これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません――生前唯一の童話集『注文の多い料理店』全編と、「雪渡り」「茨海小学校」「なめとこ山の熊」など、地方色の豊かな童話19編を収録。賢治が愛してやまなかった“ドリームランドとしての日本岩手県”の、闊達で果敢な住人たちとまとめて出会える一巻。
Posted by ブクログ 2017年09月18日
通勤で読み始めました。題名は教科書で見たことがある宮沢賢治の代表作です。実はどんな物語なのか知りませんでした。
想像していたのは、メニューが多いレストランの話かな・・・とか思っていたら、まさかの化け猫(妖怪?)登場で驚きました。なるほど、こういう話だったのか、としみじみしました。
<以下引用...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月18日
社会風刺を上手く動物や設定として例えている所が上手いなと感じた。また一つ一つの話は短いながらも、物語としての起承転結もあり読んでいて楽しかった。
全体を貫くテーマとしては「善と悪」「上と下」のような二項対立のものが多かった印象。現代においても置き換えて考えることができそうなので、このキャラクターは...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月20日
小学生の時に読んだ記憶が残っていた表題作。童話作家としての賢治が用意した結末は、読む子ども達の気持ちを慮った著者の優しさなのだと感じた。巻末の「収録作品について」で歌物語=オペラという解説は、オノマトペを有効に使う著者の作風を言い当てている。最も印象に残ったのは「なめとこ山の熊」の、猟師と熊の不思議...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月19日
宮沢賢治の童話集。童話だけれど、大人向けのような感じもしました。童話には伝えたい教訓や倫理が込められている。宮沢賢治の作品も、そうした教訓や倫理を巧みに伝える文章でした。面白かったです。「注文の多い料理店」聞いたことはあったけど、「注文の多い」とはそういうことだったのね。無批判であることの危険性、上...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月25日
某所読書会課題図書.二人の若い紳士が、 で始まる「注文の多い料理店」以外は初めて読んだが、動物や植物との語りが独特で、賢治の発想の意外性を堪能できた.ただ、一連の文章が物語として楽しめるかというと、あまり及第点はつけられない.明治、大正、昭和と生きてきた賢治が目にした事象が、このような形で文章に残っ...続きを読む