再読。前回は感想を書いていませんでした。うっかり。
ナタナエルに語りかける場面から始まる。
彼の体験談(旅の話)やそこから辿り着いた思想をナタナエルに伝える。
旅に行ったことが瑞々しく鮮明に表現されている。様々な種類の果実が出てきた。食べると酔う熟れた葡萄とか。甘いジャム食べたり。美味しそう。明日
...続きを読むの朝は葡萄のジャムをパンに塗ろう。
彼は知覚過敏なのでしょうか、果実が冷たくて歯が痛いと言っていました笑笑(p94)違ったらごめんなさい笑
ただ、地名の名前が書かれていても私は分からないので、その都度検索をして、追体験出来るように工夫しなければならなかった。また、知らない漢字も多く難しかった。勉強になる。
ナタナエルに自己投影すると、読み方も変わってきて面白い。あとがきも読むと理解が深まり良い。
思想書なので、この詩的な文から、人生観を学ぶことが出来る。
彼がネガティブな考えを吐露する場面もあるが、少し心配性な気もする。それほど過信していないということだろうか。
ポジティブな場面、特にナタナエルに対して語りかける言葉はとても力があり、前向きにさせてくれる、所謂名言が沢山あった。
感動した文を五つ記しておきます。
「未来のうちに過去を再現しようと努めてはならぬ。各瞬間ごとに類いなき新しさを掴み給え」
「一切の物が大切なのは、我々にとって大切なのではなく、物自身にとってなのだ。願わくは君の目が眺められた物であるように」
「果実は風味で包まれる。また辛抱強く生命の喜びで包まれる。果実の肉は、愛の味深い証し」
「それは真珠のように煌かしくもなく、水のように艶々しくもない。けれども小径の砂礫は光るのだ。私の歩む木の下道に光の優しい歓待」
「燐にその光が添うように、我々の行為は、我々に付き従う。我々の行為は、真に我々に光輝を添えはするが、それは我々の身を擦り減らしてでなければ輝きはしない」