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もののけ寺の白菊丸
数えで12歳となった白菊丸は、母と離れて勿径(もっけい)寺へと入った。さる貴き方の落胤である白菊丸は寺で修業し、ゆくゆくは僧侶となるのだ。始まった寺での日々。同じように預けられた稚児たちと一緒に学び、幅広い教養を身に着けていく白菊丸は、ある日、先輩稚児たちに声をかけられた。曰く、勿径寺の宝蔵には力ある物の怪たちの骸が封印されている。新しく寺に入った者は、胆力を鍛えるため、夜中にひとりでその宝蔵に行かなければならない、と。新人いびりとも知らず、その夜、白菊丸が宝蔵を訪れるとそこには白い毛皮をまとった物の怪がいて…。稚児たちがつぎつぎと騒動に巻き込まれるなか、和尚には何やら隠し事があるようで? -
日暮れのあと
生と死、そして性愛――人生を謳いあげる至高の短編小説集 【誰だって、人に知られたくない秘密がある。】 「過ぎてみれば、全部、どうってことなかった」 こんなに心を震わす小説が、他にあるだろうか――? 孤独、死、性愛と情熱、そして嫉妬…… 人に悟られたくない、繊細な心の機微を見事に描く極上の短編小説集。 【解説・小川洋子】 老いを感じながら山裾で暮らす童話作家の72歳の雪代。庭を訪れた植木屋の若者から、還暦過ぎの風俗嬢への一途な恋心を聞き嫉妬するが…(表題作)。自分の夫と一緒に死んだ女に、線香をあげる妻が放つ不穏な空気(「喪中の客」)。 誰しも運命に逆らえず秘密を抱えて生きていく。 短編の名手・小池真理子が放つ、至高の7編。 〈あの人に抱いた、言葉にできない想い――〉 ・いつものように彼女に請われても、彼は化粧をしようとしなかった。(「アネモネ」) ・ある日、朽ち果てて使われなくなった玄関のブザーが鳴った…(「喪中」の客) ・若かったおばの白いふくらはぎと甘ったるい声が、彼女の遺骨を抱いて蘇る(「ミソサザイ」) ・40歳の時に恋をした相手は、大学生。旅館で親子と間違われて…(「微笑み」) 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2026年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています -
贅沢な関係
いつからだろう? 会えなくてもさみしいと思わなくなったのは。 あんなに一緒の時間を過ごしたのに、社会人になって、次第に自分の中心からこぼれて落ちていく存在ーー「友だち」。 注目の新鋭・川上佐都の瑞々しい筆致が冴えわたる! あの頃と同じではいられないもどかしさ、大人になった苦味が心に染みる、「青春のその後」の物語。 ☆☆☆変わりゆく関係と、身に覚えのある感情を掬いあげる全5編!☆☆☆ 「友だちなんてありがたい存在、がんばってつづけないと簡単に終わるんだけど!?」 高校時代からの親友シバサキとドライブするニッタ。シバサキは何か言いたいことがあるようで? (「音めぐり」) 「うそつけ。きっと約束までの時間が長すぎて、会うモチベーションがなくなっただけだろ」 友人の結婚式の帰り道、りさは中学の同級生・毛利と数年ぶりに邂逅する。 (「あかし」) 「……じゃあ、なにしたら友達なんですか?」 友人が減ることに慣れた柊には、偶然出会った小学生・みつほの悩みがまぶしくてーー。 (「ルガっち」) 「あれ? あいつ……LINEグループ、抜けてんだけど」 弟たちの友達グループが崩壊する瞬間を目の前で見てしまった姉・藍は途方に暮れかかるが……。 (「崩せない光景」) 「えーこのコート、カーテンみたいなの? もう消えたいんだが……」 数年ぶりの高校の同窓会に出席した町田。みんなが懐かしく呼ぶ「マッチン」と「今の自分」は少し違うみたいだ。 (「色めき同窓会」) -
月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった
いつも、二番目。 私を一番に思ってくれる人は、誰もいない。 それでも私は——ひとりぼっちじゃ、なかった。 恋人に「プロポーズするなら元カノがいい」と告げられ、婚約寸前でフラれた桃子。 田舎の父からも、 「天国の母さんに、桃子が幸せになった姿を見せてやりたい」と言われてしまう。 「私には、愛し愛されるパートナーができない。 他の人はじょうずに進める人生ゲームのマスが、自分には進めない。 私は、なにかが足りてない人間なんじゃないか——」 桃子が働いているのは、三軒茶屋の小さな喫茶店、「雨宿り」。 ここでは、毎週金曜夜十時、“元カレごはん埋葬委員会”が開かれる。 失恋相手との思い出のごはんが作れなくなった人たちが、 その恋を「埋葬」するために集まる場所だ。 モラハラを受けているのに、相手に好かれるように振る舞ってしまうかれん、 推しが結婚してつらくても平気なふりをする美穂、 二股をされても「彼以上に成長させてくれる人に会える気がしない」と悩む夏希、 「初デートで牡蠣を食べようと誘われたら、脈なしってことですよね?」と思い出を語る黒田…… 相談者たちの失恋の話を聞き、 思い出の料理をつくって共に食べるうち、桃子は気づいていく。 誰かに選ばれないからといって、足りていない人間なわけではない、と。 元カレごはん埋葬委員会。 迷った心が帰る場所は、ここにある。 “ままならない気持ち”の名手、川代紗生の新作・書き下ろしが登場! 共感とおいしさのつまった、なんども読みたくなる1冊です。 【目次】 第1話 プロポーズ未遂の洋風茶碗蒸し 第2話 ググれよ男のさっぱり煮 第3話 推しに捧げたカルボナーラ 第4話 二股男の不合格オムライス 第5話 "脈なし"を悟った牡蠣フライ 第6話 ママがいない日の塩胡椒チャーハン 第7話 愛されなくても愛せるからあげ -
