【感想・ネタバレ】ハンチバックのレビュー

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Posted by ブクログ

とにかくすごい小説、というか文章でした。ここまで生々しい怨嗟を小説から感じたのは初めてだったと思います。

語り手となるのは生まれつき難病を抱え、呼吸器なしでは生存できず、親の遺産とヘルパーさんの介護で生活が成り立っている女性。

大学の通信課程に通い、ネットライターの仕事とSNSでの過激なつぶやきで、かろうじて社会とつながっていた彼女は、ある日ヘルパーの一人にSNSアカウントを知られてしまい……

著者自身が主人公と同じく、先天性の病気のため呼吸器と車椅子を使用する重度障害者です。そのため主人公の日常と、健常者への思いがあまりに生々しい。

自分たちが普通に本を読むこと、学校に行くこと、誰かと会話し、時に友情や愛情を感じること。それらすべてが、ある意味では特権だったのかと思わされる。

主人公は紙の本を恨み、自分の体を恨み、そして絶望や諦めを超越し、ただただ嗤いながら、過激な表現を並べているように思いました。いわゆる弱者男性として描かれ、あらゆるものに裏切られ、最終的にJOKERになってしまう映画『JOKER』のアーサーが個人的に連想される。

『ハンチバック』の主人公の嗤いは、ただの嘲笑や自嘲ではありません。怒りや怨嗟を込めた嗤いです。障害を持って生まれた自分。つまらないネットライティングやSNSをしている自分。そんな自分を存在しないように扱う社会のシステムやあらゆる物質。そして普通に生きられているのに、自分を不幸だと思いこむ健常者。

それらすべてに怒り、絶望し、恨みを通り越して嗤うしかなくなる。この作品の独特の表現、そしてストーリーは、そうした感情の表れだったように感じます。

この小説が芥川賞を獲った後、市川さんの生活も一変したのだろうと思うけど、市川さんはたぶんそれも、どこか冷めた目でみているのだろうと思うし、あらゆる書評や選評も同様に見ているのだと思います。

この文章を読んでいることはまあないだろうけど、もし読まれていたらきっと鼻で嗤われているのだろうな、と感じる。そう考えていても、上記の感想のような分かったふうな口を聞きたがるのは、自分のはた迷惑な性といえば、それだけの話だけど、健常者が持つ特権で、そして暴力性なのかもしれないとも思えてしまう。

この小説が嗤いながら、こちら側の世界に放ったものは何なのだろう、といったことを考えてしまいます。そういったことを健常者である自分が考えている、と書くこと自体が、この小説の主人公からしたら、ただただ嗤う対象なのかもしれないけれど。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

普通に妊娠して中絶したい。という言葉が突き刺さった。勝手に心を抉られてるのも健常者の特権かもしれない。
こんなこと考えもしなかったのは、当たり前に妊娠して出産して子育てする未来を想像できるからなんだとおもう。
自分にない可能性を持った人間が当然の顔をして大量にいる世界で、命のことどう考えるだろう。
次に読みたい本は電子書籍で買いました。。偽善。。。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

間を置くことなく読み終えた。

著者について知らずに読んだが、知った後でこの本との向き合い方は変えずにいたい。
逆に作中では、健常者の特権性に対する怨恨が純度高く描かれるが、そこに萎縮してしまうと、この作品の価値を下げてしまう気がする。

物語中盤、釈華は田中に素性を知られていることを告げられる。その後も攻撃的な態度をとる彼に、釈華は言葉では抵抗しているつもりでも、次々を弱さを見せる場面がある。そして、田中自身も最後まで済ますことなく、また悪人になりきることもできず、離れていく。
そのリアリティが、自分とは遠く離れた世界のようで、自分の生きている世界なのかもしれないと認識させる。

高火力で、沸点ギリギリまで沸かして、それでも溢れない絶妙な火加減で描ききっている。おもしろかった!

