文春文庫作品一覧

  • 武士道セブンティーン
    4.4
    「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。対照的な剣道をする相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家庭の事情で福岡の剣道強豪校に転入。そこでの指導方法は、いままで学んだ剣道とはまったく違う、スポーツを極める剣道だった。一方香織は、母校の女子剣道部で後輩の育成に精を出し、狭かった自分の世界をひろげてゆく。互いを思いつつも、すれ違う17歳。ふたりは、目指す剣道に辿り着けるか──思わず剣道が好きになってしまう青春小説、第2弾!
  • 武士の流儀(一)
    4.0
    1~12巻740~880円 (税込)
    元与力が剣と人情で活躍する新シリーズ誕生! 元は風烈廻りの与力で、理由あって隠居生活に入った清兵衛。若い侍が斬られる現場に出くわし、遺された友の手助けに乗り出すが……。
  • ブス愚痴録
    3.4
    長身、ハンサムでスポーツマンの赤木は、社内きってのプレイボーイとして有名だったが、このたび結婚。披露宴に招かれた赤木の上司・吉見は、花嫁の顔をみて絶句してしまう。花嫁はなんと、大女のデブで激ブス!(……こんなハズはない)驚きのあまり披露宴会場は静まりかえった──(「ブス愚痴録」)。小心控えめだった妻が勤めはじめるや、みるみる積極的になり、とまどう夫。丁寧すぎる人妻事務員にしびれる新入社員。男女の仲の不思議さを描く傑作短篇集。
  • 豚の報い
    3.6
    生命力あふれ、ひたむきでどこかユーモラスな三人の女性の、沖縄式生き方のすごさ!選考委員の圧倒的支持を得た芥川賞受賞作! 突如スナックに闖入してきた豚の厄を払うため正吉と三人の女は島に向かった。芥川賞受賞の表題作と「背中の夾竹桃」を収録する。 解説:崔洋一
  • 仏教シネマ
    3.0
    映画にはなぜ、お葬式のシーンが多いのか? 気鋭の宗教学者・釈徹宗師の問いから始まった対談。お相手は日本で一番若者が集まるお寺・應典院住職にして、かつては映画プロデューサーだった秋田光彦師。2人の“怪僧”が映画の中の生老病死、そして葬儀を手がかりに、人生の苦しみといかに向き合うかを説きます。とりあげる映画は『秋日和』から『永遠と一日』まで、全110本。読めば必ず観たくなる!
  • ブック・ジャングル
    3.3
    逃げろ!! 凶暴ヘリから。獰猛な殺意から。閉鎖された市立図書館が戦場と化した――。 沖野国明は昆虫学のフィールドワークからの帰国後、思い出の場所、市立図書館が閉鎖されたことを知る。見納めのため友人と深夜の図書館に忍び込み、高校を卒業したての女子三人組に出会う。そして彼ら不法侵入者達にとって予期せぬ苛酷な一夜が幕を開けた――。姿を見せぬ襲撃者の目的は何なのか? 閉鎖状況に追い込まれた人間達の心理を描いて秀逸な書き手が、“真夜中の図書館”という閉鎖空間に挑戦。恐怖と緊迫感が炸裂する強力長編!
  • 武道館
    3.9
    【正しい選択】なんて、この世にない。 「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に“自分の頭で”選んだ道とは――。 様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。 視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。 解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。 結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。 独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、 さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。 しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。 そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。 「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」 「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」 恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業…… この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、 アイドルという存在から発生したものも多い。 新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。 現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。
  • 葡萄と郷愁
    3.6
    1巻481円 (税込)
    1985年10月17日、同じ日の同じ時刻の東京とブダペスト。見えない絆で結ばれた二人の大学生、沢木純子とホルヴァート・アーギ。人生の岐路に立つ二人は、せまりくる決断の時に、どのような選択をするのだろう……。愛とは? 本当のしあわせとは? 幸福への願いに揺れる、若い女性の“生と性”をあたたかく見つめる名篇。
  • 武の心
    4.0
    剣豪小説の第一人者にして剣道・抜刀術の高段者である著者が、古武道の真髄に迫る! 古来より伝わる六つの流派に取材した出色の対談集。 徒らに勝敗にこだわる昨今の武道は技法に浮薄のそしりを免れないのではないか。 剣道三段、抜刀術五段を誇る剣豪小説の雄が、現代に息づく古来の「武」の精神を辿る。 柳生新陰流、香取神道流、馬庭念流、竹内流、柳生心眼流、諸賞流の六流派の訪問記と、二木謙一、秋山駿、安西水丸、勝新太郎との対談、薩南示現流や豊臣秀吉などについて書かれたエッセイを収録。 豪華な随筆・対談集。
  • ブラック・ダリア
    4.1
    1947年1月15日、ロス市内の空地で若い女性の惨殺死体が発見された。スターの座に憧れて都会に引き寄せられた女性を待つ、ひとつの回答だった。漆黒の髪にいつも黒ずくめのドレス、だれもが知っていて、だれも知らない女。いつしか事件は<ブラック・ダリア>事件と呼ばれるようになった――<暗黒のLA4部作>の第1作。
  • Black Box
    4.4
    社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記 「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ぶらり日本史散策
    4.0
    山本五十六の恋文を読んでみたら……歴史探偵・半藤さんが見つけた楽しい歴史の場面60! 新発見・山本五十六の恋文から聖徳太子、坂本龍馬まで登場。日本史の一場面を訪ねて、知的な驚きと半藤さんならではのユーモアたっぷりに解説した、歴史こぼれ話集。一日一話、気になるタイトルから気楽に知識を得られる1冊です。
  • ブルーインパルス 大空を駆けるサムライたち
    4.3
    昭和39年、東京オリンピックで大空に五輪マークを描いてデビューした航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルス。26年ごしの取材に基づき、彼らの栄光と苦悩の歴史を余さず描く。命名にまつわる原爆との因縁、7万人が目撃した浜松基地航空祭墜落事故の秘められた核心――。限界を超えるアクロバットに命をかけた男たちの全軌跡!
