感情タグBEST3
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絶妙なタイトル、、いいトシして自分のことだけしか意識が向いてない夢追い人たちの厳しい現実、経済状況や心理状況が赤裸々に描かれていて、、、
・・・私自身は、大人になることが当たり前だった最後の世代(?)で、30半ば過ぎても青春の終わらせ方がわからないとか、正直、いい加減にせーよクソ甘えてるよね、と切り捨ててしまいたい、と思うところもなきにしもあらず、とはいえ、子どもたちの世代をはたから見るに、今ってこうなんだよねー、理解を示さんといかんのかね、となんとなく日和ってしまう、、、
(我ながら、どんな立ち位置やねん⁉︎)
自由が認められ過ぎて、敢えて大人にならなくてもいいから、かえって悩み多いんかな?
いや、ごめん、違う、私には、今のこの状態から離れたくない、クビにされたくないと思うまでに、のめり込んだものはなかった。だから、単純に30半ば過ぎてもぐだぐだ言ってる彼らが羨ましい、かな。
、、、なんかわからんけど星5つです。
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研究者を志す若者たちの絶望。ポスドクはおろか生きることも閉ざされる。最後に夢を叶えましたって能天気な展開を拒絶し、学ぶ人々を支えられない諦念をしっかり描いている。力作だ。
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瀬川は本当にすごく強い人でした。
人生における大きなイベントが重なってどうしようもないとなっていた時でも、前を向こうとする姿にすごく胸を打たれた。
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まず日本での研究者の立場がこんなに過酷だとは知らなかった。
そして夢と現実のギャップ。
捨てられない大切なもの、切り替えられないもどかしさ。就職氷河期で人生を削られた人達。
今後の瀬川朝彦35才を応援したい。
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言葉にならないけど読んでよかった。
小柳先輩を通して10年後の自分と向き合う辛さ。
瀬川を通して夢を託す栗山。
青春と年齢の狭間で選択を迫られる瀬川。
初めて読む作家さんでしたが、一気読みでした。
違う作品も読んでみたい。
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研究者を諦めて一般企業で働いている人を何人か知っているが、適当に大学に入って就職した自分とは比べ物にならない葛藤を経て社会人になったのかもしれないと思った。
自分自身は、命をかけられるくらいに没頭したこともなく、なんとなく働いているので、いろいろと考えさせられた。
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新聞の本の紹介コーナーに載っていた作品。
古事記の研究をしてる、35歳でポスドクの主人公が自分の進むべき道を探るお話。
ポストドクター略してポスドク。博士課程を修了し、常勤研究職になる前の研究者のことを指す言葉。全く知らない世界の話しだけど、身につまされるシーンが何度もあったな。学生でもないのに、大学にお金払ってまでも自分の研究を突き詰めるって、小説だから主人公達に気持ち入るけど、自分の身内にいたら理解してやれないかもな。
古事記に出てくる「色」の話はとても興味深かった。赤いとは言うけど、緑いとは言わない理由。日本人って凄いよな。
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「好き」を道標に生きてきた。暗闇を進む灯だった。この光のせいで生きていけないのだと気づいた。これを大事に抱えている限り、暗闇を歩き続けなければならない。消す日が来た。明かりを消して、この真っ暗闇を出ていく日が来た。『何かを抱えて、代わりに何かを捨てて生きていくかって選択は、下した直後はしんどいはずだが、でも、何かを諦めても、意外と別の幸せは転がってるんだと思う。』 あー泣かされた。背中を優しく押してもらえた。瀬川朝彦。彼を面談したキャリアアドバイザーって誰かな?(ニヤリ)『未来が見えないですよ』 切り開け、未来。覚悟を決めて足を踏み出した瀬川朝彦にエール!
