小説 - 文藝春秋作品一覧
-
4.0夢の諦め方は、誰も教えてくれない 「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。 青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。 社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。 瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された 古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。 契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。 古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、 研究を続けるべきかの煩悶が続いている。 そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま 行方不明になってしまうという事件が。 45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、 なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか? 自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は?
-
4.4インチキ教祖から宗教2世の少女を救い出せ! ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団……停滞する日本で起こっているトラブルに、マコトが立ち向かう。シリーズ第19弾。 女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。 マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。 さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。 マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。 表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、 闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。 目次 大塚ウヰスキーバブル 〈私生〉流出 フェイスタトゥーの男 神の呪われた子
-
4.2
-
3.8
-
3.9「あたしって虐待されてるの?」 アリバイトリックに新境地!あなたは絶対に見破れない。 椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に 親から〈水責めの刑〉で厳しく躾けられていた。 ある時、保健室の遊馬先生や転校生の翔太らに指摘され、 自分が虐待されているのではないかと気づき始める……。 一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナー・遠山が 刺し殺された。県警本部捜査一課の真壁は所轄の捜査員・宝生と組んで 聞き込みに当たり、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑念を抱く。だが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたという アリバイがあった。真壁は生活安全課に所属しながら数々の事件を 解決に導いた女性捜査員・仲田蛍の力を借りて、椎名母娘の実像に迫る。 前作『希望が死んだ夜に』の「こどもの貧困」に続き、 「こどもの虐待」をテーマに〈仲田・真壁コンビ〉の活躍を描く 社会派と本格が融合した傑作ミステリー。 芦沢央 推薦! 「構造的であるからこそ、そこにおさまらないものが浮かび上がる 衝撃の先にあるものを描こうとしている小説だと思った」 ※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0
-
4.1見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか―― 『かがみの孤城』『傲慢と善良』の著者が描く、 瑞々しい子どもたちの日々。そして、痛みと成長。 かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、 少女の白骨遺体が見つかった。 ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。 埋められていたのは、ミカちゃんではないか――。 小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。 法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。 30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。 解説・桜庭一樹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0私の幸も不幸も、私が決める。そう、決めた 40歳目前に離婚した桐原まりえは、寂しさよりも清々しさを感じていた。新直木賞作家が描く、おとなの女性の幸福と結婚を巡る物語。 『マリエ』は、『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞されたのが記憶に新しい千早茜さんの最新長篇です。 物語は、主人公の「桐原まりえ」が40歳を目前に離婚したところから始まります。離婚理由には納得がいかないものの、もう誰にも属していない、という軽やかさを感じているまりえ。すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望、たとえば恋愛などに呑み込まれたくはない。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気も……。 ひょんなことで懐いてきた由井君のことは好ましいのだが、折に触れ、7つの歳の差を感じるばかり。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録します。そこで彼女は、切実な「現実」や結婚に対する思いもよらない価値観を次々と突きつけられるのです。 千早さんは本作を、「生き方」の小説、と話されます。その言葉通り、これまでの千早作品のなかでもっとも著者に近いと言える主人公が、等身大で挑む日常の「冒険」には抜群のリアリティがあります。無防備に新しいことに飛び込んでいける年齢を過ぎて、仕事も落ち着き、結婚生活もリセットされ、コロナ禍に価値観を揺さぶられ……そんな「今」の生き方を問う意欲作です。 考え続けるまりえの軌跡を共に歩めば、きっと、「自分が今後の人生に求める幸せ」の輪郭が見えてくることでしょう。