明日、あたらしい歌をうたう
「君がいつもそばにいるから、毎日があたらしい」 遺影として飾られていたカリスマ的なミュージシャンの写真を、父と聞いて育った新(あらた)。 誰にも見えない存在として少女時代を生きてきたある日、耳にした音楽に救われ、恋に出会って新の母となった、くすか。 新が父の真実を知った時、二人の物語が、一つの歌に重なりはじめる――。 200ページで大長編の感動を約束する、珠玉の青春小説であり、親子小説であり、胸を打つ恋愛小説。 人の人生を変えた一曲を描く、あなたの人生を変える一冊。 【角田光代さんより皆さまへメッセージ】 どんなにちっぽけな原因であれ、奈落の底に落とされた気分で、もうだめだと思いこみ、起き上がることすらおっくうなとき、あなたは何に救われてきましたか? と、いろんな人に訊いてみたことがあります。小説、ドラマ、テレビのお笑い、いろんな答えがありました。自分を救ってくれたものを、職業として選び取っている人もいました。 私の場合は音楽です。 音楽がはじまり歌が流れる。どん底にいる私のところに光がさして、景色が見える。夜をうつくしいと思う。いっしょに笑っただれかをたいせつだと思う。冬の光が金色だと知る。歌われているすべて、私の体験ではないのに、この世界が生きるにあたいするうつくしい世界だということを、体感する。 私は音楽にくわしいわけではありません。聴く音楽もかたよっているし、流行にも疎いです。それでも信じています。すべての音楽には、それを必要とする人を救う力があると。 音楽でなくても、私たちを救ってくれるものはあると思います。そうしたものと出会うということは、けっして生きやすいとはいえないこの世界に、私たちだけの居場所を作るようなことなのだと思います。 自分がなぜここに生まれてきて、なぜ生きているのかわからない人たちが、あるとき、生きるにあたいする世界と出会う。これはそんな物語です。 今まで私を幾度も救ってきてくれた有形無形のものにたいする感謝の気持ちであり、恋文のようなものです。 読みながら、あなたの世界を変えた何かに思いを馳せてもらえたら、とてもうれしく思います。 ――角田光代 【著者紹介】 角田光代(カクタミツヨ) 1967年神奈川県生まれ。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蟬』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年『源氏物語』(全三巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)、2025年『方舟を燃やす』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』『神さまショッピング』他、エッセイなど多数。2020年より直木賞の選考委員を務める。 -
幽民奇聞
明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。 -
信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店
【40万人が愛した小説『ほどなく、お別れです』の映画化で大注目の著者最新作!!】 :::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*::: 読むほどに心が癒える、希望の一冊 :::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*:::*::: じんわりと涙が込み上げてきました。 抱きしめたくなるような物語です。 (TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん) 心が疲れたとき、こんなお店に出会いたい。 止まってしまった時間を抱えた人たちが、 忘れるのではなく、喪失を抱きしめながら再び日常へと歩き出す姿に、 胸の奥にやさしい灯がともります。 (文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん) 【著者より】 幼い頃から信州善光寺にお参りしてきました。 自然に囲まれた広い境内は、訪れた人々を包み込むおおらかさがあります。 懐かしい景色に思いを巡らせ「ただいま」の気持ちで書き終えました。 