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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ほの暗さの向こうに、美しい世界が見えてくる 建築や灯り、漆器や芸能などを題材に、暗がりに潜む日本の美の本質を捉えた谷崎潤一郎の名作『陰翳礼讃』。「日本の美」を考える上でのバイブルとも言える1冊が、作品にふさわしい美しい写真とともに楽しめる、ビジュアルブックとして蘇ります。
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Posted by ブクログ
潔癖に白くて清潔なタイル張りでは醸し出せない古い木目の深い暖かみのある美しさということ。陰を美しいと思える感覚、新しくないものを美しいと思える感覚はまだ日本人に残っている。谷崎潤一郎の文章、トイレのことを書いていても美しい。再読。 全文はブログで www.akapannotes.com @aka...続きを読むpanreads
日本と外国の違いを言葉化されていて納得しました。集中力が低下している今日この頃ですが、写真があることで、夢中になって読み進めてしまいました。
オーディオブックで。 語りで聴くと、日本語の美しさが沁みる。 このエッセイ、学生時代に試験の問題文で出たけど、その時「面白いー」と思ってそのままでした。 今読んで(聴いて)も面白い。 建物が明るくなっていくことの味気なさを嘆いているのも面白いけで、やっぱりエロティックな眼差しを書かせたら天下一品です...続きを読む。 日本女性の体型ぺったんこ理論も笑った。 文豪って精神奥深くかつ俗っぽさも滲みでるのが楽しいな。
原研哉さんの『白』という本を読んでいて出てきたので、気になって読んでみた。私には難しいかもしれないと危惧して、理解を助けてくれそうな大川裕弘さんの写真が随所に載っている、パイインターナショナルの版を選んだ。 個人的には、物心ついた時からヨーロッパが好きで、見るのは古い洋画ばかり、家具など、洋風...続きを読むのものが大好きだった。和風のものは、それなりに好きではあるが、洋風のものほどドキドキはしてこなかった。 この本は、日本人が、暗さの中で、全部を赤々と灯さず、明るめの清潔感が溢れる白に塗り固めず、暗さの中に少し障子から漏れる光によって作られる陰翳をいかに上手に捉えて情緒的に暮らしてきたか、文化を築いてきたかを礼讃している。 文章も繊細さを持ちながらもさっぱりとしていてわかりやすく、日本の文化の素晴らしさが自身の感覚に染み込んできた。写真とともに、素敵な一節が切り取られて再度載っているページがあり、ここ、良かったよなぁ、もう一回読めて嬉しいなぁ、と感動した。 ものすごく好きな写真が1枚あって、こういう暗さや空間が好きだなぁと惚れ惚れした。北海道の、あかん鶴雅別荘の写真だった。読み終わった後も、何度もそのページを開いてしまう。 ちょっと西洋の方が読んだら気を悪くするのでは…と心配になったが、これぞ芸術!という文章を楽しめた。 ◯もし、あの陰鬱な室内に漆器というものがなかったなら、蝋燭や燈明の醸し出す怪しい光の夢の世界が、その灯のはためきが打っている夜の脈博が、どんなに魅力を減殺されることであろう。 ◯畳の上に幾すじもの小川が流れ、池水が湛えられている如く、一つの灯影を此処彼処に捉えて、細く、かそけく、ちらちらと伝えながら、夜そのものに蒔絵をしたような綾を織り出す。 ◯美は、物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える。
美しいという言葉がぴたりと当てはまるような本だった。豊富に差し挟まれる写真の美しさも然りだが、陰があってこそ映える日本の美しさを丁寧に表現されている。意識しなければ陰の中の美を感じることなどなかった自分に、本来の日本の美を説いてくれた陰翳礼讃に感謝し、この美しい日本に産まれたことの幸運にも感謝したい...続きを読む。