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爽やか青春モノが多い額賀澪さんが、社会問題化している大学非常勤講師について書いたことが気になり選書。
中高生時代は夢を追い続けながら心身共に成長できるけど、大人になってくると現実を見据えないといけない。
夢を追い続けることへの辞め時って、重要なのかな。ちょっと切ない。
諦めないで欲しいけど、諦めなきゃいけない。
世の中、好きを仕事にしている人がどれくらいいるのだろう。
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無給のポストドクター(博士研究員)・瀬川朝彦35歳。大学講師を勤めながら古事記の研究を続けていたが、ある日「雇い止め」を告げられ、その後の“進む道”に悩む。そんな中、ゼミ時代の先輩(高齢ポスドク)が大学の貴重な史料を持ったまま行方不明になった、という事件が発生。朝彦が下した将来に対する決断とは…。
五章構成の本文(朝彦目線)の他に先輩目線の間章がはさまり、物語は同時進行している(ように見える)が、最終章で明かされる真実は衝撃的。とても切なく感じられる作品だった。
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夢を追いかけることの意味を教えてくれる小説。
夢を追いかける続ける覚悟、夢を諦める勇気。
この2つの意味を理解していないと取り返しもつかないことになる。
ただ、好きなことやり続ける素晴らしさも教えてくれます。
そして、夢を諦める時、次の世代に何を残せるかも考えないといけない。
夢を持つ責任と大切さ教えていただいた気がします。
自分の中で挑戦心がくすぐられました。
夢で悩んでいる方には、何かきっかけを得れる小説だと思います。
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夢にどう決着をつけるのか。無給のポスドクが本来没頭したい研究を続ける夢と仕事に困る現実に苛まれる現実。この折り合いをどう付けるのか。ポスドクらが置かれた環境の厳しさをノンフィクションのようなリアルさで描いた「青春をクビになって」。主人公は大学非常勤講師として働いている35歳の古事記研究者。突然、来年度の契約はできないとの通告を受ける。失踪した小柳先輩は自分と同じく就職氷河期の世代。自分も同じような展開になったかもしれないと他人事とは感じられずに読み進んだ。章間の展開が面白い。
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好きな作家さん
ちょっと重い話。嫌な仕事を続ける私にはわからない世界だ、好きな事をその歳までできるのは羨ましいという思いとそれでも大変な事もあるのね…という感想。
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真壁仁の詩「峠」のフレーズが浮かんできた。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする。
風景はそこで綴じあっているが
ひとつを失うことなしに
別個の風景にはいってゆけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
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額賀澪といえば青春小説、というイメージなので、タイトルも衝撃だったが、主人公が三十過ぎのおじさん(失礼)という設定にも驚いた。しかも彼は冒頭で勤め先から文字通り首を切られてしまう。
「ただ、好きなものをとことん追究したかった」p180
そう、青春ってそういうものだ。
何かに夢中になって、没頭することが許される権利。
生活の足しにならないことをしていても許される期間。
いつまで許されるのだろうか?人は、いつまで青春の中にいられるのだろうか?
幸運にも、趣味と実益が叶う人もいるだろうけれど、大抵の人は、どこかで夢を諦めて、あるいは折り合いをつけて、現実と向き合うことを選ぶ。
ある意味当たり前の通過儀礼に、「猛烈な痛み」p181 を覚える人たちもいる。
「「好き」を道標に生きてきた。暗闇を進む灯火だった。この光のせいで生きていけないのだと気づいた。これを大事に抱えている限り、暗闇を歩き続けなければならない。」p211
半身を引き裂かれるような独白。
自分にとって、あれほど輝いていたものが、いつか自身を閉じ込める「暗闇」になる。そのことに気づいたとたん、選ぶ道はどちらか一つ。
現実に殺されるか、理想に殺されるか。
青春小説を書いてきた作者だからこそ、そのケリのつけ方にも向き合ったのだろう。自分の中の理想と現実とが、もし命を賭けた選択になるのだとしたら、決めた道を「振り返らず」p212 前に進むのだ。
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大学で非常勤講師をしながら、古事記の研究をしている主人公の朝彦。
労働契約が5年を超えて更新されると、無期労働契約へ転換を申し込める決まりがあり、これを通称「5年ルール」と言う。
大学側が常勤講師を増やしたくない理由で、「5年ルール」が適用される前に契約を解除する「雇い止め」。
朝彦はこの雇い止めの対象となり、半年後に職を失うことになってしまう。
そんな中で、10年年上の先輩が貴重な古事記を大学から持ち出して失踪してしまう。
ポストドクター(博士研究員)の行く末とは。
朝彦はどんな選択をするのか。
ポスドクと言う言葉さえ初見でした。
ましてや、彼らの生活の現状や将来の展望など知る由もなく、初めて知ることばかりでした。
好きなことを研究しながら学生に教える事は、想像以上に大変。
研究費のために借金もする、そんな世界なのだとビックリしました。
少し話は違うかもしれませんが、以前雑誌か何かで京都大学の山中教授が、研究費を稼ぐためにマラソンをして募金を募ると言っていました。
