上橋菜穂子の作品一覧
「上橋菜穂子」の「香君・文庫版」「獣の奏者 全5冊合本版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「上橋菜穂子」の「香君・文庫版」「獣の奏者 全5冊合本版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
立教大学文学部卒。1989年『精霊の木』でデビュー。『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、『精霊の守り人』が野間児童文芸新人賞・産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞しTVアニメ化もされた。『獣の奏者』もTVアニメ化された。作品に『守り人』シリーズ、『旅人』シリーズ、『狐笛のかなた』などがある。父は洋画家の上橋薫。
Posted by ブクログ
一度は静まったはずの天炉のバッタ。
けれど物語は、まるで風が巻き戻るように、
再び羽音が空を覆うところから始まりました。
この巻があるということは、きっとまだ世界には揺らぎが残っている――
そんな予感を胸の奥で鳴らしながら、私はページを開きました。
バッタたちは、生き抜くために、より大きく、より強く変わっていた。
その変化を知ったアイシャは、御前会議で
「国中のオアレ稲を焼くべきだ」と進言します。
それを実行できるのは、皇帝か香君の言葉だけ。
オリエとマシュウは策をめぐらせ、
香君としての言葉が民に届く場を用意しようとします。
しかしその思いを察したイール・カシュガは、
オリエに毒を盛ると
Posted by ブクログ
「なにか呼んでいる、遥か遠いものを」
その帯を目にした瞬間、胸の奥で小さな気配が動きました。
――呼ばれてはならないものが、呼び出されてしまうのだ、と。
ミリアに攫われたアイシャたちが見た、
海辺で風に揺れるオアレ稲。
本来そこにあるはずのない生命の姿。
そして、〈絶対の下限〉を越えて育てられた稲が放つ、
「来て」と囁くような気配。
応じる生き物のいないその声は、
ひどく静かで、どこか不吉でした。
やがて見えてきた“救いの稲”という名。
政治のために掲げられた旗のようなその言葉の下、
遠い異郷からマシュウの父が戻る知らせが届きます。
そこで出会ったのは、マシュウに似た男と、
空気をざわめか
Posted by ブクログ
その壮大にして芳醇な世界観に、まさにこれが小説と評すべき一冊であろう。
例えば「東乎瑠(ツオル)」「飛鹿(ピユイカ)」などなど、この呼び方からして何処からその発想を得たのか、これほどの世界観を創り出せることに驚嘆の一言である。
著者の上橋菜穂子さんは文化人類学専攻で、アボリジニーの研究者とのことなので、そういった民族的な言語を活かし物語に深みを出しているのかなど、勝手な想像をしてしまう。
岩塩鉱で奴隷となっていた主人公ヴァンに対して、まるで意思があり、動物の如く襲来した「黒狼熱(ミツツアル)」という感染病に次々と人々が死にゆく姿は、まるで少し下火とはなったものの、今でも脅威でもあるコロ