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2024年04月24日

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ガツンと殴られて、目を開かされた。ウクライナの戦争やパレスチナの虐殺は心配していた。円安や少子化の行方は気にしていた。しかし、障碍者の性のことは気にしていなかった。まして、障碍者の「読書する権利」なんて考えたこともなかった。「愛のテープは違法」事件も安積遊歩のカイロ演説も聞いたことがなかった。そうか、こんな世界があったのか。世の中、まだまだ知らないことばかりだ。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

鬱々としながらも淡々としていて少し怖い話だった
もしかしたらこのような事が実際にもあるのかもしれないと感じた

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2024年04月14日

購入済み

ルサンチマン、金閣寺

本文の試し読みがなかったのは
すごい始まり方だけで判断しないように
ということだったのではと思った。
聖俗、善悪、ルサンチマン。考えさせられた。
無垢から泥のような性愛まで幅広く、
冷静で平常心な一方、冒険心・無謀さも見える。
紗華とか沙央とか、清楚、無垢な字面の一方、
地獄も天国も、業も悟りも守備範囲とする
大宗教家、大戯曲家を連想させる。
ルッキズム。
金閣寺が焼かれた事件も思い出した。

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2023年08月06日

購入済み

新しい境地の文学だと思った。

自分の身体を憎み、社会を憎み、他者を嫌いながらも他者と交わり人間らしい醜い生き方をしたい…そんな主人公に、障害を持つ読者は皆少なからず共感するのではないだろうか。
近隣流行りの障害学ではまず見た目の違い=悪/醜さではない、というところから入るが、この本、そこに真っ向から切り込んで、現実社会と当事者の真実を突きつけている様に思う。
私は普段この手の本は苦手だが、読まされてしまった。

#深い #ダーク

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

市川沙央「ハンチバック」
障がい者として初めて、芥川賞を受賞した作品。
主人公は、作家と同じ「ミオチュブラー・ミオパチー」という病気で子供の頃から筋力が弱く、湾曲した背骨(せむし=ハンチバック)で右肺は押し潰され、人工呼吸器を使って生きている重度障害をもつ中年女性。もう30年は自分の脚で歩いておらず、電動車椅子を操作する。
富裕な両親の遺産であるグループホームを経営し、そこに住まう。

彼女が不自由な身体で想像することは

〈妊娠と中絶がしてみたい〉 〈私の曲がった身体の中で胎児は上手く育たないだろう〉 〈出産にも耐えられないだろう〉 〈もちろん育児も無理である〉 〈でもたぶん妊娠と中絶までなら普通にできる。生殖機能に問題はないから〉 〈だから妊娠と中絶はしてみたい〉 〈普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢です〉

彼女はある時、産まれて初めて男性の介護人に入浴介助をされる・・・

重度障害者、それも女性の性について考えたことは私にもなかった。社会から目を背けられていることに、当事者としての「私はここに生きているんだ」という声が聴こえるような作品だった。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

「ハンチバック」(市川沙央)を読んだ。
(ハンチバックという言葉の意味さえ知らずに)

軟弱なわたしには当然の如く語るべき言葉もない。

市川沙央さんが紡ぐ物語は鋭い牙を剥く飼いならせない猛獣の如くわたしの臓腑を食い破る。
(あぁ陳腐な比喩だな)

語るべき言葉がないのであればやはり黙っているべきなのだな。

あー驚いた!

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

ここにあるのは怒りとか鬱憤とかそういう負の感情なのに何故もこんなにカラッとしているんだろう

下記一文が印象的だった
せむしの怪物の呟きが真っ直ぐな背骨を持つ人々の呟きよりねじくれないでいられるわけもないのに

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

殴られたかのような読後感。
なんだったんだ。すごいものを読んだ。

刺激的な描写がたくさんあって、これうっかり中学生くらいの子が読んじゃったりしない?とか、要らない心配をした。
扱うテーマも重たい。
そんな重たさを感じさせないシニカルな文章のセンスがとても好きでした。



"私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、――5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。"


紙の本が大好きで、こっそりそんな自分に美学じみたものを感じていた私は、この文章に名指しで刺されたみたいな気持ちになった。
いや、実際怒りをもって刺されている。

文章がとても好きだったし、内容もいやでも記憶に残るような作品だった。
その上で読書のバリアフリーについては、やっぱり考えさせられる。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

思ったより短い小説だった。
読ませる力が強く、ページをめくる手は止まらなかった、久々に。
3日で読み終えた。

主人公の釈華は、作者の市川沙央氏自身だと思った。

市川氏自身の人生が凝縮されているような小説だと感じた。
本の帯に書かれているように「私の身体は生きるために壊れてきた」とあるが、釈華も市川氏も、身体を動かすたびに「壊れる」感覚で、命を削って生きていると感じた。

読みながら考えたのだが、ライフハックを持っている重度障害者は、コタツ記事や、アダルト小説を書きながら生きている人がいるのだろうか。

冒頭の、改行記号があるアダルト小説原稿のシーンが生々しい。
これは実際作っている人間でないと書けない。
そして、市川氏がインタビューで度々言っている「読書バリアフリー」のこともプロットに織り交ぜながら言及している。
重みがある紙の本を読める人々を「健常者優位(マチズモ)」と指摘し、読んでいるわたしもハッとさせられた。