ノーベル賞を取った山中教授でさえ研究費を捻出するのに苦労していると知った時は、本当に驚いたし、国からの援助がもっとあれば良いのにと思ったのを思い出しました。
研究したくても出来ない現状、何とかならないのかなと、少し悲しくなる話でした。
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第一章から第五章に挟み込まれた間章。この間章の存在で、朝彦と小柳の行動を平行させ物語は進む。古事記への情熱、夢、青春そしてポスドクとしての矜持を捨てられなかった小柳の人生に遣り切れない読後感。
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博士に進もうか考えてる自分にとって、とても考えさせられる内容だった。
高学歴になるにつれて、社会で生きていくのが難しくなってしまうなんて、明日を生きる不安を抱えながら生活するなんて、思いもしなかった。
「自分がしたいこと」と「現実」。これらに上手く折り合いをつけていかないといけないと思った。
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ポスドクの現状。雇い止め、研究を続けられない。
気づいた時には就職もできない。
厳しい話しでしたが、好きな作家さんの作品ということもあり読みやすかったです。
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切ない。胸が締め付けられる読後でした。額賀さんの描写がリアルで、でも温かみもあって、クビになりつつも救いのあるラストでした。日本という国は色々おかしくて、普通に生きていくだけで精一杯で、職業に好きや、やりがいを言い出すとちょっと歪んでしまう事があるように思います。その犠牲になっているのがこんな貴重な人材なのは勿体なすぎる。けどこれが現実なのも私達は知っているので、とても歯がゆさを伴う読書でもありました。
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218ページ
1600円
5月13日〜5月15日
何かを諦めるのも始めるのも若いにこしたことはないという感じだった。ズルズルと夢を追い続けるのがいいのか、諦めて違う道を模索するのがいいのか、答えは人それぞれ違う。少し刺さる内容だった。
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タイトルに惹かれて手に取った。内容は特別面白くもないけど、大学生時代に読めてよかったと思える一冊。章と間章のバランスがいい。全体的にやや重めだけど終わり方はくどさがなくて良い
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青春小説を書いているのに、大体において登場人物があまり成功しない本を書く額賀さんですが、本作も大分苦くて重い。古典文学で大学院に進み、その先の人生の展望が見えず苦悩する若者の物語です。
日本は何かを突き詰めて研究して、年数を経た人に冷たいという事は知っていましたが、文学系となると僕が素人考えでもその先が無さそうだなと不安に思います。
そしてその不安はまさに現実のものに・・・。
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今の時代自分の夢が何なのか分からない、やりたいことってなんだっけ?という人が多い中自分の夢をみつけそこを突き進んでいっても生活ができない。その研究が何かの役に立たないとその仕事はしてはいけないのかそう思った。けどそれと同時に、世の中は誰かのためになった報酬としてお金を貰うという仕組みができてしまっているのだからこうなってしまうのは仕方の無いことなのかと思ってしまう。
夢ってなんなんだろう。
お金が無いと夢は追いかけられないし夢は夢じゃなくなる。
そうなっていくと人は生きる意味を失うと私は思う。好きなことだけで生きていけないことは十分にわかるけど、それを生かせる何かを作ってあげることは出来ないのか。需要がない仕事は意味が無いことなのか、そう思ってしまう。
政治家だって、世の中を変えたいからなったんでしょ?世の中変えられないならポスドクみたいに生活できないぐらいのお給料しか貰えないよね?この差がおかしいって私は思う。
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ポスドク(ポストドクター)と呼ばれる博士研究員
の置かれている状況がいったいどんなものなのか、本書を読むとよくわかる。
他の爽やかな著書とは違い少し重め、厳しい現実を突きつけられる作品です。
大学で研究を続けながら非常勤講師をしているポスドクの瀬川。
“雇い止め”のある非正規労働者の不安定さ。先の見えない悩みと葛藤。
「好きな研究ができる環境」と「経済的安定」を共に得ることって難しい。
希望へと続く「もし」「たられば」の言葉が頭のなかをグルグルまわる。
あぁ、これはしんどいなぁ…。
好きなことを貫くって難しい。
読んでて切なくなった。
自分のことを振り返ってみても、人生って選択の繰り返し。
社会問題を絡めながら、ポスドクの現実と夢の諦め方について描かれた作品。
しんみりとしてしまいました。
『何を抱えて、代わりに何を捨てて生きていくかって選択は、下した直後はしんどいはずだ。でも、何かを諦めても、意外と別の幸せは転がってるんだと思う』
Posted by ブクログ
星3.5
額賀澪は初読みだが、なかなか読ませる人だなあと思った。
ポスドクという言葉は前からよく聞くが、博士を量産して、その後の生活を保証しない文科省には憤りを感じる。
文化を尊重しない国は先進国とは言えないのでは?特に自国の文化を。
Posted by ブクログ
自分のやりたいこと、学びたいことをやって、幸せになる人はどれ程いるのだろうか?
お金よりもやりがい、生きがい、なんて言うけれど、実際に未来に希望がもてないほどに余裕が無くなってしまう人はどれ程いるのだろうか?
どんな状況になっても優しくなりたい。
心には刺さりますが、世知辛いなと感じてしまいます。