【感想・ネタバレ】人間失格のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

葉蔵は今まで読んだどの本よりも人間らしいというか人間くさい人物でした。
ここだけで本1冊になるよ!という内容をたった数ページで済ませてしまうほど濃い人生にだいぶ驚きながら読みました。
人のどうしようもない部分を煮詰めたような人なのに放っておけない、むしろ程度の差はあれ共感してしまう。ずっと愛されてき...続きを読むた小説の所以は主人公への共感だと思いました。

人間、失格。のところは遂に来た!となぜか感動できます。読んでよかった…!

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Posted by ブクログ 2024年04月27日

そういえば未読だった作品。主人公の感じる息苦しさには共鳴するところがあるが、きっと読者みんながそうなのだろう。彼もそれをわかっていたら、もう少し生きやすい世の中に出会えたのだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2024年04月24日

人は誰しも脆く陰鬱な精神を少しでも持ち合わせており(少なくとも自分はそう)、この精神的自叙伝を共感として見るか、嫌悪として見るのか別れるのだろう。
太宰を嫌いにならなくてもいいんじゃない?と思うところです。

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Posted by ブクログ 2024年04月08日

初めて太宰治さんの作品を読みました。面白かった。どうなってしまうんだろうと引き込まれました。読み終わって思ったことは、葉蔵さんをどこかのタイミングで救えなかったのだろうか…だった。人間失格なんてことはないんじゃないかな。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

自分を否定し、追い込み、自ら破滅へと向かう姿に胸が痛みました。
誰しも自己否定してしまうことがあると思いますが、自己肯定することが生きる為には大切だと
痛感した気がします。

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Posted by ブクログ 2024年03月29日

青森に旅行に行こうと思い、太宰治を読んでみることに。
最初の数ページだけ読み、残りは行きの新幹線で。
内容が面白かったので予定を変更して青森駅から斜陽館に直行しました。本にもでてくる生家を見学できてテンション上がりました。
本の内容とウィキペディアの情報から、太宰はクレイジーで不幸でなかなか迷惑な人...続きを読むだと思ってましたが、疎開の家で、太宰はユーモアがある人で美知子夫人と結婚してからは安定していた。と聞き、安心しました。
人間失格についてですが、どこまでが本当の自分のことでどこからが脚色なのかがわからないので何回も読みたくなります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月19日

とても鬱鬱とした話だった。好みが分かれるだろうが私は好き。葉蔵に共感できるというのが一番の理由だ。その組織の目的を達成するためではなく雰囲気が好きだからという理由で所属している、人の期待に押し潰されるようになる、本当の自分を理解してくれない寂しさがあるなど共感できるところを数え出したらきりがない...続きを読む
また、手帳の最後の「自分はことし、二十七になります。白髪がめっきりふえたので、たいていの人から、四十以上に見られます。」という文章を読んだ時にはそこで終わるのか、という相反する感情である物足りなさと満足感が混ざったような気持ちになった。てっきり最後は自裁して終わるのかと思っていたが、そうではなく、まだ希望を持たせる表現で終わったのが少し救いになった。
そして、物語の最後の「私たちの知っている葉ちゃんは(中略)神様みたいないい子でした。」という文も印象に残った。どんなに落ちぶれても自分のことを思ってくれている人はいるという救いと、散々神に見放された男に「神様みたい」という形容を当てはめることの皮肉さに心をぐちゃぐちゃにされた。
この本は私小説に近く、太宰治の経験を元に書かれている。本の最後の解説を読んで、また見方が変わった。今までは太宰治は陰気臭くてぬめぬめした話を書くナルシストだと思っていたが(とんでもない思い込みだ)、物語を読み、解説を読んだときにはそんな考えは消し飛んだ。私は太宰治の生き方や考え方に感銘を受けたし、心の底から尊敬できる人だと思った。特に、世の中の悪や偽善に対抗するにはまず自分の中にあるそれらを徹底的に潰さなければいけないという考え方や、そのような「主観的真理」を貫き通すために命をも掛けたという生き方に心を動かされた。一度でいいから太宰治が生きている時代に生まれてみたい。そして、解説を書いた人のような興奮を味わってみたい。
この本を読んでから、人間の傲慢さや愚かさに目が行くようになって、少々息が詰まるような日が数日続いたが、別の本(虚空教典)の、愚かさをも愛するという話を読んでからはそんなことは無くなった。人間失格の後にその本を読んで本当に良かったと思っている。所詮は自分も感化されやすい愚かな人間でしか無かった。
少し前の本のため読点が続いて中々一文が終わらなかったり、漢字と平仮名の区別が(今の感覚からすれば)独特だったりと読みずらいところも多かったが、
読んでいくうちに慣れたので問題なかった。
この本は「純文学」というジャンルに分類されるらしい。調べてみたが、確かに表現の仕方などが(大衆小説と比べて)芸術的だと思った。

