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風待ちのひと
“心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。 哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。 疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。 癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。 少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。 人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。 -
インドクリスタル
〈第10回 中央公論文芸賞受賞作〉 社運を賭け、巨大ビジネスとなる惑星探査用の高純度人工水晶開発のためマザークリスタルの買い付けを行う山峡ドルジェ社長・藤岡。 インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。 宿泊所で娼婦として遣わされた少女ロサ。彼女は類稀なる知力を持つ不思議な存在で、更に以前地方の村で目撃した「生き神」だった。 鉱山からの帰途に遭難した藤岡はロサの能力に助けられることになる。 ロサを通訳兼案内人として村人との交渉に挑む藤岡だが、商業倫理や契約概念のない先住民相手のビジネスに悪戦苦闘する。 直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造──まさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。 鉱物ビジネスを巡る命を懸けた駆け引き。 古き因習と最先端ビジネスの狭間で蠢く巨大国家の闇に切り込む、超弩級のビジネスエンタメ! -
SAVE THE CATの法則
米Amazon脚本術部門で売上No.1のベストセラー、『SAVE THE CAT! The Last Book on Screenwriting You’ll Ever Need』がついに邦訳!! 「小難しい脚本術の分析書はいらない。シンプルで、しかも本当に大手映画会社が買ってくれる脚本を書くための最低限のコツを教えてくれ!」。本書は、プロにも素人にも役立つこと間違いなしの、売れっ子脚本家による脚本マニュアルです。芸術であると同時に、科学でもある脚本を支配する普遍の法則、本書のタイトルである「SAVE THE CAT !」とは、脚本の常識やストーリーテリングの基本的ルールを表す象徴的なシーンの意味を込めています。売れるために大切なのは大きなスタジオでも多額の予算でもなく、良い脚本を書くための法則に従って書くことなのです。 本書では、業界を知り尽くした筆者が、脚本仲間と一緒に長年蓄積してきた売れる脚本の黄金法則を、いつでも簡潔に、楽しく見直すことができます。ジャンル、プロット、構成、販売戦略、キャスティングなどの基本要素から、誰も教えてくれなかったハリウッドのDNAを受け継ぎ、ビジネスとアートのバランスをうまくとるコツを教えてくれます。映画だけでなくテレビや舞台、ゲームなど、ストーリーを扱うすべての人が必読です。 この業界で勝負するならホームランを狙うのが当たり前! インディーズ映画ももちろんすばらしいですが、メジャーな市場で大ヒットを飛ばしたいあなたのための超実践的な脚本術です。 -
あなたの本当の人生は
「書くこと」に囚われた三人の女性たちの〈本当の運命〉は―― 新人作家の國崎真実は、担当編集者・鏡味のすすめで、敬愛するファンタジー作家・森和木ホリーに弟子入り――という名の住み込みお手伝いとなる。先生の風変わりな屋敷では、秘書の宇城圭子が日常を取り仕切っていた。初対面でホリー先生は、真実のことを自身の大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる両性具有の黒猫〈チャーチル〉と呼ぶことを勝手に決め、真実は戸惑うばかり。 書けなくなった老作家、その代わりに書く秘書、ギャンブル狂の編集者、老作家の別れた夫……真実の登場で、それぞれの時間が進み始め、女三人の生活は思わぬ方向へ。 その先に〈本当の運命〉は待ち受けるのか? 『ピエタ』が2012年本屋大賞3位になった著者の、2014年直木賞候補作。 「書くこと」の業を、不思議な熱を持って描いた前代未聞の傑作! これは書く女だけの小説ではなくて、人生の考察小説だ──解説・角田光代 ☆森和木ホリー ──才能なんてしょせん得体のしれないもの 「錦船」シリーズが大ヒットしてジュニア小説の女王と呼ばれる小説家 ☆宇城圭子 ──その娘がやって来たら、何をしよう。まずはホリーさんと二人、あの白い部屋に閉じ込めてみようか。 公務員からスカウトされて以来20数年間、ホリーの有能な秘書。ホリーによると人殺し? ☆國崎真実 ──なんかもう、コロッケの声が聞こえるっていうか。 編集者の助言でホリーの内弟子となった新人作家。コロッケ作りの名人。 -
海を抱いたビー玉~甦ったボンネットバスと少年たちの物語~
