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Posted by ブクログ
上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』のような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。
Posted by ブクログ
厚いけど読みやすいので、いいペースで読み進んでいる感じ。中巻読み終わったところで、心の底から汚い中年おっさん古橋を応援している。どうか古橋が、ケイコ木下(きおろし)と幸せになれますように!
P127 「わたしはのう、お若い皆さんよ。その仮想敵国も喰えない国だが、アメリカもなかなか油断のならぬ国だと思っておるよ。なにしろアメリカはこれまで自分の国の中でドンパチをやったことがない。つまり、アメリカにとって<戦争>と<平和>は、いつも遠いところにあったのさ。だからいざとなったらどんな残酷なことでもやってのけるだろうて。その証拠にアメリカは、原子爆弾をあなた方のお国のヒロシマとナガサキに落っことした。その点ではその仮想敵国の方がいくらか戦争のむごたらしさを知っているのではないかしらん。というのはその仮想敵国は通常兵器による戦争で、米国人よりは、はるかに大きな被害を受けているからねえ。もっとも、その差たるや五十歩百歩で、どっちも同じ穴の狢だがね」
P279 『百ショーほど素敵な商売は無い』のくだり、笑える。ミッチー・ミラー合唱団的なノリで出てくる吉里吉里中年百姓合唱団の面々。
P376 ページの飛ばし技エクスキューズ部分、まんまと感心させられてしまう。
P454 『看護覚え書』(ノーツ・オン・ナーシング)と『無駄書き集』(ノーツ・オブ・ナッシング)みたいな芸の細かい言葉遊びの面白さ。
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