あらすじ
「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。
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Posted by ブクログ
太宰治の自伝的小説
人を恐れるが故に心を悟られないよう上手に生きた色男の話。人の心には誰しも醜さがあり、多少は自覚していると思うが、それを余すところなく主人公視点で浮き彫りに描いている。主人公は極端すぎるが共感できる部分が多かった。
女、酒、薬に溺れても、愛することが上手にできなくても、人間を理解できなくても、最後にくだらない日常を過ごして笑えている結末はハッピーエンドだと思う。
Posted by ブクログ
ここ2年ほどで読書にはまり、やっとこさ人間失格に辿り着きました。正直この作品の半分も理解できていないかもしれないが、再読したい、何度も読み返して理解したいと思える作品でした。自分も主人公に似て道化をして育ってきた人間で、ただ同じ道はたどっていなく、普通にサラリーマンをして普通に幸せに生きられている。これが強いのか弱いのか。読後は堕ちた気分になりました。ただ、それは真理を知れて自分の人生も恥の多い人生だったから、と感じてしまった、知ってしまったからなのではないか。と書きながら思いました。
Posted by ブクログ
鬱々としていながらも、喜劇のような不思議な話。
文豪と呼ばれる人達はやはり文章がとても上手いので、手が止まることなく読み続けられました。
主人公は人間に向いていないと言いながら、人間らしいなと思うところもあり、物語として面白かったです。
個人的に、私はいわゆるダメ男にハマるタチなので、影のある男に惹かれる女性の気持ちにも共感してしまいました笑
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これおやすみぷんぷんなみの鬱要素がまんさいだ
誰も信用できない主人公がだんだんと酒や女や薬に毒されて毒されている間はなんとか人を忘れることができなんだろ考えなくてすむからすがるようにやっている主人公は惨めでありなんとも儚く美しかった
こんな惨めな男でもプライドだけは一丁前にあり男ってプライドでできているなともおもえた
太宰治の弱さを最大限にみせており弱みを見せる鬱陶しくもありなんだか愛おしさもかんじる人はこいつの魅力だなっておもた楽しかた
Posted by ブクログ
読み終わった....えぐかったわ
まずなんでこんな文章を書けるん普通にわからんわ
これって太宰の実話...ではないやんな
最後まで共感はできなかったしなんか人生を達観「してしまった」人の物語みたいな感じがした。
ただひたすらに落ちていったな
でもなんかぜったい悪とも言い難い、なんか絶妙なかわいげがあるというか...だから主人公は女性に好かれたのかもしれない
でも結局、つまるところ欲に忠実であった気がする
なんかマジで感想という感想が出てこんな
Posted by ブクログ
流石、面白過ぎた。
太宰治の限りなく自伝に近いフィクション。
〈あらすじ〉
「恥の多い生涯を送ってきました。」という冒頭から、男は自身の人生を告白し始める。幼少期から人間に対し強い恐怖心を抱き、道化師を演じることでのみ家族や友人含む他人と関わってきたこと。勉学の才能に恵まれたにも関わらず裕福な出自に甘え酒や女遊びに堕落していく学生時代のこと。心中未遂の後に女の住まいを転々とするも薬に手を出し病棟に入れられたこと。その言葉の通り恥の多い彼の人生に人の生きづらさや不完全さが描かれている。
前半は高尚な文章で「僕は裕福な家に生まれ勉強もでき人間関係は苦手だったがコツを掴み人気者で女にもモテる」って書いてます。おもしれー男。
中盤はいよいよヤバいやつだなとドン引き。現代でいう発達障害的なものの匂いがする。持ち前の顔の良さでどうにか世渡りして行く様子が一種の才能にも見えるし、長くは続かないその刹那的な生き方に強い虚無感も感じられる。