  • ブルース
    3.8
    霧たちこめる釧路で生まれ、貧しく苛烈な少年時代を経て、男は、自らの過剰な指を切り落として、夜の支配者へとのし上がる──。 男の名は、影山博人。 最初の物語は、没落した社長夫人が、かつて焦がれた6本指の少年の訃報を新聞に見つけるところから始まる。 同衾した女をみな翻弄し、不意に姿を消してしまう正体不明の男であり、故郷に戻った後、暴力で容赦なく人を支配する黒い権力者。 不思議な魅力あふれる影山の、15歳、19歳、27歳、32歳、そして、40手前から52歳までの8つの時期を、時々に出会った女による語りで構成。 ――はたして、影山博人は、外道を生きる孤独な男なのか? それとも、女たちの「夢」の男なのか? 影山と関係するそれぞれの女たちは皆何かしら困窮している。死別で、離婚で、借金で……誰かや何かにすり減らされてひりひりと痛むような乾いた心を持っている。(中略)そこにある程度の「まっとう」を手に入れ、今もなお貪欲に模索している影山が現れる。ひかれない訳がない。(中略)もしかすると、影山の指が六本なのは、より多くの困窮にあえぐ者にチャンスを与えるために余分に備わったのではないかとすら思う。 (壇蜜・解説より) デビュー10周年の著者による、新境地にして、釧路ノワールの傑作! 「謎」の男をめぐる、八人の女たちの物語。 ──俺には、白と黒しか要らないんだ
  • ブルースカイ
    3.6
    これは、少女という生物〈クリーチャー〉についての物語 中世ドイツ、近未来のシンガポール、そして現代日本。3つの世界を行き来する少女の正体とは? 桜庭一樹の初期傑作長篇 1627年、魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツ・レンスで10歳の少女マリーは、〈アンチ・キリスト〉と遭遇する。 2022年、近未来のシンガポールで、青年のディッキーは、かつて絶滅したはずの〈少女〉という生物(クリーチャー)と出会う。 そして、2007年、鹿児島。私は、青い空の下にいた――。 三つの空を見た、ある少女にまつわる物語。 解説・佐々木敦
  • ブルースRed
    4.0
    誰にも負けなかった釧路の女が、最後に守りたかったもの 釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、ある青年を代議士にしようとしていた。人を裏切り、裏切られてきた女が最後に見た景色とは。 父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。亡父である博人の血をひく青年を自らの後継者とするため、代議士への道を歩ませようとする。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとなるはずの青年も……。裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。解説・宇垣美里 ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ブルータワー
    3.8
    死を宣告された男に残されたのは、夢見る力 悪性の脳腫瘍で死を宣告された男の意識が、 突然200年後にタイムスリップする。 そこは黄魔という死亡率87%のウイルスが猛威を振るう、 外に出ることは死を意味する世界。 人類は「塔」の中で完全な階級社会を形成して暮らしていた。 その絶望的な世界に希望を見出すため、男は闘いを決意する! 長編SFファンタジー。 解説・香山二三郎
  • ブルーネス
    4.4
    1巻1,001円 (税込)
    〈津波監視システム〉は実現できるのか? はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ! 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。 東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。 海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。 研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ! 解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています
  • (ぶんこ版)糸井重里の萬流コピー塾
    3.0
    セン柳より面白いからマン流なのだ。ワイセツなことを考えてはいけない。広告は世界を変えたが、萬流は広告を変えた。IT革命や南北会談には残念ながら及ばなかったが、ギョーカイの技術革新、男女摩擦については大いなる洞察を見せたのである。これはまさに、来るべき新世紀にむけての一大セイシン運動と評すべきであろう。バブル黎明期の日本に突如あらわれた天才コピーライターが一般応募の秀作を格付け。予想を超える鬼才たちが集まり、一行メッセージにしのぎを削る。
  • 文豪お墓まいり記
    3.7
    終戦前夜の岡山で谷崎潤一郎は牛肉を手に入れ、敬愛する永井荷風を精一杯にもてなした。 森鴎外に憧れていた太宰治の墓は、鴎外の斜め向かいに建てられた。 生涯独身だった深沢七郎は、自分の葬式用に、自らお経をテープに吹き込んだ。 中島敦に太宰治、澁澤龍彦、幸田文、夏目漱石、そして深沢七郎まで。 現代の人気が、26人の昔の作家に会いに行く。親しい人と一緒に、時には一人で。 電車に乗り、最寄り駅で降りて花を買い、ついでに食事処でお腹を満たし、 そしてお墓の前へ。墓の中の人と存分に語り合えば、自分の生き方も見えてくる―― 楽しく豊かな墓参り案内&文豪人生ガイド!  (文庫あとがき「世界の文豪お墓まいり記」収録) ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 文豪、社長になる
    4.2
    名プロデューサー・菊池寛 大ベストセラー作家にして、稀代のプロデューサーだった男は いかにして時代を読み、大衆に愛されたのか? 芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、 菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。 読者が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。 天才を見抜く天才で、芥川賞・直木賞の「父」でもある菊池寛。 「通俗者」と馬鹿にされても『真珠夫人』など徹底したエンターテイメント作品を書き続け、お茶の間を明るくすることを願った。 生涯を懸けて「文学」を娯楽にかえ、映画に携わり、 エポックメイキングな仕事をし続けた男の生涯と、 戦中戦後を生きた数々の「文豪」や出版人の奮闘に涙する感動作。 解説=秋元康 単行本 2023年3月 文藝春秋刊 文庫版 2025年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 文・堺雅人
    4.1
    1~2巻712~1,152円 (税込)
    俳優、堺雅人が「演じる」ときに考えること――。作家の宮尾登美子氏、長嶋有氏との対談、蔵出しインタビュー&写真も収録した初エッセイ集! 堺雅人は鞄に原稿を書くための道具を入れて、持ち歩いている。撮影の合間に楽屋で、休みの日に喫茶店で、「演じる」ことについて考え、文章にするのだ。そうして生まれた54作の本格エッセイに加え、過去の対談やインタビュー、写真を掘り起こして収録。役者の思考や日常が垣間見える一冊。出演作品リスト付き。
  • 文春ジブリ文庫 シネマコミックEX 太陽の王子 ホルスの大冒険
    -
    伝説のアニメのシネマ・コミック 高畑勲初監督作品。宮崎駿が初めて本格的に製作に携わった長篇。少年ホルスと悪魔の戦いを描く。全シーン・全セリフを一冊に収録。
  • 文福茶釜
    3.6
    古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。入札目録の図版のさしかえ、水墨画を薄く剥いで二枚にする相剥本、ブロンズ彫像の分割線のチェック――。はたして「茶釜」に狸の足は生えるのか? あらゆる手段を用いて贋作づくりに励む男たちをリアルに描いた連作集にして、古美術ミステリーの傑作選!
  • ブータン、世界でいちばん幸せな女の子
    4.3
    忘れられていた彼女は、誰よりも明るい大人になっていた 年齢や環境で、距離が変わるから面白い。 そんな“女友だち”の物語を書きました。――阿川佐和子 いつの頃からか、私は生涯の友というものを望まなくなった。女はいっときの悩みを共有できるともだちがいればじゅうぶんなのだ……。 四十を過ぎて、そんなことを思っていた頃、伯父の介護に通っていた病院で、「覚えてない? この顔」と、嬉しそうに駆け寄ってきた女性がいた。 彼女の名前は、丹野朋子さん。中学の同級生で、昔は存在感ゼロだった。太っていて、「ブータン」と呼ばれていた。 アラフォーになって再会した彼女は、ブータンという国に暮らしている人びとのように、世界一幸せ度の高い人間になるというのが、人生の目標になっていた。そして彼女は、夢を実現しているらしい。 ブータンに強引に連れられて、私は生まれて初めてカラオケボックスに行った。深呼吸するように、自分の思いを吐き出していた……。(第1話「ブータンの歌」より) 不思議な存在感のある「ブータン」をめぐって、さまざまな女性たちの人生が交錯する。 せつなさに胸が熱くなる、女友だちの物語。 文庫解説:中江有里 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • プラナリア
    3.9
    「何もかもが面倒くさかった。生きていること自体が面倒くさかったが、自分で死ぬのも面倒くさかった。だったら、もう病院なんか行かずに、がん再発で死ねばいいんじゃないかなとも思うが、正直言ってそれが一番恐かった。矛盾している。私は矛盾している自分に疲れ果てた。」(本文より)乳ガンの手術以来、25歳の春香は、周囲に気遣われても、ひたすらかったるい自分を持て余し……〈働かないこと〉をめぐる珠玉の5短篇。絶大な支持を得る山本文緒の、直木賞受賞作!
  • プリンセス・トヨトミ
    3.5
    このことは誰も知らない──四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京からやって来た会計検査院の調査官三人と、大阪下町の空堀(からほり)商店街で生まれ育った少年少女だった。秘密の扉がついに開くとき、大阪が全停止する!? それは五月末日の木曜日、午後四時のことであった。『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』で知られる奇想天外な万城目ワールドの、これぞ真骨頂。映画化原作。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も収録。
  • プリンセス刑事
    3.2
    1~3巻719~800円 (税込)
    化学ミステリー「化学探偵 Mr.キュリー」シリーズで人気を博す著者が文春文庫に初登場! 美少女プリンセス×刑事ミステリー! 女王が国を統べる日本というパラレルワールドを舞台に、王位継承権を持つお姫様が刑事となって大活躍! 彼女を支える若手刑事とのバディものとしても楽しめる、とびきりキュートなミステリー。 憧れの刑事になった青年・芦原直人。 同じ課に配属された新人刑事は、なんと王女様!? 美しく気高いプリンセス刑事・白桜院日奈子だった。 直人は、あまりにも立場の違う王女とのコンビに戸惑いながらも、共通の話題を見つけ、また彼女の刑事という職業への真摯な思いに触発され、自らも変わっていく。 ふたりが挑むのは、凶悪な連続殺人犯ヴァンパイア。 ふたりは、さまざまな試練を乗り越え、事件を解決することができるのか――!? ふたりの“バディ”をとりまく、個性豊かな身辺警護役の刑事や、妹思いが過ぎる兄王子、などなど濃いキャラクターにも要注目です!
