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「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。
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Posted by ブクログ
本を読むのは好きだけれど今まで読んだことがなかった。面白かった。道化になる・・・というのは当てはまる人も居そう。私は「このティッシュを使うのを辞めたら・・・など途方もないことを考える」というのにとても同感した。幼い頃よくそう考えていたなと思い出した。人が誰しも考えたことがあるようなことを描写するのがとても上手い。色々な出会いや出来事が重なってしまった結果この結末になったのだろう。私は主人公は幼い頃に性的虐待を受けていなければこうなっていなかったのではないか・・・と考えてしまった。タイトル回収をきちんとしてくれたことに感動を覚えた。名作と言われる理由がわかった。
Posted by ブクログ
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです」という言葉、わかる〜。
幸福な出来事のあとに悪いことが起こるなら、それならいっそ幸福ごと最初から回避してまおうとすることが自分にもよくある。
そうすれば幸福と不幸の落差に落胆する分が減るから。
この誰かと共感しづらい微妙な心の機微を、なんと細かく適切な言葉で表すのかと感動した。
おそらく同種の人間が読めば響くし、そうでない人にはよくわからないとしか評されないであろう、人間の、というか太宰治本人の心の芯に触れるような作品。
人間失格じゃない人間なんていないんじゃないか。
どこか欠けている部分があるからこそ、周りの人は思わず助けたくなってしまうような魅力があったのだろうと思う。
それは女性に限らず、堀木も、ヒラメも。
むかーし一度読んだときはあまりにも自分が若かったこともあって難しく感じたのですが、今回プレミアカバーで販売されているのが目に止まり、軽い気持ちで買ってみたらとてもよかった。
この作品の良さがわかるくらい大人になったんだなーとしみじみ。
Posted by ブクログ
「恥の多い生涯を送って来ました」
から、始まる手記。
あーそうでした、そうでした。ずいぶん以前、生涯というほどの人生をまだほとんど生きてない頃、太宰治という神秘的存在に惹かれて、私が数冊も読んだ、ただ1人の純文学作家でした。
いったいその頃の私は、この作品たちをどう理解していたのか、きっと理解などしてないな笑
ただ、今も多分昔も思うのは、
普通、作家さんの書く作品とは、確かに作家さんの魂はこもっているだろうけれど、別の人生であり、別人格であると思って読むのだけれど、太宰治に限っては、その文章のひとつひとつが、全て、彼の血であり肉であり、息づかいであるかのように感じてしまう。
この作品を書き上げ、1ヶ月後に亡くなってしまう。
まるで遺書かのような作品になるはずだが、私にはそんな重さは感じられず、確かに内容は重いのだろうが、泥の中にいても、どこか、軽やかで、清らかで、「愛する人が死のうと誘ってくれたので、それなら私もご一緒しましょう」っという台詞が出て来そうな。
最後の一文「いまは、自分には幸福も不幸もありません。ただ、いっさいは過ぎていきます」
このように、幸福も不幸も感じない世界で、でもなお、清らかな心を捨てきれず生きていて欲しかったと思う。何故なら、こんなにも恥の多い人生のはずなのに、どこまでも真っ当で、どこまでも清らかな人と感じてしまうからだ。
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