【感想・ネタバレ】二木先生のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大きなボリュームでしたが、学ぶことが多く物語全体としてとても面白かったです。

物語の序盤では、主人公である田井中の行動(幼少期に友人の父親を叩いたり、本屋で万引きをしたり等)に対しヒヤッとすることがありました。

その後、二木の秘密を知った田井中は、万引きがバレた時にその秘密を弱みとして利用しようとしたところから、物語は加速し思わぬ展開に進んでいったと思います。
終盤の二木とクラスの緊張感は凄いものでした。

田井中と口論になった時の二木のセリフには、人々の生き方について色々と考えさせられました。

特に印象的だったのは、本当の自分を押入れの中にしまって生きるという選択肢について。その考えは誰にも迷惑をかけなければ良いと思っています。
しかし他人がその事実を知ってしまった時、それをどう感じるかは受け手に委ねられます。
二木の趣味がどうとかは置いておいて、押入れの中に本当の自分を隠すという生き方は、無理のない範囲なら良いのではないかと思いました。

僕の場合だと自分も周りの友達には読書が趣味とは言わず、ゲームやエンタメの話で周りと話を合わせているみたいな感じかと思いました。

また、度々出てくる吉田を始めとするいじめっ子集団による田井中へのいじめシーンは、リアルな描写で生々しい緊張感が伝わって来ます。
正直読んでいて不快な気分になることもありました。
集団に馴染めないと世の中生きづらいのも事実なのかも知れませんね。。

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2024年05月20日

Posted by ブクログ

2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。
かなり面白い。ちょっとトンデモな内容ではあるものの、読んでいてかなり没入感を得られた作品でした。

大なり小なり、生きづらさを抱えたことがあるような、『ちょっと自分は人とは違うかも』な方にはオススメです。

そして、主人公が作中で書き始めた小説の中身がメチャクチャ気になる。スピンオフとして、そこにスポットを当てて一つの物語にできそうな雰囲気すら感じました。





誰からも馬鹿にされてしまう「イタイ」男子高校生x秘密を抱えた「ヤバイ」先生。
生徒と教師のスリリングなやり取りを通じ、社会からはじき出されてしまう個性を持つ人間がいかに生きうるかを描いた驚愕のデビュー作。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

多様性。多様性。
流行っている。
まるでオシャレなもののように見える時がある。

でも、
ある人にとっては生きていくためにはクローゼットにしまっておかねばならないものでもあり、
クローゼットは他人が開けるべきものではないし、隠さなくてもいいんだよ!カミングアウトしてこ!などと外野から叫ぶ必要もないよね。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

複雑な心情を描いているのに文章はすごく読みやすくすらすら頭に入ってきたので不思議な気持ちになった。自分を好きでいられるかどうか、に基づいて選択するという考え方が特に好きだと思った。

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2024年04月06日

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教師と生徒が反目し合いぶつかりながらも最後には…的な青春ものではなく、歪みまくった人たちが心の殴り合いをする物語。ただ、なぜか爽快な後読感。

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2024年03月13日

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ウワーーー面白い!
主人公のチー牛度合いと、才能に溢れる感じが好き。

YES ロリ NOタッチ すごく良い言葉。

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2024年03月09日

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何の気なしにジャケ買いしたらビックリ!
衝撃です!
シリアスでナーバスな問題。
先生と生徒の会話に引き込まれる。

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2024年03月08日

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すごく濃くておもしろかった。読んでいる最中は終盤の詰め具合にちょっと違和感を感じてしまった、けどこの終わり方、ストーリーだからよかったのだとだんだん思えてくる。初めの気持ち悪さ+苦しさに比べて、最後の爽やかさがギャップ。なかなかない感覚で、刺さる人にはぶっ刺さる痛さがあるけど、何回も読んで浸りたい。救いにもなり、世界を広げてくれる作品。