  • プルミン
    3.5
    公園で、乳酸飲料・プルミンを配っていた正体不明のプルミンレディー。飲んだ子供の一人が自宅で血を吐き、間もなく死亡した。亡くなった雅彦は、小学一年生ながら悪質なイジメで同級生達を支配していたボス。その母親も、実は周囲とトラブルがあり、母子ともに周囲の反感を買っていた。犯人の狙いは雅彦への復讐なのか? 子供たちを狙った無差別殺人? やがて第二・第三の殺人事件が起き…。真相は、見慣れた風景のどこに隠れているのかわからない。傑作ミステリー。
  • プルースト効果の実験と結果
    4.1
    思春期の苦くて甘い心情を、 鮮やかでポップに描き出す佐々木愛のデビュー作! はじめてのことをするたび、彼を思い出す。 痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。 プルースト効果という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの男子「小川さん」だった。 「はじめてのキスは想像もつかないところでしよう」小川さんはそう言ったはずなのに…… 表題作「プルースト効果の実験と結果」の他、オール讀物新人賞受賞作の「ひどい句点」、 「春は未完」「楽譜が読めない」の四篇を収録。 狂おしく瑞々しい10代の心情を鮮やかに描き出す、珠玉の恋愛小説集! ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ぷろぼの 人材開発課長代理 大岡の憂鬱
    3.8
    1巻850円 (税込)
    変態リストラ部長にこの世の地獄を! 会社を食い物にする極悪人に、ボランティア仕置き人が鉄槌を下す痛快エンターテインメント。 業界大手のパシフィック電器は、人事部労務担当部長の江間を中心に大規模なリストラを進行中。江間の極悪な追い込みに、ついに自殺者が出てしまう。 クビ切りを押しつけられた課長代理の大岡は耐えかねて、三国が代表を務めるNPOで、「プロボノ」として社会貢献活動をすることに救いを求める。 江間の悪辣な行状を知った三国は義憤にかられ、江間を「嵌める」べくハニートラップを仕掛けた。しかしこれは、三国が仕掛けた罠の序章にすぎなかった……。 「ぷろぼの」とは、「公共の利益のために(pro bono publico プロボノ プーブリコ)」という意味のラテン語。 解説・村上貴史 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • プロムナード
    3.0
    人気作家・道尾秀介のヒミツが明らかに? 作家になるまでの道程、偏愛する映画や本のこと、昔好きだった女の子の話……デビューから6年の歳月をかけ、独自の視点で日常を切り取り、丁寧な言葉で書き綴った新感覚エッセイ集
  • プロメテウスの涙
    3.5
    神様、私を助けてください──原因不明の異常なトランス状態に襲われる少女・あや香。精神科医の涼子は、アメリカで医師として活躍する親友・祐美を頼りに、あや香の治療に挑み始める。一方の祐美は、2度にわたり死刑が執行されたが死に切れず、医療刑務所で全身を癌に冒されながら生き続ける不死身の死刑囚と向き合ううち、あや香と死刑囚とを結ぶ驚くべきつながりに辿り着く……。奇妙な患者たちに秘められたものとは? 衝撃のノンストップサスペンスホラー小説登場!
  • プロ野球死亡遊戯
    4.3
    糸井重里さんも絶賛。「おもしろいから読め。評論家よりOBより俺たちの声。」 今最もホットなモンスターブロガーによる痛快野球エッセイ! 誰が言ったか、プロ野球人気の凋落。 たしかに、地上波のテレビ局もバックレた。 時の流れは残酷だ。 俺たちのプロ野球、終わっちゃったのかなあ……。 バカヤローまだ始まっちゃいねえよ。 プロ野球は永久に終わらない連続ドラマだ。 ブログを始めた当初は化粧品会社デザイナーで野球界に何のコネもない素人。 それが人気ブロガーとなり、野球コラム企画で日本一に。 糸井重里×入江眞子×中溝康隆の座談会と、えのきどいちろうの解説も収録。 <目次から> 【読売ゴジラ遊戯】限りなく透明に近い「巨人軍・松井監督プラン」 【読売監督遊戯】高橋由伸「困った時のヨシノブさん」 【読売劇画遊戯】江川卓vs西本聖「いつも、お前が憎かった」 【読売移籍遊戯】今、山口俊にこれだけは伝えたいこと 【神宮狂乱遊戯】バレンティン新記録!「王貞治の55本塁打が過去になった日」 【天才渡米遊戯】大谷翔平「僕らが二刀流を支持する理由」 【読売絶対遊戯】古すぎて新しい男・菅野智之は過去の大エースを超えていく 【最優秀死亡遊戯】村田修一「超芸術的ゲッツーを打つ男」 【広島天才遊戯】巨人ファンが広島ファンに嫉妬した夜 【プロ野球未来遊戯】あの夜、横浜スタジアムで筒香嘉智のホームランを見た少年へ
  • プロレス少女伝説
    4.3
    1980年代の女子プロレス。華やかにリングに上がる選手たちと、熱狂する少女たちの怒涛の歓声。あれはいったい何だったのか? 柔道から女子プロレスに転向した一匹狼の神取しのぶ。中国帰国子女で、日本語がわからずに毎日見ていたテレビで女子プロレスに出会った天田麗文。日本の女子プロレスに“就職”したアメリカ人、デブラ・ミシェリー。異質な3人を通して、独自の女子プロレス文化を生みだした日本社会をふかく見つめる、第22回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
  • プロローグ
    3.9
    わたしは次第に存在していく 知的で壮大にたくらみに満ちた著者初の「私小説」 小説の書き手である「わたし」は物語を書き始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。しかしプログラムのバグというべき異常事態が起こり……。文学と言語とプログラミング、登場人物と話者が交叉する、著者初の「私小説」にして、SFと文学の可能性に挑んだ意欲作。 解説・佐々木敦
  • 平家物語の女性たち
    3.7
    平清盛ら源平の武者たちの華麗な戦さ、滅びゆくものの光芒を描いた『平家物語』。その舞台裏でひっそりと、しかし確かに生きた女性たち――清盛の気まぐれに翻弄される白拍子、天皇に愛されたばかりに宮廷を追われた小督局(こごうのつぼね)、戦場に青春を燃やした巴御前、幼い安徳帝を抱いて入水した平時子ら、十余人のヒロインに光をあてる。史実と創作の境界を探り小説家ならではの視点で解釈した、古典『平家物語』がぐっと身近になる一冊。
  • 平時の指揮官 有事の指揮官 あなたは部下に見られている
    4.1
    ビジネスマン諸氏、たとえひとりでも部下を持つのならば本書は精神、実用の両面から特効薬となるであろう。質のたかい組織がもつ普遍の法則がここにある。政治家も官僚も経営者も、誰ひとりとして結果の責任をとらず、問題を先送りしつづけてきた姿が世紀末ニッポンのありようだ。人が組織を管理運営するということは如何なることなのか、そして部下を持つということは……。『海軍次室士官心得』『部下から見た監督者論』をもとに、危機管理問題の第一人者が語る管理職の心構えとは。
  • 平成海防論 膨張する中国に直面する日本
    3.7
    経済大国となった中国は、海上にも膨張を続けている。日本の対応は万全なのか。いま、何をなすべきか――? 日本が世界有数の海洋国家であるという事実を、私たちは普段あまり意識していません。が、わが国を囲む海上では尖閣諸島をはじめ、日々パワーゲームが繰り広げられています。もっとも信頼される中国ウォッチャーである富坂聰さんが、その深層を取材。防空識別圏を宣言したり、海警局を設置したりするなど、海への膨張の欲望を高める中国に、日本はいかに対処すべきなのか。日本人必読の書!