旅は人生における一時のおやすみかもしれません。誰にでもちょっとおやすみしたい時はある。 そんな時はぜひ「にしさわ商店」にお立ち寄りください。 【あらすじ】 亡き妻との約束を果たすべく善光寺参りにやってきた弘和。 参拝を終えて現実から逃げるように参道を逸れると、臙脂色の暖簾が目に留まった。 そこは「おやすみ処 にしさわ商店」。 喫茶店のような店内に足を踏み入れた弘和は、 妻が好きだったアップルパイを注文する。 その美味しさを独り占めしているようで、 死んだ妻に申し訳ないと打ち明けた弘和に店主は……。 長野県の路地裏にある小さなお店を舞台に、 大切なものを失った人たちの未来を描いた物語。 【目次】 第一話 妻との旅路 第二話 愛犬との散歩道 第三話 夏休みの贈り物 第四話 世界にひとつのお守り 第五話 夫の故郷 -
髪結いお照 晴雨日記
「女髪結いの裏の顔は岡っ引き!?」 45万部突破! 「居酒屋ぜんや」で大人気の著者が紡ぐ、 〈スパイ×謎解き〉新シリーズ第一弾! 【あらすじ】 ある髪結いの死体が見つかった。 その骸はお照が同業であると告げ口した女らしかった。 女髪結いが咎められる世。 生業を明かされたことを恨んで殺したのではないか――お照は人殺しの濡れ衣を着せられてしまう。 疑いを晴らしたければまことの下手人を捜すよう同心に命じられたお照。 その命令には何か裏がありそうで……。 己のため、無念のうちに命を落とした者のため、お照は江戸の町を奔走する! -
みずいらず
「あぁ、やっぱ無理」 と思う前に読みたい令和の夫婦ドラマ 子連れ再婚、不妊治療、新婚すれ違い、 中高年「仮面夫婦」、熟年離婚危機……。 『正体』『悪い夏』でベストセラー 社会派ミステリの著者が描く、珠玉の愛の物語! 最近、夫が冷たくなった気がする。妻である自分にではない。子どもにだ。それも六歳の長男にだけ――。 佐藤綾子には離婚歴があり、前夫との間にできた子が長男の蓮だった。バツイチの綾子を受け入れてくれた年下の夫健太は、再婚当初は蓮と本当の親子のように仲が良かった。温かな家庭を取り戻したかのように思えたが、次男の楓が生まれてから生活が一変した。健太の蓮に対する愛情が微妙に薄れてきたのだ。それが原因で綾子の怒りが爆発し、夫婦喧嘩に発展することしばしば。 さらに蓮の小学校の担任から、発達障害である可能性を示唆され、綾子は憤慨してしまうが……(第一話「おかしいのはどっち」)。 -
ネコの手を借ります。
孤独な人生が、ネコとの出会いで大転換! 志望する国立大学に進学するも、人間関係につまずき中退し、引きこもりになってしまった今津宗也。気がつけば10年の時が経ち、家族との仲もどんどん悪くなっていった。 そんなある日、宗也は側溝に閉じ込められ助けを求め鳴き続ける子ネコの声に気づく。大雨の中、その声をどうしても放っておくことができずに、宗也は子ネコを救出し、マリンと名づけ育てることを決意する。そしてこの決断が、孤独な彼の人生に大きな変化をもたらすことになり――。 マイナス続きの人生が、ネコとの出会いで大転換! 『ひかりの魔女』『迷犬マジック』の著者が贈る、小さな奇跡の物語。 -
とんこつQ&A
中華店とんこつの一員でいるため奇怪な努力を続けるわたし。 ナゾの読後感に唖然・鳥肌ッ!! へんてこ小説の金字塔! ***** 常識ってなんやったっけ?と、おかしな展開になっていく。面白不気味。 ――3時のヒロイン・福田麻貴 1/11放送「王様のブランチ」(TBS系毎週土曜日 あさ9時30分より生放送) 根拠の薄い不安定な強さが周囲を引きずりこみ、世界を歪ませる―― そんな危うい実体を「ほらほら」と容赦なく描きだす今村夏子、無敵。 ――平松洋子(解説より) ***** 大将とぼっちゃんが営む町中華とんこつ。「いらっしゃいませ」もろくに言えない従業員のわたしは、接客対応マニュアル「とんこつQ&A」を自作し居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――。表題作をはじめ、予想しえない展開に鳥肌が止まらない、ほのぼのと不穏が奇妙に交わる全4編! 「とんこつQ&A」 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは―― 「嘘の道」 姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが…… 「良夫婦」 いつもお腹を空かせている近所の少年・タム。彼の心を開くため、友加里は物で釣ることを考える。 「冷たい大根の煮物」 お金を借りて返さないことで有名な芝山さん。ずるずる仲良くなってしまった「わたし」は…… -
なんとかしなくちゃ。 青雲編