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Posted by ブクログ 2024年03月18日

ASD傾向ある人は葉蔵に共感すると思う。
人生は終始芝居をうっているようなもので。
葉ちゃんは、頭が良かったから余計に隠せてしまったんだろう。隠すことにいつも疲れてたんだろう。
その対照の位置に、竹一がいたんだろう

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

理解はできるが、共感はできない。共感するには人生経験がまだ足りない。
女が好きってより自分を見出そうとする経緯で愛してる?

世間は個人、自分もまた自分本位だからこそ、そう考えるのではないか。

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Posted by ブクログ 2024年02月21日

やっぱり太宰治の文の書き方はとても惹き込まれる。一気に読んでしまった。
内容としては、主人公が暗すぎてびっくりした。でも文豪と言われる人の人生はこんな感じなのかなと思うと、命を懸けた職業だと感じた。
人間失格とあったが、私は、彼はとっても人間らしいなと思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2024年02月22日

初めての太宰治の作品。

人間失格という作品は本当に初めて読んだ。人間の本性というか、そういうものを感じたと思う。人間が怖いという感情を上手く言語化している。

また、最後のほうに「あのひとのお父さんがわるいのですよ」と簡単に書いている。この部分に親が子に対する何気ない言葉が、子を縛るのかもしれない...続きを読むと思う。

もう3回は読みたいし、読まないとわからないと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

全てに共感してしまうのは自分が人間失格だからなのだろうか。と思うと同時に自分だけじゃないからこの作品が多くの人に読まれているのだと気づく。こんなにも悲観的に生きる必要はないのではないかと少し肩の荷がおりました。

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Posted by ブクログ 2024年02月08日

やはりこれは名作。
確かに鬱々とした内容ではあるが、ユーモラスでウィットに富んでいてサクサク読める。
色々ととんでもない人生すぎて、こんな風に人間失格でもいいじゃないか...と思える。
文豪の筆力にただただ圧倒される本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月02日

人生で1度は読んでおきたいと思った本。きっとお人好しすぎたんだろう、周りに気を使って、愛する妻の寝取られを経験した。そんな出来事があったらみんなこんな風になるだろうな。特に私は今年27になります、周りには40以上に見られます。人間失格として生きていたんだなあと分かる最高の終わり方だった。

17 何...続きを読むが欲しいと聞かれると、とたんに、何も欲しくなくなるのでした。どうでもいい、どうせ自分を楽しくさせてくれるものなんか無いんだという思いが、ちらと動くのです。と、同時に、人から与えられるものを、どんなに自分の好みに合わなくても、それを拒む事も出来ませんでした。

51 世の中の合法というもののほうが、かえっておそろしく、そのからくりが不可解で、とてもその窓の無い、底冷えする部屋に座っておられず、外は非合法の海であっても、それに飛び込んで泳いで、やがて死に至る方が、自分には、いっそ気楽のようでした。

64 弱虫は、幸福さえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。傷つけられないうちに、早く、このまま、わかれたいとあせり、れいのお道化の煙幕を張りめぐらすのでした。

100 世間とは、いったい、なんのことでしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。

116 結婚しよう、どんなに大きな悲哀がそのために後からやって来てもよい、荒っぽいなどの大きな喜びを、生涯にいちどでいい、処女性の美しさとは、それは馬鹿な詩人の甘い感傷の幻に過ぎぬと思っていたけれども、やはりこの世の中に生きて在るものだ、結婚して春になったら2人で自転車で青葉の滝を見に行こう、と、その場で決意し、所謂、「一本勝負」で、その花を盗むのにためらう事をしませんでした。

138 ああ、この人もきっと不幸な人なのだ、不幸な人は、ひとの不幸にも敏感なものなのだから

とても素直で、よく気がきいて、神様みたいないい子でした

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購入済み

素晴らしかった

m
2020年05月22日

小説嫌いな自分でしたが、初めて感激を受けました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月03日

文豪の作品を初めて読んだ。
文章が自分に合うかと言われるとそうでもなくて、1ページに文章がギチギチなので、読むのにすごく時間がかかったし、進みの悪さに心折れそうになったりもしたけれど、それでもなぜか読むのをやめられなくて、最後まで読んでいた。
単純にただ面白いとも言いきれなくて、それでもこの本を最後...続きを読むまで読んでしまう理由が、自分でも言葉に表現できない。
明るい話ではなくて、すごく人生の苦の部分を詰め込んだような作品だったけれど、読み終えた後に、心がすごく沈むこともなく、不思議な作品だなと感じた。それはこの作品の中で、小さくとも自分なりに希望を見出すことができたからかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月26日

