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不動のNo.1ホステスには秘密があった 高度経済成長期、名門キャバレーのトップを張る二人のホステスは、勤め人の10倍以上を稼ぎながらなぜ下町の長屋で共に暮したのか。 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
BK制作の朝ドラと同じ匂いがした。本作で語られる時代の文脈や人々の息遣い、光の濃淡が朝ドラのそれとほとんど同じ。ただ一つ違うのは、主人公がキャバレーのホステスで、絶対に朝ドラでは取り上げられないだろう題材だということだ。 朝ドラは、本物の光の側を生きる人々しか主人公になり得ないが、本作はにせものの光...続きを読むに縋るしか生きる術を持たない人々にスポットライトをあてた。不幸なことから夜の世界へ足を踏み入れることになるも、持ち前のキャラクターと負けん気でのし上がる主人公のルー。一方、店のナンバーワンでありながらも貧乏暮らしを続け(この理由は最後に明かされるのだが)、ルーに「ねえさん」と慕われる真珠は、裏主人公と言って良いだろう。この2人が織りなすシスターフッドも見所のひとつだ。 戦後から高度経済成長期、バブル期、そして平成初期を生き抜いた、2人の女の生き様が凝縮された見事な小説だった。
京橋を舞台にした物語。天満など馴染みのある町がでていて、身近に感じる話でした。人情を感じる、温かみのある本です
クリームソーダ。嘘っぽい鮮やかな色彩としゅわしゅわとした炭酸に酔いそうで、クリームの甘さに笑顔になるような。 ルーの潔さとテンポの良さがキレッキレで、彼女の渇望するものがよくわかる。美しい竜宮城の物語だなーって思うけれどクリームソーダのような甘ったるさが優しくて救われる。 ご馳走様でした。
矢継ぎ早に繰り出される大阪弁が、耳元でずっと聞こえている。 京橋という街で存在感を放つキャバレーの、きらめきと喧騒が目に浮かぶ。 ルーのたくさんの言葉や、行間からさえあふれ出てくるような強い気持ちが熱くて、応援したい気分になりながらぐいぐい読んだ。 仕事に誇りを持ち、性別による差が社会の中にあると...続きを読む分かりながらもひざを折らないルーの、なんとまぶしいことだろう。 「にせもんでもいい、あれは光や。あの光の行き着く先はカネで、だけどカネになると不思議とちいとも光らん。――可能性、望みこそが光だ。」 キャバレーというビジネスの栄枯盛衰が描かれているのも興味深かった。戦後の発展、バブル、不景気。家電の登場やさまざまな新しいモノにより、キャバレーだけでなくたくさんのビジネスが変化し生まれては消える。どの時代でも止まることのない経済の流れの中で、ルーはひたすら前を向いて歩いて(走って)いた。 そして、そんなルーと対照的な真珠ねえさん。あらすじや帯文では真珠の抱える秘密がフォーカスされているが、実際ルーがそれを探ろうとするのは後半の後半。ひとにはそれぞれ事情がある、ただそれだけのことと思ってお互い干渉しすぎずにふたりはずっと暮らしてきた。 ある意味戦後から離れられなかった、立ち止まってしまった真珠の姿は、理由を知れば悲しいものだけど、歩き続けるルーのオアシスでもあった。長屋での生活を持っていたからこそのルーのまぶしさであると思うと、やさしいあじさい、たたずむ地蔵さんのような真珠との強い結びつきこそが、悲しさよりもずっと、胸にしみる。
作品の主役はエミコさん!だと思って読むととても身近に感じられてスッとこころに入ってきました。出てくる人やもの、建物が実際にあるものが多くて主人公は誰なんやろ〜?なんて思いながら読んだからかもしれません。 じゃあ真珠はだれ?なんて考えてしまいますね。
大阪人なら、行ったことはなくとも名前は知っている京橋グランシャトー。ずっと「グランシャトー」やと思っていたのに、えっ、「グランドシャトー」やったん!?と驚きながら読みはじめましたが、実存するのは「グランシャトー」ですよね。 どこまでがホンマなんですか。史実に基づいた小説を書くのがお得意な著者のこと...続きを読む、グランシャトーもそこで働く人たちにもきっとモデルがいらっしゃいましょう。 いわゆるお勉強はでけんかったとしても、人生の機微を知る人たちがここにおる。姫路から逃げてきて京橋にたどりつき、中崎町の長屋に居ついたルーと共に、何十年という時を私も過ごしたような気分になりました。 すべての光景を思い浮かべることができるからこそ浸れる小説だという気もします。大阪人以外の人が読んでも面白いのかどうかは聞いてみたい。