困ったことが起きたら、「なんとかしなくちゃ!」 日常に潜む「キモチワルイ」や「モッタイナイ」を見逃さない主人公・梯結子は商人の家系に生まれた四人きょうだいの末っ子。幼いころからその天才的なひらめきと観察力と調達力で、次々に難題に挑む。混み合う砂場、プライドが傷付くお友達が出るお誕生会、不利な生徒会長選挙でのアピール――誰もが諦めた課題を「なんとかしなくちゃ。」の一心で解決する、新感覚エンタテインメント!(幼少期~大学生編) 表紙がなぜお城のジオラマ? ↑読めばわかります! 世の中の「キモチワルイ」をスッキリ整理 痛快!問題解決エンタメ小説 ↓この難問、解けますか? Q. 学生新聞の広告効果を最大化するには? Q. 家族の夕食の予定がバラバラ。食材を無駄にせず家計の負担を減らすには? Q. 最も効果的に潜在顧客へ届けるポスティング戦略とは? (答えは本文に!) 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2025年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
降りる人
〇「滑稽でもあり哀れでもある主人公が、実在の人物に思えるほど描写が自然で的確」(冲方丁/選評) 〇「名作が名作として読者の心に届く瞬間を目の当たりにできた思いで胸が熱くなった。」(辻村深月/選評) 〇「選評を書いているいまも、得がたい余韻がつづいている。」(道尾秀介/選評) 〇「淡々とした、ときにはユーモラスな語り口ながら、最後の一行まで緊張感が失われないのは、主人公の根源的な戦いを、緻密に、正確に、描いているからだ。感銘を受けた。」(森見登美彦/選評) 〇「こういう人の、こういう日々こそを、青春と呼びたい。いや、呼ばせてください。」(尾崎世界観) 心身ともに疲弊して仕事を辞めた30歳の宮田は、唯一の友人である浜野から、期間工は人と接することの少ない「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野と共に工場で働くことに。 絶え間なく人間性を削り取られるような境遇の中、気付けば人間らしい営みを求めるようになっていく宮田だったが、実はある秘密を抱えており――。 選考委員の胸を打った、第16回小説野性時代新人賞受賞作! -
マッドのイカれた青春
こんな顔、もううんざりなんだよ! 過剰に整ったルックスのせいで、 周囲の嫉妬と反感を一身に集める女子高生マッド。 いじめも炎上も停学も、美しすぎる代償―― なんてことが、あってたまるか! 十代の揺らぐ心と無意識のルッキズムを鮮烈に描き出す、会心作! 「これって全部、あたしが悪いの?」 県立第一高校に通う槙島朱里ダイアナは、名前の頭文字をとって「マッド(MAD)」と呼ばれている。圧倒的なその美貌は、周囲のあらゆる感情を刺激し、波乱を巻き起こしてきた。 敵視してくる女子グループ、媚びる男子勢、勝手に炎上するSNS、学園祭の入場制限……。 「これ、マッドのせいだよな」「調子乗ってんじゃねえよ!」心ない言葉を浴びせるクラスメイトたちだが、マッドが心のうちに抱え込む怒りと哀しみにふれたとき、自らの偏見とエゴに気づかされて――。 見た目から逃れられない若者たちの葛藤を描いた青春群像! -
タスキメシ
駅伝×料理、ベストセラー小説待望の文庫化。 陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた高3の眞家早馬(まいえそうま)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟・春馬、陸上部部長で親友の助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。 高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛……。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。 読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。 -
恋とそれとあと全部
友達だけど、違う生き物 夏休み、俺は片想い中のサブレと夜行バスの旅に出た。彼女が口にした、ちょっと風変わりな目的のために――見知らぬ町で一緒に過ごすうち、そして会話を重ねる度に、サブレをもっと深く知った俺の中に名前のない感情たちが溢れ出てきて……。特別な夏の4日間が教えてくれた、恋だけじゃない、世界の「あと全部」を巡る物語。 『君の膵臓をたべたい』から10年―― 住野よる史上、最も不器用で愛おしい恋の物語 言葉にする前の、 この瞬間だけが 永遠ならいいのに。 【登場人物】 めえめえ(瀬戸洋平) サブレに片想いし、彼女と旅に出る高校生 サブレ(鳩代司) 命のエネルギーに惹かれる、ちょっと気にしすぎな同級生 夏休み、夜行バスに揺られ、僕らは世界の輪郭と、言葉にできない想いの行方をなぞっていく。 単行本 2023年2月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
カレーの時間