後半は、もうご愁傷様。確かにこいつは人間失格。若いお嫁さん気の毒だ。酒と薬と女で人生めちゃくちゃかーと同情していたらまだ27歳だって。全然これからジャーン(人生100年時代の今日とでは27歳の意味が違うのか)。
強い陰の力があって近寄りたくないのにその文才に引き込まれるような1冊だった。いやこの文章力羨ましい
Posted by ブクログ
読書に少しづつ魅了されていた時に出会ってしまった、私にとって薬でも毒でもあるような一冊でした。
本屋でこの題名を見た時、きっと私はこの本を読まないといけないだろうというような感覚に支配され、気がつけば買ってすぐに読破してしまったのを覚えています。
普通とは相容れない主人公、葉蔵が人間臭く落ちぶれていくストーリー展開、読者という視点で葉蔵という人間を見ていなければ、きっと同情することも魅力を感じることもなかったでしょう。
この一冊を読んでしまったが故に同情し、魅了されてしまいました。
読み終わった後の余韻と、なにかこの本が自分の価値観や世界観に影響を及ぼす恐怖感が今でも鮮明に思い出されます。
自分で考えれば考えるほど、この本に考えさせられていることに少し嫌気がさすほどに脳内にこべりつきました。
間違いなく、素晴らしい一冊ですが、いい意味でも、悪い意味でも、私の中にずっと残り続ける名作です。
変に勘違いされないよう、最後に添えておきますが、私はこの本が本当に大好きです。
Posted by ブクログ
<2回目(2026/8/2)>
葉ちゃんは酷く怖がりで、人や社会から拒絶されないようにお道化を続けてしまったのだろう。幼少期は空腹を感じたことがないなどと、人間の感情がないような表明をしていたが、大人になってからお酒や薬に溺れ、奥さんや世話になった女性への気遣いを忘れず、立派な画家になろうとしていたところなんか、実に人間っぽい。
解説に似たようなことが書いてあるが、自分を人間失格と”カッコつけて”言いたいだけの、今でいう中二病を最後まで貫いた主人公のように見える。
<初回の感想>
人間の皮を被った人間でないものに自分が思われる。
意外と周りの人間も人間のふりをしているだけかもしれないね。
性根から悲観的、懐疑的な人にはこんな風に世界が見えるのかと驚いた。
自分は楽観的、信頼的なので、この手記の作者の考えの5%もわかっていない気がするが。
10年くらいしてからまた読みたい。
Posted by ブクログ
はっきりとした感想が思い浮かびませんが、すごく身に覚えのある、共感に至るところがあります。
愛想よくすることは努める必要があり、他人との劣等性を強く感じてしまい、逃げることを選択する。
この相容れなさは自分を下げ続けてしまう感情です。
所感はただのクズが勝手に落ちぶれて、沼に嵌って抜け出せず、自滅していく無様な話ですが、何か引っ掛かるのです。
自殺する選択肢があまりにも軽くあるのは時代背景なのかわかりませんが、女とともに死を選択するところは私の思考にはなく、理解し得ません。
孤独感からの解放を求めていたのでしょうか。
人間失格
いまは自分には、幸福も不幸もありません。
ただ、いっさいが過ぎて行きます。
Posted by ブクログ
葉蔵の自虐的ナルシズム。
自ら飛び込んでいった先にある不幸に溺れるさまに快楽すら感じているのではないかと思わされるほどの強烈なナルシズム。
現代でいうHIPHOPなどに通づる自虐的な性癖。
十代後半から二十代で感じる孤独感や無力感を抱えた人間には痛いほど共感するのではないでしょうか。
そのような『はみ出し者』は太宰治の生まれ変わりなのではと強烈に感じるのでしょう。
俺みたいに!
Posted by ブクログ
序盤からすぐに引き込まれた。
文体が難しそうという先入観があったのだけど、全然そんなことなくてすごく読みやすかった!
