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私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。
打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
――村田沙耶香
小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
――金原ひとみ
文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
――青山七恵
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
Posted by ブクログ 2024年04月24日
間を置くことなく読み終えた。
著者について知らずに読んだが、知った後でこの本との向き合い方は変えずにいたい。
逆に作中では、健常者の特権性に対する怨恨が純度高く描かれるが、そこに萎縮してしまうと、この作品の価値を下げてしまう気がする。
物語中盤、釈華は田中に素性を知られていることを告げられる。そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月16日
ガツンと殴られて、目を開かされた。ウクライナの戦争やパレスチナの虐殺は心配していた。円安や少子化の行方は気にしていた。しかし、障碍者の性のことは気にしていなかった。まして、障碍者の「読書する権利」なんて考えたこともなかった。「愛のテープは違法」事件も安積遊歩のカイロ演説も聞いたことがなかった。そうか...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月17日
読み終えて改めて実感させられた、表現することの自由、思想の自由を噛みしめながら、本書を書き上げた彼女自身の心の内へと思いを馳せてみる。
どんな評価やレビューがあっても、人の数だけ価値観の存在する、この世界、それは仕方ないことだと思うし、私も気にしないが、ここに書かれている内容を知った後で、「あ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月09日
途中途中で顔をしかめて目をつぶってふーーーっと心の落ち着かなさに向き合いながら読み進めた
読んで良かった
ただ辛い。何かが辛い。重度障害者の自虐的な言い様?
“私”が“せむしの怪物”というたびに出ない涙を堪えるような表情になってしまう。
話題になった「読書文化のマチズモ」
「出版界はマチズ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月19日
最初は「あーアサッテとか黒人ミックスのゲイ売春とかと一緒でキワモノ受賞かー。」と思ったけど30ページから急に面白く感じた。
他の方も書いてらっしゃるが93ページはちょうどいい感じ。これより長いと私を含めて読者は耐えられないでしょうね。
乙武氏をして「この人の成し遂げたことは障害者をボロクソに言って...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月17日
健常者として生きてたら知らないこと、障害者として生きているから知っていること。その逆もあって。主人公の釈華との知識や価値観のズレに、障害者と健常者の間のどうしたって崩せない壁を感じて苦しくなる。そして、「本当の息苦しさも知らない癖に」という言葉が刺さる。
健常者であるということで釈華を傷つけるのであ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月01日
露悪的な刺々しい表現をみて、「障害者=清廉潔白」、特に女性についてそのようなイメージが強いのを打ち破る・・・みたいな感想になることを想像していたが、そういうことでもなかったのであった。
作者が当事者であることもあり、ディテールがとにかくしっかりしていて、興味深く感じるところもあった。
シャカという主...続きを読む
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