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Posted by ブクログ
明和電機の社長がTwitterで絶賛してたので読んでみた。
だから私はいかりや長介もドリフもほとんど知らない。小中学生の時にエンタの神様を見た世代だ。
それでもこの本はすごく刺激になった。いかりや長介ってカッコイイ人なんだな。
その死のわずか3年前に発売された、カリスマコメディアンの自伝。
それは戦前の隅田川近くの長屋の生まれではじまって、いかにも老人の昔語りだった。
なんだかんだ、ドリフターズの一員となり、お化け番組を持ち、そしてそれを辞め、俳優という第二の人生を歩む。そんな思い出話だ。
私の知らない時代の話だ。
それでも、こんなヤツがいた、こんなことがあったと語られるものから滲み出るのは、語り手本人の人柄、物事への姿勢。
それが最高にカッコイイ。
彼は、ドリフターズという日本じゅうを沸かしたグループのリーダーだったのだ。
お笑いというものを真剣に考え、メンバーひとりひとりがコントの中でどうしたら面白いのか、考えた。
そしてゆうに10年以上も、そんなことをしていた。
真剣だから周囲との軋轢もあったようだ。ひたむきに真剣だから、よく怒っていたし、同時に、謙虚さも学ぶ姿勢も、周りへのリスペクトも絶やさなかった。
読んでいて、鬼のようだと思った。仕事の鬼。
そんなんだから、「ドリフ不仲説」なんかも出たようだ。でも、そういうんじゃないと、いかりやは主張する。
「ピアノの弾けないピアニストで、荒井注という男もメンバーでしたが、残念ながら亡くなってしまいました」
本文中の、この言葉のうらにある沢山のその背景を、薄めの文庫本ひとつでひとの人生をつまみ食いして、一片を感じられるだなんて。
実生活において、彼のような大プロジェクトを成し遂げたリーダー(つまり、そういうことだ)の長話を聞いて、その背中から学ぶだなんて、そうそう機会は無いだろう。
本って、すごい。
Posted by ブクログ
懐古厨って言われるかもしれないけけど。
昭和〜平成前期は、全国の老若男女、本当に誰もが知っている、大スターと呼ぶに相応しい人たちがたくさんいました。運と努力する才能がないと、ブラウン管の中にいられなかった、今みたいに誰もがカジュアルに発信する側にはなれなかった時代の話。
そんな時代に冠番組を持ち、しかも毎週生放送のコント番組という恐ろしい手法で毎週視聴率30%〜50%を叩き出していたドリフターズ。
メインの冠番組がなくなっても、メンバーがほとんど亡くなった今でも、彼らを冠した特番やドラマが作られ続けている、お化けみたいなバンドです。
2025年正月には、SnowManやKAT-TUN亀梨くんなどトップアイドルも出演した「ドリフ」が放送されてびっくらしたのも記憶に新しいところ。
NHKメインで、アニメもほぼNGの我が家でしたが、土曜日8時だけは、なぜか家族で全員集合を見てました。ダミ声でメンバーを怒鳴り散らし大威張りの長さんにプンスコしていた子供時代。長さんの良さと凄さが分かるのは、はるかはるか先の、自分もだいぶ大人になってからでした。
確かに、親の立場になってあれを我が子に見せたいかと言われると苦笑するしかないんだけど(笑)子供時代、躾に厳しかった祖父母や両親含めて家族全員でドリフを見て笑ったあの時間があって、本当に良かったな、と思います。
何より、コメディアンであっても、当時のタレントさんたちはたたずまいが美しかった。太っちょや個性的な顔をウリにすることはあっても、わざとらしいおかしさやだらしなさを売りにはしなかったし、無学ではあっても、下品なことをしていても、どこか品がありました。
⋯良く言い過ぎ?
そうかもしれないけど、過去は美しいもんですよ。
本当は、もっともっと枯れきった長さんも見たかったな。志村さんや仲本さんも、コロナや事故がなかったら、今でももしかしたら5人揃ってたのかもしれないと思うと、なんかもう、すごく悔しい気持ち。
いかりや長介という一人のバンドマン、ドリフターズというコメディアンたちの歴史を通じて、もう何十年も前の、子供時代や実家の茶の間、世の中の空気まで思い出すような、そんな一冊でした。
Posted by ブクログ
この方が亡くなってからもう20年近く経っている。亡くなる前年に本書は書かれており、人生の集大成だったのかと思える。当時はかつてドリフのメンバーだった荒井注氏が亡くなって間もない頃だった。
紆余曲折あったドリフターズの結成と、地道なライブ活動からテレビで大人気になっていく過程が時に面白おかしく語られる。よく世間で言われていたように芸にはかなり厳しい人だったようだが、終始謙虚な語り口だ。
結成から半世紀以上経ったドリフターズだが、いまだに「ドリフ」の名前は見聞きする。成功の要因は長さん曰く「各メンバーの立ち位置を確立できたから」だそうだ。これからもずっと、特に「昭和」が語られる時は話題に上ることだろう。
Posted by ブクログ
ザドリフターズのメンバーであった、いかりや長介の半生を振り返った自伝本。本人曰く、ドリフがお笑いとして成功した要因に、メンバーの位置関係を確立したことだという。実際、ドリフ結成後の途中で加わった故志村けんは、かつてメンバーの一員であった新井注の役を継ぐことなく、彼独自のネタを披露した。このように、各自に備わっている個性を生かせるための環境作りが、結果として、各メンバーの特徴を目立たせて、当時の視聴者を釘付けにしたのだろう。また、いかりや長介は、すべては成り行き、偶然だったと語る。もともと、バンドの活動から、それも女にモテたかったという理由が全ての始まりであり、その活動からコメディアンへ、その後、役者へと活動場所が変わったが、興味深いことに、自分は特別な才能を持っていないと言うところである。芸能界で活躍したとき、明確な目標を持たず、他人を蹴落としても生き残ろうと思わなかった。これは今日の競争社会とは真逆の原理で、なすがままに仕事をこなしたのである。そういう意味で、個人の努力が過度に要求されて、その社会に悩む人におすすめできる本である。
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