この世は、様々な障害を持って生きている人々がいることを痛感する。
わたしは精神面が極度に薄弱だったり、定型なコミュニケーションができないだけの障害者なので、スムーズに紙の本を読めるわたしは、釈華(市川氏)から見たら「健常者優位(マチズモ)」だろう。

市川沙央という「読書バリアフリー」を主張する小説家が、芥川賞 を受賞したことで「読書バリアフリー」論議は、益々盛んになるだろう。

障害者が、出版文化から排除されないために、「健常者優位(マチズモ)」の横暴に抗するために、思考を止めてはならない、と感じた。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は心が鬱々とする事が多くて頁をめくるのが少し重く感じたのですが、半分からあとはあっと言う間でした。

主人公の名前が釈華(釈迦)であることから仏教かキリスト教といった神様が関連するのかな……と読んでいきました。
旧約聖書が出てきます。
ゴグ(神に反対する勢力)、中絶(神に逆らう行為)
であることから伊沢釈華はゴグの勢力で、生きながら死んでいくこのせむし(ハンチバック)の体で神に逆らう挑戦をしているのだ、と読めました。

最後の章、
釈華は誰かに殺されてしまうこと、
その誰かを殺したのは田中さんではないこと、
誰かの妹が釈華が「誰も見ないだろう、炎上もしないし」と言っているアカウントにたどり着けていること(故に源氏名が「紗花」)

そしてアカウントに辿り着いた『加害者の妹』が釈華の願いを成就させる。
――主なる神は言われる、見よ、これは来る、必ず成就する。これはわたしが言った日である。

『歪み』がテーマだったのでしょう。
読んだ後からとても考えさせられました。
100ページに満たない短いお話でしたが、すごく深いです。

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

最初は「あーアサッテとか黒人ミックスのゲイ売春とかと一緒でキワモノ受賞かー。」と思ったけど30ページから急に面白く感じた。
他の方も書いてらっしゃるが93ページはちょうどいい感じ。これより長いと私を含めて読者は耐えられないでしょうね。

乙武氏をして「この人の成し遂げたことは障害者をボロクソに言ってもいいという対象にしたこと、それこそノーマライゼーションだ」と投稿してる人がいましたが、彼女のこの作品も少しそんな感じが。ご本人にとっては望んでもおらず煩わしいだけの達成だろうけど。

読み終えてから芥川賞受賞時のインタビュー記事も読んだ。なるほど。健常者のみ対象とした出版界と自身の小説を落とし続けた出版社への復讐ね。

93ページ、どれも病気の味がする文章だけれど、難病の金持ちが「オリンピック選手になりたい」とか「鳥になって空を飛びたい」とかではなく、貧しい街でネグレクト気味に育ち、環境に馴染んで碌でもないはすっぱな人生を歩みたい、妊娠して堕胎したいと希望する様は、「悪名は無名に勝る(芥川賞インタビュー)」と語った本人ともぴったり重なるし、無料で自身の裸や性行為動画を世界中に垂れ流しデジタルタトゥーの剣山の山に飛び込む人達が多いことも改めて納得出来た。

モナリザと赤いスプレーの表現はそのまんま素敵。

ちょうどフランスの実験動画がTwitterで流れてきた。「顔真似をしてみて」と大人と子供に指示する。最初は様々な変顔を真似るが知的障害者の女性が現れると大人は真似を止める。子供は続行。障害者をどのように見ているか、偏見の実験。
彼女の怒り。「可哀想に」と言いながら足で社会の外にジリジリと押し出される感覚。そうかと思えば直接関わってくる人間はとてつもない悪意で近づいてくる。本の中では彼女の方から男を金で買ったが、障害者施設での性的暴行は他のケースと同じ。もしくは明るみに出にくい分多いかも知れない。彼女の怒りは五体満足でありながら全てを世界の責任としてただ存在しているだけの健常者、自身の不自由な身体、不幸にも持ち合わせた知性、背骨が曲がったまま生きながらえる寿命にも。

「私なら耐えられない。私なら死を選ぶ。」
そう言われても生きていくことに尊厳があるんだと。
その通り。
作者の意図とはおもいっきりズレるけど、そもそもこの言葉を言う人は自分のことを「健常者」で「平均よりマシ」な人間とでも思ってんでしょうけども。「いや、そんなつもりはない、ただ生き地獄だなと。」まぁそうですね。
例えば私は日本人男性ですが、188センチ白人金髪青目マッチョハーバード金持ちアメフト主将外銀勤務25歳からすれば「死んだ方がマシ」な存在なわけで。ここまで恵まれたアルファメールでなくとも、多くの白人や黒人にとって私は「死んだ方がマシなちんちくりんの黄色いサル」なんですよね。
誰かを見て「死んだ方がマシ」と思ったり発言したりするその傲慢さ。まぁ無くなりはしないけど。
人間は傲慢で出来てるから。あとなんか人間の成分ってありましたっけ?

