ヴィヨンの妻

ヴィヨンの妻

小説・文芸
539円 (税込)

2pt

酒と女に明け暮れる無頼派の作家。26歳のその妻は夫の尻ぬぐいに奔走するが……。古い価値感が失われ新しい価値観が生まれようとしている戦後の混乱の中、必死に生き抜こうともがく男と女の愛のかたちを繊細に描いた表題作。その他太宰晩年の好短編を多数収録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    ヴィヨンの妻
  • タイトルID
    :
    133949
  • ページ数
    :
    206ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年10月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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ヴィヨンの妻 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「悲しみとか怒りとかいう思いよりも、呆れかえった馬鹿々々しさに身悶えしました。」
    感情を表す言葉はちゃんと出てくる。それなのに、読んでいると感情がきれいに整理されていく感じがしない。悲しい、怒っている、苦しい、という言葉では処理できないカオスを、家庭というかなり狭い場所の中でずっと見せられている。
    しかも文章は読みやすい。だから混沌としているのに、どんどん先へ進んでしまう。この、処理できないものを処理しないまま読ませていく感じ。
    「命は大事」「女性は強い」みたいに分かりやすい意味を置いて読もうとすると、どんどん作品から置いていかれる。今とは家庭環境や男女関係が違う。一方で、太宰作品に出てくる男には妙に共感する。
    何かにつけて理由を無理やりこじつけて、結局は欲望のまま生きる。欲望を欲望のまま認めず、自分の行動にそれらしい理由や思想をつけてしまう。これはめちゃくちゃ男だと思った。
    自分でも自分をうまく説明できない。つかみどころがない。どうしようもないと分かっていても、欲望や感情に引っ張られる。そういうところが自分と重なることが多い。ただ、それだけで大それた感想を言えるわけでもない。そこは太宰作品らしくて、あんまり好きじゃない部分でもある
    太宰を「無頼派文学」と一言で名付けるのは嫌いだ。
    文学史上の分類として必要なのかもしれない。でも「無頼派」という言葉を先に置くと、酒、女、破滅、自堕落みたいなイメージだけで作品を読めてしまう。そうすると、妻から見た男の馬鹿々々しさや、欲望を思想に変換してしまう滑稽さ、家庭の中にある処理不能な混沌が見えにくくなるし、読みが浅くなるとおもう。
    この短編集は「無頼に生きる男たち」の話というより、どうしようもない人間がどうしようもない理由を抱えながら、それでも生活だけは続いていく、その混沌を見ないと勿体ない気がする。

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

    「ヴィヨンの妻」
    女性の強かさと男性の弱さが丁寧に対比されている。家父長制の価値観が跋扈していた当時は、太宰の書く「男性の弱さ」はとても新鮮に受け取られたのかも。最後に「生きてさえいればいい」と結んだのは太宰自身が自分に言い聞かせたかった言葉なのかもと解釈できる。

    0
    2026年09月01日

    Posted by ブクログ

    道徳的?倫理観?が強い人だったんだろうな。でないとこうも思い悩み罪悪感に陥ったりしないだろうし。こうも詳細に自分や人の気持ちを読み取れると、もう何が正解か分からなくなりそうだ。自分を常に処罰し続けていることでしか許されない。

    0
    2026年08月25日

    Posted by ブクログ

    再読。『家庭の幸福』が、いちばん抉られた。「家庭の幸福のため」に行う、自分では善いこと、と思って行うそのことが、誰かを傷つけ、苦悶させることがあるという真実。「家族の幸せ」と思い続けて生きていれば、罪悪感を持たずに生きていける。その傲慢さ、自分勝手さ。
    『曰く、家庭の幸福は諸悪の本(もと)』。すごいなぁ。こんなふうに鋭い感性を持って生きていたら、さぞつらかったに違いない。
    一般的な幸せの内にある、残酷な真実を抉り出された気分。
    すごいなぁ、この人。本当に。

    0
    2026年07月17日

    Posted by ブクログ

     家庭の物語が多かった。「家庭の幸福」や「桜桃」が印象的だった。
     堕落した主人公が家族を悲惨な目に合わせつつも、でも仕方ないのだみたいなかんじになってるのはなんか上手く言えないけど、いい!と思った

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    特に印象に残ったのは『ヴィヨンの妻』『おさん』
    破滅的な生活をする夫との家庭が、妻目線で語られています。
    これを太宰治が著しているというのが、余計になんとも言えない気持ちになりました。

    特に『おさん』のラスト。
    この妻の心情を綴っておきながらの、太宰の現実。
    重いし、切ないです。

    『親友交歓』は、呆れつつもクスっと笑えるおかしみがありました。

    0
    2026年07月05日

    Posted by ブクログ

    おさん、ヴィヨンの妻、家庭の幸福、桜桃と篇を追うごとに作品が暗さを増していく。
    特に家庭の幸福で書いてあった役人への不満は圧巻だった。
    東大という、国内で一番役人や政治家、経済に明るい人たちを輩出する学校に通っていた人間が、ここまで税金や政府の発言を忌み嫌う言葉を紡ぐ様子はさすが太宰治だと思った。

    生きることへの絶望、自殺への執着心がありありと感じられる作品だった。
    だいぶ病んでいるけど、アフォリズムが散りばめられているので現代人にも共鳴できる部分がある。

    0
    2026年06月25日

    Posted by ブクログ

    ダメな夫を支える妻の話

    ダメな夫なんだけど憎めない。妻も妻で仕方ないなーという感じで生きている。どうにか生きていく、怒っても仕方ないもの〜という雰囲気がちらほら見えていてでもそれは物分かりのいい妻ではなくて、妻は妻で夜の世界を知り、時には客と関係を持ったりしている。生きるためには強くいなくてはとその当時の生き様みたいなものが見えた。

    0
    2026年05月07日

    Posted by ブクログ

    太宰治晩年の短編集
    戦中の疎開中の出来事としての話しが多い
    そして晩年ということで
    なかなか苦しい生活の家庭や
    それをかえりみずに
    家に寄りつかない男の姿
    健気に子供を抱えながら支える
    妻の大変さ
    などなどまるで自分のことのようだけれど
    はたして本当に
    こんなふうだったのか
    それとも自分の不甲斐なさを
    嘆きつつそんな男ばかり
    物語上に登場させているのか
    「おさん」では
    愛人と出かけたまま帰らず
    妻は諏訪湖まで遺体を受け取りにいく
    いつしか心の中は
    こんな将来でなければならないと
    思い込んでいったかのよう

    軽快な楽しい、しかもオチがあったり
    そんな文章からは
    お茶目な一面をうかがわせるが
    本当の太宰治は
    はたしてどんな人物だったのか
    会ってみたいものです

    0
    2026年05月03日

    Posted by ブクログ

    自分が買ったのは昭和54年の異なる短編集でした。

    ヴィヨンの妻はじめ、第二次世界大戦前後の時代背景描写が良い。物資は薄いけど人が濃いというか、、

    ヴィヨンは、ダメ男を守る健気な嫁の話だけど、最終的に女性の器の大きさを感じる素敵な話でした。

    しかし、、この時代の男はろくなのいないな笑

    0
    2026年03月20日

ヴィヨンの妻 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    ヴィヨンの妻
  • タイトルID
    :
    133949
  • ページ数
    :
    206ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年10月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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