巨人の磯

巨人の磯

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

3.8

開催中のキャンペーン

大洗海岸に巨人と見紛うほどに膨張した死体が流れ着いた。警察は苦心の末に、海外旅行中の県議会議員と特定したが、その腐爛状態には驚きのトリックが隠されていた(表題作)。実力はありながら、地味な風貌が災いし、どの組織でも決してトップの椅子にはつけない元銀行副頭取。男が三十一歳も若いバーのマダムと再婚したとき、悲劇が幕を開ける「礼遇の資格」など傑作短編五編。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

巨人の磯 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    5編の短編集。
    殺害方法やトリック等が非常に凝ってて楽しめる作品群、又、殺害動機にも人間の心理をついた工夫があり、奥が深いです。
    旧漢字や仮名遣い等、ちょっと読み辛い作品でもあるが、流石松本清張という短編集です。

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    「松本清張」の短篇集『巨人の磯』を読みました。

    『聞かなかった場所』、『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』、『張込み 傑作短編集〔五〕』、『黒い画集』、『眼の気流』に続き「松本清張」作品ですね。

    -----story-------------
    一見、犯罪とは無縁な日常生活の中に潜んでいる不可解な人間心理を、斬新なアングルと手法でえぐった傑作推理小説集。

    大洗海岸に巨人のように膨張して漂着した海外旅行中の県会議員の死体と巨人伝説を巧みに結び付けた『巨人の磯』。
    実力はありながら、地味な風貌が災いし、どの組織でも決してトップの椅子にはつけない元銀行副頭取。
    男が三十一歳も若いバーのマダムと再婚したとき、悲劇が幕を開ける… 妻の不貞を知った夫の犯行を、その奇抜な凶器と、巧みな人物設定で描『礼遇の資格』。
    ほかに、『内なる線影』、『理外の理』、『東経一三九度線』を収録。
    一見、犯罪とは無縁な日常生活の中に潜んでいる不可解な人間心理を、斬新なアングルと手法でえぐった傑作推理小説集。
    -----------------------

    以下の5篇が収録されています。

     ■巨人の磯
     ■礼遇の資格
     ■内なる線影
     ■理外の理
     ■東経一三九度線



    『巨人の磯』は、水戸大串貝塚の巨人伝説と、大洗海岸に漂着した巨人のように膨張した溺死体を関連付ける古代史推理要素と、アリバイ崩しのミステリ要素を兼ね備えた物語、、、

    被害者の県議「水田克二郎」は台湾旅行中のはずであったが、周囲を欺いて帰国していたことが判明… 義弟「広川博」が容疑者として浮上するが、死亡推定時刻にはアリバイがあった。

    「水田克二郎」と義妹「トミ子」の関係は想定内でしたが、死亡推定時刻を誤認させるためのトリックには驚かされましたね。

    なかなか奇抜なトリックでしたが、法医学の知識が豊富でないと創造できないトリックでしたねぇ。


    『礼遇の資格』は、三十一歳年下の女性「敬子」と再婚した、風采のあがらない元銀行副頭取「原島栄四郎」の悲劇を描いた物語、、、

    両者の人間性が巧く描かれた作品でしたね… 地位のある人の妻になりたいという結婚目的を最後まで果たそうとした女性の言動に驚かされるとともに、妻の浮気相手を殺し人生の階段を転落した男性があまりにも哀れで同情してしまう作品でした。

    殺人の際に使われた凶器が、妻「敬子」の好物で、その後、その凶器を「敬子」に食べさせるという設定が秀逸でしたね。


    『内なる線影』は、精神科医「枝村」が、偶然知り合ったヒッピー画家「白水阿良夫」と「白水」の紹介で知り合った画壇の重鎮「目加田茂盛」とその妻「美那子」とともに玄界灘に面したリゾート地で殺人事件に巻き込まれる物語、、、

    ノイローゼが原因で投身自殺したと思われた「目加田茂盛」と謎の窒息死体(絞殺によらない短時間での窒息死)で発見された「白水」の死の真相… 慢性的なガス中毒と硫化水素を使った物理的トリックが用いられていましたね。

    物理的(科学的)トリックについては、「東野圭吾」の「ガリレオ」シリーズに通じる印象を受けました。

    そして、本作も『礼遇の資格』に続き、年の差婚(二十五歳年下の妻)が生んだ悲劇でしたね。


    『理外の理』は、娯楽小説誌の編集方針が変更されたことから、時代モノを得意としていた文筆家「須貝玄堂」は持ち込み原稿を没にされ続け、その結果、生活に困窮し、妻にも逃げられ(これまた二十歳くらい年下の妻でしたね… )、自らの作品『縊鬼(いき)』をもとにした復讐を実行する物語、、、

