題作)。忌まわしき伝承を持つ鐘が鳴るとき(「声失せ」)。原因不明の熱に苦しむ息子に付き添う私に近づいてきた女(「影祓え」)。身近な者の災難や死が切り裂いた日常。煉獄の扉を開くのは、無念を抱く冷たい死者か、あなたの傍らで熱を放つ家族か。禁忌を踏みこえた先に見える真相。戦慄のホラー・ミステリー短編集。(解説・杉江松恋)
  • 地上最強の男―世界ヘビー級チャンピオン列伝―(新潮文庫)

    地上最強の男―世界ヘビー級チャンピオン列伝―(新潮文庫)

    ボクシングのヘビー級チャンピオン。彼らは地上最強の男であると同時にアメリカの近代史を動かす存在でもあった。圧倒的な強さを誇り白人社会を挑発したジャック・ジョンソン、国を背負って闘い黒人の地位を引き上げたジョー・ルイス、そしてベトナム戦争をめぐり反権力の象徴となったモハメド・アリ……26人の王者たちの栄光と悲哀を追いながら、彼らが生きた時代をも活写する感動の巨編。(解説・宮崎正博)
  • 痴情小説

    痴情小説

    小説・文芸
    3.0
    1巻385円 (税込)
    岡山弁で「いじる」は「いらう」、「舐める」は「ねぶる」――。洗面台に手を突かせると、背後から真っすぐ硬くなっているものを尻の割れ目に押しつけてきた。男は女の耳たぶを噛みながら囁く。「結婚しちゃる。じゃけん、もう一人の男とは別れるんじゃで」――男は執拗にいらい、女は必死にねぶる……そこに恐怖を潜ませながら。官能と恐怖。ふたつが混ざり合ったときそこには究極のエロスの世界が開かれる。著者だけが探り当てたエロスの最奥13編。

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