-
4.5
-
3.4
-
4.0
-
3.0
-
3.7幼馴染が遺した暗号、隠されているのは、金かそれとも…… 河辺のもとにかかってきたある電話。思い出すのは封印していた真っ白な雪と死体。あの日、本当は何があったのか? 大河ミステリー。 元刑事の河辺は、音信不通だった幼馴染の佐登志が死んだ知らせを受ける。彼が遺したのは、暗号めいた伝言。友からの謎かけに、河辺には封印していたはずの苦い記憶がよみがえる。40年前、故郷で巻き込まれたある事件――。追われるように都会に出た彼らが、歩んできた人生とは? かつての悲劇に迫る、大河ミステリー。 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.8米澤穂信、初の警察ミステリ! 二度のミステリーランキング3冠(『満願』『王とサーカス』)と、『黒牢城』では史上初のミステリーランキング4冠を達成した米澤穂信さんが、ついに警察を舞台にした本格ミステリに乗り出しました。 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
-
4.3『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編 いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生! 「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。 不自由で息苦しかった毎日。 家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。 多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。 それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、 与えてくれたものが確かにあった――。 【著者より】 何かと制限され思いどおりに過ごせない毎日を、大人も子どもも、 誰しもが困難を抱えながら進んできたと思います。 そして、これから、また違う日々に向かわないといけない中で、 ほんの少しでも明るいものを差し出せる物語になれれば。 そう思っています。 明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から―― 『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編。
-
-2023年6月9日に逝去された平岩弓枝さん。 1932年に代々木八幡宮の宮司の娘として生まれた平岩さんは、劇作家の長谷川伸に師事。1959年、「鏨師」で直木賞を受賞しました。73年に始まった「御宿かわせみ」シリーズは、続編の「新・御宿かわせみ」シリーズにいたるまで、全34冊、30年以上にわたる長大シリーズとなりました。 また、平岩さんには脚本家としての顔もありました。主な作品には「肝っ玉かあさん」「ありがとう」、そしてNHK大河ドラマ「新・平家物語」などなど。 すばらしい物語を紡ぎ続け、さまざまな形で私たちに届けてくださった91年の生涯。ここに、平岩さんと「御宿かわせみ」の世界を振り返る、永久保存版のムックをお届けします。 【目次より】 秘蔵写真で振り返る平岩弓枝の軌跡 感動講演「日本のこころ」――小説家としての原点が語られる 直木賞受賞作「鏨師」全文掲載 「御宿かわせみ」傑作選 初春の客/白萩屋敷の月/祝言 「御宿かわせみ」座談会――るいや東吾を演じる歓び 新珠三千代×田村亮×小野田正 名取裕子×沢口靖子 高島礼子×中村橋之助 真野響子×黛りんたろう 対談 華麗なる交遊録 山田五十鈴/八千草薫/若尾文子/曽野綾子/阿川佐和子 特別インタビュー 作家人生五十年を語る 傑作エッセイ「わが来し方の記」 天皇の松/卒寿の春 蓬田やすひろの挿絵で見る「御宿かわせみ」登場人物 「御宿かわせみ」全作品リスト
-
3.5現代人気作家7人の豪華恋愛アンソロジー 恋という言葉では到底つつみきれない、たくさんの感情と人生のシーン。 第一線の現代人気作家たちの手で紡がれる、繊細で豪華なアンソロジー! 島本理生『最悪よりは平凡』 特別な名を持つ平凡な容姿の私。唯一無二の存在になるにはどうすれば。 綿谷りさ『深夜のスパチュラ』 バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘の結果は? 波木銅 『フェイクファー』 大学の手芸サークルで知った着ぐるみの魅力。数年後…… 一穂ミチ『カーマンライン』 日米で分かれて育った双子のケントとアサミが19歳で再会した。 遠田潤子『道具屋筋の旅立ち』 容姿に関して隠したい過去を持つ優美は、初めての彼氏の言いなり。 桜木志乃『無事に、行きなさい』 アイヌの人気デザイナー・ミワと、シェフの男。レストラン改装を境に二人は。 窪美澄 『海鳴り遠くに』 夫を亡くし海辺の別荘地ですごす私は、彼女に出会ってしまった。
-
4.1第30回松本清張賞受賞作 この小説は、選考委員への「挑戦状」だ! 衝撃のデビュー作。 1つの街を舞台に描かれる、5つの世界は、少しずつ重なりあい、影響を与えあい、思わぬ結末を引き起こす。 すべてを目撃するのは、読者であるあなただけ。 推理小説/青春小説/科学小説/幻想小説/恋愛小説 5つの物語は、5度世界を反転させる。 森バジルを読めば「世界が変わる」 【選考委員 選評より】 阿部智里 5つの同じで異なる世界! その構成に気が付いた時、「正気か」 と目を疑った。 辻村深月 抜群のきらめきに満ちていた「青春小説」パートは見事だった。 米沢穂信 小説というものに必死に手を伸ばした作者の叫びが聞こえた。 森絵都 チャレンジ精神と熱量の高さがすばらしい。 森見登美彦 「読者だけが知っている」そんな構造を楽しんでほしい。
-
4.2【恐怖の帝王、作家50周年を前に王道のSF巨弾が待望の邦訳!】 異能の少年少女を拉致する謎の機関〈研究所〉。 彼らは子供たちの超能力を利用して何を企図しているのか。 冷酷なるくびきから逃れるため、少年は知恵をめぐらせる。 ------------------------ ミネソタ州ミネアポリスに暮らす12歳の少年ルークは、両親こそごく平凡だが、優秀な子供の特待校に通う神童だ。彼にはちょっとした特殊能力があった。ふとしたときに、周りのごく小さな物品をふれることなく動かしてしまうのだ。と言っても、それは他人が気づくほどのことでもない。 一流大学MITの入学内定を勝ち取ったルークだが、ある夜、3人の不審な男女が眠る彼をかどわかす。目覚めたルークが見たのは、自分の部屋そっくりにしつらえられているが、何かが違う一室だった。扉の外は自宅とは似ても似つかぬ、古びた大きな施設。そこには様々な少年少女が拉致され、自室と似た部屋を与えられて戸惑いながら暮らしていた。 目的も知れぬこの〈研究所〉で、残忍なスタッフや医師に、気分の悪くなる注射や暴力的な検査を繰り返される少年少女たち。彼らの共通点は「テレキネシス」か「テレパシー」の超能力を持っていることだった。 ルークは黒人少女カリーシャ、反抗的な少年ニック、幼く泣き虫だが強いテレパシーをもつ男の子エイヴァリーらと知り合うが、一定期間検査を受けた子供はひとり、またひとりと〈研究所〉の別棟〈バックハーフ〉へ連れ去られ、決して帰ってこないのだった。ルークはこの不穏な施設からの逃亡計画を温めはじめる――。