  • 平成くん、さようなら
    3.9
    社会学者・古市憲寿、初小説。 安楽死が合法化された現代日本のパラレルワールドを舞台に、平成という時代と、いまを生きることの意味を問い直す、意欲作! 平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられ、現代的な生活を送る「平成くん」は合理的でクール、性的な接触を好まない。だがある日突然、平成の終わりと共に安楽死をしたいと恋人の愛に告げる。 愛はそれを受け入れられないまま、二人は日常の営みを通して、いまの時代に生きていること、死ぬことの意味を問い直していく。 なぜ平成くんは死にたいと思ったのか。そして、時代の終わりと共に、平成くんが出した答えとは――。 『絶望の国の幸福な若者たち』『保育園義務教育化』などで若者の視点から現代日本について考えてきた著者が、軽やかに、鋭く「平成」を抉る! ※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 塀の中の懲りない面々
    -
    1~2巻440円 (税込)
    お役所専門に狙う大泥棒、堂々と脱獄した赤軍派兵士、短歌を詠むだけが楽しみの殺人犯、手形、借用証等ヨロズ消化する紙食い男、腕前は日本一を誇るニセ外科医等々、刑務所を出てはまた戻ってくる「懲りない面々」たち。そんな犯罪のプロフェッショナルばかりが集められている府中刑務所を、これまた中学生で安藤組入りしたベテランが案内する。本物の悪党たちを、人間への限りない好奇心と巧みな観察眼で描いた著者のミリオンセラー、ついに電子書籍化。
  • 屁タレどもよ!
    3.0
    私達は「悪口」が大好きな生き物だ。自分の短所を高い棚に上げ、他人をコキおろしているときの昂揚感といったら……。カフェやホモバーで大好物の悪口を言いまくっていた女王様が、愛と毒にまみれた著名人の悪口を、愉快痛快なエッセイに。和田アキ子、広末涼子、田村亮子、中村江里子、今井美樹、久本雅美ほか著名人42人を力いっぱいメッタ斬り。過激さゆえにお蔵入りの危機にあった本書だが、潔い文章で民草のメラメラ嫉妬をさっぱりと流しさる、溜飲のさがる1冊。
  • へび女房
    3.0
    まさかこんな行く末が待っていようとは。明治維新でふぬけになった元旗本の亭主を見限り、自らテキ屋の世界に飛び込んだ女房の奮闘を描く表題作。金髪の子を生み落とした明治政府高官の妻、政府お雇いの外国人に嫁いだ旧藩主の姫君など、激動の世を生き抜く女たちの心模様と身の処し方を細やかに綴る4編。女の哀しさと潔さが胸に迫る新・時代小説集。
  • へぼ侍
    3.6
    西南戦争を痛快に描く、松本清張賞受賞作。 大阪で与力の跡取りとして生まれた志方錬一郎は、明治維新で家が没落し、商家へ奉公していた。 時は明治10年、西南戦争が勃発。 武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は、意気込んで戦へ参加することに。 しかし、彼を待っていたのは、落ちこぼれの士族ばかりが集まる部隊だった――。 解説・末國善己 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本『へぼ侍』を加筆・修正した文庫版を底本としています。
  • 米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて
    4.0
    沖縄戦の直後、アメリカ陸軍は兵士向けに、日本軍との戦闘用マニュアル『卑怯な日本軍』を刊行した。その小冊子には、太平洋戦争の末期、アメリカ軍が日本軍に対して抱いていた「卑怯」というイメージがあふれている。 本書の第一章では、その記述や写真・図版をもとに、アメリカ軍がいかに、日本軍の不意打ち、地雷、トラップといったゲリラ戦術を警戒していたのか明らかにする。 第二章以降では、逆に日本軍が作成した対アメリカ戦闘用のマニュアルを紹介する。対米戦マニュアルの原型は対中国戦向けであり、日本軍の戦法についていえば、日中戦争と日米戦争は不可分であった。また、対米戦法の模索をみながら、日本の軍人たちがどこに勝機を求めていたのかを考察。 気鋭の歴史学者が、マニュアルを読む日米兵士の立場から、あの戦争について考える。当時の両国兵士の意識を知ることは、日米関係の将来を冷静に考えるためにも必要ではないだろうか。
  • 米中もし戦わば 戦争の地政学
    3.9
    「トランプ政権の教科書」と言われた衝撃の書が文庫化! 米中貿易戦争を仕掛けた異色の大統領補佐官が説く、米中軍事衝突の可能性。トランプの対中戦略の狙いは、全てこの本から読み取れる。 解説・飯田将史
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    4.1
    映画より面白い映画評論がここにある! 町山智浩&柳下毅一郎による、伝説の映画活字漫談が1冊になって堂々復活。映画へのほとばしる愛ゆえに怒り、ツッコむ2人が、ときに対立も辞さず語り尽くす。『千と千尋の神隠し』のアンタッチャブルなテーマを喝破し、『スター・ウォーズ』を『巨人の星』に、『チャーリーズ・エンジェル』を「通いたい店」に喩える掛け合いは、まさにこのコンビならではのもの。傑作はもとより、クサしている映画までつい観たくなること請け合いの、怒濤の91本。
  • ベッドの下のNADA
    3.0
    郊外の古いビルの最上階に住みながら、その地下で喫茶店NADAを営む夫と妻。常連客が集う中、睦まじく振る舞う2人だったが、その裏では、夫の背徳が密やかな嘘を呼んでいた――。夫婦それぞれの心の内を、子供時代の追憶を織り交ぜて描き、不穏な日常を静かに浮び上らせた、こわいまでに美しい物語
  • べっぴん あくじゃれ瓢六捕物帖
    3.0
    絶世の色男が活躍するシリーズ第3弾! 娑婆に戻った瓢六の今度の相手は、妖艶な女盗賊。 いくつもの事件に関わりながら、正体を見せない女の真の目的は? 衝撃のラスト! 売れっ子芸者のお袖との仲も円満、親友に恋の指南もするとびきりの色男・瓢六。智恵と愛嬌を買われ駆り出されたある事件の聞き込みで、致命的なミスを犯してしまう。 自分には何かが欠けている――お袖とも離れ、重い心を抱えた瓢六は、事件の陰にいる謎の美女を追い詰められるのか。 人気シリーズ新展開!
  • 別人「群ようこ」のできるまで
    4.4
    「ヨメにいくか? 働くか?」といったら答えは明白。卒業間際に必死で職探し、やっと代官山の広告代理店にすべりこみ。カッコいいお勤めと思ったのに、残業時間はものすごく、上司ときたらいやらしい。「こんな会社やめてやる!」。転職を重ねること六回目、遂に落着いた先が椎名誠、目黒考二、沢野ひとしの「本の雑誌社」。苦情電話と台帳相手に、留守番ひと筋のイライラを原稿用紙にぶつけて解消するうちに、いつの間にやらエッセイストになりました。
  • 紅ぎらい 献残屋はだか嫁始末
    -
    美貌と気立てを見込まれ、江戸でも指折りの献残屋(江戸の高級リサイクルショップ)に嫁いだおしの。夫が外で生ませた子を育てながら、店の女主人として迷い決断しながら成長する、第一弾『はだか嫁』に続く第二弾。理解ある舅・姑とともに大店・仙石屋の暖簾を守るおしのだが、大地震の後、店を追われたもと夫が妾と娘を連れて戻ってきたからさあ大変! 跡継ぎ息子の実母であることを盾に女主人の座を狙う妾のおみね、店を支えてきた誇りを胸に迎え撃つおしの。女同士、進退かけた分け目の戦が始まる。新感覚時代長編!
