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Posted by ブクログ 2020年06月11日
だれか一人が遥かな救いを求めて叫び声を上げる時、それを聞くものはみな、その叫びが自分自身の声でなかったか、考えたくなるものだ。
小説の中に描かれた人間模様は、「青春」とか一言で表されるような生易しい様相ではなかった。しかし若者たちの抱える叫び声は、少しずつ自分の中に染み込む気がしたのも事実である。...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年02月19日
フィクションをあまりに切実に受けとめすぎるというのは欠点である。しかし記憶に残るのは自分と合わせ鏡のような小説ばかりだ。おもしろい小説は苦痛を伴う。
ところで岸政彦には彼ら3人にまたこう言って励ましてあげてほしい。
「若いやつ頑張れよ。だいじょうぶやで、もうすぐ若くなくなるから。そうなったら楽にな...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月26日
うわぁぁぁーーーーーっ!
確かに、しっかりと、その「叫び声」を聞いた・・・。
「人間みなが遅すぎる救助をまちこがれている恐怖の時代には、誰かひとり遥かな救いをもとめて叫び声をあげる時、それを聞く者はみな、その叫び声が自分自身の声でなかったかと、わが耳を疑う」(ジャン=ポール・サルトル)
生臭さと...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
人種も年齢も違う4人の青春劇。
最初は本当に明るい青春劇のような始まり方なのですが、(一人のアメリカ人青年の呼びかけで、ヨットでアフリカに行こうという計画の元に4人が集まる)少しづつ、それぞれの倒錯している部分が事件を引き起こしていって、それがすべて最初にアメリカ人青年が起こしたある事件に起因し...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
僕が思う良い小説ってのは実は読むのがどれだけ苦しかったかってことに起因しているかもしれない。
この『叫び声』はまさに僕が思うそれ的な小説だということが出来る。(今回は電子辞書が手放せない位生きていく中で聞くことの無い響きの言葉が頻出していてそういう面でも苦しんだ;; 純文学度が高いってこと?)
自分...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月28日
ものすごい作品だった。特に怪物の章は身震いした。よくこんな文章書けるものだ。大江さんしか書けないだろうな。
複雑の想像つかない驚異的な言い回しで笑っちゃう時もあるんだけど、慣れてしまえばこの文章が病み付きになる。
いろんな意見があるかもしれないが、自分は大江さんはノーベル文化賞に抜群にふさわしい方だ...続きを読む
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