よく知ってる京橋や中崎町が出てきて嬉しかった。 古地図が好きな私は、昔はこんなんやったんやなぁと想像しながら読むのも楽しかった。 ルーのどぎつい大阪弁も軽快でスカッとするし、なんせ大阪大好きな私には大阪ほんま本大賞バンザイやった! 大阪人の人情や深さは今も失われずにあると信じたい。 家族に恵まれなか...続きを読むった2人やけど、真珠ねーさんとルーの関係が心温まり、羨ましくもあった。
大阪京橋のグランシャトーにまつわる物語であること、私自身長年大阪に住んでいること、京橋近辺の街並に多少思い入れがあったこともあり、思わず購入。 昭和も終わりに差しかかっていた子供の時分、大阪環状線の京橋駅を降りたときに感じた強烈なドブの臭い、地面にびっしりへばり付いているガムの吐き捨て跡と、あたり...続きを読む一面に捨てられているタバコの吸殻。こんなに汚い街があるなんて子供ながらに衝撃を受けたことを今だに覚えている。 大阪の汚い街と言えば西成のイメージがあるかもしれないが、自分の中では京橋こそが大阪で一番汚くてガラの悪い街というイメージだ。 こんな負のイメージが強い京橋だが、グランシャトーの曲は鮮明に覚えているし、何度か飲みに行ったこともある。(グランシャトーには行ったことはないが…。) 作中では「ルー」と「真珠」という源氏名のホステスを中心に、昭和30年代の高度経済成長期から平成初期のバブル崩壊までの時代の流れの中で、グランドシャトーの栄枯盛衰と2人の人生が絡み合いながら物語が進んでいく。 真珠との出会いをきっかけにグランドシャトーのキャバレーで働くことになるルー。だが、口が悪く喧嘩っぱやいルーはグランドシャトーの寮をすぐさま追い出され、No.1ホステスである真珠が住む長屋を紹介され、そこで真珠との共同生活を始める。 長屋の近くに天神橋筋商店街があるので、この商店街の描写も数多く出てくる。(自分も天神橋筋商店街は大好きな商店街だ。)商店街の路地裏にひっそりと佇む個人店や、古家の隙間から隙間にひょっこり移動していく猫は、古き良き時代が確かにそこにあることを思い起こさせる。 ここから物語はルーが東京進出して、グランドシャトーを立て直すといった流れになっていく。 時代の急速な変化の中で、悲しみ、時には喜びの感情を剥き出しにしながら生きるルーの逞しさに惹きつけられ一気に読ませてもらった。 作中でも語られるが、時代背景は高度経済成長からバブル崩壊にかけて描かれていて、街も人も戦争の傷痕を乗り越えたというよりは、無理やり金や豪華なもので塗りつぶして誤魔化しながら突き進んでいる。だから、街並に輝く光は全て偽物なのだと。いずれはそのツケを何らかの形で支払うことになる日がくるのかもしれない。
この本は書店でタイトルを見た瞬間、大阪人なら買わねば。と作家名も何も確認せずに購入。ある一定年齢以上の関西人なら必ず知っているCM。京橋のレジャービル「グランシャトー」がモデルだとすぐにわかったからだ。 プロローグを読み始めてすぐに作品世界に吸い込まれ、最後まで読んで、再びプロローグに戻って読み、そ...続きを読むのまま二周目を読んでしまうという、非常に奥が深い小説でした。 もう二度と戻らないゆったりとした時の流れと懐の深い昭和の空気感が文章からあふれてきます。そしてこの本を開くと、一定年齢以上の関西人なら必ず歌える「京橋は♪」で始まるあのCMソングが脳内で再生されます。主人公ルーの執着が悲しく切なく逞しく愛おしい。良い作品でした。
小説の舞台である京橋や梅田、中崎町のあたりを知っている人は(昔の姿を知らなくても)、是非読んで欲しい。知らない人も、読んでから、大阪に来て欲しい。 大阪はどんどん発展してるけど、これまでの歴史に上書きしてる訳じゃなく、重ね塗りされて、昔の姿がうっすら透けて見える場所だと思う。だから、昔の描写でも、不...続きを読む思議と見たことがあるような気分になりました。 主人公?のルーも、言葉や行動は乱暴なときがあるけど、純粋で、真っ直ぐで、優しくて、私は大好きです。
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