時代背景は今とはかなり異なると思うけど、そんなに時代ギャップを感じなかった。すごい。さすがは時代を超えて愛される名作である。
人間というものが理解できず、怯え、紛れ込めるように道化を演じる主人公。彼視点の周囲の人間への洞察が非常に興味深かった。
上辺の付き合いというのは人間関係でよくあるものだし、こうしてメタ的な視点で見ると人間関係とは実に奇妙なものだと思う。かなり主人公に首肯できる部分も多くあり。
太宰治の人生と重なる部分が多く、彼自身も道化を演じ続けていたのだろうかと想いを馳せる。しかし、道化を演じてない人なんていないんじゃないかとも考える。人はだれしも浮かないように、必死に道化を演じて取り繕いあったものが世間なんじゃないかなあとこの本を読んでて思った。
Posted by ブクログ
感激。わたしが文章を書くとき、内容に合った言葉を探しまわって、ひとつ見つけ出して、何とかして書くことが多いものです。けれども『人間失格』では、言葉があふれ出して、もう見つかっているなかでどの言葉がいいか…あれがいいこれがいい、と書いているように特に感ぜられます。
彼は『人間失格』を、頭で書きながら心で書いて、何だかよくわからないものの"魂"で書いているような気がしてくるわけです。"魂"って何だろう、とさえ思わせる何ががある…。
人間の奥底から溢れててくる想いと言葉たちを、ひとつの作品の中で明るみに出すこと。人間の奥底にある"何か"。『人間失格』は、"魂"によって書かれているだけではなくて、"魂"を描いているような気がする、という漠然とした感想なのでした!
Posted by ブクログ
確か中学の朝読書で読んだ。
内容は全く覚えてなかったけど。
私自身も子どもの頃は家族から求められる「末っ子らしさ」を無意識に演じていた。
「自分はこういう役目を期待されてるだろうな」そんなことを考えて行動していたと思う。
自分では言葉にできなかった感覚を、ここまで言語化できるのかという驚きがあった。
最も衝撃を受けたのは、葉蔵の幼少期のある出来事がごく短く語られる場面だった。
Audibleだったので「え? 今なんて言った?」と思って戻ったくらい、サラッと通り過ぎた。
この短さにかえって本人にとって触れたくない、忘れたい記憶だったのではないかと思えた。
誰か一人でも気が付いて、葉蔵を守って欲しかった。
葉蔵のこの幼少期のトラウマが、この後の生きづらさにつながっていたように自分には思えてならなかった。
だからその場面を境に葉蔵のことを、深い傷を抱えたまま生き続けてきた人として見るようになった。
『人間失格』だったのは本当に葉蔵一人だったのか…?そんなことを考え続けてしまった。
Audibleにて。
Posted by ブクログ
葉蔵に共感できる部分があった。生きていくのは難しい。ただ、一さいは過ぎていきます。の一文が特にその通りだなと思った。まさに真理な気がする。太宰さん作品、また読みたい
Posted by ブクログ
「太宰に対しては全肯定か全否定しか許されない。」と解説にあったように、太宰治は文豪の中でも好き嫌いがはっきりしているイメージを抱いていた。そして自分は太宰が好きな側の人間であることが分かった。『人間失格』を楽しめるというか、面白いと思う人間であることも。
『走れメロス』は当然学校の授業でやっていて、それ以外の機会に太宰を読んだ事はなかったが、新潮文庫のプレミアムカバーが出ていたので、購入してみた。
高校生の時に授業中暇で、電子辞書で冒頭だけ読んだことがあるように記憶してるんだけど、当時抱いた印象とは違って思っていたよりも全然読みやすかったし、文才に驚いた。どうしても心中ばかりしてたイメージが先行してて、こんなに面白い文章書く人だったか、という。
「『人間失格』を書き終えた太宰治には、もうこの世はどうでもよかったに違いない」という解説の言葉通り、確実に命と精神が削られた文章だなという印象。ずっと鬱々としているし、情緒も不安定だし。ただ、死の匂いが香る文章というのは、言葉に表せない魅力があると思う。
「汽船と汽車はいずれも悲劇名詞で、市電とバスは、いずれも喜劇名詞」
これ面白かった。なぜ汽船と汽車は悲劇名詞なんだろう?死を連想できるから?
