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Posted by ブクログ
久しぶりにファンタジーでも読むかと思い、上巻を購入したのが15年くらい前。そのまま本棚に突っ込んでいたのを、急に読もうかという気になって引っ張り出して来ましたが、この年でいまさらファンタジーというのもあれかなと思いましたが、面白かったです。
まず章立てがちょうどいい長さにまとめられていて、入浴中に読むとちょうどアニメ1話分くらいの読後感で、読みやすかったです。またファンタジーとはいえ、いろんな要素が現実世界のリアリティラインから外さず、その辺も読みやすさの一因なのかなと思いました。
闘蛇と王獣、真王と大公の関係が、ちょうど日本とアメリカ、または国内の天皇制、核の問題などが読み取れて、その辺はちょっと大人向きを感じる要素かなと思いました。
ただ、あとがきを読んでみると、王獣編までをわずか3か月で書ききったとのことで、そういう要素を織り込もうとして織り込んだわけでなく、手近にあるテーマを引っ張ってきたらたまたまそうなったのかなという印象でした。
エリン中心に物語を引っ張っていくので分かりやすいのですが、ジョウンやユーヤン、イアルなどがあっさり退場していったのがちょっと物足りなかったかなと思いました。続刊で、その辺が深堀されることを期待してもいいのでしょうか?
Posted by ブクログ
苦しい。
思えばエリンの周りには敵が多かった。祖父から始まり、闘蛇衆や、霧の民、そして王獣規範など。全ての事の始まりは、彼女の芯から溢れ出る知識欲とそれに伴う行動力だった。「私も母のようになりたい」「蜂の生態について知りたい」「野生の王獣のように、リランを育てたい」その結果彼女はかつてない偉業を成し遂げてみせた。しかし、その術は禁忌であり、歴史上に留めておかねばならなかった。
人は武力を求め続ける。地位のため、名誉のため、誇りのため。自らとはかけ離れた生態を持つ王獣。その力を我がものとするために、獣としての本能をも縛ってみせた。エリンはそれが許せなかっただけ。人は知識を探求するものを淘汰し、今に変化をもたらさない。これまでも歴史をなぞり、ただ安寧を求める。
同じようなことは高山羽根子著「首里の馬」でも描かれた。自らのため、または他者のために知識を蓄えようとするものを、嘲笑い、非難する。その結果、求める者が追放され、目の届かぬ位置への移動を余儀なくされる。本作品が現代の日本と全く違う世界であることを念頭に置いた上で、どの世界でも人は同じことを繰り返す。私はエリンに対して何もしてあげられない。無力である。それでも彼女の選択を尊重し、彼女の人生を見守ることはできる。そうしたいと思わせるモノを彼女は多く持っている。
苦しいことが多い本巻ではあるが、心温まる描写も少なくない。ユーヤンとの間で育まれる友情は心温まるし、リランの初飛翔の場面には驚き共に溢れる成長の喜びや、世界の美しさに感動した。
Posted by ブクログ
第五章 運命の曲がり角
1 竪琴の響き
2 運命の曲がり角
3 教導師たちの決定
4 最期の便り
5 傷
第六章 飛翔
1 不安の胎動
2 飛翔
3 霧の民(アーリョ)の大罪
4 野生の雄
5 二頭の飛翔
第七章 襲擊
1 真王(ヨジエ)の行幸
2 ダミヤの誘惑
3 襲擊
4 治療
5 闘蛇の印
6 決意
第八章 風雲
1 求婚
2 獣の血
3 ダミヤの命令
4 魔がさした子(アクン・メ・チヤイ)
5 露見
6 逃亡者
7 風の夜
8 王祖の来し方
9 虚しさの天地
終章 獣の奏者
1 払暁
2 弦の調べ
6章の終わりに教導師になったエリン
教えることについて。
学ぶということの、ふるえるような興奮を感じとってほしい、というエリンの言葉。
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