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不倫? 倫理が何かは自分で決める――。35歳の和泉桃子は当代随一の料理研究家・沢口喜久江の助手を務めつつ、彼女の夫・太郎と付き合っている。「人の夫を寝盗ること」を趣味とする桃子だったが、喜久江を心から尊敬してもいる。一方の喜久江は、太郎の女癖を受け流すのが常だったが……。“lover”と“wife”と“husband”三者の視点で語られる「危険な関係」の行方は。極上の詠美文学!(解説・平松洋子)
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Posted by ブクログ
そもそも。今から〇十年前、絵のない物語の醍醐味を知るきっかけになったのも、こちらの著者でしたから。 いや~。流石っす‼ポンちゃん‼ あれから、年月が経ち。 これまで読んできた彼女の小説に登場した女性たちが綴っていた想いも、多少なりとも経験した上で、今この本を読んで良かったと思えた一冊でした。
久しぶりに小説を一気読み。 高校生の時から山田詠美大好き。 そして40を超えたからこそ読み応えがあったこの小説。登場人物の3人ともに、わかるよその気持ち、となった。 若い頃はモモのような女性に憧れたけど、今は喜久江のような女性に惹かれる。そしてそんな2人に心底愛されている太郎はうだつが上がらなくて...続きを読む、小心者で、自分は何者でもないのに喜久江からもモモからも愛されることをなんの疑いもなく享受している図々しい男!でも言い表せないオスとしての魅力があるんだろう、詠美先生の作品の中の登場人物だから。 これを映画化したらだれが太郎を演じてくれるのかなー、と頭をよぎった。 大泉洋がもう少しだらしない体になったようなイメージ。笑 最近自己啓発本と実務書ばかり読んできたけど、こういう洒落たやりとりが楽しめる詠美先生の他の作品も読みたいと思った。
普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。 山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした...続きを読む!
久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。 言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。 やはり私は作者の作品が好きだと思った。
最初の一文のインパクト。 ネジの外れた破天荒な人間が出てくる感情移入できない物語かと思いきや、登場人物全員にそれぞれ(彼らの中では)筋の通った倫理観があり、倫理とは何かを考えさせられた。 不倫の話なので、潔癖な人には向かないと評されるかもしれないが、自分が体験できないからこそ物語の中で追体験する価値...続きを読むはあると思う。読後感含めわたしはとても好きな話だった。
不倫のお話ですがドロドロした描写はなくて、lover、wife、husbandと当事者目線で語られるので淡々と読み進めることができました。自分が当事者だったら喜久江のように受け流すことはできないけど、最後の結末には作品のタイトルが回収された感じで作品として楽しめました。
不倫を扱った小説なので、人間関係における泥臭い部分が見えると期待していましたが、予想以上のものを見れたと思います。三角関係にあるそれぞれの主観が各章で見れるため、面白いですし、何よりユーモアが溢れていると思いました。 桃子の考え方や会話の返しなどが非常に面白く、解像度の高い描写が多く、予想外の所...続きを読むで楽しませて頂きました。
不倫の三角形を形作る、愛人・妻・夫それぞれの視点からの日記風な文章で構成される小説。不倫もののドロドロや、どうなるんだろう?というハラハラ感で引っ張るお話ではなく、なんだか哲学的でエッセイっぽい淡々とした雰囲気の物語。
「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。 少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。 私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。 同時に、「寝取られる側」にもプラ...続きを読むイドや意志があることも印象的だった。 浮気されても最後に帰ってくれればいいという覚悟。 そうやって我慢するのは癪だなと思うから、私の恋愛は長続きしないんだなと悟った。けど癪には変わりなくてもやもやした。
大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。 山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。 今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数だけ正解があるんだか...続きを読むら、知らないやつは黙ってな、というエールだと受け取った。
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