罪の対義語の話もしていて、個人的には罪の対義語は許しかなと思ったが、調べてみたらどうも功っぽい。また読み返したくなりそう。
Posted by ブクログ
「恥の多い生涯を送ってきました」から始まるこの作品は、純文学の真骨頂ともいえる、太宰治の最高傑作だと私は思いました。
着実に、じわじわと主人公・大庭葉蔵が破滅していく様は、まるで人間の心の奥底にある負の感情を掻き出されるように感じました。読んでいる私も、負の感情を掻き回され、読み終わったあとは少し憂鬱な気分になりました。
ページ数も少なく、太宰治に初めて触れたいという人にはおすすめの一作です。ぜひ、読んでみてください。
Posted by ブクログ
夏になると文庫フェアで純文学をよく見かけるので読みたくなります、ページ数も200もなく読みやすい作品。
道化を演じてることからユーモアも交えてあり酒と女と薬と自殺未遂と終始鬱々しい作品であるにも関わらず読み進めることが苦になることも面白かった。
また何度も読み返したい。
Posted by ブクログ
「女、酒、薬物に溺れていったクズ男の話」では括りきれない、なんとも言えない読後感。陰鬱な自伝ではあるものの引き込まれてしまう魅力的な作品だった。
断れない性分だとかあまり人ごととは思えない心中の描写や逡巡の様が印象的だった。誰しも大なり小なり道家は演じてるんじゃないかと思う。
せっかく多少上向いてきたかと思った中でのヨシ子の事件が辛かった。ただ少しも相手の男やヨシ子への憎悪の描写がないあたりがまた葉蔵らしく悲しい。
幼少期の女中、下男からの性的虐待がなければ葉蔵の人生はこうはならなかったのかと考えてしまった。
あとがきでメタ視点になる流れがまるで映画のようで美しかった。
Posted by ブクログ
言わずと知れた日本文學界不朽の名作。読み終えて思うのは、やはり自分も「恥の多い生涯」を送ってきたのではということです。
幼少時代を振り返ると、両親や周囲の大人たちの期待や怒り、感情に応えようとする余り、自分の本心を隠しながら日々やり過ごしていたように思います。自分からこれがしたい!という気持ちで選択肢を選び取ったことって何回あったっけ、、
それから月日は流れ、思春期•青年期へ。これまでに染み付いた判断の物差しを外部に求める思考は中々棄てきれず、本音が言えなかったり、自分の殻を破れなかったりすることもしばしば。周囲に合わせるということは、自分で考えることから逃るということでもあるのです。
勿論、葉蔵が伝えたいのは自分本位になれということではありません。ただ、長年自分の顔に貼り付いた「道化」をかなぐり捨て、自我を強く持ちなさい、今日からでも遅くない。と語ってくれている気がします。
Posted by ブクログ
再読です。
「人間失格」というタイトルは、何度見ても本当に魅力を感じます。
作者の遺書のような作品だということも知ってはいたのですが、あえて主人公に重ねないように意識して読みました。
前回よりも物語の解像度が上がったからか、主人公の恐怖や不安などの感情がこちら側にゆらり、もたれかかってくるような感覚でどこか儚く、目の前に居たらダメだとわかっていても思わず追いかけたくなっていたでしょう。
ふらりと終わりの近くを歩いている姿を羨ましく思ってしまうのは、生に喜びを感じている今の私だからこそ得られるものかもしれません。
次にこの作品を読むときに感じる感覚がどういったものになるのか、とても楽しみです。
Posted by ブクログ
Premium Cover 2015
人の心みたいなものを感じられず、食欲もなく、ただひたすら周囲に合わせお道化を演じて生きてきた、というのは流石に人間離れし過ぎていて共感しようがなかったけれど。それでもだんだんと見え隠れし始める人間らしさやクズっぷりがタイトル通り最高に人間失格で面白い。
