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Posted by ブクログ
いやはや、凄かった!
674ページ!夢中で読みました。
ギリギリの世界を生きる若者たちの息苦しさと、容赦ない描写と、しばしば危うさを感じ、苦しみも伴いました。(普通にずっと出てくる沖縄の島の方言、正確には分からないまま読んでいたけど、雰囲気で分かるの)
記憶喪失…って、昔はよくマンガで読んだ気がする。自分が何者なのかさっぱりわからないって、よく考えたら(考えずとも)物凄く恐ろしく怖いことだ。しかも、自分が何者か教えてくれる人が周りに皆無なのだ。何も持たず何も分からず、ただただ生きることだけを考える前半と、あることから記憶が蘇ってくる後半。上手い!
貧困、格差、ニート、請負労働者、バックパッカー、様々な状況の迫力ある展開に圧倒されながら…それでも、それでも、後半に感じていたのは、「不幸の状況がたとえ同じであっても、やはり、本人がそれをどう捉え、どう考え、どう動くか、ということで分かれ道が出来るのではないか?」ということ。主人公と妹の対比が象徴的だ。
しかし、こういう作品を読むと、そんな考えすら、屋根のあるところで住んでいる私だから言えるのだろうか?と思ってしまうほど、辛かった。
この作品、以前から気になりつつ、文庫になったので、おっ!と即買いしました。私にとって、桐野さんは信用度が高い作家さんなので、心配はせずガッツリ読み進め、やっぱり私は桐野さんが好きだ〜と思うのでした。キツイところは沢山あるけれど、桐野さん独特の凄みが、いつも読み応えを感じさせます。平和だと思ってる世界には様々な不幸が溢れているのだと、深く感じたのでした。
印象に残ったところ少し。
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細胞は生まれ変わる。夕方の僕は、朝の僕ではない。
結局、相手にコケにされているとわかっていても、得られない心が欲しくてあがくのが、恋さいが。
僕の負の感情は、この日から一気に、大きな悔いとなって僕を苦しめた。でもそれはやはり憎しみと裏表だった。
作業が辛くて仕方がないのに、何とかノルマを果たすべく頑張る、律儀な僕。作業が好きなのに、ノルマを果たせず、皆の手を煩わせる、怠け者の原口。
人生には、取り返しのつかない日や、その日を境にしてすべてが変わる日、というのが存在する。
愛情は変質する。人は死んでいく。空も海も毎日違い、この世に絶対変わらないものなんてない。
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解説の中でも印象深かった言葉を一つ。
『自己責任というものは存在する。それは、誰かの不幸を他の誰かが代わってあげることはできない、ということだ』
Posted by ブクログ
大好きな桐野夏生さん。
やっぱり面白い。
貧困、孤独、格差
重い‥重すぎる‥なのになんでこんなに
惹きつけられるんだろう。
記憶を失った主人公のギンジと
故郷の宮古島を捨てた昭光が
安住の地を求めて放浪する。
二人の関係は友情?とは言えないものだけど
孤独で極限の状態にいる二人にしかわからない
心の繋がりがあるのだろうな。
主人公の家族が崩壊していくシーンは
辛かった。
例え家族であろうと、人との繋がりは
努力して維持していくものなんだと感じた。
ラストは切なかった。
逃げても逃げても明るい未来なんてないのかもしれない。
解説にある
安っぽい同情など愛ではない、自己責任
誰かの不幸を他の誰かが代わってあげることは
できない
厳しいけどこの言葉が刺さる。
自分が若い頃に読んだら
どう感じたのかな。
Posted by ブクログ
舞台が沖縄の小説といえば原田マハさんの小説!
そして、どちらかというと沖縄の人達の人柄や陽気さに惹かれて読後感も何となくナンクルナイサーな気分が味わえる。
しかし、本作も舞台は沖縄ではあるが非常にネットリというか、じっとりというか、まるで熱帯雨林の湿度と森の中の土の匂いが漂ってくるような小説でした。
2000年代初頭から団塊の世代がドロップアウトした平成の後期まで、労働者や働きたい若者にとって非常に不遇の時代であった事は間違いない!
低賃金、ブラック労働、失業と倒産の恐怖の中で家族やマイホームを持たなければいけないという周囲の圧力に負けない強さが逞しさが、この時代の生きるという事なのではないか?と考えさせられました!
主人公は記憶喪失の状態で沖縄のジャングルの中で気がつく!?
気が付いて一番最初に出会った男、昭光から『ギンジ』と命名され、無一文の何も持たない状態からギンジの人生はスタートする!
桐野夏生さんの事だからギンジと昭光に甘いような展開は無いんだろうなぁという気持ちの中で読み進んでいくと・・・
章が変わった時に結構衝撃を受けました!
600ページオーバーの超大作ですが、第二章まで進めば一気読み必至です!!!
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