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Posted by ブクログ 2009年10月04日
帚木蓬生の初期中短編3作。全てが医学もので、医学界の暗部を抉る強烈なものがある。
表題作「空の色紙」は、嫉妬をめぐる夫婦群像とでもいうのだろうか。狂気とは誰の内にでも存在すること、狂気を治療する医者の内部にさえ巣食っている事実をまざまざと突きつけてくる。そこに、戦争を交えることで、昭和というマク...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月30日
最初の作品を読んで"やはり帚木さん!"次を読んで"エッ?"、最後で"アリャリャ”という感じ。
空の色紙はなかなかです。第2次大戦が出てくるところも、ヒューマニスティックなところも、いかにも帚木さん。
しかしあとの2作はね。「頭蓋に立つ旗」はデビュ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月21日
精神科医の小野寺は、殺人容疑者の精神鑑定を依頼された。妻との関係を疑い、自分の息子を殺したというその男は、本当に狂気のさなかにあったのだろうか?小野寺は調査を進めながら心の動揺を覚える。実は彼自身も、ある事情のために妻への屈折した嫉妬の感情を抱きつつ生きてきたのだった―。表題作をはじめ、デビュー作「...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月11日
帚木蓬生の初期作品3作を収めた本書は、時代背景もあり、鬱屈した、しかしなにか正義の上に立ち続けたいという複雑な意思を表明しつつ環境に流されてしまうもどかしさあるいは諦めが表現されている作品である。つまり、文学的であるというよりも著者の意図が前面に立ち、言いたいことは何かあることはわかるが、分かりにく...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月29日
初期の中短集。
『空の色紙』表題作
『墟の連続切片』
『頭蓋に立つ旗』
空の色紙以外の2作は何となく消化不良。
ただ一つ、学生運動が盛んに行われた時代と現代の学生の違いについて、再考する機会ができた事は収穫だったかなと。
まあ、正直疑問は尽きませんが。
戦争、論文改ざん、人体実験、学生ストと...続きを読む
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