最後に。ネット世界にどっぷり浸かってる155センチの学歴なし金なし介護職員に「ノンケですから」と発言させる作者の意地悪さがごく自然でいい。彼女にとってはこんなの、「元気?」と挨拶するくらいのものだ。10歳の発症時から致死量の悪意に晒され続けたら、それをエネルギーに変えていかないと生きてけない。チューブワームだって酸素の方がいいかも知んないけど深海には硫化水素しかないなら仕方ないじゃん。的な。

あっという間に読めて集中出来る、いい本でした。え?そんなに高評価なのになんで星が4つなんだって?二回読み返す本じゃないから。

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

健常者として生きてたら知らないこと、障害者として生きているから知っていること。その逆もあって。主人公の釈華との知識や価値観のズレに、障害者と健常者の間のどうしたって崩せない壁を感じて苦しくなる。そして、「本当の息苦しさも知らない癖に」という言葉が刺さる。
健常者であるということで釈華を傷つけるのであれば、どうすればいいんだろうと思う。この物語に、釈華に、救いを与えることはできるんだろうかと、そう思ってしまうことすら。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったの一言で済ませていい小説ではありませんね…
読んでいる間、社会でいないことにされている者からの真っ直ぐな怒りのようなものを突きつけられているようなかんじでした…
恥ずかしながら作中で言及されているような事件についても知らないことが結構あったので、「本好きたちの無知な傲慢さ」と言われても返す言葉がありません。

「産むことはできずとも、堕ろすところまでは追いつきたかった」
書評の中で「暴論」と書いている方もいましたが、わたしはこの考えはよくわかります。
わかりますが、社会的にはこの考えを肯定することはなかなか難しいですよね。
そして結局一歩引いた傍観者に成り下がるほかなくなるのです。
「その憐れみこそが正しい距離感。私はモナ・リザにはなれない。」

物語の終盤で主人公は、下の処理も自分ではできなくなった隣人について、彼女のように生きることにこそ人間の尊厳があると考えます。
その真意は私にはまだ分かりかねますが、安易に自分なら死を選ぶなどと口にするような人間にはなりなくたいですね。

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

露悪的な刺々しい表現をみて、「障害者=清廉潔白」、特に女性についてそのようなイメージが強いのを打ち破る・・・みたいな感想になることを想像していたが、そういうことでもなかったのであった。
作者が当事者であることもあり、ディテールがとにかくしっかりしていて、興味深く感じるところもあった。
シャカという主人公の名前と、蓮の花とその下の泥と命、みたいなメタファーが印象的だった。

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2024年04月01日

Posted by ブクログ

短めな小説でありながら、なかなか衝撃的な作品だった。

あっという間に読み切ったが、一文字一文字作者から削り取られた断片を観るようだった。

なかなか感想を書き切れずに何度も直している。
どう捉えたらいいか、と悩ます所も、問題作として人をひきつける要素なのかもしれない。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

169回(2023年上半期) 芥川賞受賞作

本を読むことも書くことも
どんなに大変な作業なのだろう
その成果物を読ませてもらえたことに
ただただ感謝

当事者だからこその自虐や皮肉
そして超越者としてのブッダ
フィクションとノンフィクションの境がわからない
部分もあり
だからこそ成功してるのだろう

本の世界に多様性が必要だと言うことを教わった

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

圧倒的怒りによる呪詛の様な小説でビックリした。とはいえ、毒々しい言葉の中にユーモアが垣間見える気がして、個人的には嫌いではない。パワーのある書きっぷり。
これ絶対100%ノンフィクションだろ…と思うくらい描写や出てくる人たちの会話と反応がリアルだった。
お前は全ての障がい者がか弱くて無垢な存在だとでも思っているのか?と突きつけられた感じだった。

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2024年05月11日

Posted by ブクログ

自分が身体障害者であり、この世の生きづらさを、
著者の実体験に基づいて語られてる。
いつでも健常者の生活、行動が理解しがたく
羨ましい気持ちをメインに描かれている。
独特なフレーズや単語が多く、理解するのに
手間取った。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

