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妻の貌を、男たちは知らない。
男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北!
夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた
表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。
「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」
「いるよ。男でも親友になれるよ」
「それはそうだろうけれど。困ったな」
(「もっと悪い妻」より)
ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩む
バンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。
妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る
壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、
男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。
西加奈子さん(作家)推薦
不幸な「悪い妻」は許されるが、
満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。
「妻」という呪いと、
「妻」を理想化する社会へのしたたかなカウンター。
Posted by ブクログ 2023年10月15日
悪い妻
「子供が生まれてからは、文字通り戦争のような日々を送っているのに、評判だけは反比例してさがってゆく」子育てを経験して、このことがとてもよくわかる気がした。旦那の仲間から悪く言われ、「悪い妻」に仕立てあげられてしまっていて、気の毒。最後が、中途半端な気がしたのが残念。続きがあればいいのにと思っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月07日
個人的趣向が合うのか、現代にざっくり包丁を入れる桐野さんの計算が至高なのか、一気読みした。
面白い?いやいや、残酷、乾いている、現代「昭和から平成、して令和への変遷」の空気を計算しつくしている文体。
無駄がなく、だれること皆無。
6編の夫婦、取り巻く男女の友達、同僚は個人的に「悪い」とはとは思えな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月23日
6編の掌編からなる一冊だ。
私はこの物語を読み進むにつれ、寸劇の舞台を観ているような感覚に陥った。
男と女、ここでは夫婦が主に取り上げられているのだが、主人公の視点から生活の一コマを活写し、単純・明快に描かれている。
この一編一編には、物語としての明確な終止符は打たれずに、読者にその後を想像させる仕...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月26日
タイトルと装丁(これも大久保明子さん)、決して楽しい話ではないという雰囲気に圧倒される。
残忍な場面があるわけでもないのに、一筋縄ではいかないクセのある登場人物たちにゾワッ。でも心当たりあるよなと気づくと、自分の内面をさらけ出されたようでゾッとする。
短編集で、行間も間として計算されているので一...続きを読む
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