-
3.5妻の貌を、男たちは知らない。 男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた 表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。 「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」 「いるよ。男でも親友になれるよ」 「それはそうだろうけれど。困ったな」 (「もっと悪い妻」より) ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩む バンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。 妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る 壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、 男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。 西加奈子さん(作家)推薦 不幸な「悪い妻」は許されるが、 満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。 「妻」という呪いと、 「妻」を理想化する社会へのしたたかなカウンター。
-
3.8私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」 圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。 打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。 ――村田沙耶香 小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、 読後しばらく生きた心地がしなかった。 ――金原ひとみ 文字に刻まれた肉体を通して、 書くという行為への怨嗟と快楽、 その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。 ――青山七恵 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
-
-僕たちは、テクノロジーで世界(CODE)を「書き直す」。 片田舎の少年たちが、世界を向こうに仕掛けるゲリラ戦。 武器は〈知恵〉と〈友情〉、報酬は〈自由〉。 SF小説の旗手が、VR世界大会を舞台に紡ぐ青春ハック小説。 2024年、鹿児島。県立南郷高校に通うマモルは、 男子寮の次期寮長に指名される。 下級生の指導や揉め事の解決など、マモルの負う役割は大きいが、 なかでも、学生VR全国大会出場に向けてチームをまとめるのが 最重要ミッションの一つである。昨年敗れた先輩たちの雪辱を果たすべく、 準備を進めるマモルだったが、大会事務局の対応にある違和感を覚える。 同じ頃、アマチュアVRの世界大会「ビヨンド」の存在を知り、 自分たちの進むべき新たな道を見出していく。
-
5.0大型新人が放つ、幕末時代活劇 〈運びの掟〉 一つ、中身を見ぬこと。 二つ、相手を探らぬこと。 三つ、刻と所を違えぬこと。 約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。 母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。 自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。 腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、 荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。 一体何が起きているのか? 円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。 オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。
-
3.5
-
-
-
5.0新作刊行&デビュー50年を記念し無料配信する、豪華内容のオリジナル電子書籍! 「恐怖の帝王」、「モダン・ホラーの巨匠」……。 大小説家の名をほしいままにしてきたスティーヴン・キングは、2024年に作家デビュー50周年を迎えます。そこでお届けするのが、本書。 ここでしか読めない完全オリジナル短編「ローリー」。新作長編小説「異能機関」たっぷり試し読みに加えて、キングの新しい魅力を解剖する、翻訳者・白石朗さんと担当編集者のディープな対談。そしてキングの小説の魅力を四つのベクトルから分析する代表作マトリックスと、盛り沢山な内容で、あなたのキング・オブ・ライフを爆上げします! *本書は、電子書籍オリジナル編集です。 *新作「異能機関(上・下)」は文藝春秋より2023年6月26日発売予定です。
-
3.8アカデミー賞、Gグローブ賞受賞作が小説として生まれ変わる! クエンティン・タランティーノ、小説家デビュー作! アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞した 〈ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド〉を タランティーノ自ら小説化! 1969年、ハリウッド。 俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。 キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは…… リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。 妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう…… 女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。 折しも自分の出演作〈サイレンサー/破壊部隊〉が劇場でかかっているのを目にした彼女は、うきうきとチケット売り場の女の子に声をかけ…… 映画にはない場面、映画にはない物語、映画とは異なる結末―― 本書はノベライズではない。同じ種子から誕生したもうひとつの物語、堂々たる一編の長編小説なのである。オフビートな小説を愛し、自身の映像言語としてきた巨匠がみせるグルーヴィな語りの才能に瞠目せよ!
