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“奇跡”の限界集落で発見された首無し死体。愛国者にして救世主(パトリシア)を名乗る犯人は高らかに宣告する。「すべての地方都市を放棄せよ。人質は地方に暮らす8000万人の日本国民」。ドローンによる無差別テロの期限(タイムリミット)が迫る中、集落の住人でカリスマブロガーの陽菜子と、“死神”の異名を持つエリート官僚の雨宮は、日本の存亡を賭け、不可能犯罪に挑む。最注目作家による本格ミステリ×サスペンス! (解説・吉田大助)
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Posted by ブクログ
1.登場人物 雨宮雫…死神と呼ばれる天才官僚。 晴山陽菜子…大手広告代理店を退職後、田舎に移住。 中井佑…ドローンによる空撮映像などで人気を博す映像クリエイター。 神楽零士…「奇跡」と称された限界集落を立て直した立役者。 馬場園…神楽零士殺しを追うジャーナリスト。 2.物語の始まり 地銀から国家の...続きを読む中枢に出向していた中津瀬。地方創生に関わりたいと願う彼にとって、限界集落を立て直した神楽零士は目標の人間だった。 一方、地方は国家に必要ないという動画を投稿し、全国民は大都市へ移住すべきだと主張するネット上の人物、パトリシア。 神楽零士とパトリシアはネット上で互いに自分たちの主張を繰り返していた。 ある日、中津瀬は、神楽零士が殺されたということをニュースで知った。 3.キーワード・テーマ 国家を存続させるにあたって、地方は必要なのか。 地方を維持するために様々な税金が地方へ投入されている。もしそれがなくなれば、莫大な財源を生み出すことができる。 そのために地方にいる人は皆、大都市へ移住するべきだ。 パトリシアのこの主張に対し、明確な答えを出すことは可能なのか。
2025/09/03〜2025/09/13 仮説が組み上がってく過程もそれが崩れ去るのもめちゃくちゃおもしろかった。 映像化したらいろいろ分かりやすくなってもっと面白いと思うからやってほしい。 できれば連ドラ1シーズン使って欲しいなぁ。 映画だと時間足りなそう。
いろいろな意味で社会派ミステリでありミステリの醍醐味み味わえる、贅沢な作品です。 3009冊 今年237冊目
この作者ならではの現代技術を応用したトリックはなかなか斬新で面白い。 この作品のテーマになっている地方をどうするかという話は今後とても重要な課題になりそう。 ミステリ作品のトリックに使うだけでなく社会への問題提起もしている良い作品だと思った! 岡山県民なので岡山県が舞台なのも嬉しい反面 田舎を実感...続きを読むする気持ちもあり、、、涙笑
地方の切り捨てについて解答が出せずにいる。その問いかけも盛り込んでいるから本書は意義がある。『#真相をお話します』がセンセーショナルに注目を集め、新たなミステリを提示してきた結城真一郎さんがこういった長編も書いていたとは。とにかく展開が早く、緻密に計算された物語構成、そして何より驚かせるポイントも抜...続きを読む群で、どんどん読んでしまう。はっきり言ってうまい。 今の時代のミステリとしてこれからも期待される若手作家の登場は喜ばしく、そしてこれからどのように変化していくかも楽しみだ。
『#真相をお話しします』が代表作となった結城真一郎さん著『救国ゲーム』の概要と感想になります。 概要です。 動画投稿サイトに「若女」の能面を被って登場した『パトリシア』と名乗る謎の人物は、この日本の終わりを示唆しつつ、救済の道を国民に言い渡す。 誰もが悪いイタズラだと思っていたが、ある事件によって...続きを読む、全国民は身の危険が迫っていることを思い知る。 この難事件を期限までに解決できるのは、はたして誰なのか? 感想です。 各章の構成や本格ミステリを感じさせる謎掛けは、読者を飽きさせない工夫とわかるのですが、ちょっとテンポが悪いと感じる長さでした。 作中の時間感覚も実際にあり得るのかな?と疑問を抱くような場面が多く、もっと単純で感情をむき出し合う方が人間味ある気がします。 ただ先述の通り、各所で読者にページを捲らせようとする工夫があるため、結果的に最後まで読んでしまいます。『#真相をお話しします』が未読なので、いつかは手に取ろうと思いました。
犯人がこの計画を実行するに至った経緯や目的には共感できるものがある。それでも犯人が国民の判断に委ねたその問いかけは、現実には簡単に答えが出ない問題だしどう考えていけばいいのか… と、テーマとしては扱いにくいテーマなのにもかかわらず、登場人物のキャラや犯行自体が現実離れしているので、ミステリの読み物と...続きを読むして、深刻にならずにしっかりと楽しめることができました。
地方過疎化地域に住む私にとっては、見過ごせない?やり過ごせない?テーマの事件。 犯人と思われる人物は割と早めに特定されるが、それじゃ済まされまい、と真犯人を推測してみる。この作者だから、二の矢三の矢のどんでん返しがあるだろうと。 この作品のどんでん返しは弱めだったように思う。
一見ラノベ風ですが、その実社会派ミステリーのような気がしました。 と言うのも、パトリシア(あえてそう呼ぶ笑)の主張は奇抜ではあるのですが、私自身も最近考えることがあるのです。 奇しくも本作が出版されて以降、度重なる自然災害とそれに付随する地方インフラが破綻していく様を目にすることが増えました。 ...続きを読む必要とわかっていても救助に向かえない地域、なかなか復興の手が入らない地域、もはや人が住めないのでは?と思われる地域がたくさんあります。 そうこうしている間に、ある程度大きな都市部でも道路の陥没や、水道施設、鉄道の老朽化などが次々と起こっています。 便利になりすぎた社会を維持できない。 持続可能にしていくためには、どうしたらいいのだろう。 ある程度、自然災害に強い土地を選定し人を集め、人が住むに耐えない土地は自然に返すことも一つの手なのではないか、と。 それが正解かどうかは、もちろんわからないのですが。今のままでは、パトリシアの言うように国家滅亡は待ってくれないと思うんです。 しかし、ドローンの登場でクローズドサークルの意味合いが変わってきましたね。これはこれでおもしろい。
ドローンでの配達や無人カーなど、これからの時代に起きそうなことを含めた新時代のミステリーと言える。時間差のトリックなどは昔の鉄道小説と似たところを感じる。 すでに戦争ではドローンは使われているし、今後荷物の配送、無人機なども増えてくるだろう。数字に弱い私などは、時間差などわかりにくいところはあるが...続きを読む、読みやすいし、今後にも期待したい。
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