    堆積した怨念の恐ろしさを感じさせる作品… 蔵書を詰めた風呂敷という意外な凶器を使い、非力で小柄な老人でも工夫しだいでは殺人を犯すことができるということを証明した意外なトリックが使われていましたね。


    『東経一三九度線』は、古代史における大胆な仮説(東経一三九度沿いに新潟から伊豆まで並んでいる太占(ふとまに)の神事を行う五つの神社と卑弥呼("一三九"を"ひみこ"と読む)の東遷を関連付けて考察)と殺人事件を絡めたミステリ作品、、、

    妻との密通や職場での上下関係による忍従が動機となり、自動車事故にみせかけた犯行を計画したという展開は、面白くないことはないのですが… ミステリよりも、古代史における大胆な仮説を主張するために書かれた作品のような気がしましたね。



    本書に収録された作品は、殺害方法等のトリックが凝っていましたねぇ… 面白かった。

    最近、「松本清張」中毒気味ですね。

    0
    2022年07月10日

    Posted by ブクログ

    推理短編5つ。著者の博学、特に古代史の魅惑が、その重々しさに加えて淡々とした文脈に荘厳な感じを抱かせる。物語の前半に伏線ないまま、終盤にどっと解決に至る説明がなされるところが、そこがポイントとする他の推理小説と違うところか。2016.12.28

    0
    2016年12月28日

    Posted by ブクログ

    「巨人の磯」
    法医学の教授清水康雄は大洗海岸に泊まった。
    夜の海岸を見に出た清水は岩場に水死体を見つける。死後2週間と見られ、身元の確認も難しいと思われたが、指紋から県会議員の水田と判明した。しかし、水田は沖縄と台湾に視察と称して旅行しているはずだった。その水田が何故大洗海岸に流れ着いたのか?
    関係者は水田の妻、秘書であり義弟でもある広川、広川の妻。
    果たして真相はーー?

    「礼遇の資格」
    銀行協議会副会長の原島は、常に「副」に甘んじる地味で目立たない男だった。原島には年若い後妻がいた。原島の妻敬子は派手なタチで、原島に満足せず、浮気を繰り返していた。
    敬子と再婚したことで、原島の運命は変わってゆく。

    「内なる線影」
    精神科医の枝村は、某ホテルのラウンジに一日中居座っている絵描きのヒッピー白水と知り合う。
    そして、白水の紹介で目加田夫妻と知り合った。
    目加田はここ半年ずっとノイローゼだという。付き添う夫人も半年ほど前にノイローゼになったが直ぐに治ったそうだ。
    そんな目加田の相談を受けていた矢先、目加田が失踪する。また、白水の遺体も見つかった。そして、目加田の死体も海から発見される。
    目加田はノイローゼからくる自殺とされた。一方の白水は、絞殺でないのは確かだが、急速な窒息死であるとされた。しかし薬物は見つからなかった。
    この2人の死に関係はあるのか?目加田は本当にノイローゼだったのか?白水は何故窒息死したのかーー?

    「理外の理」
    雑誌Jの売上を伸ばす為に新しくR社に入社した編集者の方針により、今までJに寄稿していた作家達の作品は全て載せないこととなった。
    だが、随筆家玄堂は何度も何度も原稿を持ち込む。だが、ある日玄堂は「これで最後にする」も担当の細井に告げた。そして、最後の原稿「縊鬼」を模した実験をしてみないかと誘う。

    「東経一三九度線」
    文部政務次官となった吉良栄助。仕事にも慣れて来た時、かつての級友でもあり同じ文部省に所属している小川課長補佐が訪ねてきた。東経一三九度線に関する謎に元皇族の殿下が興味を示しているという。俄然乗り気になった吉良は、小川を始めとした級友前川、谷田、そして恩師岩井教授たちと共に、下調べに行く。
    だが、そこで吉良は自動車を運転している最中に崖下に転落し死んでしまう。なぜ、吉良は死んだのかーー?

    0
    2016年07月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編集五篇。トリックが奇抜なものが多いけれど、トリックのみに終始せず、犯行に至るまでの心理状態や過程、人物相関を丁寧に描いている点がやっぱり好きだ。
    一作目の腐乱死体の話を、常陸国風土記の話と考察しているのがまた面白いなと感じた。各地に伝わる神話や伝承を物語という一側面から捉えるのではなく、科学的な側面から現実的に考えていくという視点が深みをもたらしていると思う。

    0
    2024年12月24日

巨人の磯 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

松本清張 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す