ふたつの時代をカレーがつなぐ 心にしみる“からうま”な物語 偏屈な祖父と二人で暮らすことになってしまった孫息子・桐矢。 昭和の高度成長期にレトルトカレーの営業マンとして働き、カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――。 生きることのままならなさと愛おしさを描く、スパイシーな味わいの傑作小説。 【感動の声、続々!】 「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品!」 ――町田そのこさん 「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きている僕。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。 いま必要なテーマをじっくり煮込んだ、これぞテラチ風味の極うま長篇」 ――瀧井朝世さん 「時を追って進む回想は、それまでただの頑固ジジイだった義景の人物像を、立体的に生々しく浮き上がらせてみせる。 なぜ自分の考えを押しつけるのか、なぜカレーを食べている時だけは幸せそうなのか、なぜ強いことを無条件に善だと考えるのか。 理不尽にも見えた義景の言動が、一人の人間の生きた証として胸に迫ってくるのだ」 ――北大路公子さん(解説より) -
嫌いなら呼ぶなよ
妻の親友の家に招かれた僕。バーベキューを楽しんでいると急に離婚裁判が始まり……怖すぎるのに笑えてくる〈ブラック綿矢りさ〉全開! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。解説=ふかわりょう 悪いのは不倫した「僕」だってもちろんわかってます。でも……。胸の奥でざわつく本音がスパークする表題作「嫌いなら呼ぶなよ」。プチ整形を明かしたら職場で執拗にいじられた「私」。吹っ切れて一発逆転を狙ったら、まさかの大成功?(「眼帯のミニーマウス」)。いっそ開き直って人生のリミッターごと外せ! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。パンクな毒が炸裂する、綿矢りさの真骨頂。 -
天使と歌う
才能のカムバック―― 自分の才能にすら気づいていなかった高校生の大夢(ひろむ)が、真のチェリストになるために、世界に挑戦する! 『あの日の風を描く』で、第16回角川春樹小説賞を選考委員満場一致で受賞。 忽ち重版し、多くのメディアで取り上げられた期待の大型新人、受賞後第一作 心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生 高校三年生の雨宮大夢は、介護福祉士になる進路を考えていた。近所に住むクロアチア出身の元世界的なチェリスト、ルカ・デリッチ先生を支えるためだ。身体が不自由なデリッチは、妻の故国日本に隠棲しており、大夢は小学生の頃から、先生の『無伴奏チェロ組曲』に憧れてチェロを習っていた。そんなある日、クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという話が届く―― 異例の音楽コンクールに訳ありの“敗北者”たちが集い、それぞれの想いを懸けて熾烈な戦いを繰り広げる -
獄門島 金田一耕助ファイル 3 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫獄門島ーー江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!<「文豪ストレイドッグス」シリーズとは>中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。 -
インド象の背中に乗って
インドという未知の世界を旅する。 「インド! 絶対いっしょに行く」と宣言した姉の横で、 「わたしは行かない」とあっさりと答えた三葉。 父が赴任するというインドに、全く興味が無かった三葉だが、偶然知ったある人のインドの小説に夢中になり、気持ちはどんどんインドの魅力に引き込まれていく。 小説の中の主人公は語る。 都会から都会へ、飛行機でヒューンと飛んでいって、適当に観光をして、お土産を買って「ああ、楽しかった」と、自己満足をして戻ってくる。そんな旅ではない旅がしたかった。まさに地をはうような、手探りの旅。そういう旅からしか見えてこない、インドを見たかった。手探りで何かを、この手でつかみたかった――。 どんな冒険が始まるのだろうか? 三葉の心の中でも化学変化が起こりだした。 -
明日もいっしょに帰りたい
「“特別” になりたい。貴女の。」 ベストセラー『記憶屋』『花束は毒』著者が直球で挑む新境地! 百合界隈で話題をさらったアンソロジー『彼女。』『貴女。』収録作2編に書き下ろし新作を加え、待望の書籍化。傑作青春×百合小説集! カバーイラスト/ふぃふ ブックデザイン/円と球 やめてよ。恋なんかしないでよ。塩野の気持ちに気づいたときから、私はずっとそう思っていた。言えるわけがないけれど。 誰かのために卵焼きを作りたいなんて、そんなこと考えないでほしい。 料理なんてできなくたっていい。私がなんでも作ってあげるから。 誰かのために可愛くなんて、ならなくていい。塩野はそのままでいい。デートだって私とすればいい。どこにでも行くのに。 置いて行かないで。 (本文より) -