「心」を持ったボンネットバスの奇跡の旅。 運転手の親子に愛されたことで「心」を持った瀬戸内海の小さな島のボンネットバスと、手にした者に勇気を与える不思議な青いビー玉が、時代を超え、運命に導かれながら旅をしていくファンタジー。 旅は、懐かしい昭和40年代の瀬戸内海の島から、大震災に見舞われた山古志村へ……。 少年と、バスと、少年の心を持った魅力的な大人たちが、「生きることの美しさ」を優しく語りかけてくれる、事実をもとに描いた奇跡と感動の物語。驚きのラストに、あなたもまちがいなく「幸せのため息」をつくことでしょう。 「幻の青春小説」と呼ばれた名作の、待望の文庫版を電子化。 -
パープルレイン
六本木で恋に夢につまずく6人の女性の物語。 金曜日の六本木、どしゃぶりの深夜。ウェイトレス、キャバクラ嬢、ラジオDJ、OL、ダンサー、ネイリスト。同じ日、同じ街で交差する6人の女は、夢に、恋に、仕事につまずいていく。そこには、ひとつとして同じ時間は流れていない。それぞれの人生、物語が存在する。共通するのは、多くの女性が抱く“他人に見せない、見せたくはない”苦しみ、“自分らしく生きることのツラさ”。それらがリアルに、カッコよく描かれた6人の女性の物語に、読者はいつしか自分を重ね見る。涙を誘いながらも、女性の力強さと未来を夢見させる短編集。 -
ラブオールプレー
中学の時ひょんなことからバドミントンを始めることになった水嶋亮。 オファーを受けて進学した名門・横浜湊高校には文武両道イケメンエースの先輩をはじめ、無敵の双子ダブルスに、クールな帰国子女など個性豊かなチームメイトたちが。 かけがえのない仲間を得た水嶋は、さらなる高みへと挑んでいく! 三度のメシよりバトミントンな超純粋高校生たちを瑞々しく描いた青春バトミントン小説。 【解説/大矢博子】 -
ホライズン
主人公の真知子は海外企業に職を得た夫の転勤で南半球へ。 幼い娘と共に海外での新生活が始まった。 美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、暗黙のヒエラルキーがあり、夫の職業や現地の家の場所によって厳然たる階級が築かれていた。 その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ佐倉郁子、商社マンの妻の津田宏美、現地の日本人シェフと再婚した木村弓子と親しくなる。 しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく。 内気な真知子は翻弄されつつも、壊れかけた友情の糸を結び合わせながら、少しずつ自分の居場所を獲得していく…。 結婚、出産、仕事、お金…。 今、女性が「生きる」ことについて、真摯に、正面から向き合った傑作長篇。 -
ハッピー・レボリューション
流され体質のOL夢子は、ゆるーい部署での生活に流され、仕事も恋もお留守気味。気づけば20代最後の日を目前にしていた。そんな会社帰り、夢子は電車の窓に映る自らの顔がオッサン女子化していることを察知し、戦慄。慌てて恋に仕事に自分磨きを始める。後輩男子・大喜名のアドバイス(という名の横やり)にもめげず奮闘する夢子だが、空回りの連続。折れそうな夢子の人生に起きた『革命』とは――? 『チョコレート・コンフュージョン』著者が送る、ハッピー成分100%ラブコメ! -
南アルプス山岳救助隊K-9 レスキュードッグ・ストーリーズ
日本第2位の高峰、北岳を舞台に山岳救助隊と山岳救助犬が駆ける! 『山と溪谷』にて好評連載された、南アルプス山岳救助隊と救助犬の活躍を描く本格山岳小説短篇集。 南アルプス北岳の白根御池小屋に山岳救助隊が常駐し、日本唯一の山岳救助犬が存在したら――。 妻と別れた男が滑落して骨折。携帯電話が通じず救助要請もできないまま寒い夜を迎え――「遺書」。 北岳登頂56回をめざす77歳の老人。しかし悲願達成当日に遭難者を見つけてしまう――「山の嫌われ者」。 『約束の地』の環境省ワイルドライフ・パトロール(WLP)シリーズとのコラボレーション――「北岳ライチョウ異聞」。 老犬カムイはK-9チームリーダー進藤のかけがえのないパートナー――「相棒(バディ)」。 山岳救助、犬との交流、ライチョウ問題のほか、「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの転換点となる「相棒(バディ)」、 単行本未収録作品「夏のおわりに」を含むバラエティあふれた全12編を収録。 -
夫のちんぽが入らない
“夫のちんぽが入らない”衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。2014年5月に開催された「文学フリマ」では、同人誌『なし水』を求める人々が異例の大行列を成し、同書は即完売。その中に収録され、大反響を呼んだのが主婦こだまの自伝『夫のちんぽが入らない』だ。同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落”の半生。“衝撃の実話”が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化! いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあることですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋) -
