終の住処

終の住処

374円 (税込)

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結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだ──。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。

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終の住処 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     一人の男の人生を、前半は彼自身の等身大の視点で、後半は時間の悠久な視点で描いた作品。時に対する感覚が変容し、徐々に溶けていき、最終的には境目が曖昧となる、そんな面白さを持つ。
     序盤の「自身だけが時から取り残されているのではないか」という時に対する感覚が、電車での女との邂逅、家族で乗った観覧車、新

    0
    2024年08月27日

    Posted by ブクログ

    かなり好きだった。「次に妻が彼と話したのは、それから十一年後だった」がカッコよすぎる、それまでの澱みからこの跳躍。観覧車のゴンドラに最後もなにもない、どれもが最初であり最後でもありそしてやはりそのいずれでもない、そういう時系列のない壮大な循環のなかで一つ一つの出来事、そして人間が偶発的な成り立ちをし

    0
    2022年03月26日

    Posted by ブクログ

    二十代の長く続いた恋愛の終わりを迎えた者同士が夫婦となり、不安定な関係のままある出来事を境に夫が妻に
    11年間口を聞かれなくなるというストーリー。
    あらすじからして感じが悪くかなり人を選びそうな題材ですが、如何様にもドロドロした愛憎乱れる悲喜劇のようなテイストに
    できそうなものを徹底して冷え冷

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    未だに現役サラリーマンの芥川賞作家の芥川賞受賞作。
    我慢して我慢して、彼自身の言葉で、一つずつ繋いで文章にしていく。人間も彼の目線もしっかりと地に足がついている。面白い、サラリーマンとかその辺を書こうとすると愚痴っぽくて詰まらないけど、この人は人間見れてる。綿菓子の描写がいい。小説ってこういうもんだ

    0
    2014年04月05日

    Posted by ブクログ

    表題作『終の住処』に加え、『ペナント』の2編が収録。
    ともに、どこにでもありそうな風景から微妙に不気味さ、さみしさが滲みだしてきてその切ない世界に取り込まれてしまうような作品。
    段落や改行などの区切りが少なく、会話さえ地の文の中に埋め込まれている。
    そこから生まれるグルーブがクセになる。
    一気に読ん

    0
    2023年03月21日

    Posted by ブクログ

    感想
    重なり合う複数の可能性。選択することは捨てること。ああなりたかった、こうしたかった。そんな感慨は後になって湧いてくる。袋小路へ歩いていく。

    0
    2022年11月08日

    Posted by ブクログ

    改行ならぬ非改行と句読点の使いかたが文芸ふうだが
    お話の素材が絵本とかにあるような寓話の
    現代家庭持つ夫版であるところの文芸てきなるところの分には負ける
    ヒロカネ先生というよりその奥様の作風に題材は近いと思うが
    文芸としての仕立て上げに隙がないのだから良い出来なのだろう

    0
    2018年12月08日

    Posted by ブクログ

    ラテンアメリカ文学の影響を受けたという作者の作品。表題作も併録の「ペナント」も、異質な、重層的で、異空間な作風。「ペナント」に関しては全く理解できなかった。
    多分「終の住処」に関してもそれほど理解は出来ていないのだと思う。とにかく一文が長く、それこそ海外文学の影響を受けた様で、文章も読みやすくは無い

    0
    2015年12月19日

    Posted by ブクログ

    サクッと読める。
    個人的にはペナントの方が好きだった。
    驚くには値しません。あなたのような類の人間は、常に人生最後の1日をいきているのですから…って老婆の言葉が好き。

    0
    2015年05月28日

    Posted by ブクログ

    物語自体に面白さはないけれど、
    同じレベルのものを書けと言われても書けない。そういう作品。評価が低いのはつまらないからだから当たり前。

    これだけキャラクターにわけわからん雰囲気を纏わせるのも、ちょっとした比喩の積み重ねで作品全体の「終の住処」をつくるのも、技術として尊敬できる。つまらないけど、私は

    0
    2014年01月10日

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