-
4.2累計180万部ファンタジー 珠玉の8編 累計190万部のファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝第二弾! とんでもない意気地なし、と噂の少年・雪哉に剣の指導を頼まれた 腕に覚えのある市柳は、おびえる雪哉に自信満々で打ち込むが、 まもなく違和感を覚え始める――(「ふゆのことら」) 貴族の少年たちが、父の跡を継いだ職人が、全身全霊で守りたい ものとは何か。 山内に生きる人々の幸せを誓った彼、そして、権力闘争のはざまに育つ姫君の 心の奥にある思いとは。 読者の胸を刺し貫く魅力でベストセラーとなった異世界ファンタジーシリーズ、 震撼の第二部へと橋をかける必読の8編。 ※この電子書籍は2021年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.7
-
4.0
-
3.0アメリカ最高のミステリーに与えられる エドガー賞最優秀長編賞最終候補。 わたしの父の身体には、 たくさんの銃弾が刻んだ傷跡がある―― 全米の書評を絶賛の声で埋めつくした、少女と銃と父と、いまは亡き母の物語。 12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは漁師として働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった……。 ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。 どんな小説が好みなのかを問わず、心に響くものがここには必ずある。(ニューズウィーク) 恋愛小説でありミステリーでもある、感動的な物語の饗宴。(ピープル) ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0〈中国のスティーヴン・キング〉が放つホラーミステリー! ある雨の夜、若い警察官・葉シャオ(イエシャオ)の家を、幼馴染の作家の周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。 周旋は思いつめた様子で、木の小箱を取り出す。ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から預かったという。しばらく仕事で上海を留守にしていた周旋が田園を訪ねると、警備員から彼女は心臓発作で亡くなったと告げられた。周旋が自宅に戻ると留守電に彼女のメッセージが入っていた。「あの箱を幽霊旅館に届けて。場所は……」と途中で切れており、発作を起こして電話をかけ、途中で亡くなったと思われた。 周旋は、小箱を届けたいので田園の身元を調べてほしいと葉シャオに頼む。葉シャオが調べてみると、田園は実力と美貌を兼ね備えた伝統演劇の女優で、一時は大変な人気だったが、3年前、公演中に心臓病の発作で倒れ、それ以来ひっそりと暮らしていた。病は悪化し、死を予感して苦しんでいたらしく、精神科にも通院していたことがわかった。 葉シャオの調べで、幽霊旅館は浙江省K市西冷鎮にあることがわかり、周旋は木箱を携えて旅立つ。やがて葉シャオはのもとに、周旋から手紙が届くようになる。幽霊旅館では電気も電話も使えず、近くの集落の郵便ポストから手紙を出すしかないが、旅館で手紙を受け取ることはできないから、一方的に書くことにするというのだ。 そこで語られる幽霊旅館での謎の人々との日々、やがて幽霊騒動が持ち上がり……。 累計発行部数1千万部を超える大ベストセラー作家が放つ、巧緻を極めたサスペンスホラー!
-
3.8変死事件で暴かれる町の秘密 法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。 一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。 僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。 僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。 髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、“法律”だけは犯してはいけないのだ。 一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。 『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
-
4.0アメリカ人の著者が全編日本語で書き上げた小説第二作。 少女時代から陶芸家を目指してきたカティアは、ある出来事をきっかけに、 師匠であり恋人でもあったライダーと決裂、偶然舞い込んだ 大阪の女子校の英語講師の椅子にとびつき、逃げるようにアメリカを離れた。 カティアの新地は、大阪の北摂。そこには、師ライダーとそっくりの顔をした 「太陽の塔」がそびえたち、あたりを睥睨している。 カティアにはひとに言えない悩みがあった。少女時代のある日、 ライダーに「伝承」されて以来、自分の手が師匠のものになってししまった。 ありえないことだが、腕先に、骨ばった長い指の「ライダーの手」がくっついているのだ……。 胸に傷を抱えながら、異国の地で未来を探して奮闘する、若きカティアの青春物語。
-
-
-
3.9
-
