二木先生
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二木先生

858円 (税込)
429円 (税込) 12月31日まで

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どうしたら普通に見えるんだろう。どうしたら普通に話せるんだろう――。いつもまわりから「変」と言われ続けてきた高校生の田井中は、自分を異星人のように感じていた。友だちが欲しいなんて贅沢なことは言わない。クラスのなかで普通に息さえできたなら。そのためならば、とむかしから好きでもない流行りの歌を覚え、「子供らしくない」と言われれば見よう見まねで「子供らしく」振舞ってもみた。でも、ダメだった。何をやっても浮き上がり、笑われてしまう。そんな田井中にとって唯一の希望は、担任の美術教師・二木の存在だった。生徒から好かれる人気教師の二木だったが、田井中はこの教師の重大な秘密を知っていたのだ。生きづらさに苦しむ田井中は二木に近づき、崖っぷちの「取引」を持ち掛ける――。社会から白眼視される「性質」をもった人間は、どう生きればよいのか。その倫理とは何か。現代の抜き差しならぬテーマと向き合いつつ予想外の結末へと突き抜けていく、驚愕のエンタテインメント。2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。

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二木先生 のユーザーレビュー

第9回ポプラ社小説新人賞、堂々の満場一致で受賞!
「変」と言われ続けてきた高校2年生の田井中。自分の気持ちに素直に行動すればするほど、自分が異質であることを思い知らされてきた。流行りのポップスより、昔のアーティストが好きだった。でも、そのアーティストについて語ったら「変な子ども」の烙印を押された。だから、「普通」になろうと努めてみたけど、どれも上手くはいかなかった。
そんなとき、爽やかそうな美術教師・二木先生の抱える"大きな秘密"を知ってしまった。二木も田井中と同様、ある性質によって、社会からはじき出される苦しみを知っている人間だった。
──許されない欲望を抱えた人間もいる
「普通」とは何か。そして、それは誰が決めるのか。「普通」であることが正義なのか。では、自分が「普通」とは違うと気付いてしまったとき、どう生きていけばいいのだろうか。社会から逃れて生きることなど、出来やしないのに。
無理に認められようとしなくていい。「普通」に変わろうとしなくてもいい。ただ、認められない感情を嘘で包み隠して生きていけばいい。
社会での生きづらさを苛烈に正面から描き切った、確実に存在する現実の物語。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    人間誰しも人に理解されないことがありつつも、「普通」の人間であろうと無意識のうちに行動していることを再確認しました。人と違った行動をとって特別な人間だと認識されたいと思いつつも、それをわざと演じているわけではなく本当にそう思って行動しているのだと自分も錯覚している、なんてことは誰でもあるような気がし

    1
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    知り合いからおすすめされて。
    テンポがよくあっという間に読み進められた。
    読書に没頭して気づいたら朝になっていた中学時代に戻ったような感覚で、そのくらい夢中になってた。
    ワードセンスが自分好みで、特にブーメランが刺さって死ねは声出して笑った。全体的に尖りすぎてる。
    完全に好みは分かれる尖り方してるけ

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

    普通になりたい田井中と、皮を被りながら生きている教師、二木。
    「自分を好きでいられる行動をとりなさい。」
    皮を被りながら生きるのは辛い。それを悪だと思わないためには自分を好きでいるしかないのだと気付かされた。普通になることが正解なのではないのかもしれないと思った。
    そしてなりより、普通ではないことを

    0
    2025年11月23日

    Posted by ブクログ

    世間の基準から逸脱している者は、たとえそれをぴっちり隠していたとしてもお日さまの下を歩けないのか……という哀しみがある。いや、他人事とじゃないよ、本当。

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    怒涛の面白さで結末も納得!!!
    映像化してほしいとこんなに思った作品は初めてかもしれない。文章に癖がないから読みやすいし、笑いを誘おうと読者に媚びてくる感じもない。前評判がかなり良かったので、騙されないように慎重に読んだが面白いという「普通」な感想しか出てこない自分が歯痒い。テーマは結構センシティブ

    0
    2025年11月07日

    Posted by ブクログ

    こんなに夢中になって本を読んだのは何年ぶりだろう。二木先生の考え方本当に大好き。てか、普通に人生のバイブルになった。
    「自分の大事な部分をクローゼットの中に隠して生きる生き方もある」という言葉にハッとさせられた。
    自分を殺すか、むき出しにするか。極端になってて苦しんでる人は多い。主人公ほどではないが

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    これはすごい。なにがすごいか上手く表現できないけどすごい。
    自分のことを少しでも変わっていると思う人は読んで欲しい。

    自分は変わっていると分かっているけど周りに合わせることを諦めた主人公と、完全に普通の人間を演じている先生。
    本当の自分をクローゼットの中に隠す人生もある。これは本当みんなそうなんじ

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    終着点はどこだと思いながら夢中で読み進めた。

    学生時代、広一みたいなのがいたら普通じゃないってだけで自分も距離置くだろうな。本人にとったら大事な心の一部をどうにか誤魔化して生きようとしてるのに。
    共感出来ないからって蔑むのは止めよう。
    359ページの二木の言葉に感動した。

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    主人公・二木先生、彼らの価値観や性格は共感できる部分は少なかった。
    ただ、細かな言い回し・単語が沢山使われていて、情景や場面の想像が安易にできた。私自身、フィクション作品を本で読むことが、まだ少ない。だから相場は分からないが、前述の理由から、読みやすく、引き込まれた。

    0
    2025年09月10日

    匿名

    購入済み

    普通じゃない皆んなから変わってると言われる少年とごく平凡な教師に見えるけれど、とんでもない闇を抱えてる先生。すごく難しいテーマで、自分でも受け入れられるか何度も考えたけれど答えが出ない。

    #深い

    0
    2024年12月18日

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