父と暮せば

父と暮せば

539円 (税込)

2pt

「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。

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父と暮せば のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者の言う、「劇場の機知」とやら、1人の葛藤した感情を、二役、ここでは娘と原爆によって亡くなった父親として、会話させている。そうすることで、原爆によって父親を亡くした娘の、生活する上での、幸せに生きたい、と、酷い過去を背中に縛っていかなければならないと言う思いを、分けて、娘に感情移入しやすいようにし

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    随分前に映画版を観たけど、ほとんど内容は忘れていた

    今回、読書会でのテキストになったので読む事に…

    広島の被曝の話だけど、とっても暖かい内容。魂の救済の話

    お父さん、優しすぎる

    戯曲だけど、とても読みやすかった

    0
    2025年02月08日

    Posted by ブクログ

    とても読みやすい戯曲。そして救済の話。
    広島の原爆で生き残ってしまった苦しみとそこからの再生の物語になっている。
    このテーマは近年でいえば東日本大震災で助かった残された者の悲しみにつながっている。亡くなった人の分も自分の人生を生きなければならないと分かっているのに、出来ない。その苦悩に寄り添い、最後

    0
    2025年01月06日

    Posted by ブクログ

    広島の原爆と言う重いテーマが背景にあるが、恋する娘に寄り添う父親の姿にほっこりさせられました。
    舞台には、今まで縁がありませんでしたが、機会があれば、この舞台ぜひ見てみたいと思いました。

    0
    2024年05月06日

    Posted by ブクログ

    井上ひさしの傑作戯曲。井上はこの作品を描くために広島に通い詰め、被爆者の手記を筆記したという。原爆に翻弄された父と娘のおかしくも哀しい物語を、父の幽霊と暮らすという舞台ならではの仕掛けで描く。

    0
    2023年08月28日

    Posted by ブクログ

    「ピカ」で愛する人々を失った若い女性。
    自分は幸せになってはいけない、そんな権利はない。
    一心に思いつめる傍ら、ほのかに恋をしてしまう

    思いは亡き「おとったん」の姿で現れ
    女性の背中を押す

    「わしの分まで生きてちょんだいよォー」
    父親の想いが悲しい

    0
    2023年08月09日

    Posted by ブクログ

    この作品も収録されている、『戦争と文学シリーズ』を知りました。文学を通して、そこに生きた人達の心情までありありと伝わってくる。
    ただただ真実を受け止めて、知ろうとする事を続けていく。心に焼き付けたい。世界の向かう指針として。

    0
    2023年03月29日

    Posted by ブクログ

    死んでしまったあの人のことを思うと自分は幸せになってはいけない という気持ちを本当の本当に理解することはできるだろうか。幸せになっていいかどうかというより、今もうすでに幸せである。
    と考えると、被曝体験は想像することもできないくらいの次元の違う悲惨さだっただろうと思った。被曝以前に、自然な老い以外で

    0
    2022年12月30日

    Posted by ブクログ

    原爆で父や友人を亡くし、自分だけが幸せになってはいけないと思い詰める。反面、新しい出会いに生まれ変わりたいと想う自分がいる。再生に向かう物語。
    原爆だけではなく戦争のなかで加害者と被害者が同時に存在することの不合理。

    0
    2021年08月09日

    Posted by ブクログ

    ちょうど去年の秋、長崎の原爆資料館にいったことを思い出した。この物語の舞台は広島だが、原爆という共通点がある。
    私が話を聞いた被爆者は88歳。当時は小学生で、被爆者の中では比較的若い方だった。その方ですらこの年齢。静かに、緩やかに生の体験を話せる人がいなくなる状況に恐ろしさと悲しみを覚えたことが記憶

    0
    2020年06月28日

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