夕べの雲

夕べの雲

1,353円 (税込)

6pt

何もさえぎるものない丘の上の新しい家。主人公はまず"風よけの木"のことを考える。家の団欒を深く静かに支えようとする意志。季節季節の自然との交流を詩情豊に描く、読売文学賞受賞の名作。

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夕べの雲 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    次男の正次郎が風邪をひいて冬至の柚子湯に入れなかった時に、母と姉が洗面器でその湯を汲んで、その中に柚子の汁をしぼり入れて、そこに浸したタオルで顔をふいてやるとか、ほのぼのエピソードがいっぱい。
    世の中がどんなに変わろうとも、庄野潤三の世界観のようなものを、自分の中の片隅に置いておきたい。

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    一家族の何気ない日常、でもそれは二度とはない日々の連なり。そういったものを小説に描いた一作。
    なのでストーリーに頼った(それが悪いと言ってはいないです、誤解なきよう)小説のように大きな出来事が起こることはない。
    なのに読んでいて楽しい。それは家族の会話だったり、周りの人との関係性が暖かかったり、季節

    0
    2024年07月17日

    Posted by ブクログ

    はっきり言って何も起きない、筋書きがあるともいえない、ないないづくしの家族小説(大きな出来事は落雷くらい)。なのだけれど、この平凡な家族の生活をいつまでも見ていたいような、不思議な気分に浸ってしまった。そう思わせるのは、解説が指摘するように、結局はこの平凡な生活が永遠には続かないことへの切なさが、背

    0
    2021年03月02日

    Posted by ブクログ

    なんでもない日常の光景が、こんなに輝いていたなんて。
    近所の野山で遊んだり、学校帰りに梨を買ったり、部屋にムカデが出たり、風邪ひいたり…。
    懐かしくて、温かくて、優しい毎日が、美しく移ろってゆく。
    ずっと浸っていたい空気がここにある。

    0
    2018年10月06日

    Posted by ブクログ

    丘の上の新しい家に越してきた家族が、その土地になじみ毎日を過ごしていく様子を穏やかに描いています。

    この小説には、萩、金木犀、山茶花、ムカデ、梨・・・といった季節季節の自然が出てきます。
    自然と交流しながら成長していく子供達、子供とのやりとりを楽しみ支えていこうとする主人公の父親、家族にそっと寄り

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    <poka>
    小田急線生田駅近くの西三田団地が舞台の家族小説。
    大学がその近くだったので懐かしかった。
    文体は穏やかで疲れることはありません。こんな文章を書きたくなります。

    <だいこんまる>
    ビートたけしは、生田大学のあの階段を上るのが面倒で大学を辞めたとか。

    0
    2009年10月25日

    Posted by ブクログ

    まず前提として、本書は“純文学”であるということを分かっていなければならない。決してエンタメ小説ではない。基本、“退屈でつまらない”、それが純文学である。人を楽しませるために書かれた本ではない。
    前情報なく、本書を読み始めると、「何だこの退屈な小説は」と思い、途中で投げ出してしまうかもしれない。なの

    1
    2023年12月29日

    Posted by ブクログ

    著者の出身地の近くに現在自分が住んでいる事もあり、以前から作品を読んでみたいと思っていたが、先日読んだ島田潤一郎「古くてあたらしい仕事」にも触れられていたので読んでみた。

    著者の日記の様な作品であるし、実際事実に基づいた部分も一定以上あるだろう。日常を土台とし、飛躍はない。エンターテイメント性は皆

    0
    2024年08月24日

    Posted by ブクログ

    なんて事のない日常が淡々と描かれているのだが、花や木、果物、虫などの描写が季節を感じさせ、自然と関わりながら生活する家族の様子が理想に思えた。何気ない家族の行動や会話の描写がおもしろく、読みながらクスっと笑えたり、あーそうそうと同感できたりして、心が温まる一冊だった。各章のタイトルも素敵だった。

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    なんということもない日常なのに、心惹かれる。
    私がこの当時の世俗を知らないということを抜きにしても滋味深い小説。

    0
    2020年06月29日

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