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盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助は、後年春琴がその美貌を何者かによって傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するため自ら盲目の世界に入る。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。
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Posted by ブクログ
以前に刺青を読んで他の谷崎作品が気になっていたものの、当時の体調と文体の相性が良くなく断念していたものを、機会あってようやく読んだ。 全体として読点句読点がほとんどなく、何処で文章が切れるのかよくわからない部分も多く、読むのにやや苦労したが、記憶とは違い極度に漢文調になっているということもなく、先述...続きを読むの点での骨折りがあった他はすらすらと読めた。 刺青にあった艶めかしく暗い妖しさはこの作品にはなく、読んでいる最中はずっと「いつこれが暗転するのだろう」と思っていたが、とうとう刺青のような薄暗い情念のようなものは表れずに終わり、少し呆気に取られたのだが、読み終わって暫くの後、上手く言い表せないが胸の内を満たすものがあり、優しい、ともすればぼんやりとした味わいでありながらカロリーの高い作品であったことがわかった。佐助の春琴への穏やかながらも凄絶な敬慕と愛の物語。
本作は「痴人の愛」と違って春琴の容色が衰えた後の話もあるんですね。悲しくなっちゃったよ、佐助どんが絶対に絶対に関係性を変えることを認めなくて。現在の春琴を受け入れることを拒否していて。 佐助が目を潰して2人でおいおいと泣いたその時は春琴にとってどんなにか嬉しかったか知らない。だけれどもそれは春琴を思...続きを読むってのことではなく、佐助の中の美しい春琴を永遠のものとするためだった。春琴は盲目であの性格でだけど佐助だけはきっと自分のことを分かっていると考えていたのだろうがそれは違った、裏切られたような気分になったろうが佐助は最初から美しくない春琴なんか求めちゃいなかったんだ。佐助が最初からそうだったのか春琴の横暴な振る舞いが佐助を変えてしまったのか。私は後年の春琴を思うとやりきれないよ、孤独で孤独で佐助はそれを分からしめる絶対的な他人で、後悔ばかりが残ったんだろうと。 「痴人の愛」の後続けて読んだ。ナオミみたいに愛されたい自分の欲望と向き合うために。 容姿端麗であることは絶対条件ですね(この時点で無理)
丁稚の佐助がその師匠春琴への忠と愛の極致に至福を見出す物語。 物語態というのが目新しく、原典の記述に著者があれこれと考察を加えながら進んでいく。句点が意図的に省かれている効果か、非常に読みやすい。 一通り読むと、冒頭の墓の情景がより美しく映じられる。春琴に侍り彼女の生活の一切に如才なく気を配る佐...続きを読む助の様が、自ずから墓石に投じられるのである。
爆笑しながら読むくらいおもろいナオミ最後^_^ ナオミが浮気してるかも?!ってハラハラする場面何回かあったけど毎回おもろいの凄い、にやにやして読むの止まらんなる 譲治の振り回されようが滑稽、男を手玉に取って弄ぶナオミ、それを分かりきってるのに服従せずには済まない譲治の堕落っぷりが良い 最後に馬乗りに...続きを読むなるシーンなんてふたりの関係そのもの、ここを味わうためだけの小説と言っても過言ではないくらい好きな場面
状況描写のみに徹するのは、師弟関係の極地に達したこの男女にこちら側を介入させないためであろう。二人だけの世界。付け入る隙は一寸もない。 大小寄り添う彼らの墓参りの情景から始まるというのがなんとも泣ける。 読みにくいと思っていた読点のない文は、やがて的確で美しい情報がダムの如く押し寄せる心地良さとな...続きを読むり、結局はひれ伏さざるを得ない。
日本文学において、谷崎ほど芸術家肌の小説家はいない。ヒッチコックが映画の中で多くの「実験」を行ったように、日本語という言語に愛と信頼をおき、歴史という文脈を踏まえながら「新たなもの」を生み出してきた。 今作もまさにそう。句読点を限りなく排除した文章は、一文でさえ読んでしまうともう離れることはできない...続きを読む。 古き日本語の艶やかな味わいがぎゅうぎゅうに詰まっている。
すごかった 大切な人にどれだけ寄り添ったとしてもその人とおなじ境遇にはなれない 目が見えてしまう、どうしてもそこに隔たりを感じてしまっていたのだろうか どうにかして同じ苦しみ悲しみを感じ一緒に生きていきたいという思い、わかる気がする
盲目の美しい娘、春琴と身の回りの世話をする下男佐助。三味線の師匠と弟子でもある。 春琴の美しさ、儚さがそこはかとなく文章から伝わってくる。一方で気性は激しく、気位高く、お金に厳しい。佐助を泣かせる程に体罰と厳しい指導を行う。 佐助は、仕えた最初から春琴への憧れがあり、師匠としての尊敬の念、やがて深...続きを読むい愛情へと変わっていく。愛おしさを表現する文章が何気なくエロい。マゾ的な性癖も感じさせる。 そんな上下関係であるはずなのに、妊娠するとは、オイオイ、どういう事か?えーっ⁈そういう事なのか?2人は否定し、ここではハッキリした事情は語られないままだ。 人から恨みを買う事になった春琴は顔に大火傷を負ってしまう。その春琴が「私を見るな」と言った為に、自らの目に針を刺し失明した佐助。あまりにショッキングだ。ヤバすぎる。 しかし、この事で2人は同じ盲人となり、同化し、より絆が深まる。ようやく肉体だけでなく心で結ばれた。(やっぱり肉体関係はあったんかーい)佐助は、不幸ではなく、幸せを得たと言うのだから、度肝を抜かれた。 そのクライマックスシーンでは、自然と涙が溢れ出てしまい、心が揺さぶられる。そこまでの愛があるのかと…。 今も大阪の町のどこかに2人のお墓がひっそりと存在しているかもしれない。 これが谷崎の耽美な世界なのか…。読後しばらく抜けきれない。 密やかで不思議な究極の愛の描き方に今後ハマりそうな予感がする。
雑誌程の薄さの中に、谷崎の拘りが詰まりに詰まった美麗描写の波状攻撃。 作者の“五感”への思い入れは凡人には計り切れない。 個人的には本作に最大のリスペクトを払った中上健次の『重力の都』もお気に入り。
谷崎は初めて読んだかも。今で言う「プレイ」のような男女の壮絶な愛のカタチを描いた作品。日本でこのスタイルの文学を描いたのはこの人が初だったのだろうか。さぞかし発表当時センセーショナルに世間が受け止めたのではないかと思う。そして、男女問わず反発も共感もあったのではと。 文語体が混じったり句読点の打ち...続きを読む方が特殊でやや読みづらいところはあるが、主人公2人の行動と秘めた想いとをつい夢中になって追いかけてしまった。 谷?アは「耽美派」と言う言葉と共に国語の授業で習ったが、耽美派の作品は教科書に載っていただろうか。源氏物語しかり、「子供にはまだ早い」部分に蓋をするような教え方をしなければ、私はもっと国語という教科が好きになっていたかもしれない。
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