その手をにぎりたい
銀座鮨店に10年通ったバブル期OL物語。 80年代。都内で働いていた青子は、25歳で会社を辞め、栃木の実家へ帰る決意をする。その日、彼女は送別会をかね、上司に連れられて銀座の高級鮨店のカウンターに座っていた。彼女は、そのお店で衝撃を受ける。そこでは、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べるのだ。青子は、その味にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、 と一念発起。東京に残ることに決めた。 お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。 -
いつか春の日のどっかの町へ
40歳になった年、8年間活動を休止していた筋肉少女帯が再結成。その後、フジロックやロックインジャパンフェスティバル、アニメロサマーライブにも参戦し、音楽活動では人生何度目かのピークを過ごしながら、心の中には常に「アウェイ感」がつきまとう。このままでよいのだろうか、この先どうしたらよいのだろうか。これまでの人生でやり残したことはないのか。それが見つかるのだろうか――思い悩んだ挙げ句、楽器店でギターを購入した大槻ケンヂの挫折と挑戦と成長の日々。 「有限の人生の中で、でもどこからでもいつからでも人は新しいことを始めることがきっとできるのだと思うし、そう思った方が楽しいよ、という、おせっかいです」Byオーケン 笑えて泣ける、私小説! ※本書は、2014年3月に単行本化された『FOK46 突如40代でギター弾き語りを始めたらばの記』を加筆・修正し、改題した文庫が底本です。 -
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。
本当に好きだった。こんなにも人を好きになることは、この先一生ないだろうとさえ思った。言葉や仕草の一つ一つ、ちょっとした表情の変化、笑い声、髪から香る石鹸のにおい……思い出すと息が苦しくなる。まるで肺の中に、炭酸でも入っているみたいに。――透子。高校二年の夏。心臓の病が原因でなくなった彼女のことを、未だ引きずっていた成吾。あれから四年。交換日記の空白に綴られていく新しい返事。それは見間違えようもなく、透子の文字だった。 -
ミタカくんと私
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一見とっつきにくいけど、顔がいいから女の子にモテる。幼稚園から一緒だったという理由で、いろいろな人にミタカくんのことを聞かれたりする私の家に、ミタカは日常的にいついている。うちはママと中学生のミサオ、パパは家出中。だからいつも4人で、ごはんを食べたり、テレビを見たり、日々は平和に過ぎていき、これからも続いていく―ナミコとミタカのつれづれ恋愛小説。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
繰り巫女あやかし夜噺~お憑かれさんです、ごくろうさま~
―とんとんからん、とんからん。古都が舞台の、あやかし謎解き糸紡ぎ噺。 ―とんとんからん、とんからん。 古都の玉繭神社にある機織り小屋で、今日も巫女・絹子は布を織る。田舎の辺鄙な村から出てきた絹子は、社務所に住みながら、大学で非常勤講師として日本文化や機織りを教えている。住処は大家が管理し、シロとクロという若者がいつも美味しい料理を作ってくれ、快適だ。だが、その寮の住人の数も、どんなモノが住まうのかも、絹子は知らない―。 ある日、絹子は生徒から「神隠しに遭ったかも」と相談を受けて…。古都を舞台に糸が舞う、あやかし謎解き噺。 -
堕落論 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!≫ 「堕ちること以外の中に、人間を救う便利な近道はない」。第二次大戦直後の混迷した社会に、かつての倫理を否定し、新たな考え方を示した『堕落論』。安吾を時代の寵児に押し上げ、時を超えて語り継がれる名作。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
青年は荒野をめざす
未知の荒野を目指して歩く男を描いた五木寛之の代表作。 ジャズ・ミュージシャンをめざす二十歳のジュンは、新宿のジャズ・スポットで 「お前さんには、何か欠けたものがあるんだよ」「あんたは苦労がたりない」と 言われ、外国へ飛び出した。 横浜港からシベリアへ渡り、そこからモスクワ、ヘルシンキ、ストックホルム、 コペンハーゲン、パリ、マドリッド、リスボン・・・。ジャズとセックス、ドラッグ、 酒、そして暴力にいろどられた放浪の旅は続く。 世界とは? 人間とは? 青春とは? そして音楽とは? 走り続ける60年代の若者たちを描き、圧倒的な共感をよんだ名作。 解説は植草甚一 -
ファイティング寿限無
前代未聞!! 落語家として有名になるために、プロボクサーに!? 「まず売れることを考えろ。売れるためには、落語以外の何かでマスコミに斬り込むンだ!」人気落語家の師匠橘家龍太楼の教えに従い“飛び道具”としてボクシングを始めた橘家小龍。過酷なトレーニングも何のその、次第にジムの面々や橘家一門も巻き込んで、本気でボクシングに打ち込んでゆく。目指すはチャンピオン! だが、その前に不敗のバンタム級王者が立ちふさがる……。落語家にして作家、師匠・談志が愛した立川流の逸材が小説界に放った強烈パンチ! 爽快にして痛快、青春小説の傑作が待望の電子化! -
