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Posted by ブクログ
この人の書く本には常に、何というか骨子というか主張というか「言いたい事」と言う物が一つあって、そんな事を言えばどんな作家だってそうなのかもしれないが、そういうレベルでは無く、もっと明文化された「本論の骨子を一行で書け」とか言う試験問題の答えの様に、シンプルに削ぎ落とされた物を構築してから書き始めてるんじゃないかと思わされる。それ程ゴツイ鼻筋が通っている。
「赤の他人に、、、」もそうで、タイトルに表される主題ー置き換えの効かない自分の人生と実は誰でも良かったんじゃないかと言う実感ーを表す為に、主人公の想像と話中の現実の境目がどんどん曖昧なって行く。
どこに連れていかれるか分からないという評が帯に書かれていたがまさにその通りで、読後に平衡感覚を失う様な気分になる。
Posted by ブクログ
意識の波のようなものを感じた。語り手はどんどん移り変わり、過ぎていく。個々の意識など瑣末なことだと言わんばかりに、人類全体を包む大きな波の中で、たゆたう感覚。
コロンブスの話の後に出てくるチョコレート工場で働き始めた青年が、冒頭の兄妹の兄の方と同じ人物であるとは言い切れない。さらにそれは、妹や両親にいたっても同じことが言える。イコールであると同時にノットイコールなのだ。どちらであっても同じことで、大きな意識の流れの中で、それを区別することは出来ない。
瓜二つの顔、瓜二つの人生、瓜二つの意識。「人間」という一括りの存在として、死ぬことも生きることも、大きな円環の中を巡り巡っているように感じる。
美しい文章、いい小説だった。磯崎憲一郎の言葉に対する感性は好きだ。
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