  • ベラ・チャスラフスカ 最も美しく
    4.0
    祝・2020年東京五輪開催決定! 4年に一度、スポーツヒロインを生み出してきたオリンピック。1964年、前回の東京五輪の華といえば女子体操個人総合金メダルのベラ・チャスラフスカです。しかし、東欧社会主義圏のチェコに生まれ育った体操の女神のその後の人生は、あまりにも過酷なものでした。時代の荒波に翻弄されながらも自分の生き方を貫き通そうとした女性の個人史を丹念な取材によって描いた、大宅賞作家・後藤正治渾身の力作!
  • べらぼうくん
    4.1
    大学入学後の夏休み、海外で身ぐるみ剥がされサバイバル。在学中、書きあげた小説を読んだ友人からは「気持ち悪い」。卒業後、のどかな静岡での工場勤務から一転、作家になるべく上京するが……。自らの言葉を生み出し始めた浪人時代からデビューするまでの、うまくいかない日々を軽妙に綴る、青春&人生エッセイ。解説・浅倉秋成 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ベリィ・タルト
    3.9
    花火大会の夜、元ヤクザで芸能プロ社長の関永が見つけたのは、印象的な瞳をもつ美少女リン。関永の弟分で健康マニアの小松崎や、ヘアメイクの大御所・仁の手によって、リンは洗練されたアイドルに変貌してゆく。しかし人気が急上昇し始めた矢先、大手プロからの横槍で移籍を強要されることに……。個性豊かな登場人物、リアリティあふれる業界描写、圧倒的なビジュアル喚起力とスピード感をもつ痛快青春小説。
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    4.3
    「勉強」が気になっているすべての人へ! 勉強ができるようになるためには、変身が必要だ。 勉強とは、かつての自分を失うことである。 深い勉強とは、恐るべき変身に身を投じることであり、 それは恐るべき快楽に身を浸すことである。 そして何か新しい生き方を求めるときが、 勉強に取り組む最高のチャンスとなる。 日本の思想界をリードする気鋭の哲学者が、 独学で勉強するための方法論を追究した本格的勉強論! 文庫本書き下ろしの「補章」が加わった完全版。 解説・佐藤優 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本を基にした増補文庫版を底本としています。
  • ベンチャーな人たち こんなに「ビル・ゲイツ」がいるの?
    3.5
    著者の仕事は、ベンチャー企業に出資して育てること。いや、むしろ押し寄せる100人のうち99人の提案を「残念ながら…」と断ること? 「ついに永久エネルギーを実現しました!」「某国沖でマグロを捕ります。近辺の海賊とはコネがあります」…ベンチャー企業への投資を展開する著者のもとを訪れる“日本のビル・ゲイツ”たち。笑わずにはいられない珍談、失敗談満載のビジネス・エッセイ。こんな失敗だらけで大丈夫? と心配になったあなたは、すでに著者の手中です。
  • 北京大学てなもんや留学記
    3.7
    オリンピックでも国力を見せた中国は、いまや昇竜の勢いだ。さて、著者・谷崎光はただいま北京に留学中。現在の日本と比べても、その生活は驚きの連続。「反日感情の正体」「中国人の金銭感覚」「なぜ中国人はプレゼントがうまいのか」「知日教授のSM日本経済授業」「偽物だらけのスーパーマーケット」「中国に留学する外国人のタイプ」から、真に役立つ「中国語の上達法」まで、報道では分からないリアルな情報を、写真満載で大公開!
  • ペット・ショップ・ストーリー
    3.3
    東村アキコ氏絶賛「不倫の漫画を描くのに、とても参考になりました」 女が本当に怖くなる11の物語。 理由あって、都会から実家に戻った「私」は、年老いた母とペットのマルチーズと暮らしている。 時どき立ち寄るペットショップの女主人・中山圭子は、犬や猫をあやしながら、さり気なく飼い主から話を聞き出すのが得意。 圭子のもたらす情報が、「私」のどす黒い過去を甦えらせる――。 表題作ほか、婚期をのがした娘の子宮切除手術の前夜、娘の傍らで眠る父の悲哀と甘やかな妄想を描く「初夜」。 バーで独り飲む女にバーテンダーが語った奇妙な体験「眠れる美女」。 可愛かった妹の人生が低迷してゆくのを見守る兄の心理「いもうと」。 初めての不倫にふみだす妻のためらい「春の海へ」。 故郷の町に戻ってきた三人の女たちに渦巻くねたみと憎しみ「帰郷」など、10篇の恋愛官能小説集。 解説・東村アキコ *本書は2005年6月に文藝春秋より刊行された文春文庫『初夜』を改題し、解説を加えた新装版です。収録している短篇は同じです。
  • ペット・セマタリー(上)
    4.1
    2019年、リメイク版映画が公開! 競争社会を逃れてメイン州の田舎に越してきた医師一家を襲う怪異。モダン・ホラーの第一人者が“死者のよみがえり”のテーマに真っ向から挑んだ、恐ろしくも哀切な家族愛の物語。
  • ペルシャの幻術師
    3.4
    十三世紀、モンゴル軍に占領されたペルシャ高原の街メナム。そこにはモンゴル軍の司令官、大鷹汗ボルトルからの求愛に悩む美姫、ナンの姿があった。ある日、ナンは市場で青い衣をまとった不思議な人物、アッサムに出会った。アッサムは幻術によって、ナンにこれまでにない快楽を味あわせ、さらにボルトルをもその術中に陥れていく。初めて司馬遼太郎の筆名で書かれた幻のデビュー作である表題作など初期の作品全八篇を集めた短篇集。
  • ほいきた、トシヨリ生活
    3.0
    オシャレで粋な「おひとりさま」の先駆者、中野翠さんは、70代でひとり暮らし歴40年以上!  「サンデー毎日」の連載コラムも「週刊文春」の映画評も30年以上のご長寿連載を誇る、日本を代表する名コラム二ストです。ひとり暮らしもいつも楽しそう。 「トシヨリ」なんて言葉が似合わない中野さんいわく、「気づいたらいつの間にか私もトシヨリになっていた」。 そんな中野さんならではの、老後を愉しく過ごすヒントが満載の一冊です。 人生100年時代。定年後、老後は、やっと訪れた「人生の放課後」。 あれもしたい、これもしたい、でも時間がない……!と思い続けていたことを、 ようやく誰にも邪魔されずに愉しめる時間がやってくるのだ。 「孤独もまた楽し」と思えるトシヨリ生活の秘訣を「ひとり暮らしの達人」の中野さんが大公開。 映画評論家としても、数多くの映画を観てきた中野さんによる、観るだけで元気になれる「おすすめ老人映画」は必読必見! なんでトシヨリのパジャマはネボケた色の花柄ばかりなの? トシヨリこそ思い切って赤!  アートなアクセサリーでメリハリをつけつつラクチンな「バアサン・ファッション」のコツとは? 地球儀と高校の教科書を手元においてメール句会でボケ防止。 「最後まで一人を愉しむ」ヒントが満載です。 解説は今大人気の浪曲師、玉川奈々福さん! 奈々福さんいわく「『年の取り方って難しいよなあ』と眉根を寄せていた額が、やわらかくゆるむ気がします」。 ※この電子書籍は2019年6月に文藝春秋より刊行された単行本『いくつになっても トシヨリ生活の愉しみ』を加筆・改題した文庫版を底本としています。
  • 崩壊の森
    3.5
    1巻1,001円 (税込)
    日本人特派員、土井垣が降り立ったソ連は“特ダネ禁止”の地だった。 謎に包まれた帝国で監視の目を潜り、取材を開始する土井垣。しかし、その周囲では次々に不可解な出来事が起こる──。 ソ連崩壊という世界的スクープを報じた斎藤勉をモデルに、魑魅魍魎が蠢くソ連崩壊前夜を圧倒的リアルで描き尽くす。 今、読むべき本物のインテリジェンス小説!  諜報、盗聴、罠、駆け引き、裏切り…… “ソ連崩壊”を世界に先駆けて報じた 日本人記者が見た「真実」とは?   「どうやら、この国のことを少し甘く見ていたらしい──」 吉川英治文学新人賞を受賞した『ミッドナイト・ジャーナル』、直木賞候補となった『傍流の記者』。 気鋭の著者が放つ、極寒の氷をも溶かす熱き闘いの物語! 解説は、保守派に換金されたゴルバチョフの生存情報の第一報を伝えた、当時、在ソ連日本国大使館の三等書記官だった作家の佐藤優さんです。 ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 放火魔