あまり古さを感じない文章&内容。 SDGsの現代に似合った考え方なのか。 写真に文章が添えられており、とても読みやすい。 最近、日本の夜は明るすぎる、と海外の人々が思っていると知った。陰を大事にする日本人はどこにいったのか。他国の夜の部屋はもっと薄暗いそう。睡眠学的にも夜は暗いと良いらしい...続きを読む。 朝日と共に起床し、日没と共に就寝する。 理想的な生活、いつか実現したい。
日本の夜は明るすぎる。もっと暗くした方が良い。という意見にはめちゃくちゃ共感。 日本の文化は薄暗い住環境の中で興隆したからこそ光の中ではなく陰翳でこそ美しい。たとえば蒔絵に使われる金は暗闇で見ることを前提につくられている。白光する中で見ても何らの美性もない。バッサリそう言い放つ文豪・谷崎潤一郎に...続きを読む感服せざるを得ない。それが正しいか否かは置いておいて、なるほど。そのような視点もあるのか!と納得させられてしまった。
谷崎潤一郎の文章に合った写真にとても癒されました。 今まで陰や暗さは負のイメージを持っていましたが、本書を通してそれらの奥深さや荘厳さを理解することができました。また、日本と欧米の対比関係が明るさや色への理解を深めることができました。
年の瀬でいろんな負債が溜まってる時にまあまあ染みる綺麗さ。 これ読むと毎回いろんな“みているモノ”を触りたくなるくらいにはモノへの成り立ちと景色を敬ってしまう。 この本はいろんなところで引用されるし応用されるけど、全ストーリーラインを写真でなぞり切るっていうのはなかなか勇気がいるんじゃないだろうか...続きを読む。純粋に、自分と違うイメージがつくことで新しい発見が多いと思った。
美しい…。 久々に自分が日本人に生まれて良かったと思わせてくれる作品だった。 学生の頃に初めて紐解いた時は、正直なところその良さが分からなかった。 当時本を開いて、句読点が少なく旧仮名が小さな文字でびっしりと並んでいるのを見ただけでウンザリとした記憶がある。 当時から読書好きを自認していたが、まだ...続きを読むまだ未熟だったということだろう。 年を経て老眼やら、その他の目の不調やらで、その手の書籍は一層敬遠したくなるところである。 ではなぜこれを手に取ったのか。 実は書店の写真集コーナーなのである。 ふと見覚えのある書名に興味を持ってパラパラとめくるうちにぐいと引き込まれた。 「ん?なんだ?これは…」 しかし思いとどまった。写真入りなのでちと高い。積読が多くなっていることもあって、また無駄遣いになってもいかんかなと。 後日その書店に何気なく足を伸ばすと、何故か吸い寄せられるように写真集コーナーへ、そしてまた手に取っている自分がいた。 「もうこれは縁だな…。」 諦めてそのままレジへ向かった。 そこから毎晩ずつ噛みしめるように本書を少しずつ読み進めた。(もちろん他の積読はそのままに。) じっくり夜に触れたい。 そんな所は筆者の得意とするところ、その術中にまんまとハマってしまった。 美しい…。 文書の抑揚、厳選された言葉、静かな語り口の中に潜む熱く燻るような陰翳美への情念。 そしてその文章と絡み合う、瞑く、儚く、朧げな多くの写真に酔わされ、時折織り込まれる豊かな色彩にハッとさせられる。 言葉と画像が織りなす芸術とは正にこう言うものなのだろう。きっと。 そして読後に浮かんだのは… くらくてはかなくてぼんやりしたもの そのなかにうつくしさをかんじることができるにほんじんのこころ 幼い頃に訪れた祖父母の古い家, ただでさえ薄暗い小さな家日本家屋の中、部屋、台所、風呂場、和式トイレなどの隅々にあった、より暗くそれでいてぼんやりとした陰。 そこから何か異界のものが匂うように立ち上がってくる異空間感覚。 それは恐怖?楽しみ?陶酔感? (そして現在においては郷愁感?) 現在の高解像なメディア(文書、画像、音楽などなど)は感覚が衰え始めている自分にはとても有難い。 しかし一方で、高い解像度は何もかもハッキリし過ぎて刺激が強く、受け取っているとすぐに疲労してしまうのも年齢的なものか。 ならば… 「低い解像度、少ない光量の中に、自分はどんなものを見、感じることが出来るのか」 そんな心持ちで趣味の書籍やカメラに向き合ってみるのも一興。 などとつらつらと考えている。
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