Posted by ブクログ 2017年02月24日
刊行されてから20年近く時間を経ているが、
内容は色褪せないどころか、むしろ、切実になっている。
いずれもモノローグで記述されており、読み始めは戸惑ったが、
読み進むにつれ、全体像が掴めるようになり、
その結末たるや、読者に大きな問いを投げかけるものである。
高齢化してゆくのが自明である現代日本...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月04日
初めてこの人の本読んだけど、この人すごい!と思った。
痴呆老人、介護士の客観目、安楽死。
日本がこれから直面する問題であろう題材をミステリー仕立てに仕上げられている。
最初の語りあたりは、正直気怠くて、ずっと最後まてこんな調子かなあ。。だったらこの本海外小説並みに分厚いし、途中で挫折しようかなと思...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月06日
痴呆になりつつある数人の老人の描写から始まる。この人のようになるのかあの人のようになるのか……。それぞれの理由で痴呆病棟に入院になる。
次は病院での様子を看護婦の目で教えてくれる。家族にとっての毎日は身内であるゆえの辛さや苦しさがあるのだと思える。仕事としてのほうが冷静に対応できるのかも知れない。痴...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月08日
痴呆病棟を舞台にしたミステリーという括りだが、ミステリー要素はオマケ。新米看護師の目から見た痴呆病棟の叙述は密着ドキュメンタリーを観ているように細部まで描写されている。(身近に痴呆の人を見たことがない方は信じないだろうけど、かなりリアル)新米看護師の患者や家族との関わり方は慈愛に満ち、病棟で起きるハ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月23日
終末期医療の作品。
閉鎖病棟も読みましたが、痴呆病棟内の描写は秀逸だとかんじました。
ミステリーに仕上げてあるので、読み続ける愉しみも持ちつつ、また、主人公の看護師の公私ともの心の動きも興味深く読める帚木氏ならではの作品だと思います。
看護師さんが、ある種語り部みたいな役割を担っているので、
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