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独立二日目、吉里吉里国の通貨イエンのレートは日本円に対して刻々上昇、世界中の大企業が進出した。だが国外から侵入した殺し屋や刑事らも徘徊、ついに初の犠牲者が出る。さらに日本国自衛隊も吉里吉里国最大の切り札四万トンの金の奪取に乗り出した。SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て……小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。
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Posted by ブクログ
抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。 出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁訳。期待値マックスで...続きを読むレジへと直行でした。 物語はと言うと・・・これが実にえぐい話なのです。小説が醸し出す独特の世界観に酔います。まずはご一読あれ。
上巻感想参照。 この容量での上中巻、一切だれる事なく面白しろさが続く最強(狂)のブラックエンタメ作品だと思った。 ラストも完璧、とてもいい読書体験だった。
上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』の...続きを読むような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。
文庫本(三部作)に改訂する前の単行本で読んだ。 読みはじめ、何度も「何でこんなのを読まなければならないのか」の自問に襲われ、エンジンをかけるのに手こずった。 この作品は壮大な構想のもとで、奇想天外・パロディ・下ネタエロ・ダジャレ・ギャグ・ユーモア・類語反対語羅列‥‥冗談のようなノリの文章が延々と続き...続きを読む、常識をひっくり返しまとめ上げたユートピア創造の長編小説である。話題の事柄や背景を克明に説明し作者の洽覧深識をこれでもかと描く。一国独立の法的根拠などいろいろなことをよく調べその描写がとにかく長い。読んでるのが馬鹿らしくなり、ついていくのを止めようと思う。読者の許容範囲の限界ギリギリを挑発し、楽しんでいる作者のしたり顔が目に浮かぶ。いつの間にか独特の異世界に引き込まれ、途中の迷いが嘘のように共和国の応援団になってしまう。国の建て付けや運営のアイデアに共感し、よくこれだけのことを思いつくなと感心する。 全編を貫く作者の思考の破天荒さが伝わってくる。 まさに「正論は大声で言うべからず」である。 中央に対する地方・辺境からの視点、少数民族や方言の価値、権威・権力からの独立、老若男女民衆の力、医学・医療の重要性、直接民主主義の可能性‥‥。 作者の考える理想郷や思想にはまったく同感であり、 振り落とされなくてよかったと思う。 リアルとイマジネーション、深刻と呑気の両極端ではあるが、『レ・ミゼラブル』や『ジャン・クリストフ』『白鯨』など世界の長編文学作品に通じるものを感じる。 東北岩手県の四千二百人の小さな村が吉里吉里国として日本国から独立する話である。標準語の文章にはすべて東北弁のルビがふられ、ズーズー弁の独特な世界を創り出す。藤原三代の埋蔵金4千トンを「金隠し」にして隠し、それを通貨の裏付けにして金本位の国家運営をする。愚人会議という村人10人で構成する移動政府があり、政治経済や教育・農業・軍事・法務等々各省が機能し、小学生から老人までの男女がいろいろな役割を担う。多くの多国籍企業が支店を置き地球規模で注目される。現実社会の問題点を解決する理想的な仕組みで共和国が運営される。 最先端技術の医科大学病院を中枢に据えて、その開発技術を世界中の少数民族独立の武器にする。偶然紛れ込んだ三文作家の目で、驚きながらこの国の成りたちを発見していく。大統領は「タッチ制」で継承することになっており、移動政府の運転手から彼が引き継ぐことになる。日本を中心に諸外国の破壊工作が圧力を増す。 最後の終わり方が鮮やかだ。 少年時代に兄弟や友人達と隠れ家を作り掟を決めてごっこ遊びをした時の興奮や、大学のバリケード封鎖で仲間同士のコンミューンのような生活、その自由と清々しさが彷彿される。権威から独立して仲間で役割を決めて理想郷を作る高揚感である。現実からの隔絶、体制からの自立に興奮し燃えた経験は強烈で決定的な記憶である。 やはり井上ひさしは凄い。この作品はユーモアと揶揄や皮肉は満載だが悲観は皆無で底抜けに明るく爽快で読者に希望の夢を見せてくれる。 読み切ってよかったとつくづく思う。
滅茶苦茶、破茶滅茶大騒動も、遂にフィナーレ。 ダラダラ、無駄の多い長ったらしい物語だが、それが苦にならない。 無駄に長い文章は、苦手なのだが、スっと頭に入り込んできた。 不思議と物語にのめり込んでいた。 本当に不思議な物語。
再読。と言っても、あらかた話は覚えてなかったので新鮮な気持ちで読めた。改めて、一流の作家の先進性、世の中を見る慧眼に驚かされた。 細部では今となっては、古臭く効果を減じている部分もあるが、物語が提起している話題は全く古びていない。逆に言えば世の中変わっているようで変わってないわけだが・・・ 個人...続きを読む的には、余りにしつこい下ネタに辟易するところもあったり、現実離れした人物設定、饒舌すぎて読むのに苦労した点はあったが、概ね楽しめた。東京で育った私には農家の苦労も怨念も分からないが、元は両親の出は農家である。遺伝的には、多くの日本人同様百姓である。仕事で、東北に行くと、荒れ果てた休耕田を見て心が痛むこともある。井上氏の想像した「ユートピア」の実現は困難だろうが、生きるために一番大事なものが農業である事も間違いない。
ラストがいやにあっけなかったのだが、物事というのはそういうものなのだろう。 最後の最後に明かされる吉里吉里人と吉里吉里国の真実を知ると、もうテーマが深すぎて……。 終盤まではドタバタ小説だと思っていたら、何とも悲哀のこもった、そしてしたたかでギラギラした小説でありました。 ひとことで言えば面白い...続きを読むです。通しで読んでよかった。
古橋先生… 面白いキャラです。 設定から面白かったです。 馬鹿馬鹿しい感じで終始ニヤついて読んでいました。
十数年ぶりの再読完了。吉里吉里国独立の理由の1つに日本の農業政策批判があるのですが、その議論は現在のTPPを巡る議論と同じことを言っており、作者の先見の明には恐れ入りました。あと「~してけろ」っていう東北弁も「あまちゃん」を思い出し、妙に2013年とシンクロしてます 全編通して繰り広げられる過剰な...続きを読むドタバタも井上ひさしらしくて好きなのですが、古橋の脳をベルゴ・セブンティーンの体に移植して別人となってしまう展開は、さすがにやりすぎだろうと。独立計画が失敗に帰する原因となる「秘密」もそれほどのものか?と疑問。 なんだかラストが締まらなかったのが残念ですが、ルビという日本語独特の表現技法を極限化した文体芸と鋭い社会批評は大いに堪能しました。
下巻。 吉里吉里国の真の目的と、あっさりとした崩壊の様子が描かれている。 また、全編にわたって繰り広げられるコミカルタッチの文章がとてもよかった。
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