青春をクビになって

青春をクビになって

1,700円 (税込)

8pt

夢の諦め方は、誰も教えてくれない
「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。

青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。
社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。

瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された
古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。
契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。
古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、
研究を続けるべきかの煩悶が続いている。

そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま
行方不明になってしまうという事件が。
45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、
なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか?
自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は?

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青春をクビになって のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    読んでて苦しくなるけど、全く希望が持てないわけでもなく、不思議な読後感が残った。
    登場人物みんな優しくて、一生懸命で、それが余計に辛い。
    私も今はありがたいことにやりたい仕事で生活ができてるけど、そうじゃなくなった時にこの本のことを思い出すだろうなぁ。
    住む場所があること、食べるのに困ってないこと、

    0
    2025年08月04日

    Posted by ブクログ

    大学の非常勤講師の収入を得て、古事記の研究を続けている朝彦が講師の雇い止め宣告を受ける。同じ研究者の先輩は住むところもなくなり、貴重な資料を持って失踪。「大学の先生」でも非常勤講師の立場がいかに不安定なものなのか、日本の大学が研究者を使い捨て、コストを抑えて運営されているのかを改めて知った。就職氷河

    0
    2024年11月03日

    Posted by ブクログ

    大学講師ってこんなに不安定な状況に置かれていたなんて知らなかった。優秀な研究者でも好きな研究を好きなだけ続けられるという訳には行かないんだな

    0
    2024年08月29日

    Posted by ブクログ

     思った以上に素晴らしい作品だった。
     でも、研究は、在野でだって出来る。その可能性は、忘れてはいけない。

    0
    2024年06月14日

    Posted by ブクログ

    絶妙なタイトル、、いいトシして自分のことだけしか意識が向いてない夢追い人たちの厳しい現実、経済状況や心理状況が赤裸々に描かれていて、、、
    ・・・私自身は、大人になることが当たり前だった最後の世代(?)で、30半ば過ぎても青春の終わらせ方がわからないとか、正直、いい加減にせーよクソ甘えてるよね、と切り

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    研究者を志す若者たちの絶望。ポスドクはおろか生きることも閉ざされる。最後に夢を叶えましたって能天気な展開を拒絶し、学ぶ人々を支えられない諦念をしっかり描いている。力作だ。

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    瀬川は本当にすごく強い人でした。
    人生における大きなイベントが重なってどうしようもないとなっていた時でも、前を向こうとする姿にすごく胸を打たれた。

    0
    2024年03月31日

    Posted by ブクログ

    まず日本での研究者の立場がこんなに過酷だとは知らなかった。
    そして夢と現実のギャップ。
    捨てられない大切なもの、切り替えられないもどかしさ。就職氷河期で人生を削られた人達。
    今後の瀬川朝彦35才を応援したい。


    0
    2024年03月31日

    Posted by ブクログ

    言葉にならないけど読んでよかった。
    小柳先輩を通して10年後の自分と向き合う辛さ。
    瀬川を通して夢を託す栗山。
    青春と年齢の狭間で選択を迫られる瀬川。
    初めて読む作家さんでしたが、一気読みでした。
    違う作品も読んでみたい。

    0
    2024年02月21日

    Posted by ブクログ

    研究者を諦めて一般企業で働いている人を何人か知っているが、適当に大学に入って就職した自分とは比べ物にならない葛藤を経て社会人になったのかもしれないと思った。

    自分自身は、命をかけられるくらいに没頭したこともなく、なんとなく働いているので、いろいろと考えさせられた。

    0
    2024年01月30日

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