芥川賞の読み心地が好きなので読んでみる。主題は繰り返し書いてあるので何となく分かった。最後の展開を理解するのが難しい、主人公が望んでた人生の話なんかな。全体的に共感し切れなかったことに凄くやるせない気持ち。読んで見て聴いて辛かった、で終わらせられる側の心境を勝手に想像してしまう。私は想像力の欠片もない人間だと改めて思い知らされる。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

没入感が足りなかった

医療用語に限らず、知らないカタカナ、語句が頻繁に出てくるものだからその度に現実に引き戻される、

知ろうとする努力を求められた気がした。
それもきっとこの本の目的のひとつだと思った。

健常者は障がい者のことを知らなさすぎる、知ろうとしない、また、当たり前のように下にみる。

心理描写が偏っていて物語に入りにくい。溶け込めない
怒りと、あとは淫猥な欲望の羅列。

不完全燃焼…分からなかった語句を調べ直して2日目を読みたい

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2024年05月11日

Posted by ブクログ

障がい者の生きづらさの理解や配慮に欠ける健常者への憤りを堪えられない一方で、それでも重なりを渇望しているように感じた。

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2024年04月30日

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装画:title mohohan,year 2020,photo Ina Jang
装幀:大久保明子さん

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

Audibleにて。
難しい物語だった。分からせようという思いも、どうせ分からんだろうという諦めも両方ないから。
素直なようでいて捻くれてもいるようである。どっちだ?
 我と汝との「間」に何も生まれない、生まれさせようとしない物語なのか。だからかほぼ何も感じないし、浮かんでこなかった。作者は読者が通り過ぎることをお望みだろうか?

 まことしやかに謳われる命の尊さというものに対して真っ向から疑問を呈しているのだろうか?
「そちら側の視点だけで命を語れる気になるなよ。恥ずかしくないのか?」と。
だが、恥ずかしくはない。人間なんて所詮はその程度のものだ。

何が正解かは全く持って分からんが現状、泥の中から生まれてきた釈迦の子について、恐らく私は見ないふりをするだろう。そうすると決めたので。

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

 生きれば生きるほど、身体がいびつに壊れていく主人公は、壊れずに残って古びていくことに価値のあるものが嫌いと言う。
 その思いを持ち続けながらも、″使わないうちに壊れていた″(P.81)現実もある。
 何が主人公に生きる術を与えていくのか、と考えた後に引用、抜粋されたエゼキエル書38-39の言葉が続く流れは、希望と読んでいいのだろうか。


ーーー
以下、気になった文だが、感想がうまくまとまらないので引用のみ。
 苛立ちや蔑みというものは、遥か遠く離れたものには向かないものだ。(P.33)

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2024年04月22日

Posted by ブクログ


生きれば生きるほど、背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、一定の姿勢を保持することもままならない…

彼女は30歳、両親が残した終の棲家で、有名私大の通信課程に通いながら、コタツ記事の収入を全額を寄付している。

私の夢は高級娼婦…人並みに子を授かり、堕胎したい…

頭では理解しているが、心が追いついていかない

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

テーマ、物語と重い。私達が普通に生活して普通に過ごしていることは主人公にとっては羨ましい日々なのだろう。いくら財産があっても叶わぬ願いというのはあるのだと痛感した。短い小説だが伏線も貼ってあり、最後のシーンには予想してない結末で驚いた。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

またいつかもう一度読み直してみたい。
仕事柄、接することの多い人たちの心の中をみた感じでとてもリアルすぎた。人はどこまでも空想でき、あるいはそこに救いを求める。

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

生きる為に身体が傷んでいく。作者は自分の中に宿る憤りを処理すべく性表現に走りそれが自分の力になったのか。赤裸々な表現に少し引いたが、この主人公は作者自身だと思う

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

漢字や例えに難解な箇所が多く、
知識が乏しい私には少し読みづらさを感じた。

表現について「読みづらい、慣れないな」と
感じた作品は時々あったけど、
「あれ、読めない」となったのは初めてかも。

表現自体はわりかしすっきり。

とはいえ、本書がすごいエネルギーを抱擁していることは容易にわかる。
健常者が想像に及ばない普段の不便さを糧に
これでもかと突き出してくる。

市川さんにしか、書けない緻密さ。
市川さんしか書けない題材。

障害をもちながら
健全な性欲をもつことは
どれほどの葛藤があるのだろう。

市川さんが次を書くならどんな題材になるのか気になる。

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2024年04月02日

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