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結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだ──。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。
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Posted by ブクログ
一人の男の人生を、前半は彼自身の等身大の視点で、後半は時間の悠久な視点で描いた作品。時に対する感覚が変容し、徐々に溶けていき、最終的には境目が曖昧となる、そんな面白さを持つ。 序盤の「自身だけが時から取り残されているのではないか」という時に対する感覚が、電車での女との邂逅、家族で乗った観覧車、新...続きを読む居の建設を通して、漸次変容していく。 「ラストの展開が急であった」「置いてきぼりにされた」とのコメントも見られるが、上記の視点で物語を捉えれば、この上なく納得できるラストであろうと考える。 めちゃくちゃ面白かったです!!!
かなり好きだった。「次に妻が彼と話したのは、それから十一年後だった」がカッコよすぎる、それまでの澱みからこの跳躍。観覧車のゴンドラに最後もなにもない、どれもが最初であり最後でもありそしてやはりそのいずれでもない、そういう時系列のない壮大な循環のなかで一つ一つの出来事、そして人間が偶発的な成り立ちをし...続きを読むている。だから複数いた女は結局ひとつの人格でしかないともいえ、彼の発案した商品だって無数の可能性のなかでたまたま彼がその役を引き受けたに過ぎないし、妻の「いまに限って怒っているわけじゃない」という言葉もそこに収斂される。そしてそういったことを受け容れたときにようやく、家を建てる=場を固定するという決意に至る。それはある種の諦念にも近い。無限の拡がりのなかに固定させた直線的な時間の流れはあまりにも短く、だから死を思うしかないのだ。「ペナント」も概ね同じように読んだ。
二十代の長く続いた恋愛の終わりを迎えた者同士が夫婦となり、不安定な関係のままある出来事を境に夫が妻に 11年間口を聞かれなくなるというストーリー。 あらすじからして感じが悪くかなり人を選びそうな題材ですが、如何様にもドロドロした愛憎乱れる悲喜劇のようなテイストに できそうなものを徹底して冷え冷...続きを読むえとしてかつ、引いた視点で物語が淡々と進んでいくのが余計居心地が悪いと感じます。 登場人物の名前は一切出てこず、主人公の男視点で進むにも関わらず、3 人称の彼というフレーズが使われるくらい冷え切った文体です。 不気味な読後感と抗いようもない時間の無常さにぐったりときました。 好み別れる作風だと思いますが、個人的にはかなりハマった1冊です。 蓮實重彦さんの解説も素晴らしかった。
未だに現役サラリーマンの芥川賞作家の芥川賞受賞作。 我慢して我慢して、彼自身の言葉で、一つずつ繋いで文章にしていく。人間も彼の目線もしっかりと地に足がついている。面白い、サラリーマンとかその辺を書こうとすると愚痴っぽくて詰まらないけど、この人は人間見れてる。綿菓子の描写がいい。小説ってこういうもんだ...続きを読むよなぁと思うと同時にそういうもんとしかか見れない、もっと違うものとして、再確認以上のものをこの作品から引き出せなかった、自分の力不足。おれはこの話もこの作者も嫌いじゃない。
表題作『終の住処』に加え、『ペナント』の2編が収録。 ともに、どこにでもありそうな風景から微妙に不気味さ、さみしさが滲みだしてきてその切ない世界に取り込まれてしまうような作品。 段落や改行などの区切りが少なく、会話さえ地の文の中に埋め込まれている。 そこから生まれるグルーブがクセになる。 一気に読ん...続きを読むだ。
感想 重なり合う複数の可能性。選択することは捨てること。ああなりたかった、こうしたかった。そんな感慨は後になって湧いてくる。袋小路へ歩いていく。
改行ならぬ非改行と句読点の使いかたが文芸ふうだが お話の素材が絵本とかにあるような寓話の 現代家庭持つ夫版であるところの文芸てきなるところの分には負ける ヒロカネ先生というよりその奥様の作風に題材は近いと思うが 文芸としての仕立て上げに隙がないのだから良い出来なのだろう
ラテンアメリカ文学の影響を受けたという作者の作品。表題作も併録の「ペナント」も、異質な、重層的で、異空間な作風。「ペナント」に関しては全く理解できなかった。 多分「終の住処」に関してもそれほど理解は出来ていないのだと思う。とにかく一文が長く、それこそ海外文学の影響を受けた様で、文章も読みやすくは無い...続きを読むが難しいわけでも無くそれでも複雑だったりする。ストーリーに関していえばあってないような、滅茶苦茶な構造。個人的な本作の魅力はその中に含まれる独白にある。特に、人生経験を積めば当たり前に思うだろうが、「10年の月日よりも今という一瞬の方が長い」といった様な文章が平然と並んでいるこの言葉の引き出しに感嘆を思わず漏らしてしまう。
サクッと読める。 個人的にはペナントの方が好きだった。 驚くには値しません。あなたのような類の人間は、常に人生最後の1日をいきているのですから…って老婆の言葉が好き。
物語自体に面白さはないけれど、 同じレベルのものを書けと言われても書けない。そういう作品。評価が低いのはつまらないからだから当たり前。 これだけキャラクターにわけわからん雰囲気を纏わせるのも、ちょっとした比喩の積み重ねで作品全体の「終の住処」をつくるのも、技術として尊敬できる。つまらないけど、私は...続きを読む好きです。
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終の住処
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磯崎憲一郎
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