3.5日本銀行本店や東京駅など、近代日本を象徴する建物を矢継ぎ早に設計した、 明治を代表する建築家・辰野金吾。 下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、 帰国後はなんと恩師ジョサイア・コンドルを蹴落として 日銀の建築を横取りする……! 周囲を振り回しながらも、この維新期ならではの超人・金吾は熱い志で 近代日本の顔を次々を作り上げていく。 日銀の地下にある意外な仕掛け、東京駅の周辺にかつて広がっていた海の 蘊蓄など、誰もが見慣れた建築物の向こうに秘められたドラマを知ることもできる。 ベストセラー『家康、江戸を建てる』の著者が 「江戸を壊して東京を建てた」辰野金吾を描く、大きく楽しい一代記! ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
-娘を救いたければ、お前の乗っている旅客機を落とせ! 脅迫される精神科医、誘拐犯を追う女医。犯人は機内にいるのか、それとも……。ショック満載、息もつかせぬドイツ最強のサスペンス! ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.3オンラインゲームを通して、父と息子の絆と成長を描く ゲームに閉じ込められた息子と狙うは世界1位! 意識不明の息子からゲーム内に届いたメッセージ。 息子を救うため、父はeスポーツの世界大会を目指す―― 暢気なだけが取り柄の暢光は、事業を興しては失敗し、妻から離婚を言い渡される始末。 離れて暮らす中2の息子と小3の娘とはオンラインで会うばかりで、オンラインゲームは最後の砦となっている。 そんな中、息子の凛一郎が交通事故に遭い、意識不明に。 悲しみに暮れる暢光だったが、ゲーム内で息子からメッセージが届き…… ゲームを通して成長し、繋がっていく、新しい家族の物語。
-
3.8「待つ」ことでしか、進まなかった人生がある。 今は古びた平成初期の新興マンション。 その一室に、ひとりの年老いた男が、孫とともに住んでいた。 男が訥々と語る、心温まる、この部屋の思い出。 孫はここで、ずっと母を待っている。 この部屋に残された母の愛に囲まれて。 しかし、男が語る思い出はすべて“嘘”だった。 かつてこの男は、とある幼い兄妹から、この部屋を奪った。 男には、そうしなければならない、痛切な理由があったーー。 風吹く部屋で、ずっと誰かを待ち続けた、ある家族と男の物語。 水野良樹(いきものがかり)が筆名で描く、渾身の書き下ろし小説。 ■著者からのメッセージ すぐに話せて、すぐに理解できる。 待つことが少なくなったそんな世界において、人に会えず、先が読めず、いつ終わるかわからない、待つことを強いられた3年間でもありました。今という瞬間を侵食する過去との向き合い方。そして場所に沈殿し、宿り続ける記憶。 人生という自分たちの時間を、前に進めようともがく人々の物語です。 なお、本小説のプロットから受けたインスピレーションを元に創り上げられた楽曲『ただ いま (with 橋本愛)』が、各種音楽配信サイト・ストリーミングサービスにて配信中。 本楽曲は女優の橋本愛が初めて作詞を手掛け歌唱を担当。 作曲は著者の清志まれ、編曲は鈴木正人が手掛けた。
-
4.0史上最も愛された文豪/社長のすべて100年企業の土台は、人望。それだけ! 1923年、 大ベストセラー作家・菊池寛の手によって 文春は産声をあげた。 「楽しいんだ。菊池さんと仕事してると。それだけっ」 仕事が、仲間が、人生が愛おしくなる 2023年最高の感動歴史長篇。 文藝春秋創立100周年記念作品。 (あらすじ) 芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、 菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。 読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。 しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。 芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、 戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。 激動の時代に翻弄されながらも、文豪として、社長として、 波乱に満ちた生涯を送った寛が、最後まで決して見失わなかったものとは――。 『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、圧倒的カタルシスの感動作。
-
3.8大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。 夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充) 収録作品 ・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」) ・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」) ・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」) ・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」) ・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」) ・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「??(なた)」だった(夢枕獏「??(なた)太子」)
-
3.0
-
