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ある男は家族を捨て洞窟に棲み着き、やがて小さな塾を始める。またある男は選挙に落選し、雑木林を飛ぶムササビの幻影と恋の傷を抱えたまま、電鉄会社を興す。ふたつの破格の人生が交錯する高台の町を、大震災、敗戦、高度成長と、電車は何代もの人生を乗せて絶え間なく通い、町と世界を変容させる。東京近郊の私鉄沿線の百年の変転に、この国と私たちの人生の姿が立ち現れる魅惑の物語。
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Posted by ブクログ
段落少ない、一文長い、固有名詞出さない、かなりクセのある文体でハマるまではちょっとかかったけど、ハマったら思いの外スルスル読めるし、失礼ながらそこまで思ってたよりオモロい。
ガルシアマルケスまがいの文体は、よっぽどセンスのよい著者でない限り、避けるのが無難だろう。この人はセンスがそこまでよくないので、やめておいた方がよい。結構しんどかった。 100年くらいに渡る年代記みたいな体裁のお話はすごく好きなので、楽しく読めた。特に、ニュータウンが出来ていくあたりが好き。自分はロ...続きを読むードサイトとかで一時期社会学界隈で話題になったようなド郊外の生まれ育ちなので、ニュータウン的な街の寒々しさには親近感を覚えるのだ。 女優の息子が電車で恋に落ちる話も好きだった。ああいう風に始まる恋って実際あるからねー。ないような気がするけど、ごく稀にあるんだよ。
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