踊りつかれて
誰かが死ななきゃ分かんないの? 首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。 ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。 言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。 彼らを追いつめたもの、それは――。 -
シスター・レイ
東京墨田区の外国人たちの相談役的存在で、「シスター」と慕われる、予備校の英語講師、能條玲。フィリピン出身の友人女性からの頼みで彼女の息子を探すことになった玲は、彼を探すうちに、ひょんなことから暴力団と外国人半グレ集団とのトラブルに巻き込まれてしまう。普段はただの一般人としてふるまう彼女だが、元フランス特殊部隊のエースという隠された経歴があった。前職の技術を活かし、暴力団と半グレたちを制圧して事件を解決に導く玲。その後も相次ぐトラブルに巻き込まれた外国人たちを助けていくうちに、玲は下町に隠された国際的な陰謀に巻き込まれていく。 -
ものごころ
子供の世界へダイブする、カラフルな短篇集 植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ! 二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」) 子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」) 「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。 子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。 -
路地裏の二・二六
昭和10年(1935)8月12日、陸軍省にて相沢三郎歩兵中佐が軍務局長・永田鉄山少将を惨殺する事件が起きる。そのとき、部屋にはもう一人の人物がいた――。憲兵大尉・浪越破六【なみこし・ばろく】は、この事件には、語られていない「真実」があると確信する。そんな折、浪越は渡辺錠太郎陸軍大将から、密命を受ける。そして運命の日に向けてのカウントダウンが始まった。気鋭のミステリ作家が、2.26事件と同時進行していた「ある事件」を大胆に描き出した本格長編。昭和史を揺るがす重大事件の謎をめぐる圧巻の歴史ミステリ。伊吹亜門氏デビュー10周年を飾る勝負作! -
街に躍ねる
小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると普通じゃないらしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。温かさと切なさが胸を打つ、人と人との関わりの物語。 -
オリオンは静かに詠う
私は勝つ。聴こえない世界で、戦い抜く。 宇都宮のろう学校に通う高校1年生の咲季。重度の難聴である咲季は、他者とのコミュニケーションを避けがちだ。ある日行われた交流会で、聴者だが手話を使いこなす女子高生に出会う。しかし彼女が発したある言葉に、咲季はショックを受ける。落ち込んだままの帰り道、見つけたのは「おひとりさま専用」と書かれたカフェ。店に入った咲季を迎えたのは百人一首の歌を冠したパフェメニューだった。 競技かるたの読手でもあるカフェのオーナー・陽子に誘われるまま競技かるたを体験した咲季は、持ち前の負けん気と抜群の記憶力を発揮。そこに現れたのは交流会で出合った女子高生、カナだった。なぜか咲季に対抗心を燃やすカナも競技かるたに挑み、やがて二人はライバルに。 咲季が大会で戦うためには、読手が読む句を手話通訳してもらう必要がある。ろう学校の担任で手話通訳士の資格も持つ映美の通訳は、正確でタイミングも完璧。しかし映美は初めての大会直後、通訳を降りると言い出した。それにはある過去が起因していて……。 四人が抱える葛藤は計り知れない。しかし、かるたを通じ心を繋ぐことでそれを乗り越えていく。緻密な取材をもとに描き出した、著者渾身の青春小説。 -
闇と闇と光 THIS IS M&A ESSENTIAL
【M&Aが学べる!実話に基づく経済小説】 第二の人生をスタートさせるため、会社を売却する。 それが全ての始まりだった…! 会社を乗っ取る魔物たち、札束飛び交う知能戦。最後にカネを掴むのは誰だ——。 ビジネス界から絶賛の声、続々! 手に汗握る! シリアスでエキサイティングなM&Aのリアルがここにある。 Boost Capital代表取締役 LINEヤフー元最高経営責任者 小澤隆生 M&Aにこのような罠があるとは驚きだ。 とにかく面白い。経営者にとって必読の書である。 ベンチャーバンクグループ 代表取締役 鷲見 貴彦 全国民、熱狂間違いなし! これを超えるケーススタディはあり得ないだろう。 