4.5『WORLD WAR Z』で世界のホラー・ファンを唸らせた才人ブルックスの新作モンスター・スリラー 映画製作進行中! 作家マックス・ブルックスのもとに届いた手記。それはレーニア山噴火後、廃墟となって発見されたエココミュニティの住人が残したものだった。未だ原因が明かされていない集落全滅の真相とは? 武器も食糧もないひとびと。地面に刻まれた人間そっくりの巨大な足跡。闇にひびく咆哮。森の中に散乱した動物の死骸。そして牙を剥いて襲い来る凶暴な群れ。傷だらけになった人間たちの反撃、果たして成るか? 偽ドキュメンタリー形式の衝撃作。
-
3.9【電子書籍特典付き】カバーイラストを手掛けたゴルさんによる特別描きおろしイラストと住野よるさんの「電子特典用メッセージ」を収録! 片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。 一緒に過ごす、夏の特別な四日間。 めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。 告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。 サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある"不謹慎な"目的のためだった。 「じゃあ一緒に行く?」 「うん」 思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。 夜行バスに乗って、二人の"不謹慎な"そして特別な旅が始まる――。 恋という気持ちが存在する、この世界に生まれてしまった全てのあなたへ。
-
4.0圧巻の青春小説、EXILE橘ケンチついに小説家デビュー! ダンスに焦がれ、人生を懸けると決めた。昂る想いを胸に、夢を追った。実体験をもとに紡がれた、狂おしいほどに熱い日々の物語。 あの時、一歩を踏み出したから今がある――! EXILE、そしてEXILE THE SECONDのパフォーマーとして活躍中の橘ケンチさんにはそんな想いがあるそうです。 「あの時」とは、ダンスにハマって夢中で練習し続けた大学生の頃。 ダンス仲間の友だちは一人抜け、二人抜け、皆、就職活動を始めていく。でも俺は、もっと上を目指したい! そんな想いを主人公・賢太に重ね、彼らを応援するかのように、3年の月日をかけて書き上げられたのがこの物語です。 賢太は、奇跡的にめぐり逢えた仲間とともにダンスチーム「PRIMAL IMPACT」を結成。地元横須賀から横浜、東京へと活躍の場を拡げていきながら、自分を見つめ葛藤し、夢に向けて走り続ける……。狂おしいほどに熱い青春小説を、みなさんにもお楽しみ頂けたら幸いです。
-
3.3夜間犯罪発生率日本一の歌舞伎町を抱える新宿署には、 “夜の署長”と呼ばれる伝説の刑事がいた――。 「随監」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞し、 同作を含むシリーズで警察小説の旗手となった著者が、 新宿署を舞台にさらに“熱い”刑事たちを描く。 多くの通行人が行きかう中、歌舞伎町の路上で女性がホスト風の男たちに拉致された。 緊急配備がかけられほどなく犯人は逮捕、女性も保護される。 実はその女性はホストにはまり、それが夫にばれて家出をし、 さらに店にツケをためていたためホストに追い込みをかけられていたのだ。 事件の構図は単純なものと思われたが、 “夜の署長”の異名を持つ刑事課強行犯第五係統括係長の下妻警部補はなぜか、 3か月前に起きた歌舞伎町のラブホテルでのデリヘル嬢殺人事件の現場と資料をあたっていた。 東大法学部卒でキャリアの新米警部補・野上は、 拉致未遂事件を早々に終わらせようとする上層部に反し、 下妻とともに3ヶ月前の事件との関連を洗いなおす。 するとデリヘル嬢殺しと拉致未遂事件に思わぬ接点が……(「未練」)。 ほか4編収録。 警視庁捜査一課の刑事だった下妻が、なぜ忘れ去られたように異動することなく新宿署に居続けるのか。 彼の過去には何があったのか。 新米刑事の野上は、いくつかの事件を通じ、下妻の凄みを知ることになる――。 解説・村上貴史
-
3.7人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。 ――8作からなる短篇小説集、待望の文庫化! ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。 同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。 鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。 スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。 そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。 「一人称単数」の世界にようこそ。 ※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
5.02023年は司馬遼太郎生誕100年! 司馬さんが好きだった花に由来する〈菜の花忌〉。 司馬作品にちなんだテーマで、パネリストたちが自由に意見交換をする シンポジウムは、司馬作品のさらなる魅力を見出す場として、定着している。 過去25回の中から17回分のシンポジウム、3本の講演を編んだ、 文春文庫オリジナル。新たな気づきを与えてくれる貴重な記録。 (目次抜粋) 「竜馬と司馬遼太郎」井上ひさし・檀ふみ・永井路子・松本健一/「二十一世紀に生きる君たちへ」安藤忠雄・井上ひさし・養老孟司/「司馬作品の輝く女性たち」田辺聖子・出久根達郎・岸本葉子/「『坂の上の雲』と日露戦争」篠田正浩・黒鉄ヒロシ・松本健一・加藤陽子/「3・11後の『この国のかたち』佐野眞一・高橋克彦・赤坂憲雄・玄侑宗久/「『関ケ原』――司馬遼太郎の視点」原田眞人・葉室麟・伊東潤・千田嘉博/「土方歳三と河井継之助――『燃えよ剣』『峠』より」小泉堯史・黒川博行・星野知子・磯田道史/「『胡蝶の夢』――新型コロナ禍を考える」澤田瞳子・澤芳樹・村上もとか・磯田道史 (講演)福田みどり・養老孟司・沢木耕太郎
