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Posted by ブクログ
初読み作家さんで、短編だし期待してなかったけど、それぞれの短編が異なる構成をしており、読みごたえがあった。テイストは芦沢央さんに似てるけど、今作品の矢樹さんのがより文章で細かく場面状況が想像できる(→なので、よりホラー感がある)
来歴をみると、小説家・漫画原作者とあるからなるほどなと思った。この小説を漫画や映像化にされたら、より怖くできるだろうな…。
それにしても、よくこんなに噂話や伝承的な呪い、まじない的な話が思い付くなぁ。
私が特に良かったのは、血腐れと声失せかな。
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魂疫(たまえやみ)
血腐れ(ちぐされ)
骨煤(ほねずす)
爪穢し(つめけがし)
声失せ(こわうせ)
影祓え(かげはらえ)
解説、杉江松恋
Posted by ブクログ
何気ない家族の日常だったはずが、ひたひたと何かが迫って… 家族をテーマにしたホラー短編集 #血腐れ
■きっと読みたくなるレビュー
家族をテーマにしたホラー短編集。
そっと物語が始まり、少しずつに奇妙な世界に誘われていく。何気ない日常的なシーンだったはずが、ひたひたと何かが迫ってくるという恐ろしさ。そして帰結するところは、もっとも人が寄り添う家族の関係性に及んでくるという…
本作はミステリーとして読んでも十分に面白い。途中途中でノイズや違和感を感じつつ恐々読み進めていると、終盤、とつぜん提示される情報が読み手を楽しませてくれる。鋭角に驚かされるや、ニヤリとされられることも多かったですね。
また文章も会話も卒がなくキレイです、日本語の美しさを堪能できます。いずれ大きな文学賞をとられる作家先生だと思いました。
○魂疫
認知症の症状が出てきた夫の妹、世話をすることになったが彼女は変わり者で…
穢れがまとわりついてくるような感触、生理的に受け付けないといった世界観に包まれる。終盤からラストにかけて、一気に生気が抜けていく。
○血腐れ
弟とその子どもたちと一緒にキャンプにやってきた。その近くには縁切り神社があり、祀られている石には不思議な言い伝えがあって…
人間の自分勝手な部分を綿密に描いた作品、救われない感じが鬼怖っすね。
○骨煤
老いた父親と介護をする兄弟の物語、一時的に入院していた父が帰ってきてからというものどんどん老化が進んでしまって…
きっと良くありがちな話ですよね、気の毒で心が痛む。最初から最後まで兄貴が腹立たしい、静かな報復にゾワリ。
○爪穢し
NPO法人に勤める姉と、元アイドルの後、引きこもりになってしまった妹。妹からネット販売しているネイルを買ってほしいとねだられた姉は…
人間が追い詰められたときの狂気を感じる、お話としては――ただただ悲しい。
○声失せ
叔父と一緒に祖父の実家であるお寺に来ていた。そのお寺の鐘を鳴らすと、神隠しに合うと言われており…
後半から急激に増す不穏さったら、そして読み終わるとさらに不気味さが爆増する。
いっしょに、いこう… こわっ
○影祓え 【超おすすめ】
幼い息子を持つ母親の物語。彼女はしばらく熱が下がらない息子と検査入院をしていたが、人間の形をした黒いものが迫ってくるという夢を見る。そして同じく難病で入院する息子をもつ里香と出会い、相談をするのだが…
そのままホラー映画にしてもいいくらい完成度が高い、おもろい!序盤、中盤、クライマックスとどこを切り取っても、物語に引き込まれちゃう書きっぷり。特に終盤からの展開は想像以上、胃の奥にしくしく痛みがきました。
■ぜっさん推しポイント
本作はどの話も家族がテーマになっています。入り口はホームドラマのような、ホンワカした中にも家族の問題があって… というところから始まる。その後ホラー的な展開があるのですが、最後まで影の部分が残り続けるという。イヤミスほど醜さや汚らわしさに積極性がないところにセンスを感じますね。
ちなみに杉江松恋先生の解説で、ホラーとミステリーの技巧について説明があります。これが理解しやすく整理してくれてるんです、ぜひ読んでみて下さい。
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