国立シンガポール大学兼任教授 田村耕太郎 「主人公、恵島に訪れた悲劇は、これからM&Aを目指す経営者にも訪れる可能性が充分に存在する。この物語を通して疑似体験をすることで、スタートアップの経営者が少しでもM&Aに関するリテラシーを高め、2025年以降の日本のM&Aに夢を持てる環境を作りたいと思う。」 (本書「はじめに」より) 第1章 会社のエグジットは M&Aか廃業だ! 第2章 M&Aは経営者のキャリア形成。我儘に生きろ! 第3章 4つのゴールを実現する 2段階エグジット 第4章 プロ経営者との合流 第5章 乱気流のプロペラ機着陸 第6章 退任前夜 第7章 失望。取り返しのつかないLPS契約 第8章 老獪。乗っ取りの初手 第9章 襲い掛かる三重苦 第10章 キャスティングボード 第11章 ファンドへの完全敗北 第12章 違法性のあるエビデンスを集めろ! 第13章 10対1の勝負 第14章 天王山1か月で10億の資金調達 第15章 ホワイトナイト -
愛の人 やなせたかし
朝ドラ主人公のモデル、やなせたかし アンパンマンを生み、「詩とメルヘン」編集長として多くの才能を育てた愛と献身の人生を、数々の名作詩とともに愛弟子が描く。 文庫化に際し『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』を改題、書下ろし掌篇小説「シークレット・ラブ」を収録。解説:永田萠 「君はなんのために生まれたか」 「ぼくは『誌とメルヘン』を 編集するために この世に生まれました これが僕の仕事です」 1987年12月臨時増刊号「詩とメルヘンの15年」より 先生は、笑顔で人にパンを分け与えながら、胸の奥に、まるで海のような悲しみを抱きつづけた詩人だった。――やなせたかしが思いを込めて編集を続けた「詩とメルヘン」の”卒業生”が、恩師の作品と人生を貫く「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」という思想を名作詩の数々とともにひも解く感動作。 【内容】 プロローグ----やなせ先生、ありがとう 第一章 あこがれよ なかよくしよう----裏町ぐらしの下積み時代 第二章 さびしいひとをなぐさめたい----「詩とメルヘン」の創刊 第三章 死んでもひとをよろこばせたい-----絵本『やさしいライオン』 第四章 愛がなければ生きられない----アンパンマンの奇跡の始まり 第五章 しあわせよ カタツムリにのって----アンパンマンワールドの魅力 第六章 戦場にも花は咲いていた----『おとうとものがたり』 第七章 今日はすぐに思い出になる-----最愛の人、暢さんの死 第八章 書いては消し、消しては書く----「いい子いい子」 第九章 かわりのメダカはいないんだ----なにが君のしあわせ 第十章 夢の中にも夢はある----『詩とメルヘン』の三十年と幻の生前葬 あとがきにかえて----この人生が好き 解説 永田 萠 シークレット・ラブ----文庫版のための書き下ろし掌篇小説 ※電子版では、イラスト・写真の一部をカラーで収録しています。 -
夜と跳ぶ
切り撮れ、その一瞬を。スケートボードの《消えた金メダリスト》×崖っぷち中年カメラマン――熱き二人が魅せる新感覚スポーツ青春小説、第一弾! ◇あらすじ不祥事を起こし謹慎中の中年スポーツカメラマン与野は、ある夜渋谷で、東京五輪金メダリストの大和エイジと偶然出会う。金メダリストでありながら、次のパリオリンピックに出ようともせず、自由気ままに滑るだけのエイジに反感を覚えつつ、その圧倒的な力に魅了され、与野はエイジの専属カメラマン、通称「フィルマー」として、彼の日常の滑りを撮影することに。ともに最高のトリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技)を追い求める二人だが、次第に連続窃盗事件や通り魔事件など、深夜の渋谷を取り巻く奇妙なトラブルに巻き込まれていく……。 2024年冬、第二巻発売決定! -
後宮の検屍女官
「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。 謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。 皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、 幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。 花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。 多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。 そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。 後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ! -
はにわラソン いっちょマラソンで町おこしや!
