無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
有人(ゆうと)は幼い頃、機内で急病人が発生した際に、医師として名乗り出た叔父の姿に憧れを抱いて、医師になる夢を持っていたが、中二の時に起こったある出来事がきっかけで、引きこもりになってしまう。
北海道の離島、「海鳥の楽園」と呼ばれる照羽尻(てうじり)島の診療所で働く叔父の勧めで、有人は照羽尻高校を受験し、叔父と二人で暮らし始める。
家族のように屈託のない態度で接してくれる島民の人たちや、たった4人の級友たちに、しだいに心を開いていく有人だったが、突然の別れが彼を襲う。
「引きこもり」「離島」そんな言葉から想像される単純なストーリーではなかった。
高校生が5人しかいなくても、日々の暮らしの中で心動かされることはたくさんあるし、島外からやってきた子も、この島で生まれ育った子も、同じように心に抱えているものがある。
島での生活が鮮やかに描かれていて、とても読みごたえのある内容だった。
今までの勝手な思い込みを覆して、有人が再生していく様子に心打たれるし、過去にとらわれて一歩も動けないでいる人に背中を押してくれるような、力強い物語だった。
Posted by ブクログ
中学のときのある出来事がきっかけで目指していた目標も持てなくなり、家に引きこもって外に出ない生活をするようになった主人公の川嶋有人は、離島で医者をやっている叔父の雅彦の計らいで、北海道の島にある高校に通うようになる。
離島での仲間との生活や、離島の人々との関わりの中で一度閉ざした心がだんだんと開かれて行く様子がこの小説を通して描かれています。
高校の同級生や先輩とのやりとり、島に住む家族との交流には人間の温かさがあり、実に高校生らしいなぁと思う場面が多いです。
島に住む4人の高校生の友人たちもそれぞれ何かしらの事情を抱えていたりする中で、それらをお互いに理解するまでの過程とか、高校生の青春ならではのような場面もあり、読んでいると自分もその離島で暮らしている一員なんじゃないか思ってしまうほどです。
離島と医師の存在という離島ならではの課題点を軸に据えながら都会から来た主人公がだんだん離島の人々に染まって行く様を青春にのせて描かれているこの小説はあっという間に読み進められると思います。
Posted by ブクログ
中高生におすすめの一冊、発見です!
川嶋有人。中2で心に傷を負い不登校に。医師である叔父の勧めで、東京から北海道の離島の高校へ。
そこは、全校生徒5人、朝刊は昼届き、コンビニなし、Wi-Fiなし、まるで流刑地・奈落の底(?)のように思えるのでした。
けれども島の人たちは、まるごと家族みたいで、叔父の診療所はTVドラマ『Dr.コトー診療所』の一場面を観ているような気になります。
有人は、誰彼なく話しかけられ、島内の情報伝達力の速さに逃げ場のなさを感じますが、それでも、島の人や自然と関わる中で、認められる経験を通して緊張感がほぐれ、心の中に熱が宿り、少しずつ変容していき、ここは自分の居場所と認識できるようになっていきます。
ところが、重大な出来事で状況は一変します。何もない島の生活に見えて、物語はいろんな展開が待っていて、飽きさせません。
最後に有人が立ち直るまでの過程は、手に汗握って応援し、共感する描写になっていると思います。
「未来に目を向けよ」「動け」というメッセージは、筆者の有人への叱咤激励であり、悩みを抱える読者(特に若者)へのエールに違いありません。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。