蠕動で渉れ、汚泥の川を
“湊かなえ氏激賞!! 「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた──湊かなえ”。貫多、セヴンティーン! 人生はまだ、始まったばかり。初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。待望の最新長篇<私小説>! 「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」。白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記! -
神さまは五線譜の隙間に
念願かなって町の小さな調律事務所に就職が決まった幹太は、業界内で「エスピー調律師」と揶揄される時子の助手として働くことに。シンプルな黒スーツに鋭い目つき、無愛想な態度――時子の醸し出すエスピーのような雰囲気に最初は尻込んでいた幹太だが、彼女の天才的な手腕と真摯な仕事ぶりに尊敬の念を抱き始める。依頼人たちが望むさまざまな「音」を作り上げるために奮闘し、ときにピアノと音に隠された謎を解き明かしてゆく時子たち。そして調律が終わり、ピアノに神さまがおりた瞬間、それぞれの依頼人の心に小さな奇跡が訪れる――。 -
もういっかい彼女
大人切ないタイムスリップ号泣ストーリー。 私は、何度か過去に戻ったことがある--。雑誌のインタビューで出会った初老の官能小説家が話し始めた内容は、想像を絶するものだった。 これは、夢か、現実か、それとも彼の戯言なのか? 雑誌のライター・冨谷啓太(通称・タニケー)は、自分が担当する「オールド・タレント」というインタビュー連載に、なんとなく訳ありのある人物を取材するよう依頼される。取材相手は、佐々田順という官能小説家で、20年前に9作の小説を世に出した後は、すっかり鳴りを潜めていた。 カメラマンの野田奈々と、その初老男性の取材を終えたタニケーは、ひょんなことから佐々田のとんでもなく長い話を聞くことになる。 -
小説の神様
【2020年10月2日(金)映画公開!】 W主演佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈 小説は、好きですか――? いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。 僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。 物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春! -
世界からボクが消えたなら ~映画「世界から猫が消えたなら」キャベツの物語~
今年いちばん泣ける映画、もうひとつの物語。 余命わずかと宣告されたご主人さまは、自分と同じ姿をした悪魔と取引をした。「この世界からモノを一つ消す。そのかわりに、キミの命を一日ぶんだけ延ばす」と。電話、映画、時計……。モノが消えていくたびに、ご主人さまと結びついていた人の記憶までが失われていくようだ。そして悪魔は、世界から猫を消すと提案する。ボクのことなんて消してしまっていいんだよ、ご主人さま……。最後に、飼い主が選択した決断とは!? 感涙のベストセラー原作の映画『世界から猫が消えたなら』を、主人公の飼い猫であるキャベツの視点で描いた、感動の物語。 -
祝福
少女のころ、私たちは赤い糸にあこがれていた。生まれながらに、目には見えない赤い糸で結ばれたひとにいつか出会い、恋をして、幸せに暮らし、死ぬまで離れることはない。大人になって、いくつかの恋を経験して、赤い糸はないって気づいたけれど、でも、銀の糸はあるのかもしれない。人生の大きな流れの中で、自分で選んだ相手と意志的に結ぶ、それが銀の糸――。だれかとつながりたい気持ちをすくいとる、珠玉の恋愛小説集。表題作ほか「しゃぼん」「セカンドハウス」「銀の糸」「遊園地」「メトロノーム」を収録。 ※本書は文庫版『銀の糸』を改題し、単行本刊行時のタイトル『祝福』とした作品です。 -
蓮の数式
35歳のそろばん塾講師・千穂は不妊治療を始めて10年。夫と義母からの度重なる嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫の運転する車がひとりの男と接触してしまう。「金で解決しろ」と事故の処理を押し付けられた千穂は、男の不可解な行動を見て算数障害なのではないかと気づく。男の苦悩を理解し手をさしのべようとする千穂だったが、その行動を訝しみ嫉妬する夫は、異常な行動に出て千穂を追い詰める。これまで抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を引き起こしてしまうのだった――。愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる! 文芸評論家たちから絶賛の気鋭が放つ最新長篇。
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