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かつては全国大会金賞、マスコミにも頻繁に取り上げられた、名門高校吹奏楽部。
幼馴染の基(もとき)と玲於奈(れおな)は入部したものの、現在の部にかつての
栄光は見る影もない。
そこへ、黄金時代の部長だったレジェンド・瑛太郎がコーチとして戻ってきて、
あろうことか3年生たちを差し置いて、1年の基を部長に指名する。
選抜オーディション、受験との両立。嫉妬とプライド渦巻く部で
孤立する新入生男子の部長は果たして、全国大会開催地・名古屋国際へ
行くことができるのかー―
かつての輝きを懐かしむすべての大人たち、
部活動に青春をささげるすべての中高生の胸に、
リアルな言葉が突き刺さる王道青春エンタメ小説!
人気作を連発する額賀澪が、松本清張賞受賞作『屋上のウインドノーツ』
から10作目に原点である吹奏楽を舞台に挑んだ渾身の大感動エンタメ!
解説・あさのあつこ
※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
心を、熱く爽やかな風が吹き流れて、文字が音符になって弾ける。
本作は高校生と将来を悩む20代フリーターコーチと吹奏楽の物語。
社会人にも通ずるものがある。
全力で仕事をやりぬいた経験がある人間は、強い。
その後も自律的に限界値を超え続けることができる。困難にぶつかったとき、自分が頼れる自分を持っている、という意味も持つ。過去に全力でやったという体験が、今、明日の自分を生かす。生かされるという表現もできる。
主人公は叫ぶ。
「『あのとき違う選択をしていれば』って思うような場所で奏でた音楽なんて、美しくも何ともない」
コーチも悟り、高校生に語る。
「今日という時間がどれだけいいものだったかを決めるのは、明日以降の自分だ」
最高到達点に届いた経験が、また、人を突き動かす。頑張ることに、無駄なことなんて一切無い。
今を攻めて攻めて、攻め続ける。
これからもそういう大人でありたい。
風。
背中を押してくれる、爽やかな風。
彼らはすっと吹き始めて、ざらっと留まり、ふわっと駆け抜けていった。
身体中を何かが巡る。
読み終えてすぐ「感想を書きたい」、そんな感情を残した傑作。
Posted by ブクログ
現実と理想のギャップを実感し悩む人は決して少なくないけれど理想を目指したという事実は自分の人生の財産となるそして音楽の美しさ、文字や表現の細かさ秀麗さを感じた。
追記、音楽は耳でしか感じられないからこそ言語なんてものはなくそこにおいて魂が魂に語りかけると言われているし私もそあって欲しいと思っているが、この本からは音がなり強烈な風が吹き音の圧を感じながら自分の理想を探し続ける高校生の眩しさを感じたそして例えがとても秀逸で美しい演奏を多角的な面から例えて文字なのに実際に演奏が聞こえてくるように感じた。
そして本はつまるところ空想であり想像でしかないがその中の登場人物は確かに私達のように呼吸をし感情を持っているのだ。
だからこそ嫉妬や羨望を当然持ちその気持ちをこの本ではたんすの角に小指ぶつけろやお腹壊しちゃえばいいのにと表現している 私はそこにとても衝撃を受けた。
自分の語彙力全てを総動員させてどれだけ嫉妬しているかを表す手もあるがこの本では感情をありのままぶつけているのでこの本では特に本の中で誰かの人生の一部分を見せてもらったと感じた。
Posted by ブクログ
かつて全日本吹奏楽コンクールで金賞受賞するも、今は県大会も通過できない千学吹奏楽部。
今年入部した基、同級生の堂林、基の幼なじみで先輩の玲於奈、そしてコーチの瑛太郎。
部活と大学受験の両立に悩む部員。
コンクールで全国を目指してただただ部活を頑張るだけでなく、勉強や将来に悩む姿も描かれているところにリアリティを感じました。
部員一人一人の思いをもっと掘り下げて読みたいのはもちろん、瑛太郎の同級生の話しや基の家族の話しもももっと読みたかったなぁ。
だからと言って物足りないというわけではなく。
この世界観がすごく好きだからずっと読んでいたい、そんな一冊でした。
Posted by ブクログ
面白かった。
先を飛ばして読みたくなるくらい面白かった。
舞台は高校の吹奏楽部。
そこの新入部員でいきなり部長に任命された茶園基と彼を部長に指名したOBの不破瑛太郎の二人が主人公。
読み終えて思ったのは、額賀澪さんは青春ストーリーを描かれるのが本当に上手な方だな~と言うことです。
今回もぐいぐいと物語の中に引っ張られて、惹きつけられて、物語の中で充実した時を過ごしました。
彼らが自身の音楽に向き合い悩むところ、確定出来ていない将来から目を逸らしているところ。痛いほど伝わってきました。
また、演奏シーンもとても良かったです。想像するだけでこちらも気分が高ぶりました。
何か一つのことに夢中になれるって危ういところもあるけれど、素敵なことだと思うし羨ましいとも思いました。
きらきらと輝いて眩しくて目を細めたくなる素晴らしい青春物語でした。
Posted by ブクログ
熱い!眩しい!
高校生の青春吹奏楽物語!
部活、オーディション、受験、塾、、
生徒も親も指導者もそれぞれに葛藤がある。
やりたいこととやるべきことの間で揺れ動く高校生の心が手に取るように分かった。
でも、大人になった今だから言えるのは、好きなことにあそこまで時間をかけれるのはあの時代だけ。
えー。また練習かーーってその当時は思っても、
それはほんとうにほんとうに尊い時間だったんだって、大人になってから分かる。
でも、ブラック部活問題もある。生徒の好きなものがやりすぎて嫌いにならないように、好きなものをずっと好きでいられるように指導者には導いてほしい。
学生時代に読みたかったって想いと、大人になった今出会えて良かったって想い。どちらもある
本当に演奏会を聞いたような音が聞こえてくるような読後感。
好きなものを真剣に抱きしめた時間が、人を大きくする。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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