-
-米大統領の訪日を狙った核テロを阻止せよ。 刹那的、或いは壮大な目的のために生きる者たちが織りなしてきた物語の、 思いもよらぬ結末に痺れるほかない。――羽田圭介 2014年3月3日夜、作家・阿部和重の東京の自宅に瀕死の男が転がり込む。 その男ラリーの正体はCIAケースオフィサー。 神町の菖蒲家を内偵していたが組織内での裏切りにあい、 助力を求めてきたのだ。世界を破滅させる核テロの陰謀を阻止すべく、 ラリーと幼い息子を連れた作家は新都・神町へと向かう。 破格のロードノベル! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
-壮大な偽史を紡ぐ「神町トリロジー」完結篇。 これはQアノンなのか、フォークナーなのか、 それらに拮抗しようとする無謀な「文学」なのか。――大塚英志 前任者の遺したファイルから明かされる菖蒲家の遠大な計画。 秘術アヤメメソッドをめぐって暗躍する諜報機関。 米大統領オバマの新都・神町訪問が迫る。 ラリーと作家はスーツケース爆弾を追い、息子はママを恋しがる。 彼らは世界を救えるか? 『シンセミア』『ピストルズ』からつづく 神町トリロジーここに完結。 解説 柳楽馨 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.42022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。 完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。 北町貫多30歳、地元に残された藤澤清造資料の調査に本腰を入れるため、東京の自室とは別に七尾に部屋を借りる(「廻雪出航」)。貫多31歳、七尾の部屋に清造の書簡を飾るため額装を依頼したが、思ってもいない仕上がりになる(「黄ばんだ手蹟」)。死の前年、53歳の貫多の姿を描く。ここ数年の自身を振り返り、“歿後弟子”の責を全うすべく新たなスタートを誓う(「蝙蝠か燕か」)。
-
4.0―夢を叶えるために生きてきたんだ― あらゆるメジャー・レコード会社のディレクターやスカウトマンが集まった1990年代後半の下北沢のライブハウス。すべてのミュージシャンの目前に巨大なルーレットが置かれていた。 NONA REEVES 西寺郷太、初の自伝的小説! 僕は相変わらず大学や下北沢から家に帰ると寝る間も惜しんでダビングを繰り返していた。デモテープを配った相手にアンケートを渡し、そこに書かれた住所に美しくデザインされたダイレクト・メールを送る。お金に関して言えばまだすべて持ち出しだ。しかし、そんな日々を繰り返している中で「ファン」と呼べるような何人かが僕の周りに生まれ始めている。ようやく上京してから、いや音楽の道を目指してから永遠に続くかと思われた長い「スランプ」のトンネルを抜け出そうとしている実感が湧いてきた。 「やったるでー!」 ひとり暮らしの東中野ヒルズで布団にくるまりながら、僕は大声で叫ぶ。 (本文より)
-
3.8
-
3.4法律が裁けないのなら、他の誰かが始末する。 司法を超えた復讐の代行者――それが〈私刑執行人(ハングマン)〉 現代版“必殺”ここに誕生! 警視庁捜査一課の瑠衣は、中堅ゼネコン課長の父と暮らす。 ある日、父の同僚が交通事故で死亡するが、事故ではなく殺人と思われた。 さらに別の課長が駅構内で転落死、そして父も工事現場で亡くなる。 追い打ちをかけるように瑠衣の許へやってきた地検特捜部は、 死亡した3人に裏金作りの嫌疑がかかっているという。 父は会社に利用された挙げ句、殺されたのではないか。だが証拠はない……。 疑心に駆られる瑠衣の前に、私立探偵の鳥海(とかい)が現れる。 彼の話を聞いた瑠衣の全身に、震えが走った――。
-
3.7まだ小さな世界しか知らないぼくに、大人たちはこの広い世界の秘密や真実を教えてくれた 台北の猥雑な街、紋身街。狡猾で強欲なだらしない大人たちに囲まれて、少年は世界の広さを知る。切なく心に沁み入る傑作連作短編集。 本書を編集しながら何度も笑いました。気づけば、泣いていました。この物語に出合うために自分は大人になったのかもしれない。ここは温かくて、時に残酷な、生きることへの問いと答えが詰まっています。どうか、現代を生きる子供たちへ、かつて子供だった大人たちへ。この物語が届きますように。――文庫担当編集者 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.6『正義の天秤』(亀梨和也主演)『婚活探偵』(向井理主演)『不協和音』(田中圭主演)など原作が数多く映像化されている大門剛明氏、文春文庫初登場の警察犬小説です。 主人公は鑑識課警察犬係に配属されたばかりの岡本都花沙。念願かなって警察犬係に配属となった岡本は、ベテランの警察犬アクセル号とコンビを組んで、捜査をすることに。岡本の「バディ」となるのは、通称「第二」と呼ばれている民間警察犬訓練施設の訓練士・野見山。野見山は元警察官で、名警察犬レニーとコンビを組んでいました。しかし、あることがきっかけになって辞職。いまは民間の立場から捜査の協力をしています。 本書は五章構成になっています。