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最後の貴婦人である母、破滅への衝動を持ちながらも“恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、“斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。
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Posted by ブクログ
怖いけど美しい。 物語としては大きな展開はない。 家族が没落して家庭が崩壊していく様を描いているだけといえばそれだけ。 でも怖いくらい鋭い言葉で胸の内を抉ってくる感じ。 > 人間は恋と革命のために生まれて来たのだ。(p116) > > 戦闘、開始。(p130) >...続きを読む パンチの強いキラーワードが多くて、天才を感じる一方で、私が好きなのはこの一文。 > けれども、私は生きて行かなければならないのだ。子供かも知れないけれども、しかし、甘えてばかりもおられなくなった。私はこれから世間と争って行かなければならないのだ。(p126) > 誰でも子どもの頃はあるし、歳を重ねれば嫌でも大人になっていく。 環境に関わらず、それは誰にでも起こる。 「いつから大人になったのか」と聞かれれば、いったいいつからか分からないくらい、緩やかに時間が流れてきたのに、いつのまにか世間の中で戦わないといけなくなる。 いったいどうすれば、そんな栄枯盛衰を太陽の沈む様に重ねて『斜陽』なんて題名を思いつくんだろう。 太宰治はダメ男を描くのが上手すぎる。
個人的にすごく良かったです。太宰治さんが著した小説の中では比較的明るい方だと聞いて初挑戦した小説だったので若干思い出補正もかかってますがご了承ください。ネタバレは省きますが、どろりとした恋模様を繊細な文で見事に表現していて、太宰さん特有の世界観に惹き込まれます。ただ最終章あたりで登場人物が自 殺した...続きを読むり、不倫したりなどのまぁなかなかに非道徳的なシーンが多々あるのでそういうのが苦手な人にはオススメ致しません。 凄く良い作品でしたので、ご興味あればご一読ください。
文豪の読みにくい文章も、女性の告白帯だと何故か読みやすい。全ての登場人物の心情に絶妙に共感出来ない感じが面白かった。世界史で習った色んな哲学者や小説家の名前が出てきて、それらの本も読んでみたくなった。昭和20年代の日本に着いてもっと知りたい。正直、なにか大層な事を得られたかと言われるとまるでないけど...続きを読む良い読書体験だった。
貴族が没落していく様を描いた作品。私はこの作品を(いけないことだが)ザマアミロ七光がと思いながら読んだ。好きな作品ではある。しくじった。惚れちゃった。
太宰治が『斜陽』で言いたかったことを一つに絞るなら、「滅びゆく古い倫理の中で、それでも生きるためには、汚れてでも新しい生命を抱えるしかない」ということかもしれない。 母は最後の貴族として品位があり、優雅で滅びにふさわしい美しさを持っている。けれどその美しさは未来を作らなかった。直治もまた古い階級の...続きを読む終末を背負いながら堕落し、薬物に逃げ、革命や思想を語りながらも結局は生の側へ踏みとどまれない。かず子だけが違った。かず子は上原に恋し、既婚者である彼の子を望み、望み通り妊娠する。 しかし、かず子の妊娠は明るい希望としてだけ描かれているのではなく、貴族階級の没落、母の死、弟の自死、上原という男の堕落、既存の結婚倫理の破壊、すべてを通過した後に残る、かなり乱暴で、倫理的に危うく、しかしそれでも生きる側に属するものとして置かれている。 つまり太宰が『斜陽』で描いたのは、「滅び」と「救済」ではなく、「滅びきった後に救済とは別の形で生命が残ること」。救済ではない。幸福でもない。倫理的な勝利でもない。それでも、生きる側へ引き戻すものがある。かず子にとってそれが子供だった。
「人間は、みな、同じものだ」 (身分や育ち関係なく自分の力でなりたいものになれるなら)そうであってほしいと思うし、(平等を前提とするなら、努力でどうにもならなければその努力は何だったのかという意味で)そうであってほしくないとも思う 恋と革命のために、人をいい意味で顧みずに自分のために生きるかず子の...続きを読む姿がかっこいいと思ったが、直治にとっての阿片、上原さんにとっての酒も同じで、生きるために必要なものだった。みんな何かに依存して生きてる 登場人物みんな魅力的だった
斜陽、秘め事でこころが燃えたときの光? 心がまっすぐな人たちの「ねじれた愛」を感じます。 「新しい倫理。いいえ、そう言っても偽善めく。恋。それだけだ。……私はいま、恋一つにすがらなければ、生きて行けないのだ」 「小説を読んで襟を正すなんて、狂人の所作である。……よい作品ほど、取り澄ましていないよ...続きを読むうに見えるのだがなあ」 取り澄まさず、心がまっすぐであればあるほど、愛がねじれてゆく。斜めになる。「拗らせる」とはこういうことか、と考えさせられました。何度も読みたい!
大学生の時に読んだことあったけど再読。やっぱりなんか良い。この話結構好き。暗い、落ちて行く、そういう話しが好きなのかなと思う。
ジレンマに生きる直治が印象的。 貴族が没落していく様はなんとも切ない。太宰の教養が存分に発揮されていて、またいつか読み直したくなる文章だった。 斜陽と聞くと、斜陽産業とか(私は知らなかった、「斜陽族」って言葉の方が流行語だったのね)、なんとなく未来の見えないマイナスな表現に感じている。しかし、そもそ...続きを読むも斜陽とは夕方の西陽で日中より明るい、明るさの中に暗さを見出す(逆も然り)のが太宰の捉え方である、という解説を読み、斜陽という言葉の前提(原義)を改めて認識して、この小説の影響力の大きさを感じた。
人間は、恋と革命のために生まれてきたのだ。 このセリフに触れたいがために読んだ。 太宰が何を伝えたいかあまりわからなかった。 病的なほどの愛をか? きっとこの先読み返すことになる作品なのだとは思う。
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