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2024年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『ロリコン』と聞いただけで拒否反応が起こる。反射のようなもので、深く考えるまでもなくタブーという認識だ。
ただ、二木の話を聞いているうちに「確かに冷静に考えれば何も悪いことではないのかもしれない」とも思った。
多様性が叫ばれる世の中で、小児性愛はその対象に入っていないだろう。その願いが成就して行き着く先にあるものが犯罪だからだ。
ただ、そちら側に立ってみると本当に辛い。
僕自身は性自認が男、恋愛対象は女性で、女性しか好きにならない、年齢幅はざっくり20〜30歳くらいだろうか。それと同じように、小児性愛者は恋愛対象が幼い子供で、それはもうどうしようもない。自分には変えようのない自分を、世界のルールが許さない。絶望だと思う。
それを踏まえると許すべきなのではないか、というか許すってどの立場から言ってんだよ、という感じだ。
もちろん、実際に行動にうつす人間はもってのほか、それは小児性愛に限ったことではない。でも誰にも迷惑をかけていないのなら…。

あと個人的に、主人公・広一が自分と似過ぎてて読むのが辛くなりました。気付いてはいるけど、それを直視すると自分が嫌いになり過ぎるから見て見ぬ振りしている部分を、広一がつらつらと語るもんだから個人的にキツい部分が多々……。
あまりにもリアルだったから、作者の人もきっと自分と同じ人間なのではないかと想像して、そこは少し気持ちが楽になった。
自分は、自分の嫌いなところとどうやって共存していけばいいのか、ということに未だ正解が出せずに生きています。だからこそ、この物語がどんな結末にたどり着くのか気になって、ページを捲る手が止まらなかった。

そういえば高校の時にロリコンを自称する友人がいたことを思い出した。作中に『LOL』というロリコン向け雑誌が出てきた時、そのモチーフとなっているであろう雑誌と、それを見せてきた友人・Mの顔が浮かんだ。
正直、その雑誌の内容を見たときは引いた。「これはひどい…」と思った。
でもその友人に対する印象は変わらなかった。
Mは実際に幼い子供に手を出すことなんてもちろんしないし、一緒にいて楽しい奴だったから。
作中に『ロリコン』という言葉が出てきてもMのことはすぐに思い出さなかった。『LOL』という単語が出てきてやっと「あ、そういえば」となったのは、自分にとってMがロリコン云々の前にひとりの友人であるからだと思う。それはMの一部でしかなくて、それだけでその人の人間性を判断するようなものではない。

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2024年01月28日

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思春期ならではの感情面もリアルに描かれているし、とてもストーリーに入り込みやすい。
多様性が認められてるようでそうでもない現代だからこそ響くし、読むべき作品。
「普通」とは何なのか?「自分」とは何者なのか?
結局はマジョリティが正義であり、少しでもマイノリティに属する人間は、人知れずこうして孤独を抱えているのだろうなと思う。
他人との違いに大なり小なり悩んだことがある人なら、生き方としても学べるし、共感できる。

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2024年05月19日

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ネタバレ

自分が極端なマイノリティであることを認められているからこそマジョリティを演じるのがうまいんだな

ロリコンが危険なんじゃなくて、自分の欲求を満たすために行動に移してしまうことが危険とは
欲求や性癖も持つだけなら問題ないだろう
ただその人間が自律できる保証はどこにもないので難しいところ
先天的にロリコンである人はどうしたらよいのか

万引きの伏線が最後に回収されるのは笑った

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2024年05月19日

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今まで読んだ本の中で一番刺さった。中盤は自分が求めてたような本じゃないのかなって思ったりもしたけど、終盤は主人公を自分に重ねて苦しんだり学んだりできた。メッセージ性も素晴らしく本当に読んでよかった。

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2024年05月06日

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マイノリティーの生きづらさを思い、胸が痛くなった。マイノリティー側の主人公・田井中、二木先生、マジョリティ側代表の吉田に対し共感できる・できないは別にして、それぞれの主張に論理があって、皆(たぶん吉田も)何かに苦しんでる、でも何とか社会に適応して生きていこうともがいてるところに切実さを感じた。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ


結末に至るまで、相当主人公に対して
胸がムカムカしてかなり苛立ちました。

でも、後半にかけて徐々に変わっていく
主人公にだんだんと感情がついてきて
ラストでひっくり返された印象です。

もし仮に『流浪の月』や『正欲』よりも先に
この本を読んでいたら、大多数の人と違う
少数派の部分を自覚しながら、生きづらい
世の中でどうやって生きのびていくのか、
その方法についての考え方が違ったかも
しれないと思えるぐらい深く刺さる話でした。