    3.5
    同じ車両の乗客が2人とも殺人犯である確率は1億分の1……。新宿発村上行の快速「ムーンライトえちご」で隣合わせた女性客。彼女の紙袋から漂う怪しいにおいの正体とは(「危険な乗客」)。振り込め詐欺、連続放火、交換殺人etc.日常の裂け目に潜む犯罪を描く、人気シリーズ「――者」スピンオフ短篇集。
  • 北条政子
    4.1
    2022大河ドラマ主人公・北条義時の姉にして、源頼朝の妻。 彼女はいつも動乱の渦中にいた。 伊豆の豪族・北条時政の娘に生まれ、 流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への叛旗をあげる。 源平の合戦、鎌倉幕府開設―― 御台所になった政子は、実子・頼家や実朝、 北条一族、有力御家人達の間で自らの愛憎の深さに思い悩む。 歴史の激流にもまれつつ乱世を生きぬいた女を描き、 NHK大河ドラマ「草燃える」原作にもなった傑作歴史長編。 解説・大矢博子
  • 法廷 弁護士たちの孤独な闘い
    3.0
    昭和三年、広島で起こった養母殺しの容疑者山本老は、実に五十数年間に渡って無実を訴え続けて再審を請求、「第二の加藤老事件」といわれている。昭和四十九年、千葉で起きた両親殺しの容疑者は「史上稀に見る残忍な凶悪事件」として死刑を言い渡された……。陪審制度支持の立場から、長年に渡って日本の司法・裁判制度の問題点を追及してきた著者が、周到綿密な取材をもとに、冤罪事件に取り組む弁護士たちの、地道で真摯な闘いを描いた異色の裁判ドキュメンタリー。
  • ほかげ橋夕景
    -
    父を想う娘の涙、師弟の絆。とびっきりの人情譚! 祝言が決まった娘は冷たくなった父に戸惑う…。親子の絆、恩人への情、清水の次郎長晩年の逸話など、人情時代小説の粋を集めた八編。 解説・長宗我部 友親 (長宗我部家十七代目当主) ※この電子書籍は2010年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 北緯四十三度の神話
    3.5
    「大事な人の死は、たぶん決して忘れることはできません──」ラジオの深夜番組DJをしている快活な妹・和貴子と、卒業後も大学で生物工学の助手として働く勤勉な姉・菜穂子。姉妹は中学時代に両親を事故で亡くし、祖父母に育てられた。北の街を舞台に、対照的な2人の微妙な距離が丁寧にたどられていく。ふたたび大切な人の死を経験したことをきっかけに、ボタンを掛け違ってしまった、それぞれの想い。その行き着く先は──。清冽な感動を呼ぶラスト。
  • 干し芋の丸かじり
    4.0
    シワシワでもティラミスと同格のスイーツだ 実はどこのスーパーにもあるオッサン系スイーツ「干し芋」。みんなが知らないその実力を懇切丁寧に説き起こす超人気食べ物エッセイ。 単行本 2021年11月 朝日新聞出版刊 文庫版 2025年2月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 星落ちて、なお
    3.8
    女絵師の一生を描ききった直木賞受賞作! 不世出の絵師・河鍋暁斎の娘とよは、暁翠の画号をもつ女絵師。 父亡き後、仲がよいとは言えぬ腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、 洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。 明治大正の激動の時代、家庭の生活を担いつつ、 絵師として母として、愚直に己の生を全うした女の一代記。 第165回直木賞受賞作。 解説=東山彰良 ※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 星影さやかに
    3.9
    「マカン・マラン」著者が描く感動のファミリーヒストリー 昭和39年、羽田の町工場で働く良彦のもとに 亡き父の日記が届く。 戦時中に「非国民」と周囲から罵られ、 終戦後も自室にこもり続けた父を、 良彦はかつて軽蔑していた。 しかし、日記を紐解くと、 そこには父が口にすることがなかった想いと壮絶な人生、 そして良彦の家族三代をめぐる数奇な運命が記されていて――。 解説・中島京子 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 星の王子とわたし
    -
    「『星の王子さま』は、ただの作家の作ではない。航空士といたいけな王子とが、一週間そこそこ、人間の大地を遍歴する記録ではあっても、つまるところは、人心の純真さを失わぬおとなの眼に映じた社会批判の書である」(はしがきより)。サン・テグジュペリの謎に包まれた一生を解き明かし、かつて子供だったことを忘れがちなおとなのために書かれた原作のより深い意味を探って、曇りない目で物事の本質を直視する童心のありようを、愛情ゆたかに訴えかけるファン必読の名エッセイ。
  • 星の塔
    4.0
    螺旋(らせん)が屋上まで続き、今度はその道と入れ子のような下りの螺旋に変わる。珍しい造りだが世の中に皆無というものでもない。実際に会津若松の飯盛山にはおなじ構造の『さざえ堂』と呼ばれる塔が現存している。──(本文より) 山奥の村の古い時計塔、そこに住む古風な令嬢に隠された秘密をめぐる表題作ほか、「寝るなの座敷」「花嫁」「子をとろ子とろ」「蛍の女」「猫屋敷」「首継ぎ御寮」と、現代に甦る東北地方の怖くて甘美で不思議な七つの話。
  • 星のように離れて雨のように散った
    3.8
    孤独をおぼえる人に光射す物語 小学生の頃に失踪した父をモデルにした創作小説と宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を修士論文に選んだ大学院生の私。賢治の未完の物語に導かれるように、私は押し込めていた過去の自分と向き合っていく。 そして結婚を前提に同棲を望む恋人の亜紀との関係に息苦しさを覚え始め……。 迷いや痛みを抱えるすべての人に光射す傑作小説。 解説・柴崎友香 ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 星々の悲しみ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    喫茶店に掛けてあった絵を盗み出す予備校生たち、アルバイトで西瓜を売る高校生、蝶の標本をコレクションする散髪屋──。若さ故の熱気と闇に突き動かされながら、生きることの理由を求め続ける青年たち。永遠に変らぬ青春の美しさ、悲しさ、残酷さを、みごとな物語と透徹したまなざしで描く傑作短篇集。
  • 螢草
    1/5入荷
    -
    NHKでもドラマ化された心温まる名作 16歳の菜々が奉公に上がった風早家には、身分の分け隔てなく接してくれる主の市之進、優しい奥様の佐知と二人の可愛い子供たちが居た。 そそっかしいが、とことん真っすぐな性格の菜々は、失敗しながらも風早家に精一杯尽くしていく。 実は、菜々は武家の出。藩内の不正を明らかにしようとした父が切腹に追い込まれた後、出自を隠し母方の実家に身を寄せていた。 やがて佐知は結核で亡くなり、藩内の不正を正そうとする市之進も卑劣な謀略に嵌められる。 黒幕は無念の死を遂げた父の仇だった。 風早家の幼き二人の子を守るため菜々は孤軍奮闘し、一世一代の大勝負にでる──。 NHKのBS時代劇でドラマ化(清原果耶さん主演)されている痛快な時代エンターテインメント!