新市長の無茶ぶりで古墳の町が大荒れ!? 一触即発のマラソン狂騒曲! フルマラソンの大会起ち上げって、めっちゃ大変! 「二億円ですって!?」 ――調達目標額に驚くメンバー 「マラソンにはビタ一文出す気はない」 ――地元中小企業 「往復コースにできませんかね?」 ――県警交通部 「通行止めって、お前ら何様やねん?」 ――ラーメン店の店主 「そこを何とかすんのが、君の役目やろ?」 ――無茶ぶり新市長 マラソン大会の開催を目指して裏方たちが大奮闘! 埴輪もビックリ!? ドタバタお仕事エンターテインメント! 「フルマラソンの大会をやりたいんや。倉内くん、やってくれるか?」“古墳の町”土師市の新市長からいきなり無茶ぶりされた市役所職員の倉内拓也。前職でマラソン大会の運営に携わっていた拓也は役所の内外に声をかけて即席の準備チームを立ち上げるが、拓也以外のメンバーは未経験者ばかり。難航するコース設定、資金不足、警察との折衝、大荒れの住民説明会など、膨大な仕事量と次々に発生する問題を乗り越え、拓也たちは無事大会開催にこぎつけられるのか!? 書き下ろし長編、ドタバタ青春お仕事小説! -
最後の医者は海を望んで君と生きる
著者シリーズ累計100万部突破!(電書含む) 前作から6年ーー 衝撃と感動の「最後の医者」シリーズ最新刊! 待望の書き下ろし長編!! 【あらすじ】 「これがあなたが誰かと話せる、最後の機会になる可能性があります」 クリスマス。結婚3年目を迎える女性が最愛の伴侶を喪った。 懸命にその治療へ挑んだ担当医・福原雅和(ふくはらまさかず)は 手術ができなくなり、行方を眩ます。 彼を探す友人の桐子修司は、 今までに関係した遺族たちと対話を重ねるが…… 大切な人に先立たれた後、残された人々はいかに生きていくのか? 消えない死別の悲しみの向こうへーー 今を生きる人々の希望を描く、大人気シリーズ最新刊! <発売前より全国の書店員様より絶賛の嵐!> 『最後の医者』シリーズには人が生きるという事に対して「嘘」がないのだと思う。だからこんなに心を動かされるのだろう。衝撃や派手さだけが目立つ最近の小説の中で忘れてしまっていた誠実でまっすぐな物語の感動がここにはある。 (SHIBUYA TSUTAYA IP書店/プロジェクトリーダー・栗俣様) 大切な人の死を受け入れる苦しみを、その先に進む方法を-今生きている者が、生きていく為に必要な物語です。 (草叢BOOKS 新守山店/文庫担当・勝俣様) 今作が初めてでしたが、シリーズ3作目のみでも十分に読みごたえがありました。登場人物の過去、そして未来を知りたいと思いました。 (函館 蔦屋書店/文庫担当) 著者について ●二宮敦人(ニノミヤ アツト) 1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。代表作『最後の医者は桜を見上げて君を想う』等、フィクションとノンフィクションの垣根を越えて活躍。著書に『18禁日記』『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』『サマーレスキュー 夏休みと円卓の騎士』等がある。 -
書楼弔堂
舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。 なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。 思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。 「扠(さて)、本日はどのようなご本をご所望でしょう――」 日露戦争の足音が聞こえる激動の時代に、本と人との繋がりを見つめなおす。 約6年ぶり、待望のシリーズ第3弾! 【目次】探書拾参 史乗 探書拾肆 統御 探書拾伍 滑稽 探書拾陸 幽冥 探書拾漆 予兆 探書拾捌 改良 -
オリーブの実るころ
恋のライバルは、白鳥だった!?結婚、終活、離婚、妊娠……。 身に起こりうるライフイベントを、不思議な軽妙さで描く6つの短編集。 「家猫」 ハイスぺ彼氏には化け猫みたいな母がいる。もしほんとうに結婚するなら、あの化け猫を少しずつ弱らせる方法を本気で考えなくちゃならない。 「ローゼンブルクで恋をして」 突然行方をくらませた父。終活のために向かった先は、瀬戸内の選挙事務所。そこには小柄で逞しい女性候補者の姿があった。 「川端康成が死んだ日」 母は、あの日を限りに帰ってこなかった。当時の母の年齢を超えてしまった私に、母から最後の願いが届く。 「ガリップ」 ガリップが想像妊娠したのは、わたしたちが結婚した翌年の夏だった。妻と夫とメス白鳥の三角関係の顛末。 「オリーブの実るころ」 斜向かいに越してきたのは、前科者の老紳士。品のいい佇まいからは想像もつかない大恋愛の行末は? 「春成と冴子とファンさん」 彼の両親のもとへ、なぜか一人で結婚報告に行くことに。離婚した二人は、思い思いの生活をしていて……。
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