多数だから正だとは限らないない、
そして、少数だから悪だという決めつけも
また間違っている。
拙いですがそんな風に感じました。



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2024年04月29日

Posted by ブクログ

趣味、嗜好、性質
人とちがうことが生きづらさにつながる

人とちがうことなんて当たり前だし、同じならロボットでしょ、、、
と思う反面、日本人は横並びで安心するところがあるから個性を受け入れにくいんだろうなと思う

今回主に登場するのは高校生だから、むしろ今のうちにそういうことに気づいて偏見だけじゃなくいろんなものを受け入れられる大人になってほしいなと、その後のことを考えた

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2024年04月15日

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普通ではない教師と普通ではない生徒の、友情とも師弟関係とも言えない対話を描いた作品。主人公に共感できるかできないか、もっと言えば自分をある程度普通ではないと思っているかどうか、評価はわかれる本だと思う。
ていうか、「普通」じゃないっていうのはそんなに悪いことなんですかね。

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2024年04月13日

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万引きで捕まった高校生と担任の関係性。高校生は少し変わっていて、一方担任は密かにしている性癖がある。そんな2人の話。策士の闘いなら最後は綺麗事でまとめなくてもー。と思いつつ、面白い小説でした!

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2024年04月06日

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私は普通じゃない二木先生が好きだ。先生の嗜好は受け入れられないけど。
世間的にアウトな嗜好だけど、罪を犯すまでは、人に言うまでは自分しか知らないことだから。
秘密を抱えて一人で生きていくことを決めていた先生があんまりに真っ当で悲しかった。
同じ普通じゃない生徒と普通な生徒にかき回されながら着地した新学期は、どんなものになったんだろうか。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

視点と正しさ
人にはそれぞれ個があり、見方や立場によって良くも悪くもなるんだなぁ

当たり前かもしれないけど、再認識出来た作品

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まず前提として、ロリコンはキモいし存在すら許されないというのが私の考えです。
が、二木先生のように擬態をしているならいいのか…? 実害がなければ良いのか…? というのは考えてもらちのあかないことだなぁと改めて思いました。
個人的には後天的にロリコンになる要因を漫画を描くことで増殖させてるのでは、と思ったのですが彼のような先天的な小児性愛者を助けるためにもあるんですかね。どうなんでしょう。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

金玉を握り合っていた二人が、喫茶店で伝票奪い合う オバチャンの様に変わっていく。秘密の主導権をどちらが握ろうかという同じ表現でも、ここまで意味合いが変わるとは。。
主人公二人含め、登場人物ほぼ全員(笑)に苛々するシーンもありながら、気が付くと二人の平和な日々を願っており、余計な展開にならないでくれよ?頼む!とガッツリ肩入れしておりました。

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすくて、二気読み(二木先生だけに)。
4時間半くらいかかったけど、興味が途切れず、ずっと夢中で読めた。

いじめ描写が後半にあり、ちょっとしんどかった。最後スカッとさせてくれるのか?と期待していたが、解決はした?ものの、スカッとはせず。なんならちょっと「え!?ここで終わるの!?どうなるのよ!?」って感じで終わってしまった。それが作者さんの狙いなのだろうか。あとは各々で想像(創造)してくださいってことかな…?

個人的には二木先生は先生を辞め、漫画業に専念。
主人公の小説は受賞しなかったものの、最終選考まで残ら、小説を書く道に進む。
2人でタッグを組む(notR指定)。
映画化→委員長の女優デビュー作

なんて展開ならよいな。

マイノリティと許されざる性癖とは?についていろいろ考えさせられる話だった。

例えば、私はミステリ小説やマダミスが好きだが、=殺人を犯したい と思っている訳ではない。逆にそうした趣味がなくても、加虐趣味の人はいる。
作中にあった、ロリコンという性癖があるが、犯罪は犯していない人と、OLの尻を触るいわゆる『フツー』の上司、憎むべきはどちらか?対象年齢が異性の成人なら何をしても『フツー』なのか?私からすると二木先生より吉田の方が怖いし気持ち悪い。
それでも彼は『多数でフツー』なんだろう。
『多数でフツー』がしたことは『善で正義』になってしまうんだろうな。