解説がとても良かった。太宰の生涯と本作の成り立ちが物語のように整理され、本作ももう一度読みたくなったし、他作にも触れてみたくなった。
Posted by ブクログ
「ダメ男だ。」
と評価して読み終える人もいるかもしれない。
幼少期からの人生をここまで鮮明に、秀逸な文で心情を表した人は他にいないのではないかと思う。まさか彼と同じ人生を歩んだ人は殆ど居ないと思うが、そのダメ男の感情の中には私達の心の奥底にあった幾つもの共通点が、遂にその素晴らしい文で輪郭を浮かべられたはずだ。
この一冊は彼の人生を持ってして作られた唯一の本であり、死を予定した本人にしか造ることの出来ないもの。死を予定したことで許された走馬灯である。本作に追随する偉大な作品は、今後造られることは殆どないと思う。
ダメ男、ただこのダメ男によるあまりにも有名な「人間失格」という存在は間違いなく我々の心の柱になり、どれだけ多くの人々の心を和らげ、救ったのだろうかと想像する。この作品があまりにも有名であるという存在は、私には計り知れない程大きな意味を持っていると思う。その点日本人は幸運だとさえ思ってしまう。
Posted by ブクログ
一人の男の生涯を描いた作品。
人間に対して抱く恐怖が詳細に描かれていた。終盤、主人公が自身に人間失格の判定を下す大きなきっかけとなった事件の元凶が、これまでの登場人物ではなく名もない男というのがリアルでつらい。そこから酒や薬にどんどん溺れて抜け出せなくなっていくのがやるせない。
昔の作品だけど今でも使う表現や横文字が多用されていて意外と読みやすかった。
Posted by ブクログ
恥の多い生涯を送ってきましたと冒頭に書かれていた。読み終わったあと、結局葉蔵(太宰治)は、何が恥だったんだろうと思った。
毎日酒に溺れていたこと?生活がだらけていたこと?女に夢中になっていたこと?浮気されたこと?ピエロのように演じ続けたこと?
葉蔵は人生を通して、ありのままの自分を曝け出すことができていなくて生涯ずっと演じ続けていた。
それは現代でいう生きづらさに通ずるものがあると感じた。どこかしら共感している自分がいました。
太宰治に比べたらまだまだ人生捨てたもんじゃないと思ってしまった。
人間の弱さや本質を垣間見ることができる作品。
Posted by ブクログ
空気を読み、愛想笑いをし、役割を演じる。世間の人々は人間関係の調整をしながら”普通”に生きている。一方、葉蔵にとって演技は人間関係の表面的な調整ではなく、存在全体の偽装と感じる。素の自分を出した瞬間、存在を否定されると恐怖する。葉蔵を否定するのは世間ではなく葉蔵自身。自分で自分を否定しているため、幸福が来ると「自分には資格がない」と感じる。葉蔵は自分を隠すため、命懸けの演技を続けているうち、何が自分の本音か、どこまでが役なのかわからなくなる。演技しているのではなく、演技しかなくなる。仮面を外した奥が空洞になり、”人間である”という感覚から脱落していく。太宰治『人間失格』1948★
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五月のキュウリの青味には、胸がカラッポになるような、うずくような、くすぐったいような悲しさが在る。太宰治『女生徒』1939
幸福の便りは待っている時には決して来ないもの。『正義と微笑』1942
駄目な人間は幸福を受け取るときでさえ、下手くそを極めるものである。太宰治『貧の意地』1944
かず子。旧華族の娘。家は没落、東京の邸宅を失い、伊豆の小さな家に引越し。母は弱気になり病死。弟(直治)が戦地から帰国するが、家の金を持ち出し、酒に溺れて自殺。かず子は元カレの上原を訪ね、一夜を共にし妊娠▼もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです▼生きていること。やりきれない息もたえだえの大事業。太宰治『斜陽』1947
