吉里吉里人(上)

吉里吉里人(上)

小説・文芸
935円 (税込)

4pt

ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

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吉里吉里人 の一覧

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1~3件目 / 3件
  • 吉里吉里人(上)
    935円 (税込)
    ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
  • 吉里吉里人(中)
    990円 (税込)
    吉里吉里国の独立に日本国政府は仰天、自衛隊が出動し、国民の眼はテレビに釘付けとなった。防衛同好会が陸と空から不法侵入者を監視する吉里吉里国では、木炭バスを改造した「国会議事堂車」が国内を巡回、人々は吉里吉里語を話し、経済は金本位制にして完全な自給自足体制。独立を認めない日本国政府の妨害に対し、彼らは奇想天外な切札を駆使して次々に難局を切り抜けていく。
  • 吉里吉里人(下)
    990円 (税込)
    独立二日目、吉里吉里国の通貨イエンのレートは日本円に対して刻々上昇、世界中の大企業が進出した。だが国外から侵入した殺し屋や刑事らも徘徊、ついに初の犠牲者が出る。さらに日本国自衛隊も吉里吉里国最大の切り札四万トンの金の奪取に乗り出した。SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て……小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。

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吉里吉里人(上) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この作品は物凄く混沌としている様に見えるよう作られている。読みにくいとか余計な脱線があるという意見もあるようだけれど、世の中、世知辛さ、情、抵抗活動、どうにもならないもの、無念、舞台は田舎であるし、秩序でできた煌めく小綺麗な文章でこの独立運動がもし書かれていたら、それは吉里吉里人の話ではない。
    現代のコスパタイパ思想に浸かってしまう学生時代に、この作品を読めて良かったが、社会人など時間に追われるようになると、この作品の無駄さ、豊かさなどは、味わうのは難しいかも。
    それと政治の諸問題をこんなに分かりやすくした物語は珍しかった。

    日本から独立するって話は、昔、村上龍なども書いていたように記憶しているけれど、きちんと独立して平和に世を治めたハッピーエンドの話は読んだ事がまだない。ライトノベルだと別世界を統治する系の話はよくあるようだけれど、日本が舞台で、政権を転覆させてそれをやるのは難しいのかしら。と、これを読んだ当時、思っていた。

    0
    2023年10月22日

    Posted by ブクログ

    抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。
     出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁訳。期待値マックスでレジへと直行でした。
     物語はと言うと・・・これが実にえぐい話なのです。小説が醸し出す独特の世界観に酔います。まずはご一読あれ。

    0
    2023年07月13日

    Posted by ブクログ


    くだらないユーモアで笑いっぱなし、唯一無二の圧倒的な引力を持つ大名(迷)作。
    井上ひさしに特別な思い入れは無いが、本作品に関してはボリュームに怖気付かず是非読んでほしい。
    壮大な群像劇仕立て、一冊約600p(×3冊)の狂ったボリュームだが、あっという間に読ませてしまう所に、当時の井上ひさしのギラつく力量を感じる。

    0
    2023年02月01日

    Posted by ブクログ

    上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』のような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。

    0
    2020年08月01日

    Posted by ブクログ

    2012年の11月に買ったまま、あんまり長いので途中で放ってしまっていた本書。ついに腰を入れて読み始めることができました。

    これでもかこれでもか、って程、ネタをぶっこんでくる作歌魂に驚嘆。細部の演出がすごい。吉里吉里語の説明箇所とか。描写が映像的で、読みながら吉里吉里国を頭の中で作っていける感じ。主人公・古橋の汚いおっさんぶりのキャラ立ちの良さ、汚いおっさんなのに読み手の同情を誘うような、憎めなさ。

    どのシーンから書き出すべきかを延々説明する冒頭の書き出しから、上巻ラストまで、ページをめくる手を止めさせないエンタメ小説。しかも、ただのエンタメじゃないのがすごいよなあ、1973年から一部を執筆、1981年単行本化とのこと。自分が生まれる前の作品とは思えないくらい、今読んでも吉里吉里人の根底にある問題意識を含めて、リアリティ感じる。

    P106 「わたしたちはもう東京からの言葉で指図をされるのはことわる。わたしたちの言葉でものを考え、仕事をし、生きていきたい。わたしたちがこの地で百姓として生きるかぎり、吉里吉里語はわたしたちの皮膚であり、肉であり、血であり、骨であり、つまりはわたしたち自身なのだ。わたしたちがわたしたちの言葉でものを考えはじめるとき、中央の指図とはまっこうからぶつかる。そのようなとき、これまでわたしたちは泣く泣く標準語や共通語に自分の頭を切りかえたのだった。しかしそれはもはや過去の語り草となった。百姓は百姓語によって生きていかねばならない、学者が舶来の横文字を支えに生きているように。…」

    0
    2014年08月28日

    Posted by ブクログ

    「吉里吉里人(上・中・下)」井上ひさし
    ”全体小説”。特になし。


    いや、っていうかレビュー書けないや。
    自分が今まで読んだ小説の中で確実に5本の指に入る内容量の圧巻。
    感動系でもなく純然たるSFでもなく文学でもなく、なんだろ。
    とにかく読んだら読んだで(良くも悪くも)読み疲れる大作かと。
    異常です。あわわ、間違えた。以上です。

    0
    2019年01月16日

    Posted by ブクログ

    東北弁にほっこり
    古橋健二の過去の章、面白かった
    吉里吉里国には考えさせられるけど、大真面目でありながら滑稽でもある

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    初ひさしが本書。なぜか吉里吉里というワードが脳内に残っていて、ネット古本屋にて入手。売れない作家・古橋健二を狂言回しにして、吉里吉里国独立の瞬間から、日本国を相手取った独立闘争をユーモラスに描く。<引用>日本国の国益だが言う物、もう真平……『国益の為だ、増産すろ!』『国益の為だ、減反すろ!』……ズーズー弁で訴えかける国の横暴がひしひしと伝わる。話が横道に逸れることが多く、上巻は午前6時の独立から半日程度しか経っていない。冗長感は否めないが、作品の世界観を理解する役には立っている。

    0
    2024年08月06日

    Posted by ブクログ

    情報小説
     三読目。日本SF大賞受賞。

     小説全体、たいへん下世話で、下ネタが苦手なひとは読まないほうがいい。とにかく性器、性行を連想させる下ネタばかり。下ネタ大好き中学生ならぐいぐい読める。

     ストーリー展開が奔放でめっぽうおもしろい。東北から吉里吉里国が独立するのだが、そのための切札をたくさん控へてゐる。その説明で蘊蓄の渋滞だが、とにかく説得力が高い。おれにでも分離独立できるのではないか、と感じ入ってしまふ。
     中巻でケイコ木下が出てきたあたりから、すこしダレてくる。

     ところどころ、都合よく進展させるために、古橋といふこの単純な人物造形にしたのだらうと気づいた。
     比喩は下手。このころの井上ひさしはまだ途上だったなあ。晩年の『一週間』になるとさすが。

    0
    2024年09月28日

    Posted by ブクログ

    空前絶後。
    奇想天外。
    抱腹絶倒。
    前代未聞。
    なんと言い表せばいいのか分からない。
    日本から独立した、吉里吉里国。
    日本の中にあって、日本ではない国。
    吉里吉里国で繰り広げられる、悲喜劇が幕を開ける。

    0
    2020年05月27日

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