しかしロリコンも大変だなぁ。


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2024年02月24日

Posted by ブクログ

学校という縛られた規範の中で本当の自分を隠しながら生きている教師と生徒の話。主人公の強い言葉を使うけどまだまだ幼い部分がリアルでよかった。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

独特な雰囲気のある小説でした。
出来事としてはすごい事件が起こっているのに、主人公と二木先生の性格もあってどこか淡々と進む印象もあり。
ですが、後半になるにつれて2人の性格の奥底が見えてくるので盛り上がっていきます。

主人公の特性の描き方が彼の内面描写も含めて結構リアルで、共感できます。

イジメっ子が本当に憎らしく描かれているので、イジメシーンはフラストレーションが溜まりますが、クライマックスのシーンはその分、スカッとします。

後日談がもう少し描かれたら良かったと思いました。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マイノリティの生き方について考える。隠したいことがアウティングされた時のことを考えると怖すぎる。そして、マイノリティを認めない社会の怖さ。これが現実なんだろうか。優しい社会になるといいのに

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2024年04月15日

Posted by ブクログ


「自分の大事な部分をクローゼットの中に隠して生きていく方法もあるのに」
確かにゼロ100にしないで曖昧さを残してもいいよね

読みながら終始ゾワゾワしてた
普通に当てはまらない人たちが社会に溶け込んで生きていくのは大変なんだなあと。。。
セクシャリティや性癖に限らず、人と違うこと、共有しがたいことは誰にでも持ち合わせていると思う。それを伝えるかどうかはその人が生きやすい選択をすればいいね。自分ではどうしようもできない仕方のないこともあるから、自分を守って生きれたらいいよね!

三木先生がおっしゃっていた自分を好きになることはとても大切。。。
一生自分と生きていくから完璧じゃない自分も少しでも好きになれるといいな〜

身空(みそら)で:同情すべき身の上や境遇。身のほど。 分際
マトン:生後2年以上の羊肉

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

自意識の物語。こんなクラスあんのか?とか自分が高校生の時こんなむずかしいことなんか考えれなかったぞ?とかうらやましくとも思った。

時代が変わっていくことにより受け入れられることも受け入れられないこともどんどん変わっていく。
もし自分が少数派だった場合、まわりの多数派に流されて生きてしまいますか?
もし自分が少数派でまわりが受け入れてくれなかったら、自分自身のことも受け入れられませんか?

知らないから、知ろうとしないから気持ち悪いとおもってしまう。
もっと生きやすい世の中になればいいのにな。

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

なんか厨二病的な小説かと思ったら読後感は爽快。意外だわ。朝井リョウの「正欲」のライト版みたいなイメージ。

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

「生欲」と類似するテーマ。
「自分の当たり前が人と違う」こと「普通の人間を装う」のとに、どう向き合っていくべきかが描かれていた。
もし、自分の周りで自分とは違う人がいたら受け入れることが出来るのだろうか。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

なんだなんだなんだ…ぞわぞわぞわ……

文庫カバーにある「きみ、結構いやらしいよね。性格が」というセリフが早々に登場して緊張感がヤバかった(語彙力が…しかしこの表現がぴったりな気がして)

田井中の「イタさ」が苦しいほど本当に「イタイ」
いわゆる大多数の一人からすると、イタすぎて寒気がします
そして二木先生には単純にゾッとします、開き直ってるようにも見えてしまう態度に。

特別?ユニーク?普通って??

田井中の思考を通して「普通」じゃないやつの頭の中を覗いているようなかんじだったはずが、読み進めるにつれて、いや?こいつの頭の中、思考回路は別に「普通」では??と思えるようになってくる。いや、やっぱりそんなことはないかも…という交互にくる、こんな調子


――君はずっと僕になりたかったんじゃないか。
が私にとっての本書のハイライトです

単行本タイトル『二木』から、文庫化する際に『先生』が付けられたようです
教師という職業としての先生、と“地球で窒息しないための方法を見出”す対象としての先生、ということを強調してるということなんだろうなと感じました

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2024年02月26日

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