美しいアナベル・リイ

美しいアナベル・リイ

539円 (税込)

2pt

かつてチャイルド・ポルノ疑惑を招いて消えた映画企画があった。それから30年、小説家の私は、その仲間と美しき国際派女優に再会。そして、ポオの詩篇に息づく永遠の少女アナベル・リイへの憧れを、再度の映画制作に託そうと決意するのだが。破天荒な目論見へ突き進む「おかしな老人」たちを描く、不敵なる大江版「ロリータ」。『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』改題。

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美しいアナベル・リイ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2010年11月27日

    この世界の美しさ!青年、壮年、老年と印象的なあるフィルムのヒロインを巡る話なのだがこの女性が主役、というよりは私(古義人)のみた世界の話。
    それぞれのシーンのうつくしさに読んでいてはっとなる。
    老いて行くロリータ
    でてくるのは老人ばかりなのに妙に耽美
    唐突に終わるのがまたリアルで不気味

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    Posted by ブクログ 2017年01月26日

    ポーのアナベルリーを原文で読み終えた後で、再読。登場人物の鮮やかなキャラクター設定にため息は出たが、前半は時間の移動もあってやや退屈気味。中間部、サクラさんの体温が上がり始めてからはこちらも一気に読み終えた。人が年をとる、ということを考えさせられた。

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    Posted by ブクログ 2012年09月12日

    アナベル・リイの夏目訳が読みたくて気になる。”ろうたし”がきいてる。それから強烈な甘い思い出。追体験してみたくもなる。
    誰しも心の中に”アナベル・リイ”なり”ロリータ”なるファム・ファタールがいるものだろう。彼女はわすれられない思い出をまとって、甘い甘い魅力をふりまきながらふてぶてしくどうどうとして...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年02月26日

    物語は、現在、70代になった作者が、大学時代の級友、木守に再会する場面から始まります。
    そこから、二人が30年前に、とある映画を撮影する企画を通して再会し、また疎遠になっていく過程が回想されます。

    国際的に映画のプロデューサーをしていた木守は、計画中の映画のシナリオを書かないか、と、級友だった作者...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年09月11日

    【本の内容】
    かつてチャイルド・ポルノ疑惑を招いて消えた映画企画があった。

    それから30年、小説家の私は、その仲間と美しき国際派女優に再会。

    そして、ポオの詩篇に息づく永遠の少女アナベル・リイへの憧れを、再度の映画制作に託そうと決意するのだが。

    破天荒な目論見へ突き進む「おかしな老人」たちを描...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月14日

    クライストの小説「ミヒャエル・コールハースの運命」を映画化するという
    国際的なプロジェクトの一端に
    シナリオライターとして参加することになった語り手は
    「万延元年のフットボール」に書ききれなかった民衆蜂起のエネルギーを
    その映画で再現しようともくろむ
    しかし、企画は思わぬところで頓挫した
    集められた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年06月02日

    この作品から新しい大江の文体が披露された。アナベル・リィの詩句を巡る着想、意識的な文体の改変に纏わる話、そして女性が中心となって物語世界をドライブさせていく。ここに来て新しい大江を見ることができるなんて!次作「水死」で見事な結実を生む脈動に溢れた作品。

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    Posted by ブクログ 2011年05月31日

    これまでおよそ時系列で大江健三郎の著作を読んできましたが、ピンチランナー調書辺りから主題と言うか、小説を書く目的みたいなものが少しずつ変わってきている気がします。

    前期は人間の虚飾や欺瞞や、ありとあらゆる醜い部分を徹底的にほじくっていますが、後期は虚飾や欺瞞をバイパスに、その先にあるものを書こうと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年04月19日

    大江氏の作品としては標準的。やや消化不良?やはり長編が読みたくなる。
    これを読む前に、「人生の親戚」を読んでおくことで、この変奏を楽しめるはず。
    にしても、単行本時の「臈たしアナベル•リイ 総毛立ちつ身まかりつ」という秀逸なタイトルが変更されてしまったのはなぜたろうか?

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年01月26日

    まず、表紙裏の解説には「老人たちの奮闘記」てなことが書いてあったけど、私は全くそうは感じなかった。

    虐待にあった女性が傷へ向き合い、再生へ。
    それが「ミヒャエル・コールハース計画」を通して語られている。

    主人公は大江自身を思わせる作家であり(私は大江作品を初めて読んだのでいつもこうなのか定かでは...続きを読む

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