初めていわゆる文豪と呼ばれる人の作品を読んだ。
読み終えてまず一回読んだだけでは殆ど何も読み取れなかった。読み取れなかったが強烈になにか心を動かす何かがありこれから何度も読んでそれを見つけたいと思った。
以前何かの本で時間の洗練を受けても残った作品という表現を思い出し、この作品にピッタリだと感じた。...続きを読む時の洗練を受けてはいるが何か人の真理を表している気がする。
読み終えて、
心の何かが欠落しているため善と悪の違いがわからず判断もできない又、誰かを信じる辛さよりも誰も信じない辛さを受け入れる悲観的な立場である事。

既に大きな傷を抱えていてそのことに気づいていない、そして大きな傷を癒すため人に癒しを求め一時的には回復するが既にある傷が大きすぎるため塞がらないでより多くの傷となり返ってくること。そして物による継続的な回復を図るが人間として終わってしまう事。
一度読んでこの作品からは、人は結局人によってしか生かされないという事が何となく読み込めた気がしました。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

非常に示唆的で、人それぞれ、共感出来ない人も意味を持つ作品。誰が読んでも何かしら得るものがある。funではない意味で面白さがあり、ページを捲る手が止まらなかった。共感できる生き方を描く作品は沢山あるが、その逆はなかなかないと思う。
人間の「罪」を詰め合わせたような存在でいて「善」である主人公。「人間...続きを読む」の末路を描いており、人がどう評価しようと、酷評されるほどむしろ価値があるとも捉えられるような作品。(善悪は人が決めるが、罪は神が決める。罪の反対は何か。と語るシーンがあった。理屈くさい主人公だがそこも〇)
私は内心人を評価し、根本的に下に見ているが良い人のふりをする。バレたくないが理解されたい。そんな感情に共感した。
一方、この主人公はもっともらしい、理屈らしいことを考えているが、意思が薄弱で自業自得と思ってしまい、作品に感情移入や共感はできなかった。
だけど、それでこの作品の価値はやはり無くならなくて。迷ってるならとりあえず読むべき。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

アメリカでプチ流行していたと聞き通読致しました。
主人公の心の声が事細く記されており、負の感情は自分に通じる思考プロセスがあり共感した。組織よりも「個」を重視する傾向があるアメリカ人にとっても共感する葛藤が表現されていたのかなと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月21日

読み終えて2日くらい普通に憂鬱でした。褒めてます。
純文学はあまり読んだことがなかったので、作者の人生を等身大に切り売りしている作品が新鮮で、文豪としての強さを魅せられました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月20日

葉蔵は非常に人間的だと感じた。
自己肯定感が低い割には、自己愛が強いという矛盾した性格によって苦しんでいたのだと思う。
個人的にこの苦悩こそ人間らしいと思った。

女、酒、金にだらしなく怠惰で、最終的に薬物中毒で入院。確かに葉蔵の行動は「人間失格」なのかもしれないが、これもまた人間本来の姿なのかもし...続きを読むれない。
葉蔵が「人間失格」ならどのような人が人間合格なんだろう。

葉蔵は幼少期から道化師を演じていたため、それでしか人とコミュニケーションをとることができず、人に本当の自分を見せる恐怖、拒絶される恐怖があったんだと思う。まさに人間不信。
「あの人のお父さんが悪いのですよ」

むずかしかった。熟考の末、多様な見方ができる。
次回読んだときには、また違う印象かもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

人間社会と自分の間の溝を道化で埋める
人の本心や本性がどこまで素直に出ていて、
どこまで抑えているのか、
曖昧さを残したまま大人になって社会になってく

そういう一般の営みへの疑問を捨てきれなかった

太宰の実話が主となっている遺書のようなもの
葛藤を小説にそのまま残したようなもの

「弱虫は幸福を...続きを読むさえおそれるものです」
「世間ではなくあなたでしょう?」
「あなたを見ていると、
なにかしてあげたくて たまらなくなる」

幸福をさえおそれる、
変化自体に緊迫するのは同じだった
(本来そういう意味のセリフかは分からない)

