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郊外の古いビルの最上階に住みながら、その地下で喫茶店NADAを営む夫と妻。常連客が集う中、睦まじく振る舞う2人だったが、その裏では、夫の背徳が密やかな嘘を呼んでいた――。夫婦それぞれの心の内を、子供時代の追憶を織り交ぜて描き、不穏な日常を静かに浮び上らせた、こわいまでに美しい物語
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Posted by ブクログ
井上荒野さんの「ベッドの下のNADA」、2013.5(文庫)発行です。ビルの地下にあるNADA(ナーダ)という喫茶店の岩崎夫妻(夫39歳、妻・翠35歳)を中心に常連客とのやりとり、夫妻の子供の頃の思い出とそのつながりを辿りながら展開していくストーリーです。夫妻がそれぞれ不倫してる感がありますが、夫の...続きを読む方が悪質ですw。夫が「ちょっと本屋に行ってくる」は不倫スイッチ・オンです。バレバレですが。連作6話。この二人、結局は仲がいいのかもしれません。不思議な読後感でした。なおNADAに意味はないようです。夫の名は?!
古いビルにの最上階に住みながら、その地下で喫茶店を営む夫と妻。 夫と妻、交互に語られるお話は、常連客に仲睦まじく振る舞う姿とは裏腹に、それぞれが秘密を胸に、お互いの胸の内を探り合いながらの日常を映す。 『僕らは三本脚の椅子のようなもので、四本目の脚としてミノルが必要だという気分』という、結婚五年目と...続きを読むいうのに、この不安定で倦んだ関係…。 井上荒野って、こういう男女の機微を描かすと巧いよねぇ。 ただ、巧いとは思うけど、世の中の夫婦って、こんなに駆け引きしながら暮らしているのか?って、凄く現実感は薄い。 確かに心に疚しいところがあれば、これもありかもしれないけど、こんなやり取りしてたら、夫婦って続かないぞぉという気がするな。 この後に読むうちの嫁さんはどう反応するかな?共感したりすると、ちょっとかなわないなぁ…。
江國香織より、最近は井上荒野のほうがよく読むものの、たぶん著者名隠されたらどちらの作品か分からないだろうな。 この作品もそう。でも、ある一時期から、タイトルに惹かれるのは、井上作品が多くなった。そして、タイトルからイメージする、これを読んだらこんなふうだろうな、こんな気持ちになりたいな、という無意識...続きを読むかもしれないがたぶんそこにあるはずの期待を、いい意味で裏切らない。と思う。 だから、まあ安心だし、満足もするけど、何が強烈に心に残るってわけでもないので、ワイン片手に無声映画を観るように読みたい一冊。
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