青春をクビになって

青春をクビになって

1,700円 (税込)

8pt

夢の諦め方は、誰も教えてくれない
「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。

青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。
社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。

瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された
古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。
契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。
古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、
研究を続けるべきかの煩悶が続いている。

そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま
行方不明になってしまうという事件が。
45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、
なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか?
自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は?

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青春をクビになって のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    瀬川は本当にすごく強い人でした。
    人生における大きなイベントが重なってどうしようもないとなっていた時でも、前を向こうとする姿にすごく胸を打たれた。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    まず日本での研究者の立場がこんなに過酷だとは知らなかった。
    そして夢と現実のギャップ。
    捨てられない大切なもの、切り替えられないもどかしさ。就職氷河期で人生を削られた人達。
    今後の瀬川朝彦35才を応援したい。


    0

    Posted by ブクログ 2024年02月21日

    言葉にならないけど読んでよかった。
    小柳先輩を通して10年後の自分と向き合う辛さ。
    瀬川を通して夢を託す栗山。
    青春と年齢の狭間で選択を迫られる瀬川。
    初めて読む作家さんでしたが、一気読みでした。
    違う作品も読んでみたい。

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月30日

    研究者を諦めて一般企業で働いている人を何人か知っているが、適当に大学に入って就職した自分とは比べ物にならない葛藤を経て社会人になったのかもしれないと思った。

    自分自身は、命をかけられるくらいに没頭したこともなく、なんとなく働いているので、いろいろと考えさせられた。

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    Posted by ブクログ 2024年01月17日

    新聞の本の紹介コーナーに載っていた作品。
    古事記の研究をしてる、35歳でポスドクの主人公が自分の進むべき道を探るお話。

    ポストドクター略してポスドク。博士課程を修了し、常勤研究職になる前の研究者のことを指す言葉。全く知らない世界の話しだけど、身につまされるシーンが何度もあったな。学生でもないのに、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月30日

    爽やか青春モノが多い額賀澪さんが、社会問題化している大学非常勤講師について書いたことが気になり選書。

    中高生時代は夢を追い続けながら心身共に成長できるけど、大人になってくると現実を見据えないといけない。

    夢を追い続けることへの辞め時って、重要なのかな。ちょっと切ない。

    諦めないで欲しいけど、諦...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月20日

    夢を追いかけることの意味を教えてくれる小説。

    夢を追いかける続ける覚悟、夢を諦める勇気。
    この2つの意味を理解していないと取り返しもつかないことになる。

    ただ、好きなことやり続ける素晴らしさも教えてくれます。
    そして、夢を諦める時、次の世代に何を残せるかも考えないといけない。

    夢を持つ責任と大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月21日

     夢にどう決着をつけるのか。無給のポスドクが本来没頭したい研究を続ける夢と仕事に困る現実に苛まれる現実。この折り合いをどう付けるのか。ポスドクらが置かれた環境の厳しさをノンフィクションのようなリアルさで描いた「青春をクビになって」。主人公は大学非常勤講師として働いている35歳の古事記研究者。突然、来...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月20日

    好きな作家さん
    ちょっと重い話。嫌な仕事を続ける私にはわからない世界だ、好きな事をその歳までできるのは羨ましいという思いとそれでも大変な事もあるのね…という感想。

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    Posted by ブクログ 2023年12月17日

    真壁仁の詩「峠」のフレーズが浮かんできた。

    峠路をのぼりつめたものは
    のしかかってくる天碧に身をさらし
    やがてそれを背にする。
    風景はそこで綴じあっているが
    ひとつを失うことなしに
    別個の風景にはいってゆけない。
    大きな喪失にたえてのみ
    あたらしい世界がひらける。

    0

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