所謂普通でない精神や行動を持ちつつも、
太宰(大庭葉蔵)にはいつも助けてくれる人がいた

滑稽な道化と底無しの暗さの高低差がそうさせるのか、助けてあげたくなるのかも知れない。

そこだけを見ると羨ましいとも思える。
また何度か読みたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月06日

・感想
初太宰治。
オモコロで走れメロスを併走して太宰結構面白いかもと思い、今更この超有名作に手を出してみた。
終始「この思考と行動じゃそりゃ生きづらいだろうな」としか思わなかった…。

自己肯定感がそこそこ高い私みたいな人間には共感できない部分が多かった。
でもおそらく多分思春期に読んでたら刺さっ...続きを読むたのかもしれない。
もうこの思考でうだうだしてる時期は過ぎ去ってしまったんだな・・•
も少し若い時期だと反発したかもだけど今は「そっか大変だね」位の感想しか持てなかった。

構成とかはすごい好きだし、最後の〆の一文が名文。
また「世間とは結局個人」と講釈垂れてる部分にはすごく納得した。
「表と裏」とか考えずに見る角度によっていろんな面があるって思えばいいのにね。

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

この作品には色々な楽しみ方があるだろう。自殺前の太宰が書いた本であることを把握した上で読めば、より緊迫感が増す。こんなクズ男でも27歳までは少なくとも生きながらえたと思えば、自分に自信が持てるかもしれない。個人的には道化を演じた葉蔵が竹一に見破られているシーンの心情描写が非常にリアリティに溢れていて...続きを読む、ここは現代にも通ずるものがあると感じた。いたく共感を抱いた読者も少なくないのではないか。

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Posted by ブクログ 2024年02月14日

葉蔵もとい太宰の生きた証を見た。
純粋で繊細が故に自分を騙すことで生きている。共感できる部分が常にあり、最後マダムの「神様みたいないい子でした」というセリフで救われた気がした。

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

五月のキュウリの青味には、胸がカラッポになるような、うずくような、くすぐったいような悲しさが在る。太宰治『女生徒』1939

駄目な人間は幸福を受け取るときでさえ、下手くそを極めるものである。太宰治『貧の意地』1944

もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あ...続きを読むなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです。▼生きていること。やりきれない息もたえだえの大事業。太宰治『斜陽』1947

よい仕事をしたあとで一杯のお茶をすする。お茶のあぶくにきれいな私の顔がいくつもいくつもうつっている。どうにか、なる。太宰治『葉』1947

弱虫は幸福さえ恐れる。綿で怪我をする。幸福に傷つけられる。▼人間はこぶしを固く握りながら笑えるものでは無い。▼それは世間がゆるさない。世間じゃない。あなたがゆるさないのでしょう? ▼最初の喀血(かっけつ)でした。雪の上に、大きい日の丸の旗が出来ました。太宰治『人間失格』1948 ※人間の欺瞞に対する憎悪
 
爆撃のさ中に、幼児達は奇妙に泣かないものである。彼等の心臓は波のような動悸をうち、彼等の言葉は失われ、異様な目を大きく見開いている。(彼らの目は)必ずしも不安や恐怖というものの直接劇的な表情を刻んでいるというほどではない。理智的に思われるほど情意を静かに殺している。坂口安吾『白痴』 1946

私は悪人です、と言うのは、私は善人です、と言うことよりもずるい。坂口安吾『私は海を抱きしめていたい』1947

虚空・狂気・桜。坂口安吾『桜の森の満開の下』1947

自由を与えられれば与えられるほど生きるのはつらいんだよ。縛られれば縛られるほど生きるのは易しいんだよ。坂口安吾『作品 創刊号』1948

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Posted by 読むコレ 2014年04月16日

再読。晩年に心身ボロボロの状態で自身の思いの丈をぶつけた手記的な作品、という印象でしたが、全く異なりました。
言うなれば(生意気ですが)冷静そのもの。

主人公の持つキャラクター性は、世間一般に知られる著者の性格とはきちんと一線を画している様ですし、物語は伏線を張るなどしてリーダビリティにも気...続きを読むを遣っていた様子。ましてやコミカルな描写まで抜け目なく挟まれており、まさか人間失格でちょっと笑わされてしまうとは!

