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Posted by ブクログ
女犯を犯した僧、それを匿う嫗、炊事を担う娘の3人を描いた「ほむら」、かつて求婚された嫗が帝に会いに来る「赤猪子物語」、とある夜に行われる歌舞伎を軸に2組の男女を描く「千姫桜」、絵に非凡な才を表した男の荒んだ家庭生活を描く「紫絵」、年増の女と顔に大きな痣のある男の馴れ初めと顛末を描く「『薬湯便覧』由来」、とある妓楼で切支丹となろうとした遊女と女郎を描く「第八戒」、王昭君の似顔絵を描くことになったものの思うように行かず苦悩する絵師の「落陽」、庭師として名を残したいと思う弟と諌める兄、それを取り巻く人々を描いた「石の庭」を収録。「『薬湯便覧』由来」だけは少し異質なように感じられるが、いずれも人の業と意思の深さ重さを感じる作品だった。あとがきに曰く、著者は生前「(自分の作品を)面白いと思ってもらえたらいい」と言っていたとのことだが、今までも『非色』『断弦』など読んできた身としては著者の作品は、interestであれfunであれ「面白い」という気軽な形容はあまり似つかわしくなく、むしろ文学的な価値の高さを感じる、考えさせられるものがほとんどのように思う。いつかこれらの作品の中に面白さを感じられる日が来るのだろうか。
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