    試し読み

    フォロー
  • 螢火
    5.0
    明治から大正に移り変わる小樽。活気に満ちた北の街の片隅に、つるの染み抜き屋があった。女の細腕1本で店の切り盛りをするつるのもとには、今日も訳ありの染みが舞い込んでくる。様々な染みに宿る人生と向き合うつる。たまの息抜きは、長屋の住人たちが通う「ちぎり屋」の暖簾をくぐること。消せない過去を抱えた人々が織りなす人間模様。そしてつるにも、決して消えない心の染みが……。心に染み入る連作短篇全5篇。
  • ホテル・コンシェルジュ
    3.1
    コンシェルジュは名探偵!? 名コンビ九鬼&麻奈登場 「盗まれた仏像を取り返せ」「アメリカ大使の暗殺計画を阻止せよ」。どんな難問もホテルポラリス京都のコンシェルジュがズバリ解決。
  • ほとばしる副作用
    3.8
    「MEGUMIに一抹の知性を感じるのは気のせいでしょうか?」「もしかして広末涼子は人間ではなく、魔女なのでは?」「グレムリンに憑依されているとしか思えない邪悪な雰囲気を放つベッキー」…など、妄想&下ネタ凝縮のアイドル論から、話題スポットへのお出かけルポまで、毒気あふれる文とクセの強いイラストでお送りする<辛酸なめ子ワールド>。その歪んだ愛情表現のベースには、アイドルへの人一倍強い憧れが? “自虐テロリスト”辛酸なめ子の初コラム集!
  • 炎の陰画
    4.0
    1巻550円 (税込)
    昭和二十年三月十日、空襲の劫火をくぐりぬけた戦災孤児の健は、いつしかすべてをなめつくす美しい炎の妖しい魅力にとり憑かれていた……。戦争の傷痕を背負った人間の哀しみと異常な心理を描く表題作、夜になると家族が次々に箪笥に上って座りこむ、能登の民話にヒントを得た奇譚「箪笥」ほか、摩訶不思議な世界への扉を開く異色短篇「白鳥の湖」「森の妹」「ちゃあちゃんの木」「逃げる」「散歩道の記憶」を収録。自らの体験を背景に据えて、短篇の名手が紡ぐ妖(あやか)しの世界。
  • 炎は流れる(1) 明治と昭和の谷間
    -
    はたして日本人とは世界でもまれな精神構造をもった特異な民族なのか。近代夜明けの明治期を象徴するふたりの人物に焦点をあて、彼らの行動を支配した思考に迫る。この本は歴史というよりは、歴史を歩いたルポルタージュであり、いわば「タテの紀行文」だ。日本人の精神構造の中核を形成している「忠誠心」の源流をたずねて、乃木大将の殉死から筆をおこし、その死をめぐるさまざまな評価から、さらに赤穂浪士の仇討ちまでさかのぼって、日本的特性をさぐっている。
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話
    4.1
    世界的な物語作家と聖路加の気鋭の漢方医が打ち合う、生命を巡る白熱のラリー! 『精霊の守り人』から医学の未来まで、知的好奇心を刺戟する圧倒的な面白さ。 最愛の母の肺がん判明をきっかけに出会った作家と医者。 二人の話は、身体のシステム、性(セックス)、科学・非科学、自然災害、宗教、音楽、絵画、AI、直感……、 漫画から古典、最新の論文にいたるまで縦横無尽に広がっていき、物語の創作の源泉もひもとかれていく。 かつてないほど刺激的な思考体験ができる究極の一冊。 なんのために生まれ、なんのために生き、なんのために死ぬのか。 人は、答えが出ないとわかっている問いを、果てしなく問い続けるような脳を与えられて、生まれてきたのでしょうか。――上橋菜穂子 なんのための生なのか、という問いは、いささか弱音のようにも聞こえるのですが、この弱音こそが、優れた物語の書き手である上橋さんの「創作の源泉」であるように私には見えてくるのです。-――津田篤太郎 コロナ禍にみまわれた2020年、文庫化にあたって、新章「未曽有の難局にどう向き合うか」(津田篤太郎)、「地球に宿る」(上橋菜穂子)を追加。 【著者略歴】 上橋菜穂子 1962年東京生まれ。立教大学文学部卒業。文学博士。川村学園女子大学特任教授。89年『精霊の木』で作家デビュー。 著書に『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』『獣の奏者』『鹿の王』など。 野間児童文芸賞、路傍の石文学賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数多くの賞に輝き、 2014年には児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞する。 津田篤太郎 1976年京都生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。 聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長、日本医科大学付属病院東洋医学科非常勤講師、北里大学東洋医学総合研究所客員研究員。 西洋医学と東洋医学の両方を取り入れた診療を実践している。 著書に『未来の漢方』(共著)、『病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか』『漢方水先案内』がある。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ほむら
    4.5
    20代有吉佐和子の天才が輝く傑作短篇、復刊! 女犯の咎で寺を追われた僧侶、王昭君の肖像画を描く画家の懊悩。人間普遍の精神の血しぶきを鮮やかに描く初期傑作短篇集!
  • ホモセクシャルの世界史
    4.3
    世界史の中で封印され続けてきたタブー「同性愛」。古代ギリシアから、ルネサンスの禁欲、帝国主義と二つの世界大戦、性意識の増大した二十世紀に花開いた美と多様な価値観。その裏側には、知られざる壮大なホモセクシャル・ネットワークがあった。女性嫌いのルイ13世、英国の同性愛文化の開花、ホモセクシャルの夢の島、ゲイの王国、ホモ狩りの50年代、ナチの同性愛etc.衝撃エピソード満載。
  • ホリデー・イン
    3.9
    1巻509円 (税込)
    「初めまして、お父さん」。 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。 宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。 本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。 1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった 3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ! 4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由 5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には―― 6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間 ハートウォーミングな6つの物語。 解説・藤田香織
  • ホワイト・ジャズ
    4.5
    世界最高の暗黒小説にして警察小説の極北! <暗黒のLA四部作>最終作 番犬を惨殺した異様な侵入犯=被害者は市警と癒着した麻薬密売人。事件に異常な関心をみせる警察上層部はクライン警部補に徹底捜査を命じた。やがて警部補が探り当てたのは、警察組織内の悪辣な陰謀、市警とFBIの暗闘だった。脈打ち/暴走し/嗚咽する電撃文体がもたらす脳髄の激震! 解説・馳星周
  • 本意に非ず
    4.0
    明智光秀、松永久秀、伊達政宗、長谷川平蔵、勝海舟――。理想や志と裏腹な決意をせねばならなかった男たちを描く傑作歴史小説集。 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 本売る日々
    4.2
    本を愛し知識を欲する村人たちを描く! 文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、 20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。 上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は 近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、 彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ―― 用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々) 村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など 高価な本を購い、書店主と語り合う。 村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。 徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める 理由が分かってくる。 江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と 考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして 本を愛し知識を欲し人生を謳歌する 人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。 解説 平松洋子 単行本 2023年3月 文藝春秋刊 文庫版 2025年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 本が多すぎる
    3.3
    女子の心理、家族関係、下ネタに旅に歌舞伎に母と娘――。世相を的確に捉える「現代の清少納言」酒井さんにしか書けない、読み応えたっぷりの極上エッセイ集です。「週刊文春」に現在も連載中の名物読書エッセイ79編をオリジナル文庫化。酒井さんの心に響いた本たちの話題は、そのまま私たちのただならぬ共感と爽快感を呼びおこしてくれます。損はさせない一冊です!