氏がどんな心境で本作を執筆されたかなど知る由もありませんが、作家の気迫と矜持は見せつけられました。
すげえ。

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

美しい言葉の詰まった
人間あるある本
全ての人に共感できる、出来ないと
感じるだろう
個人的には斜陽が好き

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

読んでいると心がざわついて来るような作品でしたよ……

太宰治という人間をそのまま写し込んだようで居て、それとも人間の絶望を押し込んだようで居て
葉蔵という人物が辿った生涯は全て描かれているわけではないけれど、彼が体感した濃密過ぎる絶望が本作では人間という全てを表現しているようにも感じられる

はし...続きを読むがきで言及された3枚目の写真がてっきり老齢の頃合いかと思わせていただけに、終盤でそれが30歳手前だったと明かされた事で受ける衝撃は凄まじい


葉蔵という人物は不思議な人間性を備えた人物と感じられたな
少年期は愛嬌を振りまく事で人に好かれる人間となった。でもそれが自覚的且つ計算的に行われるとなれば、それは人間として異質という話になる。でも、ここで彼が何か得する為に愛嬌を振りまいているのであれば単純に嫌な奴と片付ければ良いのだけれど、彼の場合は人を怖がっているから愛嬌を振りまいている。他人という恐怖から逃れる為に道化を演じている
それが後年まで彼が人に好かれる要因となるのだけど、その点が葉蔵にとって全く自己肯定に繋がらない点には歪さを覚えずに居られない

その意味では少年期の彼に共感できる部分は少ないね
はしがきで言及されている1枚目の写真の印象に通じる話では有るけれど、大局的に見れば「いやな子供」という印象を拭えない

全く共感できない葉蔵という人物の印象が変わり始めるのはツネ子と心中する下りになってからかな。これから死のうという時に牛乳代を払うお金もない。何から何までツネ子に払わせてばかり
それは自らが失おうとしていた命にすら及ぶ
これは端的に言ってしまって駄目人間、又は人間の出来損ない
けれど、ここまでの醜態を見せつけたからこそ、読者は葉蔵の姿に自分の醜さを重ね始めてしまうのかも知れない

道化を演じて人に好かれていたのに、心中に失敗して女どころか命にすら振られてしまった彼はこの辺りから加速度的に堕ち始めるね
渋田が差し伸べた手は取れず、親友が見せた別の顔に幻滅し、厄介になった女の傍にすら居着けない
もはや人に恐怖していたのか、恐怖を人生としているのか曖昧になってくる

そんな彼にとって自分を曖昧とさせてくれるお酒が最高の友となってしまうのはもしかしたら当たり前の話かもしれなくて
そしてお酒に溺れれば溺れるほど、あれ程に抱いていた他人への恐怖が薄れて
後に彼が麻薬にハマるのも同様の理由か

人為的に己の絶望を薄れさせていた彼だからこそ、天然的に絶望や不信と無縁のヨシ子に惹かれたのかな?
ヨシ子と結ばれて得た一時的な平穏は結局ヨシ子という薬によって成立している。だから彼女が汚れてしまえば、もっと言ってしまえば無垢なる信頼で構成されたヨシ子がそもそも綺麗では無いという疑惑を持ってしまえば、葉蔵の人生は再び崩れてしまう


ヨシ子のあのような面が描かれると果たして人間として失格だったのは葉蔵だけだったのかという疑問を覚えてしまうね
葉蔵は病院に入れられた事で人間失格と自身に烙印を押すが、その前から人間として不出来な面が山程描かれてきた
でも、そんな葉蔵をマダムは擁護し彼の父をこそ批判する
また、葉蔵に悪い遊びを教えたのは堀木と言えるかも知れないし、他の人物とて人間としての不足や不出来を見出せるかも知れない

葉蔵だけが特別に失格だったのではなく、誰も彼もが失格だった。葉蔵だけが人間を象徴する超常的な存在かのように絶望を体現してみせただけで
そういった存在だからこそ、読者は『人間失格』を読んで葉蔵に自身を重ねてしまうのかも知れないと思いましたよ

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Posted by ブクログ 2024年03月25日

対面したらだるい人間ではあるが、内面の気持ち悪い部分をわざわざみせてくる有象無象のメンヘラもどき(≒ファッヘラ)とは違うなにかがある。それは魅力とかカリスマ性とかそんなんじゃないが。太宰をいちいち持ち出してメンヘラどうこう語る私みたいなやつがいっちゃんだるくてキモイの、だいぶ正解。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月17日

おもしろい本というより、すごい本という印象。全体的に陰鬱な話だが主人公の内面世界に引き込まれた。
共感できたり自分とも重なるような部分もあったから、読む前とは印象が変わった。
(つまり自分は人間失格?)

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

日本文学の中では、読みやすかった。
太宰治の年表と照らし合わせながら読むと、なお楽しめる。

昔の作品なのに、現代作品かのような今風の作品だと思った。

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