父・こんなこと(新潮文庫)

父・こんなこと(新潮文庫)

572円 (税込)

2pt

父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あとみよそわか」のことなど、露伴父子の日常の機微を伝えるエピソード七話からなる『こんなこと』。誠実に生き、誠実に父を愛し、誠実に反抗した娘が、偉大な父をしのんで書き上げた、清々しいまでの記録文学。

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父・こんなこと(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     幸田文さんの父、幸田露伴氏は戦中の大空襲以来、寝たきりになってしまわれた。寝たきりでもそれ以前の規則正しい生活は変わらず、毎朝同じ時間に目覚められて、すぐに文さんと娘の玉子さんが、洗面の用意をし、煙草、ほうじ茶、朝食、搾りたての牛乳、新聞を決まった順番に用意するなど、厳しいお父上の看護はなかなか大

    0
    2021年02月17日

    Posted by ブクログ

    この人の書く露伴は、気難しくて厳しくて、でもどこかユーモアがあって粋ですらある、ただ一人の、誰のでもないこの人の父親だ。
    「偉大な作家」で包み隠すのではなく、真にこの人が見てきた、感じてきた父・露伴を描いたこの作品は、誰が書くよりも(もしかすると露伴本人よりも)作家・露伴の魅力を伝えている気がする。

    0
    2014年05月29日

    Posted by ブクログ

     父・幸田露伴の晩年と看取りをつづった「父―その死―」、父との日常の思い出をつづった「こんなこと」を収録した本。

     「父―その死―」では、父の看病で激しく揺れる筆者の思いがとても正直につづられている。時には憎しみを深く感じる一方で、別の時には心から憐れんで親身になる。その時々に移り変わる気分がつぶ

    0
    2013年11月08日

    Posted by ブクログ

    この本は幸田文の父、幸田露伴の最期を刻々とつづった作品です。露伴がだんだんと老い衰え病みそして帰らぬ人となるさまを文の書く文章を通して感ずるとき、私は同時に露伴ではなく、私の父との別れを思いました。いずれもう二度と会えなくなるときがくるのだと幹事、切なく胸が苦しくなりました。全くの他人の話なのに不思

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    父のことはよく知らないままに亡くなってしまった。
    時が経って、自分の中に父が居る、父の血を感じるのです。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    幸田文の文体が好きです。
    新鮮な形容のしかたをします。
    感性の独自で繊細なところや、それに対して使う言葉が読むたびに心地よいのです。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    偉大な作家の娘が、父の事を書くという意味では現代の阿川佐和子と重なるけれど、またこれが本質的には随分と似ていることよ…片や出戻り、片や高齢結婚という事も何となく被る。

    作家であるからして、家にいて書き物をしているという事は、サラリーマンの父よりもよっぽど多くの時間を一緒に過ごしているし、作家という

    0
    2023年04月28日

    Posted by ブクログ

    父、幸田露伴の娘視点の話。
    家事を仕込んでくれたのは露伴だったのか・・・
    父の介護は大変だっただろう。父との思い出話面白かったです。
    身近な人が亡くなってしまうと色んなことを思い出しますね。

    0
    2023年01月07日

    Posted by ブクログ

    父:恥ずかしさから父親と向き合って生きていくことをあまりしてこなかったが、これを読んでそれを少ししなければいけないと感じた。
    また、作者の表現に植物が多く用いられるところは作者らしくてとても好き。

    0
    2021年04月06日

    Posted by ブクログ

    父の病臥、逝去の前後とその後。
    娘・幸田文による幸田露伴の記録と想い出の記。
    ・父ーその死ー
        菅野の記 葬送の記  あとがき
    ・こんなこと
        あとみよそわか このよがくもん ずぼんぼ 著物
        正月記 そつ(口偏に卒)啄 おもいで二ツ  あとがき
    巻末の解説は塩谷 賛。文中に登場す

    0
    2020年05月25日

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