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石垣島制圧に沸く琉球国を、祝賀のため訪れた蘭人たち。彼らが献上した軸物を見るや国王はたちまち顔面蒼白になった……。表題作「地図」をはじめ、「怪談」「花火」など同人誌等掲載の初期作品を通して、中学生津島修治から作家太宰治誕生までのドラマを読む特別篇。後年、太宰の筆と確認された「断崖の錯覚」や、文庫初収録の「貨幣」「律子と貞子」など文豪への出発点を刻印する作品群。(解説・曾根博義)
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Posted by ブクログ
発表されているものが全てだと思ってしまうけれど、ちゃんと書きつづけて太宰治になったんですね!「貨幣」が楽しかったです。
太宰の初期作品集。 やっぱり初期の作品って、多くの作家やアーティストにも言えると思いますが、荒削りの中勢いがあって攻撃的。 「生きる為に生きて居る人間も悲惨だろうが、世間体の為に生きて居る人間は、もっと悲惨だ」「世間体の為に生きて居る人間—それは中産階級に最も多い」(『彼等と其のいとしき母』より...続きを読む) これは紛れもなく太宰の世界。
太宰治100周年を記念した新刊。 高等学校時代に同人誌に書いていたものや、後に太宰の作品と判明した物など。 全集とかにはあったけど、文庫になるのははじめて・・だと思う。 いや、多分普通の人が読んでも面白くないですよ。 太宰ヲタじゃないと。
さすが太宰先生、中学のときからガンガンお書きになっていたんですね。 もう作家になりたくてなりたくて仕方ない!という気持ちが伝わってきます。しかしなんと作品のアベレージが高い事よ。そしてバラエティ豊富。 すごいわ・・・ 10.12.07
ここに収められる作品のほとんどは太宰が中学生・高校生だった頃の作品。10代の頃の作品が、全集ではなく文庫として出版されるとは……太宰がいまだに現代のトップランナーであるか、その人気がわかる。
太宰の中学校時代の作品等を収めた短編小説集。 「虚勢」や「角力」などの中学校時代の作品からも、太宰特有の小説の輪郭が見えてくるように思う。やっぱり太宰って凄いんだなと改めて感じさせられる一冊だった。 収録されてる作品の中では、「地図」や「洋之助の気焔」が面白かった。
初期作品集。弘前高校時代の作品が中心。ツカえることなく読むことが出来る。しかし。やはり正式デビュー作「晩年」の方が圧倒的に心を鷲掴みにして来る。迫力が違うのだ。
今まで、全集にも載っていなかった、初期や中期の作品集。 文を読んだだけでは、太宰ってわからないかも。 でも中学生で、秀吉を主人公に小説書いたり、 やっぱ、凡人ばなれをやってのけてます。 生誕100年の記念出版。(R)
読んで良かったと心から思える一冊でした。 初期なだけあって、感覚も鋭敏。 元々、敏感だったという説のある太宰治ですが「人間失格」や後期の作品よりかは、本当に生き生きとしていて、中でも「花火」は凄く好き。 隣で太宰が語ってくれているような臨場感溢れる作品でした。 「貨幣」も独特で、お金を擬人化した所が...続きを読む太宰らしく、また優しさも感じました。 一度は手に取って貰いたい一冊です。
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地図―初期作品集―(新潮文庫)
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