よい仕事をしたあとで一杯のお茶をすする。お茶のあぶくにきれいな私の顔がいくつもいくつもうつっている。どうにか、なる。太宰治『葉』1947
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爆撃のさ中に、幼児達は奇妙に泣かないものである。彼等の心臓は波のような動悸をうち、彼等の言葉は失われ、異様な目を大きく見開いている。(彼らの目は)必ずしも不安や恐怖というものの直接劇的な表情を刻んでいるというほどではない。理智的に思われるほど情意を静かに殺している。坂口安吾『白痴』 1946
私は悪人です、と言うのは、私は善人です、と言うことよりもずるい。坂口安吾『私は海を抱きしめていたい』1947
虚空・狂気・桜。坂口安吾『桜の森の満開の下』1947
自由を与えられれば与えられるほど生きるのはつらいんだよ。縛られれば縛られるほど生きるのは易しいんだよ。坂口安吾『作品 創刊号』1948
Posted by 読むコレ
再読。晩年に心身ボロボロの状態で自身の思いの丈をぶつけた手記的な作品、という印象でしたが、全く異なりました。
言うなれば(生意気ですが)冷静そのもの。
主人公の持つキャラクター性は、世間一般に知られる著者の性格とはきちんと一線を画している様ですし、物語は伏線を張るなどしてリーダビリティにも気を遣っていた様子。ましてやコミカルな描写まで抜け目なく挟まれており、まさか人間失格でちょっと笑わされてしまうとは!
氏がどんな心境で本作を執筆されたかなど知る由もありませんが、作家の気迫と矜持は見せつけられました。
すげえ。
Posted by ブクログ
かわいい坊や→美しい青年→印象に残らないほど感情というものが見えない白髪の男性
冒頭で描かれた1人の人物像、全部読んで納得した。
嫌われるのが怖くて自分を隠して生きて、
いつしか偽物の笑顔が自分の普通になって。
周りを楽しませるため(自分を守るため)の道化が
結果的に自分を苦しめることになって。
自分が小さい頃から怖がってたのはこんなものか、と、ふと気づいた頃にはもう遅くて。
坊やの時代に、貴方のことは嫌いにならないよって
いう無条件の愛情をたっぷり受けていたら、
道化を演じなくても(周りの人の機嫌を伺わなくても)
すんだのかもなあ。
でも、そんな生き苦しい中で、
(自分で自分を苦しめてる中で)
時折寂しい顔をする美青年だからこそ、
周りの女の人は守りたくなるわけで、
それが魅力だったわけだし。
個人的にはシヅ子(編集者)と
うまくいってほしかったなあ…。
あとはヒラメがもっと愛情深い人だったらな、、。
というかはっきり学費出すよ(俺じゃなくて国が)って言ってくれたらどうなってたのか、。
でも学校行っても結局女の人に囲まれて、っていう環境は変わらなかっただろうから、同じなのかな、、。
堀木は今まで、主人公に対して、
漫画の才能も、頭の良さも勝てず、
好きな人もとられ、、、でもなんだかんだ友達。
終盤、主人公が薬に溺れ、病に苦しみ
弱くなった姿を見て、最後に優しい微笑みしてたのは、堀木としてはなんか安心したのかなあ。
ああ、こいつもずっと無敵じゃない、
普通に人間なんだってわかったのかなあ。
人間失格、理解できるか不安だったけど、
自分なりの解釈で読み進められてよかった!
面白かった!
Posted by ブクログ
少し難しかったというのが正直や感想。
ただ、私は葉蔵と同じ故郷なので、東京の人のハイカラさと、改めて感じる自分の中の田舎さ、というのが痛いほどよく分かりました。
葉蔵なりに頑張って生きている。人間失格なんかじゃない。
もし私が葉蔵の隣にいるなら、そう言ってあげたいです。