脳の仕組みから、スマホに毒された、スマホに支配された人生から解放しようという試み。運動脳、スマホ脳のまとめ版となっている。
スマホがドーパミンを出すのは、新しいものを頭に入れる機械だからで、新しいものを見ると発するドーパミンが出てしまう。だから人は、携帯が好きなんだ。ではどうやったら、この中毒から
...続きを読む脱せるかというと、やはり距離ととるしかないというのが、本書の一つ目。
脳は、サボりたい、省エネするようにできている。狩人の時代から、なるべくエネルギーを抑えるようにできているというのが理由。では、その脳の省エネの最たるところがGoogle効果であると。Googleで検索ができるとわかると、脳は物事を記憶しすぎないようにする。なんとなく、こうやって検索すれば、という程度にとどめることで、脳への負担を減らす。美術館で、写真を撮ったものは、写真を撮らない見たものと記憶している内容が違うという実験もある。知識は、長期の記憶➕経験であるとすると、決して全てを忘れてはいけない。長期の記憶として持っていることがあれば、そこに経験を加えて、新しいことを考えたり、少ない時間で欲しいものにたどり着ける。
携帯を手に取って見ているのは、1日平均80回。これでは人生の大きなポーションを携帯によって奪われていると言っていい。もちろん、顔認証などでログインするまでの時間は短くなった。一方で、その分罪が重い。本当に携帯を肌身離さず、携帯が人生でもっとも大事、そんな人もいる。若年層で、携帯が友達、勉強、学校、その全てと言っていい。自分の知らないところでチャットグループを作られていたり、陰険ないじめも、今はフィジカルよりもたちが悪い。スマホの通知が契機となって、思わず他のことも見てしまう。通知を消し、フィジカルに携帯を目の前に出さない。スマホの画面を6時間以上見ている、そんな子供が6人に1人いるという調査もあるそうで、こうなると人生の大半を携帯に捧げている。では、携帯が人生なのか、というとそうではないので、適度な距離、便利に使う時だけというのが正解だ。何かをしている時には、携帯は出さない。これが唯一の症状を避ける方法だろう。
ドーパミンが興奮と共に、そこにアクセスしているだけで幸せになる。これでは、本当に自分の人生をほとんど生きていない。さらに、SNSに投稿するなりたい自分、ありたい自分もまた、しんどいことこの上ないが、SNSという無作為的に、かつ無制限にコミュニティーがあれば、嘘を突き通す必要も出てくる。いずれにせよ、時間がもったいない。フォローを減らしてみる、現実世界で楽しいことを探してみる、いろんな手があるはずだ。とにかく、携帯をなんとなくみる時間だけはゼロにしていく。眠りが大事、ブルーライト含めて、光が睡眠には大敵。スクリーンタイムが2時間以内の子供は成績が良かったという結果、つまり仕事以外でダラダラとスマホをみるとアホになる。これがもっとも大事なテイクアウェイ。