第一章は、岡本が赴任する前日譚で、主人公は野見山です。レニーに向けられた疑惑の真相と、野見山の決断を描きます。第二章から第五章は、岡本を主人公にして、野見山や先輩刑事の桐谷(第一章では新人犬係として出てきます)など魅力的な脇役を配置しつつ、日々の捜査を描きます。全て読切の短編として読めますが、全体を通じて大きな謎が隠されています。 実際、警察犬の出動依頼が多いのは、行方不明者の捜査で、近年は認知症高齢者の失踪に駆り出されることが多いそうです。当然、そこには認知症を抱える家族の辛さなどもあり、そういう「日常レベル」の捜査を扱うことで、他の警察小説とは違った人間ドラマを描けていると思います。そして捜査官と警察犬が苦労の末に「心を通わせる」ことができた瞬間のなんと愛おしいことでしょうか。 第一章「手綱を引く」は第75回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補作になりました。 今後シリーズ化も予定しています。
-
4.3一丁の拳銃が人々の人生を変えていく! 名手が描く練達の連作短編集。 私は拳銃を構える。 恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく――。 久しぶりの同窓会で六本木から新宿・歌舞伎町に流れてきたものの、 泥酔して友人たちとはぐれた主婦・織江。家出少女から一万円と引き換えに 渡された包みの中身は一丁の拳銃だった! 主婦も家出少女も、カラスに悩まされる新入社員や 妻に逃げられた元警察官も――。 平凡な日常に倦んだ人々を魅了し狂わせるコルトの魔力とは? ※この電子書籍は、1998年4月に文藝春秋刊の単行本『引金の履歴』を、 2001年4月に『冷たい誘惑』と改題、文庫化された作品の 新装版を底本としています。
-
3.7正しいのは会社のリクツか人情か? 新米社労士ヒナコが挑む、本邦初の〈労務ミステリー〉登場。 社労士とは――社会保険労務士(国家資格)の略。労働・社会保険問題から年金まで、クライアント企業のお手伝いをする。 「退職理由を自己都合から解雇に 変えて!」元社員が怒鳴り込んできた。 嫌がらせで異動させられたと言う彼女と会社の主張は平行線、やがて会社の不正が明らかになり……(「五度目の春のヒヨコ」)。 新米社労士の朝倉雛子(26歳、恋人なし)がパワハラ、産休育休、残業代、裁量労働制、労災、解雇、ブラックバイトなどなど、様々な事件で奮闘。 読めば心がほっこり、労務問題の勉強にもなる人気シリーズ第1弾! 解説・吉田伸子 ※この電子書籍は2017年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.0はじまりは小さな町ドゥーリングの女子刑務所だった。受刑者たちが眠りにつき、白い繭に覆われていく。女性だけが眠りに落ち、目覚めなくなるこの奇妙な現象は「オーロラ病」と名付けられ、やがて世界中に発生する。さらに、起きている者が「オーロラ病」患者を無理矢理起こそうとすると、凶暴化して見境なく人を襲い始めてしまう特徴があり……。 人々が恐怖でパニックに陥る中、ドゥーリングには唯一、病を恐れる様子もなく静観する“謎の女”がいた。彼女の正体とは? <恐怖の帝王>スティーブン・キングとその息子オーウェン・キングが贈る、SFホラー巨編。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
2.0
-
4.1政府・官公庁・社会運動団体・マスコミが発表する社会調査の大半はゴミである。我々はいかにしたらデタラメ社会から脱却できるか 世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。 始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。 では、なぜこのようなゴミが作られるのか。 それは、この国では社会調査についてのきちんとした方法論が認識されていないからだ。 いい加減なデータが大手を振ってまかり通る日本―デタラメ社会を脱却するために、我々は今こそゴミを見分ける目を養い、ゴミを作らないための方法論を学ぶ必要がある。
-
3.9孫文を支え続けた日本人実業家の、スケール感溢れる一代記 映画事業で大成功をおさめ、その資金で革命家・孫文を支援し続けた梅屋庄吉。その情熱と葛藤、国境を越えた友情を直木賞作家が描く。 長崎の貿易商・梅屋商店の跡継ぎとして育った庄吉は、香港で写真館を経営する。そこで出会ったのが、清朝を打倒し、西洋の武力支配からの自立を目指す若き孫文だった。西洋列強による東洋の侵略に理不尽を感じていた庄吉は、孫文の情熱を知り、革命を支援することを約束する。庄吉はやがて、日活の前身となるMパテー商会を創立。黎明期の映画事業は大成功を収め、その資金で革命を支援し続ける。 実業家・梅屋庄吉の熱き生涯!
-
-これがなくちゃ年が越せない! 人気の週刊文春「ミステリーベスト10」2022年版の電子版をお届けします。 今年で 46回目を迎えた 「ミステリーベスト 10」 。 国内部門では 、デビュー4年目の新鋭が初の ランクインでいきなり1位 。そして海外部門 、 遂にアンソニー・ホロヴィッツ(4期連続1位)の連覇を止めた作品とは? 全国のミステリー通、書店員が選んだ珠玉の20冊。 年末年始に読みたいミステリー小説がきっと見つかる。 【主な内容】 国内部門/海外部門 各ベストテンの発表 国内部門・海外部門第1位作家のインタビュー トップ10作品のあらすじ&熱烈推薦コメントほか
-
4.3
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。