樽とタタン(新潮文庫)

樽とタタン(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

今から三十年以上前、小学校帰りに通った喫茶店。店の隅にはコーヒー豆の大樽があり、そこがわたしの特等席だった。常連客は、樽に座るわたしに「タタン」とあだ名を付けた老小説家、歌舞伎役者の卵、謎の生物学者に無口な学生とクセ者揃い。学校が苦手で友達もいなかった少女時代、大人に混ざって聞いた話には沢山の“本当”と“噓”があって……懐かしさと温かな驚きに包まれる喫茶店物語。(解説・平松洋子)

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樽とタタン(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    あったかい...
    また好きな本が増えてしまった



    この作品も含め、「ほんとっぽい」小説に出会うたびに、これ実話なのかな?と気になるのだけど、小説家にそれを聞いてはならないらしい。
    確かにそうだ、と納得した。

    小説家はそれが楽しくて書いてるんだろうな。
    真実はこれを書いた私にしか分からない。

    0
    2024年02月24日

    Posted by ブクログ

    作者の実話かと思わせる幼い頃の何気ない日常を描けてた。登場人物も独特で、でも味があって、樽の中から見てたんだー。そこでなければダメだったんだー。一気に読めたし、ほっこりしたから。

    0
    2024年02月14日

    Posted by ブクログ

    著者が幼少期(3歳から12歳)の記憶を手繰りながらとある喫茶店での物語を紡ぎ出した思い出実話風小説。主人公タタンとマスター、そしてクセのある常連たちによる全9話の連作短編。

    記憶を辿っている風なせいかはっきりした物言いをしない書き方と幼少期のやりとりというのが合わさって妙なゆるさを醸し出している。

    0
    2025年05月20日

    Posted by ブクログ

    学校が苦手だった少女が、放課後を過ごした喫茶店の常連客たちとのあれこれ。それは30年前の話。
    ノスタルジックで、ある時はSFチック。そして、子どもの頃の回想というフィルターもかかって、ちょっと不思議な雰囲気を醸している世界。
    小説家には一つだけ、聞かれても答えなくていい質問がある。
    「それは本当?そ

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    ノスタルジーは便利だ。
    確かに自分の記憶のようで、でも、ずいぶんとあいまいなことが、ある日結びつく。

    たとえばこの本を読んだとき
    あゝ高校時代に友人とヒマをつぶしていた喫茶店って、こんな感じだっけ

    コーヒーとトーストの焦げた香り

    もちろん赤い樽も女の子もいなかったはずなのに、居たって不思議じゃ

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    主人公である少女が大人になってから少しずつ思い出しながら進むものがたり。
    少女とおばあちゃんのおはなしが1番好きでした。
    きっとそうだよね、そうだったらいいなと 共感。

    みんな今頃どこにいて何をしているんだろうか。みんなそれぞれに幸せな場所にいられていたらいいなと思う。

    0
    2025年01月10日

    Posted by ブクログ

    子供の頃の記憶だから曖昧というやり方での信頼できない語り手だなあと思っていたら、信頼とかそういうレベルじゃないスケールの話になっていってなんだこれはと思ったりしましたが、そこを問い詰めるのは小説家に聞いちゃいけないことだとおっしゃるのでやめます。面白かった。

    0
    2024年06月12日

    Posted by ブクログ

    淡々としているけど、あたたかい中にほんの少し不気味さも感じる物語だった。周りに大人がたくさんいる風景が自分と重なった。年齢の違いはあったけど、自分が想像してる周りの大人もタタンが思い出すように無意識に脚色されているのかもしれない。小学校に上がる前からタタンは自分を守るのに精一杯だったはずなのに、引っ

    0
    2024年03月09日

    Posted by ブクログ

    とある気難しいマスターがやっている喫茶店に置かれた、側面に穴を開けられた赤い樽。そこに入り浸るようになった少女の視点で、常連や現れた客との交流から世界を見ていく物語。

    ジャケ買い。中島京子や川上弘美は好きなんだけど、だめな人はダメだし、自分でもはまらないときはいつまでも入り込めなくて困るのだが、本

    0
    2024年03月07日

    Posted by ブクログ

    不思議な読後感。
    経験したことないのに懐かしい感じがするのは
    この本の特徴かもしれない。

    それぞれの距離感が絶妙だったな〜

    0
    2024年02月15日

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