蝙蝠か燕か

蝙蝠か燕か

1,599円 (税込)

7pt

2022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。

完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。
北町貫多30歳、地元に残された藤澤清造資料の調査に本腰を入れるため、東京の自室とは別に七尾に部屋を借りる(「廻雪出航」)。貫多31歳、七尾の部屋に清造の書簡を飾るため額装を依頼したが、思ってもいない仕上がりになる(「黄ばんだ手蹟」)。死の前年、53歳の貫多の姿を描く。ここ数年の自身を振り返り、“歿後弟子”の責を全うすべく新たなスタートを誓う(「蝙蝠か燕か」)。

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蝙蝠か燕か のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    晩年の作品のため、以前読んだ『歪んだ忌日』などの答え合わせができて面白かった。
    「元より人を見ての暴行癖(自分より、確実に腕力が弱いと思える相手に対してだけの)が酷かった車劣の質である」と自身で評しているのも、やっぱり自覚はあるんだ?!なぜ?!という驚きがあってよかった。

    0
    2025年10月06日

    Posted by ブクログ

    2022年53歳、逝去。
    まだ若いが、著者らしいと言えば、著者らしい。

    藤澤清造に取り憑かれたように人生を捧げ、その一生を私小説のために生きた。ファン精神などと言えば、氏が墓場で憤怒するだろうか。氏のアイデンティティとして、藤澤清造は生活の一部となり、生き方の模範でもあり、そしてその破滅的な生き様

    0
    2024年12月15日

    Posted by ブクログ

    没後に単行本化されたこともあり、そういうつもりで読んでいると、文章が『芝公園六角堂跡』以前のような荒々しいものではなく、成熟を感じさせられるせいか、表題の『蝙蝠か燕か』を読んでいると、なんだかあの世から生涯を振り返っているように思えてくる。

    0
    2024年11月24日

    Posted by ブクログ

    発売日に買ったものの読まずにしてた。
    これが最後か。
    手元にあってまだ読んでないのが雨滴は続くと、どうで死ぬ身のひと踊り

    0
    2023年08月23日

    Posted by ブクログ

    師たる藤澤清造の全集および書作文庫での復刊へ奔走する西村賢太氏の日々。自身も「何故それ迄に」と疑念を持つ程の執着。
    ですが作中の「だが彼我も、当人には当人なりの事情と目的があって、互いにそれを自信をもって行なっているのだ。」と言う氏としては珍しい他者共感の一文が一ファンとしても面映ゆかった。

    0
    2023年07月29日

    Posted by ブクログ

    なぜか読みたくなる、そして読めてしまう西村賢太さん。
    藤澤清造さんの「殉後弟子」としての短編集や全集出版に奔走する著者を書いた私小説でした。
    著者の破天荒なプライベートを書いた私小説とは違い、コアな層以外にはとっつきにくい内容です。
    好きですけどね。派手さは無い。やっぱり、他の作品も読んでいる読者か

    0
    2023年06月29日

    Posted by ブクログ

    完成した小説で言えばラストということで、不思議と死を匂わせたところも有り、読んでいてなんとも言えない気分となった。
    出されてしまった小説感は否めず、個人的な評価は凡作という判断ではあるが、独特の作風で、読み手を不思議と惹きつける類稀なる作家さんの新作をもう読めないというのは、矢張り悲しい限り。
    西村

    0
    2023年04月13日

    Posted by ブクログ

    2023.04.05
    私は純文学、私小説の類はほとんど読まない。ところが筆者の本はちょくちょく読む。こんな破滅型の人生を送り、50代であっさりと急逝されたことは彼には相応しいと思う。

    0
    2023年04月06日

    Posted by ブクログ

    2022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。
    完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。

    三次文庫の件など、厳しい出版事情がうかがえる部分があり、興味深く読んだ。
    これが最後

    0
    2023年03月19日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    逝去からちょうど一年後に発売された本。P148(まあ、あれだ。人それぞれってことだよな……)がとても良かった。著者は孤独の中で自分の支えを見つけ、人生を捧げている人だからこそ、そこに関わる他人の所作には非常に厳しい。皆同じ価値観ではないのに……。「これしかない!」と人生を棒に振り、お金も人間関係も自

    0
    2023年05月11日

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