  • 本気になればすべてが変わる 生きる技術をみがく70のヒント
    4.0
    本気で喜んだことがありますか。本気で怒ったことがありますか。〈本気〉になってはじめて人生は楽しくなる。〈修造流〉人生術70のヒント!
  • 本・子ども・絵本
    4.1
    「生まれてきて良かった」と子どもに思わせたい。 絵本で豊かな心の体験をした子は、人生に希望と自信を持ちます。 ロングセラーが待望の文庫化! 巻頭16頁にわたり、撮り下ろしの写真やイラストをカラーで追加しました。子育て中のお母さんお父さんなど、子どもと向き合う全ての方へ贈る名エッセイ。 物心つく頃から本に夢中になり、沢山の本を読んで育った中川李枝子さん。長年務めた保育士時代は、子どもたちに絵本の読み聞かせをしました。「本は子どもに人生への希望と自信を与える」と信じる中川さんが、信頼を寄せる絵本や児童書を紹介し、子どもへの向かい方などアドヴァイスを綴っています。 「ぐりとぐら」でおなじみの山脇百合子さんの可愛いイラストも多数掲載。 小川洋子さんの解説も必読です!
  • ホンダ神話(上) 教祖のなき後で
    5.0
    鍛冶屋の息子として生まれ、自動車修理工場の丁稚から身を興した天才技術者・本田宗一郎。金を集めることにかけては天才的な経営者・藤沢武夫。二人の運命的な出会いがホンダを創り、ホンダを独自の文化を持つ世界企業に育て上げた。ところがF1の世界チャンピオンを目指すホンダの足元を欠陥車騒動が揺るがした。藤沢は、水冷エンジンを嫌って、あくまでも空冷エンジンに固執する宗一郎への”クーデター”を敢行せざるを得なかった――。第27回大宅賞受賞作品。
  • 本朝金瓶梅 西国漫遊篇
    5.0
    おきんとお六、女ざかりの妾2人に挟まれて旅する江戸最強の色男・西門屋慶左衛門。伊勢参りのご利益か自慢のモノがついに回復! 京都で大坂で金毘羅で、西国の美女たちを相手に最高の快楽を求めるが……。色と欲にまみれた男女が豪華に繰り広げる、痛快エロティック時代小説が現代の“精力減退”に警鐘を鳴らす!? 中国四大奇書のひとつ、名作『金瓶梅』に林真理子が新たな命を吹き込んだ、ノンストップ・エンタテインメント第3弾!
  • 本朝金瓶梅 お伊勢篇
    4.2
    姦婦おきんに続き、今度は裕福な饅頭屋の後家、そして人妻お六も妾にした西門屋慶左衛門。江戸一の色男の評判は高まるばかりだが、なんと自慢の魔羅が役に立たなくなったからさあ大変。四国のお殿様が愛用しているという噂の強壮剤を手に入れるため、お伊勢参りにかこつけて妾二人と旅に出たが…地獄の沙汰も金次第、重い荷物は運ばせ、宿は選りすぐり、美少年の陰間や「筆おろしの神さま」まで飛び出して、色欲全開の東海道中絵巻! 豪華絢爛な新・官能時代小説、第ニ弾。
  • ほんとうの花を見せにきた
    4.3
    郷愁を誘う大河的青春吸血鬼小説! 中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま歳を取らない。 マフィアによる一家皆殺しから命を救われた少年は、バンブーとその相棒の3人で暮らし始めるも、 人間との同居は彼らの掟では大罪だった。 禁断の、だが掛けがえのない日々――。 郷愁を誘う計3篇からなる大河的青春吸血鬼小説。 【目次】 ちいさな焦げた顔 ほんとうの花を見せにきた あなたが未来の国に行く 解説・金原瑞人
  • 本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式
    4.0
    コロナ禍でさらに進んだ貧困問題 想像を絶する貧困のリアルから様々な支援の方策まで――国内外の最底辺を取材し続けてきた著者が若い世代に全力で届ける感動の講義。 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 奔流の海
    4.1
    人は運命に抗うことができるか? 1968年、後に「千里見の七夕崩れ」とよばれる大型台風による土砂崩れで、町は多数の死者・行方不明者を出した。 20年後、同じ町の旅館の娘・清田千遥は、東京からやってきた大学生・坂井裕二と出会う。裕二はなぜか夜ごと町を徘徊していた―― 激流に飲まれた運命がやがて大きな感動へとたどり着く。 『代償』『悪寒』のベストセラー作家・伊岡瞬史上、 最も残酷で美しい青春ミステリー! Apple Books Store 2022年上半期ベストブック(ミステリー部門) ※この電子書籍は2022年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 望郷と訣別を 中国で成功した男の物語
    3.8
    1巻1,008円 (税込)
    香港の社会に溶け込むことで、中堅企業の海外進出を成功させた経営者石井次郎。さらにいち早く中国進出を果たすと、日本企業の中国進出を支援するテクノセンター(日技城)を設立して、日中の架け橋となるべく活動する。その行動の源は、25歳の時に単身渡った欧州で学んだユダヤ商法と、デンマーク人から教えられた奉仕の精神にあった。閉鎖的体質といわれる日本企業の国際化のあり方と、不況下で停滞する人材の育成方法を、一人の経営者の人生を通して示した必見の作品。
  • 亡国スパイ秘録
    4.0
    「スパイ天国・日本よ、目を覚ませ」──初代内閣安全保障室長をつとめ、「危機管理」という言葉を創った男が、最後の告発! 少年時代にゾルゲ事件に関与。警察官僚として米国でスパイ研修を受け、007のように華麗にはいかないスパイ捜査や、ハニー・トラップの実態を学ぶ。国際インテリジェンス・オフィサーとして、戦中戦後の日本を見つめてきた著者の「インテリジェンスなき国家は亡びる」という遺言の書。 解説・伊藤隆 【本書で明かされた佐々淳行の“スパイ大作戦”】 ・少年時代に見た、父佐々弘雄と「ゾルゲ事件」 ・ワシントンで、CIA、FBIの秘密スパイ研修を受けた ・「ラストボロフ事件」で対ソ協力者に政界・財界の大物が ・外国人スパイを運用し、MI5に監視される ・我が友、MI6のフォーサイス ・各国諜報機関のハニー・トラップの実態 ・大物スリーパーとして瀬島龍三をマークしたが── 【本書は単行本『私を通りすぎたスパイたち』を文庫化にあたり改題したものです】
  • 暴走老人!
    3.8
    役所の受付で書類の不備を指摘され突然怒鳴り始める。コンビニで立ち読みを注意されて逆ギレし、チェーンソーで脅しをかける――。わずかなことで極端な怒りを爆発させる老人たちの姿から、その背後にある社会や生活意識の激変を探り、人間関係の問題を指摘して、「暴走老人」の新語を世に定着させた話題の書。
  • 傍聴者
    3.5
    彼女は女神か、悪魔か? 大好評「〇〇者」シリーズ なぜ、こんな女に? 彼女は女神なのか、悪魔なのか――。 結婚が決まっていた親友の死に疑問を抱き、ライターの池尻淳之介は真相を探り始めた。 “婚約者”牧村花音は、複数の交際相手を騙し、練炭自殺に見せかけて殺害したとして、起訴されている。そして迎えた初公判の日、傍聴席で被告を真剣に見つめる四人の女がいた。 平凡な容姿の彼女になぜ男たちは騙されたのか。そして彼女はなぜここまで人々の注目を集めるのか。 事件の全貌が見えた時、いつしか舞台は暗転し――。 実際にあった事件に材をとった、大好評「〇〇者」シリーズ。 折原作品の真骨頂とも言える、鮮やかなトリックが炸裂する! 文庫解説・高橋ユキ ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

最近チェックした作品からのおすすめ